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Electric Emotional Entertainment Reserch Institute
 本「メインメニュー」は、話題ごとに古い順を原則につながりを考慮して並べています。

*更新情報(新規登録は右記「最新記事」をご覧ください)
 18/07/25:「サンプリング定理の勉強」記事をけっこう改訂しました。
 18/07/24:S/PDIFループバックの表現を「録音」から「キャプチャ」に変更しました。
 18/07/20:フィギュアスケート関連を別ブログに引っ越しました。
 18/06/30:カウンタが350,000を突破しました(21:12ごろ)。ありがとうございます。
 これより前


・007:諸事
・008:AVC基本コンセプトと使用機材履歴


【PC-Audio】
・053:ファイルオーディオの基礎知識
・129:デジタルオーディオの基礎知識
・066:デジタルデータはコピーで劣化するか
・089:リッピングソフトによる「ビット品質差」は存在するか (同じ0/1に音質差はあるか)
  ・140:リッピング環境による「ビット品質差」は存在するか (&仮想ドライブ効果考察)

■リクツを理解する
・113:サンプリング定理を改めデジタルオーディオの原理を勉強する
  ・131:DACチップ処理をシミュレーションしてサンプリング定理を可視化する
    ・136:デジタルフィルタが復元するサンプルの精度はいかほどか
  ・117:PCのアップサンプリングとDACのオーバーサンプリング
    ・124:PCソフトとDACチップハードのデジタル処理はどちらが高性能か
  ・132:アップサンプリング時の「Phase Response」設定で何が変わるか可視化する
    ・133:「Phase Response」と「Impulse Response」はハイレゾだとどうなるか
  ・159:サンプリング定理における復元プロセス「sinc関数畳み込み」を可視化する
・121:PCMの「TruePeak」とは何か (&「ビット落ち」考察)
・120:DSDの「MaxPeak」とは何か

■ハイレゾ
・065:ハイレゾファイルの中身はハイレゾ(良マスタリング)か
  ・134:ハイレゾ商品の出自とその意義
    ・151:ハイレゾ商品の実際
    ・152:DSDとPCMで波形が著しく違う商品の不思議
      ・153:DSDとPCMで波形が著しく違う商品の制作プロセス
・110:ハイレゾフォーマットの効能を聴き比べるには
  ・111:ハイレゾファイルに高域が入っているか確認する
    ・155:(ハイレゾか否かには関係なく)ピークが潰れていないか確認する
  ・112:システムはハイレゾ高域を再生できているか確認する
・069:foobar2000とSoX Resampler
  ・119:foobar2000のDSD変換とResampler-V
・116:基音と倍音からハイレゾの意義を考える
・125:ビット深度は“16”で足りているか
・128:ハイサンプリング領域にノイズ問題はないか

■リッピングする
・015:WAVフォーマットを理解しておく
・052:音楽CDのエラーとは何か
・013:PureReadの効能
  ・045:PureRead2は進化しているか
  ・139:PureRead3+は進化しているか (&セキュアリッパー効果考察)
・014:リッピング条件が異なるとリップされたデータは変化しているか
  ・082:ダメージディスクでは何が起きているか (リッピングまとめ)
  ・083:光学ドライブのダメージディスクリッピング得手不得手
・051:EACやiTunesが「エラー訂正」しているのか
  ・068:EACと新旧ドライブ
・084:音楽CDのエンファシスとは何か
・091:オフセットとプリギャップはリッピングにどう影響するか

■送る
・009:WASAPIおそるべし
・018:デジタルケーブルで音は変わるか
  ・071:HDMI光アイソレーション
・022:デジタル転送時にデータは変化しているか
  ・080:検証用デジタルデータ操作法
・040:デジタルなのに音が変わるワケ
  ・070:DAC方式とDSD再生
・039:ppmがジッタなのか
  ・050:アシンクロナスモードはフロー制御しているか
・114:インターフェイスとDAC事情から「ジッタ」について理解しておく
  ・115:ジッタ対策に何ができるか考える
・081:プレーヤソフト設定とデータ仕様が違うとビット深度はどうなるか

■鳴らす(USB→S/PDIF)
・010:PCセレクト(1):ONKYO製HDC-1L
・011:DDCセレクト(1):ONKYO製SE-U55SX
  ・024:SE-U55SX電源を安定化電源で
・041:DDCセレクト(2):RATOC製REX-Link2EX (USB-I/Fをワイヤレス化)
  ・042:REX-Link2EX電源をeneloopとかレギュレータで

■鳴らす(HDMI)
・023:SACDのDSD再生から始めるHDMI-Audio (&HDMI規格まとめ)
・044:PCのHDMIでハイレゾ&マルチ再生を試す (915GME&H55で味見)
・061:PCセレクト(2):J&W製E350-GT (S/PDIFからHDMIへ宗旨替え)
・062:PCセレクト(3):GIGABYTE製GA-E350N-USB3 (HDMI-Audio構築&UpSampling)
  ・063:HDMIリンクスピードと音質 (&HDMIモード詳細)
  ・072:Audio-I/FとしてのHDMIデバイス変更

■鳴らす(USB)
・090:DACセレクト(1):SONY製UDA-1
  ・118:UDA-1を「なんちゃってNOS-DAC」として活用する
・122:Audio-I/FとしてのUSB検討
・123:PCセレクト(4):GIGABYTE製GA-X79-UD3 (パワーオーディオに宗旨替え)
・126:DACセレクト(2):TEAC製UD-503
  ・127:UD-503のデジタル処理を確認する
・156:PCセレクト(5):ASUS製Z170-A(世代のジャンプアップを試す)

■いじる
・029:OSチューン
  ・020:OSのbit数やバージョンと音質
  ・056:Fidelizer導入記
・046:H/Wチューン
  ・073:クロックや電圧と音質
  ・074:DIMMと音質
  ・077:CPUコア数と音質
・064:プレーヤソフト制御法
・156:PC-Audioの遊び方&チューニングコンセプト


【Audio】
・028:アナログケーブルで音は変わるか
・033:805 VS 805S とユニット増し締め
・048:AVアンプの活かし方
・049:音が変わるって科学かオカルトか
・054:電力と節電とピークシフト (システムの実消費電力)
・067:マーラーとDBS
・088:グランドとアースを理解する
  ・144:グランド・アースとケーブル構造の関係を再考する
    ・145:グランドとアースをチューンする
・078:iTunes10と11で音質は異なるか:AAC編
  ・079:iTunes10と11で音質は異なるか:WAV編


