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「Impulse Response」エコー問題を考える

16/03/05初稿
18/12/29プリエコー関連にまとめなおし


■「プリエコー」は本当にヤバいのか

・Impulse Responseも見てみる
 先の記事で、「Phase Response」の設定によっては波形が変形することを具体的に見てきました。
 が、実際の音楽においてどんな影響があるかは別問題であることは言うまでもありません。
 また、位相応答とインパルス応答には、以下のバーターのような連動関係があることも解りました。

  Linearは波形変形がないがプリエコーが発生する
  Minimalはプリエコーがないが波形変形が発生する

 波形変形については上記の通りですが、エコーに関して説明に示される例は≪Resampler-V≫をはじめとして普通「インパルス応答」です。“インパルス”は自然界にある音ではなく、その“応答”はあくまでもフィルタ特性を示すものであって、実際の音楽への影響そのものではないでしょう。
 よくLinear系特性は「プリエコーがあるのでアタック音が立ち上がる前から音が聞こえてしまって不自然」などと評されますが、音声波形のリコンストラクション特性と直結させてイメージするのはちょっと疑問に思っています。

 ということで、「Phase Response」とリンクしている「Impulse Response」についても少し考えてみました。
 Impulseではなくもうちょっと自然の音・音楽の音に近い波形のプリエコーは本当に気にするべきものなのか、という観点です。「変形」とバーター要素ですので、その影響度をちょっとでも知っておきたいと思いますので。
 全くちゃんと解っていないのですが、解っていない故に理解を深めるためとりあえず(以下、理解の仕方は間違ってるかも知れませんが、事例としてはやってみたそのままです)。

・エコー付加の実際:4kHz
 どんな波形がいいか考えてみたのですが、「1周期だけいきなり立ち上がって消える4kHz(0dB)のサイン波」はどうでしょう? 音楽の基音は4kHzくらいまでしかないようですし、-∞から一気に0dBになる以上に急峻な立ち上がりはありませんので。なお、基音より高周波数の倍音成分は、基音よりレベルは必ず低くなりますのでエコー成分も小さくなるハズです。

 その波形(1648フォーマット)を≪WaveGene≫やバイナリエディタを使って作り、アップサンプリングでプリエコー・ポストエコーがどんなふうに付加されるのか試してみました(48kHzなのはサンプル数を整数個にするため、16bitなのはバイナリエディタで弄りやすくするためです)。
 リサンプラは先の記事と同じ≪Resampler-V(SoX) 2.1≫を用います。目的からして充分なので2倍です。
 中図がMinimal、下図がLinear設定です。

4000HzResponse1648.png

 Linearのプリエコー、そんなにヤバいものでしょうか。そもそもエコーと呼んではいますがくっつく波形は元の4kHzじゃなくナイキスト周期(24kHz)ですし。目立つレベルとしてはそれが数周期ある程度だと思いますが、でっかいアタック音の前にこれを違和感として感じることがあるのかちょっと疑問です。このレベルの24kHzの単独サイン波はおそらく聞こえないでしょうし、無音からフルビットに立ち上がるアタックも普通音楽にはないでしょうから。
 個人的には、Minimalのポストエコーの大きさと長さも気になります。

・エコー付加の実際:1kHz
 さて、「4kHzのフルスケールアタック音」っていうのもある意味“非現実的”ですよね(ていうかサンプリング定理違反(苦笑))。ので、さらに試しに1kHzの場合も採取してみました。

1000HzResponse1648.png

 エコー成分はかなり目立たなくなっています(時間軸密度の違いは脳内変換お願いします(笑))。
 これらを見ると、デジタルフィルタのエコーは「かなり大きなインパルス的な高周波成分」についてのみ気にすればいいのではないかという気がします。
 実際の音楽波形の周波数成分としてそれがどのくらいあるのかが問題ということになりますが、素人には解りません(笑)。

 そもそも、“自然界の音・音楽の音”は立ち上がりも収束も上図のようなものではありませんし、いろんな周波数成分が入り交じりますので、どんなふうにどこまで影響があるかはなんとも言えませんけれど。