【Visual】
・059:AACS都市伝説を追う:BDAV編
・060:AACS都市伝説を追う:PC編
・143:BDZ-EW1200導入記(&BD-RとREの容量)
・158:BDディスクのあれこれ


【PC】
■ソフトウェア
・026:Windows7アップグレード所作
・075:Windows8導入記
・138:Windows10(無償)ライセンス挙動

■ハードウェア
・038:DisplayPortとHDCPとWQXGAと
・047:MatrixRAIDの挙動を理解する
  ・142:Windows10の「記憶域」は使えるか
・055:パーティションオフセットの諸問題
・058:GfxカードとQuickSyncVideo共存方法
・076:GA-Z68X-UD3H-B3をUEFI化する
・147:Z170を修める
  ・149:NVMeも修める

■モバイル
・086:パケット料金を抽象化して考える
・087:モバイルルータとMVNO回線を選ぶ
・108:miix2でWindowsをモバイルする:ハード編
・109:miix2でWindowsをモバイルする:ソフト編
・130:スマホでG4通信とFOMA通話をデュアルSIM運用する
・137:ThinkPad X220改造とWindows10化


では

「サンプリング定理」その復元プロセスを可視化する

18/08/05初稿

 最近、故あってサンプリング定理の理解を再確認しています。
 その過程で「原信号復元プロセス」につきやっと解った気がするのですが、カンタンには自信は持てません(爆)。
 そこで、PCのソフトウェアで理解の裏取りをやってみました。

 個人的には意味があると思ってやってみたことですが、合ってる保証はありませんのであくまでも参考まで。


 「LPF」はLow Pass Filterの略です。
 「OSDF」はOver Sampling Digital Filterの略です。


■サンプリング定理はいかに「原信号を完全に復元」しているのか

 サンプリング定理を勉強していた時、非常にタメになった資料があります。
 東京電機大の「ディジタル信号処理の基礎」です(大変感謝しています。ありがとうございます)。
 今回も当該資料を読み込んだのですが、表題に関連する記述を抜粋引用してみます。

・波形の復元 (補間) は、パルス列波形と sinc関数との たたみ込み(= 理想ローパスフィルタ に通す )
・理想パルスが出力できない
・理想ローパスが存在しない
・最近の変換器 (オーバーサンプリング、∑Δ)では特性が改善された。(理想ローパスフィルタをディジタルフィルタとして近似実現したため)

出典:http://www.asp.c.dendai.ac.jp/ASP/DSPseminar08.pdf

#「理想パルス」と「理想ローパス」については、理想DAC(sinc関数畳み込みによる復元を理想的に実践するDAC)が存在しえないことの説明として。


 上記を代表とする情報から、まずは以下のように理解しました。

・数学的な原信号復元は「サンプル値とsinc関数を畳み込む」処理である
・理想パルス(インパルス)や理想LPFは存在しないので、上記数学的処理をそのままDACチップに実装することはできない
・理想処理にはならないが、現在のDACチップはOSDFなる信号処理としてそれをシリコン実装している

 …しかし、これだけでは“まだまだ”だと思いますので、もうちょっと突っ込んで考えます。


■復元プロセスを可視化する

・シミュレーションできるのではないか
 例えば、「sinc関数を畳み込む」とは具体的にどういうことでしょう? そして、それをDACチップが近似的に実現しているとは?
 がんばって具体的に記してみます。

・「パルス列波形と sinc関数との たたみ込み」とは、「サンプル値に対応するsinc関数の波形」を「各サンプル分全部合成」すること

・「サンプル値に対応するsinc関数の波形」とは、「サンプル値のインパルス応答波形」のこと

・「OSDF=インパルス応答するもの」である
 DACチップのOSDF特性としてインパルス応答波形が用いられている(*)ことなどから。
*:https://www.phileweb.com/review/closeup/akemd-ak4399/

・つまり、OSDFはsinc関数畳み込みを行っている(もちろん数式通りではない。もちろんそれがOSDFのすべてではない)

 ここでひとつ思い付いたことがあります。
 当Blogでは、DACチップではなくPCのプレーヤソフトなどで行われるOSDFが「アップサンプリング」と呼ばれていると考えています。
 上記の噛み砕き内容が正しく、かつOSDF=アップサンプリング説も正しいとすると、PCソフトによるアップサンプリングによって「数学的な復元プロセス=sinc関数の畳み込み」をシミュレートできるのではないでしょうか?
 可能なら、大変具体的にプロセスをイメージすることができるでしょう。
 そして、それが成立するなら上記の理解内容の確認にもなるでしょう。

・手法
 ということで、以下の手順でやってみました。

・≪WaveGene 1.50≫で44.1kHzサンプリングの14.7kHz/-3dBサイン波を生成
 1周期に3サンプルです。リコンストラクションのシミュレート記事と同じく見た目に印象的なサンプル位置にするため30°ズラしていますが、データをいじりやすくするため&CD規格に準ずるためこちらは16bitで。

・≪Sound Engine Free 5.02≫で6サンプル分(2周期)のみにカット
 あまりサンプル多いとメンドクサイので2周期分に。

・バイナリエディタで1~6番目までの1サンプルのみに書き換えたファイルを6個作成
 他の5サンプルを0000hに書き換えたものです。

・≪foobar2000 v1.3.8≫のResampler-V 3.2で8倍アップサンプリング
 Convert機能で6個の「各サンプルのインパルス応答波形ファイル」を出力。
 8倍なのはDACチップのOSDF性能に合わせたものです(先の記事と同じ)。

・8倍した波形ファイル6個を≪Wavosour 1.0.8.0≫のPaste&mixで全部合成
 ≪Wavosour≫は編集結果以外の改変もしてしまいますが、今回はざっくり波形が見られればよいので良しとしました。

・結果
 上図・・・1644の6サンプルしかないデータ
 中図・・・そのインパルス応答波形を全部合成したもの(中間プロセスは別図あり)
 下図・・・再現すべき14.7kHz/-3dBサイン波(比較用)

インパルス加算実験:結果比較

 中図を見ると、確かにこの手順で上図から14.7kHzのサイン波=原信号の復元が進んでいるようです。6サンプル=2周期分しかないのでまだグネグネしていますが、逆に6サンプルしかないのにここまで復元できるのですね。
 サンプル数が増えればどんどん14.7kHzのサイン波に近づいていくであろうことが想像できます。そして、現実では扱えるサンプル数が有限な以上完全には(理想的には)復元しきれないであろうことも。

 おぉ、ということはつまり「sinc関数畳み込みによる原信号復元を近似するDACチップ処理」のシミュレーションになっているようです。

 また、「6サンプルしかない14.7kHzサイン波」ファイルを8倍アップサンプリングした波形は中図とニアリーになりましたので、「各サンプルのインパルス応答波形を全部加算する=アップサンプリング(OSDF)の基本」と考えていいでしょう。
 そして、「DACチップのOSDFはサンプリング定理の数学的復元処理をシリコンに実装したもの」とも言えるでしょう。もちろんコストなどに見合った実現可能な範囲で、です。
 ということで、

・最近の変換器 (オーバーサンプリング、∑Δ)では特性が改善された。(理想ローパスフィルタをディジタルフィルタとして近似実現したため)
出典:http://www.asp.c.dendai.ac.jp/ASP/DSPseminar08.pdf

という、上述した大学資料の記述を「見える化」してみた結果、その考え方に矛盾はみられませんでした。
 また、このように復元するのですから、ナイキスト以下の周波数の集合体にしかならないのも納得です。

 なお、“畳み込む関数”が違えばインパルス応答結果も変わるワケで、それはOSDFやアップサンプリングの特性違いになることでしょう。


中間プロセス資料

 プロセスの説明として、以下に6個のサンプルを1個ずつに分解してインパルスにした状態を添付します。
 左側の上から下へ進んで右側に移る順番です。

インパルス加算実験:6インパルス


 続いて、上図のインパルス応答波形(8倍アップサンプリング結果)を示します。対応する順番に並んでいます。
 これら6波形を全部合成(加算)したものが上の中図になります。

インパルス加算実験:6インパルス応答


 Resamlper-Vの設定を記録しておきます。

インパルス加算実験:Resampler-V設定


■おまけ:CDフォーマットにおける“現実解”

 なんか思いついちゃいました。

 「サンプルは有限なので現実には復元しきれない」と記しましたが、インパルス応答値は中心から離れるとどんどん小さくなっていきます。ですので、中心からある程度以上離れれば、インパルス応答値の“理想との差分”は量子化誤差に埋もれちゃうのではないでしょうか。
 だとすると、無限のサンプルのインパルス応答を加算していく必要はなく、ビット深度に応じた“現実的限界”ってあるのかも知れません。

 ということで、音量0dBの最大インパルスファイルを作成し、それを上記8倍アップサンプリングし、1644=CDフォーマットにおける「インパルス応答限界」はどれくらいか見てみました。

インパルス量子化誤差


 下図が上図を同じ時間軸スケールで拡大したものですが、中央のインパルスから前後ともそれぞれ36サンプル分(プラスとマイナスのピーク-ピークがサンプル周期)あり、それ以降は量子化誤差以下(-90dBに満たない)となりました。
 つまり、前後とも37サンプル以上遠いサンプルのインパルス応答値は0になっちゃいますから、畳み込む必要はないということになります。
 24bit精度で出力した場合も見てみましたが、36サンプルの後5サンプル有意でしたがその後は0になりました(144dBまで分解した表示できないので振幅が収束した直後のサンプル値をバイナリエディタで確認)。
 これを見ると、CDフォーマットだったら前後合わせて100サンプルも畳み込めば十分?

 いやいや、当然実際にはもっといろいろな事情があるでしょう。例えば、Resampler-VのAttenuation性能を高くするとインパルス応答は長くなります。
 当然、24bitソースならもっと長く必要でしょう。が、CHORD社は「普通(のDACチップ)は200タップ程度」と言っているようです。
 DACチップで参照するサンプル数はそのくらいのスケール感なのかも知れません。


 以上、畳み込む関数のパラメータにもいろいろあるハズですから一例にすぎませんし、この考え方が合ってる保証もありません。
 けれど、CDフォーマットの場合は意外と身近に「理想の現実への落としどころ」があるのかも知れないな、と思いました。


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BDディスクの覚え書き

18/07/23初稿


■ディスク相性問題

 本項14/12/07初出。
 18/07/23、AACS:BDAV編から移動しました。

 BDZ-AT700と同時に購入した5枚組Verbatim(三菱化学)製BD-RE DL、AT700と相性問題? があるようです。
 購入当時、27GBくらいのタイトルを書き込み、とある事情でムーブバックしてさらに書き戻したら2層目がエラーで読めなくなりました(途中停止してハングしたようになる)。

 人生最初の25GB超タイトルのディスク処理であえなく玉砕(苦笑)。もちろんおろしたてメディアでした。

 何度か同じような確認を行って問題出なかったので“たまたま”なのか、またはファームが対応できてなかったのかなと思い2枚目以降はおっかなびっくりながら使ってました。
 といってもHDD容量削減のための一時的待避が主目的ですので、昨日、そろそろ1層メディアに保存しなおす作業しようかと思い立ち、ムーブバックしようとしたらエラーで停止してしまいました。何事もなかったように終了(HDDには何もなくディスクから削除はされていない)していて、最初は何が起きたか判りませんでした。最初の1枚は封印してましたので、それ以外の3枚で、です。ちなみに特筆するような回数の繰り返し使用はしていません。

 2枚目は複数タイトル記録していたのですが、全選択ムーブバックは新しい順に行われるようで、エラーした時点で終了しちゃうようです。問題タイトルを選択しなければムーブバックできました。
 3枚目と4枚目は25GB超のワンタイトルです。3枚目はPCで再生しようとしても半ハングのような状態になりましたが、4枚目は映像が乱れて再生されました。発生するのはバイト読みで22GBあたりですので、明らかに2層目への切り替わりポイント周辺です。

 どうしてくれようかと悩みましたが、試しに別のAT700でムーブバックしてみたところ、3枚目はやっぱりダメでしたが4枚目は成功しました。ならばと3枚目もやり直してみたら、2回目で成功。あきらめなくてよかった(笑)。
 3枚目は、PCでもBDR-S05Jだと映像止まるほどでしたがSW-5583だと乱れはするものの再生可能でしたので、ドライブ性能差や同じドライブでも“暖まり具合”などによって読み取り能力は変動するようです。

 試しに複数タイトルを記録している5枚目もムーブバックしてみましたが、やっぱり層切り替えを含むであろう位置にあるタイトルで失敗しました。リトライ5回目くらいで読めましたが… CDのリッピングかよ!(苦笑)