・フィルタ特性を“ゆるゆる”にすると
 本項16/04/13追記。
 LPFの遮断特性を緩くすると、デメリットは低下するハズです。どれくらい違うのでしょう?
 ≪Resampler-V(SoX)≫の設定を最も緩くして4kHzの結果を採取してみました。

  Pass Band:91.3% → 54,2%
  Stop Band:100.0% → 120.0%
  Stop Band Attenuation:-198dB → -96dB

4000HzResponse1648 大甘設定

 上がMinimal、下がLinearです。
 Linearは思ったほど劇的な差ってカンジでもないです。Minimalは効果アリ? もちろんイメージングノイズ遮断特性の劣化とバーターの効果ですけれど。

 いずれにしろ、「変形」と「プリエコー」、どっちをどこまで気にするかは“お好みで”ってことですね。


■ハイレゾだとどうなるか

 とりあえずサンプリングレート48kHzのソースについて見ましたが、これって、同じ波形でもサンプルレートが違うと影響度は異なるのではないでしょうか。もし、ハイサンプリングだと“影響”が緩和されるなら、それはハイレゾの効能と言えるでしょう。
 もちろんフォーマットとして、ですけれど(実際に聴いて差があるかは別)。

 ということで、調べてみました。本稿では、その主旨からハイレゾはハイサンプリングのことを指します。


■Impulse Response(の代替特性)

 ふたたび、「1周期の4kHz -0dB」波形につき、サンプルレートが異なるデータを作って比較します。
 これは一般的な「Impulse Response」ではありません。その理由などの詳細は前稿を参照ください。

 上で見た48kHzをx2x2x2した場合(上図)に加え、96kHzをx2x2(中図)、192kHzをx2(下図)してぞれぞれ8fs化した場合につき、MinimalとLinearを示します。

・Minimal

4000HzResponseハイレゾ比較 0per


・Linear

4000HzResponseハイレゾ比較

 すべて8fsで揃えていますので、同じ時間スケールでの比較です。サンプリング周波数が高くなるとエコー成分はどんどん減っていく様子が解ります。
 ちなみに≪Wavosaur x64 1.1.0.0≫の表示限界以下で見えないワケではありません(別途拡大表示して確認しました)。


■デジタルフィルタにみるハイレゾの効果

 以上より、デジタルフィルタにおける「Impulse Response」の絶対的影響は、ソースのサンプルレートが高くなるほど小さくなると言っていいのではと思います。
 まあ、当たり前ではありますが、実際に波形で比較してみるとその“程度感”などが解ってヨイですね。

 つまり、「Linear系特性にするとプリエコーが発生する」と言う(言われる)デジタルフィルタのデメリットは、ハイレゾ(ハイサンプリング)になればなるほど軽減されるということです。
 もちろん同じ周波数帯について見た場合です。人間の可聴域や音楽の周波数はハイレゾだと移動するってワケではありませんから、例えば「ハイレゾの場合は2倍・4倍の領域(ナイキストに対して同じ比率の領域)で比較しなければ意味がない」といったことはないでしょう。

 言い方を変えると、「フィルタ特性による音の差が少なくなる」「“デジタル臭さ”が減る」といった表現もできるでしょうか。
 もちろん、これはDACの仕組みにも依存するので絶対的一般論とは言えませんし、実験はサイン波でのものですから、当然ながら実際の楽曲においてどれくらい有意差があるかは別問題ですけれど。


 なお、(後日理解した)そもそも論ですが、「1周期だけいきなり立ち上がって消えるサイン波」は、サンプリング定理に則った波形ではありません。
 最初と最後の瞬間は矩形波と同じような鋭角になっていますから、帯域制限されていない状態になるためです。
 前後にエコーが付くのは、リサンプラによって帯域制限されたから、という見方もできます。
 「アタックの前に波形が出てくるのは不自然」
 「サンプリング定理に則っておらず帯域制限されるデータの方が不自然」
のどちらと考えるか、ということでしょう。



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「Phase Response」に応答してみる

16/02/03初稿
18/12/29位相応答関連にまとめなおし

 ≪foobar2000≫の≪SoX Resampler≫などのリサンプリング機能には「Phase Response」なる設定項目があります。

 ちゃんと解らないまま概ねデフォルトのまま使っていましたが、「Phase Response=位相応答」とは何で、アナログ化にどんな影響があるのでしょう?

 「オーディオにおけるサンプリング定理」について調べてから芋づる式に(?)「デジタルデータがアナログ化されるまでのお仕事」についていろいろ考えてきたのですが、難しくて先送りしていた最大の難問(?)に、いよいよチャレンジしてみます。


・位相とタイミング
 ≪SoX Resampler≫の設定項目「Phase response」という設定項目があり、スライダで変更することができます。

   スライダ一番右・・・50%(linear)
   スライダ一番左・・・0%(minimum)

 これらの設定が何を意味するのか、とりあえず説明してみます。なかなかに難しいので合ってる自信はありませんが(苦笑)。

・位相応答とは、LPFなどを通すと(ここではデジタルフィルタ)位相が変化すること

・位相変化とは、波形開始点がズレること。一番解りやすい例としては、サイン波がゼロクロス点からプラス側に始まる場合に対しプラスピークから始まる場合は90°ズレている状態。マイナス側に始まる場合は180°。絶対的な時間ではなく1周期に対する比率(普通は「°(deg)」)で考える

・その変化と周波数の関係は、“応答させ方”によって異なる

・ここで言う周波数とは、波形を構成する周波数成分(サイン波)の周波数のこと

・周波数に比例して位相変化する場合:
 例えばある周波数の時1/2周期分ズレる特性だったとする。周波数が2倍になると周期的ズレ量も2倍の1周期分になるが、1周期自体の時間が1/2になっているので時間的なズレ量は最初の1/2周期分のままとなる。つまり周波数によって時間的タイミング(時間的ズレ量)は変化しない。

・比例して応答するモードを「linear」としていると推定。

・周波数に比例しない場合:
 linearと異なり、周波数が変化すると時間的タイミング(ズレ量)も変化する

・一番極端に、周波数に関係なく位相ズレ量がずっと一定の場合を「minimum」としていると推定。

・位相応答を実波形で確かめる
 linearでは、周波数成分によって時間ズレ量は変わりませんから、成分合成後の波形に影響はありません。ズレ量はデジタル再生において気にする必要はないでしょう。プレイボタンを押してから再生が始まるまでにラグがあってイラっとする、といったことはないと思いますので(もしあったら位相応答とは別の問題だと思われます)。
 一方、miminumでは周波数成分ごとのタイミングが変わるワケですから、合成後の波形は“変形”してしまうハズです。
 例えば、周波数成分について説明する際に用いたサイン波でノコギリ波を合成する図では、波形の開始点(0°)はすべて同じです。が、開始点がそれぞれの周波数で異なったら、合成された波形は当然同時の場合と異なることは容易にイメージできるでしょう。
 また、成分ごとのピークが重なるタイミングも変わるワケですから、linearでは発生しなかったピーク潰れが発生する可能性があります。

 ということで、変形具合とピーク潰れ発生を同時に見るため、「linearでTruePeakが発生しないがminimumだとクリップが発生するCDデータ」を探してきました。リサンプラーは、ここでは≪Resampler-V(SoX) 2.1≫をデフォルト設定で用いました(Impulse Responseが連動する様子が見られるので)。倍率は目的に十分な2倍です。以下、用語は≪Resampler-V≫のものに変更します。
 そのデータを、≪Audacity 2.0.6≫でクリッピング表示してみます。上図が元データ、中図がLinear、下図がMinimalです。
 実際の楽曲においてMinimalがどのような波形変形するかの例にもなってると思います。

クリップ比較CD例

 Minimalだとこんなふうに変形するのですね。ちなみに、「Minimalでの復元を想定してデジタル化している」ということはないと思います。ちょっと調べた限りでは、普通のDACの特性はLinearだと思いますので。
 また、Minimalでは(再現すべき)元波形にはないクリップが発生しているのが解ります。「TruePeak」のような問題があると言うことです。

 この点では、Linearの方が好感が持てます。
 実際の再生音で「ヴェールがかかったようになる」「割れてる」などには至らないと思いますが、「演算としてはLinearにはないピーク潰れを発生させることがある」とは言えるでしょうから。