 多層メディアやっぱアブナイなぁ… レコーダとメディアどっちの問題なのか、どっちも問題なくて相性的なハナシなのかは解りませんが。
 BD-RE DLはPanasonic製しか流通していないと勘違いしていてVerbatimブランドを買っちゃったんですけど、ID読んでみたらVerbatim製でした。
 層切り替えのあたりに敢えてダミータイトルを記録して使う…なんてメンドクサイですよね(笑)。

 さて、ということもありXLには手を出していなかったのですが、この経験で、ふと「1層33GBの大容量メディア」と見なせるのでは? と思い付きました。33GB超の“連続再生しないと価値がないコンテンツ”を録画することはあまりないでしょうから(WOWOWの映画などでも30GBくらいかと)、たまにある25GB超・33GB以下のコンテンツ録画用に使うっていうのはアリかも知れません。



 まあ、素直にDR諦めてAVCモード使えばいいんでしょうけれど。


■ディスク容量

 本項15/01/11初稿。AACS記事から移動しました。
 さらに18/07/23、BDZ-EW1200記事から移動しました。

 思うところあって初めてBD-R購入しました。BD-RとBD-REって容量同じなんでしょうか?
 Panasonic日本製BD-R(上)とSONY多賀城製BD-RE(下)、まずはまっさらの新品ブランクディスク。
 Power2Go V6にて。

BD-Rブランク:P2G
BD-REブランク:P2G

 続いてAT700 2号機でフォーマット直後。

BD-R:P2G
BD-RE:P2G

 Windows8.1update1のエクスプローラで見ると…

BD-R:AT701
BD-RE:AT701

 BD-Rにフォーマットで作られたフォルダは見えますので、UDF2.6は書けないけれど読めはするんですね。
 V9でフォーマットしたBD-REもエクスプローラでは同じ容量でした。BD-Rもたぶん機種依存性はないのではないかと。

 BD-Rはマルチトラックになるんですね。知らなかった… レコーダにおける管理上の理由(ライトワンスの容量管理?)らしいですが、エクスプローラから見える容量が異なってるのはそのためでしょうか。機種やメーカによって管理方法が異なるなら容量も統一されてないかも知れませんね。

 ディスク総容量はおそらく同じっぽい気がしますが、マルチトラックになる分だけBD-Rの方がやや小さくなるのかも知れません。

 16/05/07追記:ちなみにBD-RE DL(Verbatim製)のフォーマット状態(コンテンツなし)です。

BD-RE DL:P2G

 容量は1層の23097.8MBに対し46195.8MBと表示されました。2倍ちょっと、ですね。


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コアなジェネレーションはギャップしているか

17/10/14初稿

 トランスポートPCをX79からZ170に組み替えました。ASUS製Z170-Aです。

 CPUは6コア12スレッドのCore-i7 3930K(3.2GHz,TDP135W)から2コア4スレッドのPentiumG4560(3.5GHz,TDP54W)に。
 マルチスレッド性能としては大幅グレードダウンですが、世代としては第2世代(のエンハンスですけれど)SandyBridge-Eから第7世代Kabylake(M/Bはひと世代前ですけれど)へのジャンプアップとなります。

 ジェネレーションギャップ、(だいたい)5世代分の影響や如何に?


■動機

 Z170構築の際NVMeについてさんざん調べた流れで、「オーディオPCのストレージをCPU直結のNVMeにしたらどうなるか」興味津々になっちゃいまして。

 だって、USB-I/FはすでにCPU直結していますから、そうすれば音源データをCPUを経由するだけで送り出せるような気がするではないですか。

 PCIe-I/FのSATAコントローラカード経由のSSDでも直結できますが、“よりシンプル”でないと魅力半減ですのでNVMeです。
 でも、現X79はNVMeから起動できないんですよね。システムも音源も1台に入れてしまいたいので、X79では実現できないということになります。
 そこに、Z170マザーが1枚余ってるワケで。壊しちゃったのでとりあえず修理見積もりしてみたら、あっさり直っちゃったんです。
 CPUは新たに調達しなければなりません。といってもZ170でX79の代替できるかどうかは不明ですから、お試し価格でないと踏み切れません。
 そこに、ちょうどオイシイ新CPU「PentiumG4560」が発売されてたワケで。



 Pentiumは、X79を組んだ時は2コア2スレッドでしたので候補になりませんでした(流石に4スレッド以上は欲しかったので)が、新型は2コア4スレッドになりました。
 Gfx性能や動画アクセラレーションなどの付加機能は要りませんので問題になりません。
 スレッド数はX79に比して1/3になるワケですが、3930Kでの負荷状況をみる限り処理能力的には全く問題ないハズです。
 G4560はKabylake世代であるのに対しZ170-AはSkylake世代ですが、メインPC用の6700KでUEFIアップデート済みなので使えます。

 いずれにせよM/Bだけあっても仕方ないので、これを調達しました。

 しかし、X79導入理由である「スレッドが多い方がよい」が世代を超えても成立するなら、音質的には退化してしまう可能性があります。
 もしそうだったら代替はあきらめてサブマシンにします。
 トランスポートとしてちょっとでも可能性を感じた場合は、6700Kを使ったりして追い込んでみるつもりで。


■構成

・ハードウェア
 以下のような違いになります。

・メモリ・・・DDR3 → DDR4
・メモリチャンネル・・・4 → 2
・メモリ枚数・・・4 → 2 (いずれも4GBモジュール)
・クロック・・・3.2GHz → 3.5GHz
・コア数・・・6 → 2
・スレッド数・・・12 → 4
・プロセス・・・32nm → 14nm+

 DDR4メモリはメインPCのZ170化の際に4枚用意したCorsair製を2枚流用。もともとオーディオ用途も考慮して選んだものですので。
 その他、CPUファンのみリテール品に変更した以外は、拡張カード類もそのまま移築しました。
 メインテーマだったストレージもとりあえず元のSSDのまま。512GB以上のNVMeはおいそれと買える値段じゃありませんので、まずはZ170環境にしたことによる影響を見定めます。

 スロット使用状況は以下のようになりました。
 Z170-AにはPCIスロットがあるので「NO-PCI」が無駄になりません。PCIeからの変換PCIですがNO-PCIには関係ありませんし(笑)。

・slot0:PCIe x1 NO-PCI Express
・slot1:PCIe x16 PP2U-E  CPUに一番近いところに配置(CPU直結)
・slot2:PCIe x1 空き
・slot3:PCI   NO-PCI
・slot4:PCIe x8 空き(CPU直結)
・slot5:PCIe x1 空き
・slot6:PCIe x4 HD7750  表示用&HDMI-Audio用I/Fとして