・再生音に差はあるか
 本稿で取り上げた合成波形のリコンストラクション結果は、「波形」として見るとLinearとMinimal設定で全然違います。一見するとMinimalの変形はマズイんじゃないかと思っちゃいますよね。
 しかし、見た目は違いますが周波数成分は同じで、違うのは“位相だけ”とも言えます(ピーク問題はさておき)。
 確かに、DACユニット側のデジタルフィルタはOFFにしてLinearとMinimalで8倍したファイルを聴き比べても差は判らないような…
 このケースだけ、の話ですけれど。

・位相応答はインパルス応答と連動する
 「Linear」は、≪SoX Resampler≫では「50%(linear)」となっています。
 「Minimal」は、≪SoX Resampler≫では「0%(minimum)」となっています。このパーセンテージは、「エコーの付き方」と関連があるようです。Linearではプリエコーとポストエコーが前後に同じ量(プリエコーが全体の50%)、minimumではプリエコーがない(全体の0%)になるようだからです。
 連動するので、フィルタの特性については両方を見る必要がありますね。


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「ハイレゾノイズ」にご用心?

15/10/04初稿

 正確には「ハイサンプリング領域(20kHz以上)のノイズ」ですけれど。


 「PCM→DSD256変換再生目的のDSDネイティブ再生環境」はほぼ整いました。
 当たり前ですがPCM音源だけでなく「DSD音源のネイティブ再生」も出来ますので、市販のDSD64音源も、ネイティブ・PCM変換・DSD128/256変換などいろいろ試してみました。
 それらをスペクトル見ながら聴いていたら、なんだか“常識”とか“定番設定”みたいなものへの疑問が沸いてきちゃいました。


■DSDファイルのネイティブ再生

 DSD方式では、ΔΣ変調のノイズシェイピングによって高域にノイズが発生(移動?)します。
 このノイズには正確な意味を示すシンプルな名称がないみたいですので、本稿では「ΔΣノイズ」と略記します。いちいち「ΔΣ変調の~」と書くのはナンですので。
 実は前々からちょっと疑問だったんですけれど、これ、やっぱり気になるんですよね…

・「DSD64」って本当に高音質フォーマットなの?
 ΔΣノイズ、DSD64では20kHzくらいからモリモリ盛り上がります。
 ネイティブ設定すれば≪foobar2000≫もUDA-1もUD-503もそれを忠実に再生します。
 だってネイティブですから。
 実際のスペクトルは≪foobar2000≫でPCM→DSD変換したDSDデータのUDA-1出力のアナログキャプチャの通りです。

 そして、ハイレゾ対応の昨今の機器は20kHz以上の高域も再生しています。
 だってハイレゾ対応ですから。
 例えば、以下は倍音豊かで高域の意味が判りやすいハズのヴァイオリン曲の市販DSD64音源スペクトルです。

市販DSD64:ネイティブのみ
(アナログキャプチャ)

 UDA-1のアナログLINE-OUTです。ちゃんとハイレゾ領域に音があります。
 そして、この出力を受けたアンプやスピーカやヘッドホンも、仕様にある高周波数までキチンと再生しているハズです(仕様だということは極端にゲイン落ちたりするハズないので)。

 ですので、20kHz以上にも有意な信号があり、それは再生され、リスナーはそれを聴いていると言えます。
 そして、それは同時にDSD64のネイティブ再生時、リスナーは20kHz以上の盛大なノイズと共に音楽を聴いていると言うことでもあります。

 それって問題ないのでしょうか?
 だって、もし「PCMにおけるハイサンプリングは有効であって20kHz以上の高域も音質に好影響を与える」のであれば、その帯域にこれだけノイズがあるっていうのは逆に悪影響がある気がするんですけど…
 ノイズとして聞こえているとは思いませんが、これだけあると何らかのエネルギー感を感じてしまうのかもと。実際、波形で見ても、DSD64のノコギリ波はかなりノイジーでしたし。
 何も根拠はありませんので思い込みかもしれませんけれど。

 ただしPC-Audioの場合です。DACユニットではDACチップ出力に対する最終アナログポストフィルタのカットオフ周波数は可変できないハズ(*)なので、ハイレゾ対応機においてDSD64の時だけ低い周波数でカットする、といったことはできないと推定されるためです。実際、上記UDA-1出力のアナログキャプチャはカットせず出力していることを示しています。

*:その前のPCMデジタルフィルタならいくらでも可変できますがDSDにはかけられません。

 一方、SACDプレーヤなど専用機ではもしかしたら低い周波数でアナログLPFかけてる可能性もあります。
 16/03/06追記:でも、それじゃハイレゾじゃないじゃんという話になりますよね。実際メーカもジレンマを抱えていたようで、例えばmarantz製SA-17S1(SACDとCDにのみ対応)などには、“背面”にフィルタ切り替えSWを設けています。
 アンプが対応していないとか言う理由は方便でしょう。
http://www.marantz.jp/DocumentMaster/jp/Old_Product_Manual/SACD_CD_Player/SA-17S1.pdf

・ΔΣノイズをカットするには
 もしかしたら、DSD64を聴く時は何らかの方法でΔΣノイズをカットした方がよいのかも知れません。
 それはLPF(当然デジタル)かけるということですが、DSDフォーマットのままでは出来ません。
 つまり、ΔΣノイズを嫌うのであればDSD→PCM変換するしかないということです。

 明示的にLPFしなくとも、例えば44.1kHzに変換してしまえば必然的に22.05kHz以上のノイズは無くなります(というかデータとして存在できない)。
 が、流石に44.1kHzにするくらいだったら「何のためのDSDなんだよ」ってカンジですよね。
 実際、上記のDSD64音源のスペクトルを見ても、30kHzくらいまではΔΣノイズに負けない倍音成分があると言えるでしょう。でも、逆に30kHz以上はでΔΣノイズの勢力に負けてるとも言えます(もちろんこの音源についてですが)。
 ですのでDSD64にとっては30kHzくらいまでは有効帯域だとすると、44.1kHzよりは高性能フォーマットとは言えましょう。が、(周波数成分的には)大した差じゃないとも言えるかも(苦笑)。
 少なくとも“DSD”というブランドイメージには負けてる?

 ちなみにDSD64をDSD128やDSD256に変換することでΔΣノイズをカットすることはできません(念のため試して確認しました)。PCMのアップサンプリングとは決定的にリクツが異なるためです。
 PCMのアップサンプリングで消すノイズは、データ化されたものではなくサンプリング定理に基づいたDA変換時に発生する「イメージ」ですが、DSDのΔΣノイズはデータとして「実体」ですから消えないということですね。

 ということで、もし、ノイズシェイピングによって高域に圧縮されたノイズを嫌うのであれば、DSD64はネイティブで聴くべきではないということになります。

・具体的処理方法
 具体的にはどうすればよいでしょう?
 せっかく入ってる22.05kHz超の高域を活かすためにはせめて88.1kHz以上に変換したいところです(*)。fb2kならプラグインなどでカットオフ30kHz程度のLPFかければよいでしょう。

*:DACユニットのアナログLPFのカットオフは80kHz~100kHzくらいのようです。ですので、88.2kHzへ変換すればΔΣノイズはナイキストの44.1kHzまでしか無くなりますが、176.4kHzだとΔΣノイズは88.2kHzまで再現されることになり、DSD64ネイティブの時とあまり変わらなくなります。

 LPFプラグインを探さなきゃ~と思ったところで、膝を打つことが。

 ≪foobar2000≫のDSD→PCM変換には30kHzでLPFかけるモードがすでに用意されているではありませんか。

fb2k sacd設定084
 foo_input_sacd-0.8.4


 なんでDSD→PCM変換にLPFかけるモードがあるんだろうと不思議だったのですが、ああ、そういう意図だったんだと初めて納得。≪foobar2000≫ってやっぱり凄いなと思いました。
 ありがたくこの機能を使わせていただくことにします。感謝と敬意を込めて。


 上記のヴァイオリン曲で実際やってみるとこうなります。赤い方が通常再生です。

市販DSD64:ネイティブと30kHzLPF
(アナログキャプチャ) UD-503再生

 ちょうど倍音とΔΣノイズのレベルがクロスするあたりからカットされているように見えます。
 倍音の出方はもちろん楽曲によって千差万別でしょうけれど、いい塩梅なLPF処理ではないかと。