 3930Kと異なりG4560には内蔵Gfxがありますが未使用に設定します。オンボードデバイスも極力disalbeです。山ほどあるチップセットUSBはBluetoothドングルと調整用K/Bのために2ポートのみ活かしてdisable。

・OS
 システム入りストレージを再インストールすることなくそのまま移築したワケですが、問題なく動いています。Bluetoothドングルも何もせず認識。なのでオーディオ系のセッティングもそのままです。
 CreatorsUpdateはMSがオーディオ関連で“やらかしている(*)”ようなので、クリーンインストールせずに様子を見た次第。

*:UD-503でテストしてみたところでは、クリーンな状態からなら問題は起こらなそうですけれど。


■電力

 CPUのTDPはまるで違います。DDR4は低電圧化しています。DIMMは4枚から2枚になっています。
 が、それ以外はほぼ変更なしで以下の通りです。ワットチェッカにて。

・再生時  ・・・35W
・アイドル時・・・31W
・起動時最大・・・50Wくらい

 再生動作は「«foobar2000»による1644音源の32倍アップサンプリング→DSD256変換」です。

 解体直前に測ったX79の再生時は60Wでした。
 X79構築当時はHD5450が実装された状態で64W(条件はやや異なります)でしたので、HD5450で4W消費と推定。
 とすると、アイドルは当時61WだったのでHD5450レスならざっと57W程度でしょうか。
 起動時最大の低下に至っては“劇的”と言えるでしょう。

 スレッド数は1/3になりましたが、これはこれでよさげな気が(笑)。


■負荷

 では、気になる負荷状況はどうでしょう。タスクマネージャで比較してみます。システム入りSSDをそのまま移築しての比較です。動作モードは電力と同じです。
 まずはZ170。

Z170-A負荷2


 X79では同条件で以下の通りでした。

X79負荷2


 X79では4%/2.3GHzくらいでしたが、新システムは12%/1.5GHzくらいになりました。

 「使用率」が3倍になっていますが、スレッド数が1/3になってるワケですからそのまんまってカンジです。一方「速度(動作クロック)」は低下していますから、処理効率は上がっていると言えそうです。

 やっぱり5世代も違うと違うところは違いますねぇ。


■音質

 変わったように思います。クリアでシャープになったカンジでしょうか。といって高域がキツイなどというワケではありません。

 ところで、やっぱりメモリ設定いじると変わる気がします。
 電圧はデフォルトの1.2VのままだとX79より音量下がったように聞こえます。最低の1.0032(?)にするとX79と似た音色に。デフォルトの方が好みです(X79に勝るとも劣らない)。
 1.0Vにしたらリセットしちゃいました。1.1Vにしたら低域がふくれた感じに。1.2Vで2400MHzにしても同じです。
 どうも、かつてのE-350環境での経験とは異なり、電圧下げると好ましくない方向にいきます(苦笑)。
 スピードは100MHzの24倍で2400にしてみました。XMPで2666なのでそれを超えないところで。が、これも好ましく聴こえません。

 キリがありませんし、E-350の時ほど関心はないので追い込んだりはしていませんが、結局、“Z170-A環境では”XMP定格が一番よさげです。


 以上、X79+3930KからZ170+G4560への変更で音質劣化したとは思えませんでした。Windows10で使うのでなるべく新しい方が望ましいですしNVMeが使えるなどのメリットがありますから、Z170環境で常用しようと思います。

 X79にした理由である「スレッド数が多い方がよい」と相反する話になりましたが、それが差異パラメータになりえるのは同じ環境、または“同世代どうし”でのことであり、世代の違い(しかも5世代)はそれどころではない違いを産むのかも知れません。シリコンのプロセスは新しい方が有利なのかも知れません。
 メモリについても、プラットフォームが変われば全然違うということです。当たり前ですね。

 ちなみに、音質の感想もその理由付けも、もちろん一般論になりえる客観的な話ではありません。個人的におもしろがってるだけですので、その点よろしくお願いします。


■直結

・ストレージはCPU直結した方がよいのか
 「ストレージをシンプルにCPU直結したいのでNVMeを使いたい」が動機ではありましたが、SSDをそのまま移築して動かし始めてしばらくしたら考え変わってしまいました(笑)。
 下流からさかのぼって考えると、トランスポートPCにとって一番優先すべきは「USBコントローラの安定動作」だと思っていますので、「CPUのPCIeレーンはそのI/F専用にした方がいいのではないか」と。
 NVMeのI/FとしてはオンボのM.2スロット(PCH経由)の方が、変換カード経由より余計な接点少なくてよいような気もしますし。

 仮調達したNVMeをSSD(SATA3)に代えてM.2に実装してみたところ「おぉ、これはいい!」ってカンジでもなかったので積極的には動いていません。やるにしても低発熱タイプじゃないと“ナンカイヤ”なので、SM961あたりが安くなったらまた考えようかと思っています。

・CPU直結に注意
 ところで、拡張カードを「CPU直結したい(PCHを経由したくない)」場合はM/B仕様に注意した方がよさそうです。
 MicroATXなどでは、CPU直結のPCIeスロットは1本しかない場合があるためです。

#以下、解りやすさを優先し、一般的なIntelアーキテクチャのM/B製品を想定して簡略化して記します。

 CPUから出ているPCIeレーン数は16です。
 その16レーンは「1スロットのx16」または「2スロットのx8」に設定できます。
 ですので、CPU直結のPCIeスロットは「最大2」となります。
 一般的用途はGfxカードの複数枚使用ですから、敢えてx1やx4に実装することはまずありません。
 また、「2スロットのx8」に固定してしまうM/Bもまずないでしょう。

 そのため、「x8スロットを使うとx16スロットはx8になる」という仕様のM/Bは、その2スロットがCPU直結です。逆に言うとそれ以外のスロットはCPU直結ではありません。
 そして、そうではない仕様の場合、CPU直結スロットはおそらく1本しかありません。

#3スロット以上直結したい場合は、LGA2011などのハイパフォーマンス系を用いる必要があります。

 同世代のASUS製品で例を挙げます。

 ATX「Z270-A」のスロット仕様は製品webページによると以下の通りです。

  2 x PCIe 3.0/2.0 x16 (x16 or dual x8)
  1 x PCIe 3.0/2.0 x16 (max at x4 mode)
  4 x PCIe 3.0/2.0 x1