 実際の音はどんなカンジになるかというと、「30kHzのLPFかけて88.2kHzに変換し、通常のPCMと同じくPCM→DSD256変換再生」した方が、“DSDデータネイティブ”再生するよりクリアに聴こえます。特にピアノがクッキリするように感じます。
 が、もちろん主観ですので一般論にはなり得ません。楽曲や環境によっても変わるでしょう。そもそも、変化したとしても原因はΔΣノイズを除去したためなのか処理プロセスを変えたためなのかも定かではありませんしね(笑)。ただ、≪foobar2000≫に機能実装されているということは、それほどヘンなハナシでもないと思います。
 どうせ解らないので「リクツを思いついたのでやってみて楽しむ」のひとつということで。

 なお、このプロセスとしてなら、176.4kHzへの変換でもいいかも知れません。変換ターゲットのサンプルレートに依らずどうせ30kHzでLPFかかるので。
 が、ハイレゾ領域の倍音を救うには88.2kHzで充分だと思いますので、それ以降のアップサンプリングはDSD変換前処理としてのリサンプラに任せた方がいいという考え方もアリかも。

・DSDって高音質フォーマットじゃないの?
 念のためですが、「DSDはダメ」と言ってるのではありません。「DSD64だとこういうことになってる」というオハナシです。

 DSD128やDSD256だとΔΣノイズがどうなっているかは、上述の通りUDA-1で確認した再生スペクトルを見れば判ります。
 DSD128だとそれなりに緩和されてはいるもののまだ96kHz以下には結構残っています。DSD256だとほぼクリアだと言えるでしょう。
 今のところ素人が96kHz以上を確認する術はありませんが、上述の通りおそらく最終アナログLPFでカットされる領域だと思いますので無視しています。

 「PCM変換するなんて本末転倒だからイヤだけど、大量のΔΣノイズを聞くのもイヤ。でもDSDコンテンツ聴きたい」
 という場合は、周波数を上げるしかありません。つまりDSD128(5.6MHz)またはDSD256(11.2MHz)のコンテンツを聴くしかないということです。
 もちろんDSD64からの変換ではダメです。PCMからの変換でもありがたみは少ないです(ユーザ側でできちゃいますし)。
 ですので、現時点では現実的ではありません。

 DSDコンテンツ、結構メンドクサイすね(苦笑)。

 ΔΣノイズがどこまで許容範囲かは主観に依ります。「あってもよいのだ、DSDは64でも他の何かがいいのだ」という考え方もアリでしょう。
 ERI的にはDSD256推しです(そのためにPC新調&DACユニット買い換えたくらいですから(苦笑))。
 ただし、上記の通りDSD256のコンテンツを楽しむ機会は“まれ”でしょうから、現実的には「コンテンツフォーマットとしてではなくDACチップでDA変換するデータフォーマットとして」の話となります。


 以上、「DSD64コンテンツはDSDネイティブ再生しない方がよいのではないか」という“非常識(笑)な”オハナシでした。


■知らずに「ハイレゾノイズ」を聞いていないか

 そんなことを考えていたら、「20kHz以上の領域のノイズっていろいろ発生しているんじゃないか?」って気になり始めました。
 それも意図せずに発生させて、「いい音だ~」って聴いていることはないでしょうか?
 結構ありそうな…

 以下、再生・キャプチャ環境は最近の記事と同じです。ただ、DACユニットはUD-503にて(せっかく入手したので、“ネイティブNOS-DAC”として活用)。

・PCM→DSD64変換
 当然のことですが、PCMをDSDに変換するとΔΣノイズを内包したデータになります。
 DSD256くらいになるとノイズ帯域は100kHz以上になるようですので事実上問題になりませんが、DSD64への変換だと、それなりのノイズを“敢えて付加している”ことになります。当然DSD化するメリットもあるワケですが。
 もちろん、リアルタイム変換でもノンリアルタイム変換でも基本的事情は同じです。
 ≪AudioGate 2.3.2≫で1644をDSD64に変換したファイルの再生スペクトルを一例として示します。

AS:DSD64(AG変換)
(アナログキャプチャ)