 同じくMicroATX「PRIME H270M-PLUS」は以下の通り。

  1 x PCIe 3.0/2.0 x16 (x16 mode)
  1 x PCIe 3.0/2.0 x16 (max at x4 mode)
  2 x PCIe 3.0/2.0 x1

 x16スロットの仕様が微妙に異なっているのが解ると思います。
 Z270-Aと異なり、H270M-PLUSではx8になったりするとは記されていません。ですのでx16固定のCPU直結スロットと推定されます(わざわざPCHレーンをここに使うとは考え難いので)。
 そして、CPUからは16レーンしか出ていませんから、H270Mでは1本目でそれを使い切っていることになります。

 よって、H270M-PLUSにおけるCPU直結スロットは1本目だけであり、2本目の「PCIe x16形状のスロットのx4」はPCHからのものとなります。残る2本のx1はもちろんPCHからのPCIeレーンです。

 複数のカードでCPU直結を狙う場合は要注意、ということで。

 なお、Intelの一次資料で確認していませんが以下記事など見ると、そもそもH270M-PLUSが採用しているH270はCPUレーンを「1スロットのx16」でしか使えないようです。
http://news.mynavi.jp/articles/2017/01/04/kabylake/

 余談ですが、最近のM/Bマニュアルにはブロック図が無くなってしまったようで、こういうことが解りにくくなりましたねぇ。

 ちなみにPCHとはいわゆるチップセットのことです(Z170記事参照)。もはや“セット”ではありませんけれど。


■備忘録

 HD7550のままなのに、X79ではVIERAに出なかったUEFI画面が出るようになりました。そういうモンなんですかね? DSP-Z7経由でも大丈夫です。


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音源制作プロセスを探ってみる

17/09/10初稿

 「HOT JAZZ」のハイレゾ商品にはいろいろ考えさせられました。

  ←もちろんこれはCDです

 実は、いろいろ考えた中で「制作プロセスの推定」も試みてたんですよね。DSDがイイカンジなのにPCMがめちゃピーク潰れしている理由を知りたいと思って。
 結局確定的なプロセスは判らなかったので煩雑さを避けるため記事からはカットしたのですが、モッタイないので(笑)別稿として記録しておこうと思います。

 ただし、少ない情報から仮定を含めて考えることになるので、合ってる保証は全くありません。趣味的に考えてみたもの、とご了承ください。


■機材情報を集める

 制作プロセス推定の手がかりとして、用いられた機材について情報を集めてみます。

・「DSD」「SBM Direct」
 まずはCDの帯やブックレットの情報をチェック。
 CDには表題のロゴがついてます。

SBM Direct

 調べてみると、「SBM Direct」というSONY製技術があるらしいです。


情報1.CDブックレット解説
 CDブックレットには以下のような解説があります(DSD64に関する一般的な解説も付いています)。DSDロゴとSBM Directロゴが初めて付いた「07:anthem」からずっと掲載されていますので、東芝EMI移籍のタイミングで変わったようです。

SBMダイレクトはDSDの2.8224MHzサンプリングのデータから、44.1kHzサンプリングの1ビット/16ビットデータへのダウンコンバージョンを行うシステムです。今までの機器のDATレコーダーやA/Dコンバーターにもこれと同じような働きをする回路が内蔵されていましたが、DSDの高音質をできるだけ維持しながら、16ビットの世界にダウンコンバージョンする為に開発されたものがSBMダイレクトです。DSD信号を一つのステージで、フィルタリングとノイズシェービングを行うことにより、再量子化エラーが除去されます。また、折り返しを最小限度に抑え、リップルを抑制しております。その目的の為に超精度シングルステージFIR(Finite Impulse Response)デジタルフィルターとノイズシェイバーが開発されました。このフィルターのタップ数は32,639という驚異的なもので、ソニーのリアルタイム・SBMダイレクトプロセッサーに搭載されています。

情報2.AV Watch記事
鈴木:DSD用に作ったマスターを元にしてPCM変換をしています。これにはSBM Directを用いています。

――あれ? SBM=Super Bit Mappingって24bitのオーディオデータを16bitに落とす際に使うディザーでしたよね?

鈴木:そうなんですが、ここで使っているのはDSDを44.1kHzのPCMに変換する装置です。SonomaからSDIFでSBM Directに送ると、PCMになって出てくるのです。スイッチがあって、これで16bitにするか24bitにするかの設定も可能になっています。

――とんでもなくデカい装置ですね! SBMってソフトウェアなのかと思っていました……。

鈴木:SBM DirectはSonomaよりも前にできているので1990年代後半だったと思います。かなりの大きさになっていますが、音質的には非常に優れていると思います。このSBM Directから出た信号をPCのワークステーションへ入れたらPCM版の完成です。

――単純にこの装置を通すだけで完成なんですか?

鈴木:基本的には、そのままなのですが、実際には補正を行なってはいます。というのも、DSDには3dB分のマージンがあるため、単純にPCMに変換すると3dB分音圧が下がってしまうため、そこを補正しないと弱く感じられてしまう。音質面では完成しているので、DSDの良さを残す形で調整しています。アルバムによっては、CD版はまったく違う雰囲気にするというというケースもあるので、その場合はマスタリングをやり直すわけですが、今回のアルバムではDSDにできるだけ近い雰囲気に仕上げています。

出典:http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20131209_626834.html

 SBM=Super Bit Mapping。SBMという技術(2496などのPCMマスターをCD化する)があり、おそらくそれは一般名称ですが、Directが付くとSONY製DSD→CD化技術のネーミング(おそらく固有名詞)になるらしいです。
 なお、以下の通りCD化専用とのことですので、PCM2496とは無関係ということになります。

――その24bit/96kHz版って、どうやって作っているのですか? いまのSBM Directだと16bit/44.1kHzか24bit/44.1kHzしか対応していないんですよね?