 念のためですが、1644をサンプリング定理に則って再生した場合は22.05kHz以上に大きなノイズはありません。

・NOS-DAC
 意図したNOS状態以外にも、UD-501やUD-503などのようにオーバーサンプリングデジタルフィルタがデフォルトでOFFになっている場合や、「余計なデジタル処理(*)は要らない!」って意図的にOFFしてる場合も、イメージングノイズまみれになります。

AS:NOS-DAC
(アナログキャプチャ)

 ナイキストまでの周波数特性がぱたぱたと折り返してることが判ると思います。1644音源です。

*:サンプリング定理上余計じゃないんですけどね(苦笑)。

・≪foobar2000≫のDSD変換
 fb2kのDSD変換ブロック(ASIOProxy)にはLPF機能がありません。ので、アップサンプリングせずにPCM→DSD変換すると、たとえDSD256でも元ナイキスト以上の帯域はイメージングノイズまみれになります。
 “なんちゃってNOS-DAC”状態になっちゃうと言うことです。

・とあるプレーヤソフト
 これはノイズという意味ではありませんが、1644音源をx4設定で再生したスペクトルです。

AS:フリープレーヤx4
(アナログキャプチャ)

 元ナイキスト以上の高域成分がたくさんありますので、いわゆる「アップサンプリング」ではありません。
 何らかのアルゴリズムで「補間生成」したものでしょうから、高域成分の有意性はその性能次第ということです。


 「高域ノイズがあった方がエネルギー感があってよい」「空気感が好き」「スペクトルを聴くワケじゃない」といった嗜好・考え方も、もちろんアリでしょう。
 ただ、「高域ノイズがある状態」という事実は知っておいた方がよいと思います(もちろん、それが“空気感”の理由かどうかは解りませんけれど)。


 個人的には(現時点では)、「たとえデジタルフィルタを使ってでもイメージングノイズやΔΣノイズなどは除去した方がよい」と思っています。


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UD-503を測る

15/09/06初稿

 新たに「フルエンシー理論によるアップコンバート機能」のスペクトルを採取したのをきっかけに、「UD-503を試す」記事からデジタル処理関連の情報を分離しました。もともとひとつの記事だとちょっと冗長度高いかなと思ってましたので。


 こちらもとりあえず「である」調にて。「試す」記事を前提に記させていただきます。


■非公開のデジタル処理せず素直に再生しているか

 UDA-1での確認と同じ内容を、“アナログキャプチャ”して確認した。アップコンバートOFF、デジタルフィルタOFF、DSDフィルタ150kHzにて。
 再生&キャプチャ環境は≪foobar2000≫のLPF性能を確認した時と同じ。ただし録音レベルは46、UD-503のRCA出力は「VARIABLE」にして0dBを調整。

 結果、DSDモードもPCMモードも問題なし。≪foobar2000≫のDSD変換でシェイピングされた高域ノイズの“形”もUDA-1と同じと判断(つまりfb2k出力のまま何もしてない)。
 DSDモードは「Volume Bypass」動作している証左にもなると判断。


■「アップコンバート」とは何か

・高域補間かアップサンプリングか
 とりあえずアナログ出力をキャプチャしてみたところ、確かに「アップサンプリング」ではなく「高域補間」している。LPFかかっておらず、例えば2Fsにすると44.1kHzあたりまで高域信号がある。なんてこったい。

 Esoteric製DACユニットD-07Xに搭載されている「RDOT」なる機能(*)がやはり「フルエンシー理論に基づく高域類推補完」とのことで、この展開と推定。

*:http://www.esoteric.jp/products/esoteric/d07x/index.html

 UD-501にも載ってたと思うが売り文句が異なる。そもそもほとんどウリにしてないのは何故?