鈴木:時代的にSBM Directは対応できなかったので、24bit/96kHzについては、他社製品を使っています。

出典:http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20131209_626834.html

情報3.MMCDコンソシアム解説
SBMダイレクト(Super Bit Mapping Direct)はDSD(Direct Stream Digital)方式で収録された広帯域なきわめてアナログ信号に近い高速1ビットデジタルオーディオ信号の情報を可能な限りその純度を保ちながらCDのフォーマットに変換させる新技術。
鮮度の高いDSDの信号を超高精度デジタルフィルターと超高精度SBMによってピュアなアナログ情報を抽出し、CD化します。

出典:http://www.cds21solutions.org/mmcd/lecture/bodysau.html


 以上より、ロゴがあるということは、「何らかのDSDマスターがあり、そこからSBM DirectでCDデータを生成した」ことになります。

#ちなみに「SBM Direct」ロゴはDirectの方がSBMの上にレイアウトされていますが、ロゴデザインであって、各種情報では「SBMダイレクト」と表記されていますので名称としてはそれでいいでしょう。また、DSDロゴとセットになるワケですね。

・機材
 ブックレットには、使用機材として以下が挙げられています(ケーブルやマイクなどの受動機材は除きます)。

Special thanks from this recording to;
Accuphase Laboratory Inc. for providing
AD2401/DA9601 converters, PS1200/PS500, DP-600,
DG-48, DF-55 Sekiguchi Machine Selling co.Ltd.(後略)


 AD2401はADコンバータです。
https://www.accuphase.co.jp/cat/ad-2401.pdf

 DA9601はDAコンバータです。
https://www.accuphase.co.jp/cat/da-9601.pdf

 PS-1200とPS-500はクリーン電源です。
https://www.accuphase.co.jp/cat/ps-1200.pdf
https://www.accuphase.co.jp/cat/ps-500.pdf

 DG-48はイコライザです。
https://www.accuphase.co.jp/model/dg-48.html

 DP-600はAccuphase社のSACDプレーヤですね。
 デジタルI/F経由でDG-48を接続できるとのこと。
https://www.accuphase.co.jp/model/dp-600.html

 DF-55はチャンネルデバイダです(音源制作には関係ないと思われます)。
https://www.accuphase.co.jp/model/df-55.html

 とりあえず、2496のAD/DAプロセスがあるのは確かでしょう。


■以前のCD情報を調べる

 さらに、過去CDの情報も集めてみます。
 以下、分かりやすくするためアルバム名に発売順番号をふりました。

・DSDはどこへ?
 「22:HOT JAZZ」CDには「DSD」「SBM Direct」のロゴが付いてますが、DSD関連の機材はSACDプレーヤ(DP-600)しか記載がありません。
 はて? ということで、ロゴ初出「07:anthem」ではどうなっているか見てみます。

Special thanks from this recording to;
Accuphase Laboratory Inc. for providing
AD2401/DA9601 converters, PS1200/PS500,
Sony Corp. for providing DSD recording system,(後略)


 「22:HOT JAZZ」と比べると、DP-600らの代わりに「Sony Corp. for providing DSD Recording system」なる機材があります。“Recording system”ですからDSD-ADコンバータだと思われます。

 「基本2496制作で、当該機器でDSD化するプロセスがあり、CDはそのDSDをSBM Directで変換して作った」と考えるとしっくりきます。

 しかし、「Sony Corp. for providing DSD Recording system」は、「16:Adagio」以降ブックレットから消えました。
 でもDSD関連ロゴは付いたままです。「DSD-ADではない手段(普通に考えたらデジタル変換)でDSDマスターを作ってSBM Directを使った」と理解できます。

 DP-600は何に使っているのでしょうか。
 ぱっと見イコライザDG-48を接続するためのように思えますが、DP-600しか記載がないアルバムもありましたので違うでしょう。
 わざわざCDやSACDの円盤を試作して再生ってのはちょっと想像できないです。
 DSD-DAコンバータとして利用? でも、DSD64はHS-LINK経由でしか入力できないようです。プロ用には、HS-LINKでDSD64ファイルを出力できる機材があるのでしょうか。でも、だとするとDAC側のDP-600だけ記載してあるのも変な気がします。
 PCM-DAコンバータとして利用? だとするとDA9601と被ります。何らかの使い分けしているということでしょうか。

・DSD以前
 ちなみに、DSD関連ロゴが付く直前のアルバム「06:All For You」のブックレットにはこうあります。

This album was recording by Euphonix R1 24bit 96khz Sampling High Definition Recording

 Euphonix R1とはPCMマルチトラックレコーダとのことです。
http://connect.euphonix.com/documents/R-1brochure_V4r2.pdf

 シンプルに、DSDプロセスは無くPCM2496で制作していると理解でき、疑問点はありません。


■「HOT JAZZ」の制作プロセスを推定する

・推定のキモ
 ポイントは以下の通りです。

#以上はCDから得た情報ですが、配信用データも同プロセスの中で制作されていると思います(ポイント7参照)ので、そのまま採用します。

 ポイント0.制作現場では極力無駄のない制作プロセスを優先するハズ
 客観的情報ではありませんが、ポイントと考えていいと思います。
 商売ですので効率的にやりたいでしょうし、基本的にそれは音質的にもいいハズです。

 ポイント1.PCM2496のAD/DA機材が使われている
 機材がブックレットに記されていますので使われているでしょう。
 2496プロセスがあるということになります。

 ポイント2.「Sony Corp. for providing DSD recording system」は用いていない
 ブックレットから“削除されている”のでそうなのだろうと。何かが残っている場合は削除忘れかもしれませんが、消えているということは意識的に削除した可能性が高いでしょう。ポイント3に記す通り別の機材に置き換わってることからも。
 アナログをDSDでデジタル録音するプロセスはないということになります。
 ですので、DSD64商品は普通に考えたらデジタル変換で生成したものとなるでしょう。

 ポイント3.その代わりSACDプレーヤとイコライザが使われている
 まさか検品用ってことは無いでしょうから、制作プロセスで何かに使っているということになります。

 ポイント4.フォーマットはPCM2496だがスペクトルはDSD64
 普通に考えるとマスタリングより上流にPCM2496データがあるハズですが、そこからマスタリングしたものではなく、PCM2496をDSD64化した後にさらにPCM2496に変換して得たということになります。

 ポイント5.配信DSD64とピッチが違う(CDリッピングPCM1644ファイルとは同じ)
 前稿に示した情報です。
 DSD64からの再PCM2496化はアナログ変換ということになります。

 ポイント6.「SBM Direct」はPCM2496作成には用いられていない
 上述した情報によるとCD化専用ですから、2496には無関係ということになります。

 ポイント7.配信2496とCD1644の波形は酷似している
 配信のPCM2496ファイルとCDリッピングの1644ファイルはピッチが一致するだけでなく波形もかなり似ています。
 ので、CD用データは配信PCM2496生成源と同じPCMデータからデジタル変換で生成した可能性が高いと思われます。

・推定
 以上をふまえ、“現実的”に考えると、

 ・PCM2496で録音 ⇒ 編集 ⇒ デジタル変換でDSD64化
  ⇒ DSD64をアナログマスタリングしつつPCM2496録音で配信用PCM2496を生成
    ⇒ 配信用PCM2496からデジタルフォーマット変換でCD用PCM1644を生成


ではないかと。あくまでも個人的な推定ですが。

#DSD64はそのまま配信用かもしれませんしマスタリングするかも知れません。が、それは主旨上どちらでもよいので省きました。また、CD用1644生成の際にマスタリングしているかも知れませんが、それもどちらでもよいので省きました。

 DSD64から配信用2496とCD用1644を個別にアナログマスタリングしている可能性も無くはありませんが、それにしては波形が似すぎていますし、どちらもピークが潰れまくっていることからそこまでこだわった作りしてるとも思えないので、それは採りませんでした。

・矛盾点
 ただし、これだとブックレットにはある2496DA機器が登場しません。
 が、モニター再生には必須ですので使われているでしょう。もしかしたら、そこでDP-600も使われているのかも知れません(市販プレーヤでの確認という意味で?)。
 その意味ではDSDネイティブ再生機材がブックレットに無いのが気になりますが、PCM変換再生してると考えれば成立します。、

 また、SBM Directの出番が想定できません。
 上記推定だとDSD64→CD用1644のデジタル変換プロセスが無いためです。
 なのにロゴが付いてたりブックレットに説明がある点は矛盾となります。
 では、“矛盾を無くすため無理やりSBM Directを使う”とどんなプロセスになるでしょう?

・DSDとPCMのピッチ違いを成立させる必要があるので、どこかにアナログ変換がある
・2496と1644はピッチが同じである
・SBM Directで2496は作れない

は客観的条件ですから、

 ・PCM2496で録音 ⇒ 編集 ⇒ デジタル変換でDSD64化=DSD64マスターを生成
  ⇒ DSD64マスターをアナログマスタリングしつつDSD64録音=配信用DSD64を生成
  ⇒ DSD64マスターをデジタル変換してPCM2496化=PCM2496マスターを生成
   ⇒ PCM2496マスターから配信用PCM2496をマスタリング生成
  ⇒ DSD64をSBM Directで変換してPCM1644化=PCM1644マスターを生成
   ⇒ PCM1644マスターからCD用PCM1644をマスタリング生成


となるかと思います。
 が、「DSD64再生をDSD64録音すると30kHz以上のノイズが重畳されてしまうのではないか」「DSD64→PCM2496できる手段でPCM1644化もできると思われるが、なぜ敢えてSBM Directを使うのか」「手間かけるメリットが解らない」など、いろいろ疑問があります。

 やっぱり無理があると思えますので、本稿では矛盾を残したまま先のプロセスを採っておきます。


■ロゴやブックレット情報の意味

・21:Very cool
 前稿に記した通り、

・ハイレゾなかった時(20:C'est La Vie以前)
・ハイレゾPCMを追加した時(21:Very cool)
・さらにDSDを追加した時(22:HOT JAZZ)

で異なる制作プロセスを用いていると思われます。

 中でも、「21:Very cool」には以下の特徴があります。

・何故か高域にノイズ盛り上がりがある
・15kHzくらいから発生している状態は、配信PCM2496とは異なっている(DSD特有のノイズとは異なる)
・これはひとつ前の「20:C'est La Vie」までは見られない
・ひとつ後の「22:HOT JAZZ」にも見られない
・ピッチは配信2496と同じ
・波形は配信2496とかなり似ている

 ロゴが付いてることを尊重すると、ハイレゾ商品がなかったこの前作までは「SBM Directによる変換」だったことになりますから、それとスぺクトルが異なる本作は「SBM Directによる変換ではない」ことになります。
 SBM Directのパラメータを変えた可能性も否定はできませんが(理由は想定できませんが)、普通に考えると別の手段で2496を作っているのですから、その手段で1644も作れると思われ、1644だけSBM Directを使うとも思えません。
 ロゴがついてるのは辻褄合いませんねぇ。

 ロゴやブックレットの説明は変わっていませんので、「バージョンアップで2496にも対応した」とも思えません。
 もしそうだったら、説明文も合わせてバージョンアップしてないのはやっぱり辻褄合いません。
 また、SONYさんのことですからネーミングも「SBM Direct Pro」とかに変更しそうですけれど。

・22:HOT JAZZ
 上記推定が正しいとするなら、

・ブックレットにDSD機材がないのにDSDロゴがあるのは何故か。デジタル変換なのか
・SBM Directの使いどころがないがロゴがあるのは何故か

といった疑問があります。

・23:Twilight,24:Piazzollamor
 本作以降のタイトル「23:Twilight」「24:Piazzollamor」にもDSD版があり、フォーマットをDSD128やDSD256へ変更しています。
 これらの音源は所有していませんが、CDに「DSD」「Direct SBM」ロゴが付いていることは確認しました。
 あくまでも想像にすぎませんが、時代的にSBM DirectはDSD64専用でDSD128や256は扱えない気がします(上記情報ではソースはDSD64しか記されていませんし)。
 「22:HOT JAZZ」以上に、ロゴには疑問を感じます。

・ヘンテコなCD
 備考的な話ですが、古いJ-POPのCDでヘンテコな事例を発見しました。
 ブックレットやCDジャケットでは演奏時間4:14となっている曲が、プレーヤソフトやCUEファイルでは3:57なのです。実際、imageリッピングで聴いてもブックレット歌詞の途中でブツ切れてしまいます。
 アルバム全体がそういう演出になっているので意図的に切った可能性も捨てきれないため、「普通に収録する予定だったが途中で変更したことをブックレットやジャケットに反映し忘れた」のか「音源編集でミスった」のかは判断しかねます。
 が、いずれにしても「ブックレットへの疑念」の事例にはなると思います。

・ロゴやブックレット情報をどう見るか
 ということで、結局制作プロセスはハッキリとは解りません。当たり前ですけれど。
 推定するプロセスを楽しめましたのでそれはそれでいいのですが、敢えてこの作業で得たものを記すなら、「ロゴやブックレットの情報って大丈夫?」ってことですかね。

 ということで、「ロゴなどの情報から音質関連の判断する場合は慎重を期そう」と思います。


 最後に念のため繰り返しますが、本稿に記す内容が事実である保証は全くありません。ですので、当然ながら「矛盾がある」「大丈夫か」などはあくまでも個人的な判断です。


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