 ちなみに、フルエンシー技術を使った製品はかつてLUXMANのDACにあったらしい。
https://audio-heritage.jp/LUXMAN/etc/da-07.html

・効果確認
 ということで、本当に有効な補間できているのか試してみた。
 有効かどうかは「倍音が増えているか」が判りやすい(ていうかそれくらいしか見る術がない)。なので、倍音が豊富な音の代表、ヴァイオリン曲(CD音源)のスペクトルを採取。

UpConvert 8Fs
(アナログキャプチャ)

 …ナイキスト以上に倍音が山ほどある(ように見える)。一方で、“折り返している”ように見えなくもない(苦笑)。
 本当にヴァイオリンの倍音になっているか確認する方法は思いつかないが、≪WaveSpectra≫のカーソル表示からの簡易計算では、22.05kHz以下の倍音周期と22.05kHz以上の(補間生成された)倍音成分周期は一致していた。が、リアル倍音と生成倍音の周波数の差分は周期の倍数になっていない。はて。誤差累積によるものかも知れない。
 そもそも、同じ基音に対する倍音なのかも判らないのでなんとも言えない。

 ということで本当に正しく倍音なのかは流石に解らないが、ちょっと驚いた。

 それではと、自然音源ではなく≪WaveGene≫で人工生成した1200Hz-6dBのノコギリ波で試してみた。まずは2448データをUPCONVERT OFFで再生(PCMデジタルフィルタはFIR SHARP)。

ノコギリ1200Hz-6dB2448 NOP
(アナログキャプチャ)

 これを8Fsしたのが以下。

ノコギリ1200Hz-6dB2448 8Fs
(アナログキャプチャ)

 また驚いた。
 この結果からは、本当に失われた倍音成分を生成補間しているように見える。

 といっても、この程度の調査では正確なことは解らない。仮にある程度効果があるとしても、いろいろな楽曲に対する実効的効果のほどは解らない。
 が、少なくとも“名前だけ”“スペックのためだけ”などとは言えなそう。4Fsや8FsにしてOSDFをOFFする(つまりOSDFの代わりにする)使い方もアリかも。
 失礼ながら、ちょっと意外(苦笑)。

・Impulse応答
 どんな処理してるのかの参考に、インパルス応答がどうなるのか採ってみた。1644データに対するFIR SHARP(上)と8Fs(下)。

Impulse FIR 8Fs
(アナログキャプチャ)

 アナログキャプチャなのでAD変換時のフィルタ変形も含まれているが、アップコンバートではインパルス応答しないと見てよいであろう。明らかに普通のLPFなどとは異なる処理している。
 なお、8FsにするとデジタルフィルタONでもOFFでも出力は変化しない。取説にもそうあるが、確かに352.8/384kHz時はOSDFかからないということ。
 また、デジタルフィルタをOFF→ONすると、アップコンバート結果のナイキスト周波数以上がカットオフされることも確認した。


■「デジタルフィルタ」とは何か

・「PCMデジタルフィルタ」とは?
 「アップコンバート」が高域補間機能だということは「デジタルフィルタ」機能には普通無関係。ということはそれをやっているFPGAの機能とも考えにくい。よって、AK4490搭載のOSDFを設定していると推定。

 AK4490のOSDFは以下の4種(Short Delayがデフォルトとは意外)。
    ・Sharp roll-off filter
    ・Slow roll-off filter
    ・Short delay Sharp roll-off filter(default)
    ・Short delay Slow roll-off filter

 UD-503の4種は
    ・FIR SHARP
    ・FIR SLOW
    ・SDLY SHARP
    ・SDLY SLOW

 なので、AK4490のOSDF名の略称と推定(*)。

*:15/10/10:「試す」記事に示したphileweb15/10/09付けリンク先記述もそのように読める。

 以下に、≪JRMC20≫や≪AudioGate≫のアップサンプリング特性=LPF特性を採取した時の考え方で得たLPF特性を示す。
 24bit/44.1kHz -3dBのホワイトノイズファイルをPC側では何も加工しないでPCM再生。


・FIR SHARP (アナログキャプチャ)

WN2444-3dB:FIRSHARP


・FIR SLOW (アナログキャプチャ)

WN2444-3dB:FIRSLOW


・SDLY SHARP (アナログキャプチャ)

WN2444-3dB:SDLYSHARP


・SDLY SLOW (アナログキャプチャ)

WN2444-3dB:SDLYSLOW


・フィルタOFF (アナログキャプチャ)
 なめらかに繋がっているが22.05kHz以上はイメージングノイズ。22.05kHzを中心に“左右対称”になっている。

WN2444-3dB:OFF


 データシートによると44.1kHzのSHARPフィルタ特性はPassBand=20.0kHz、StopBand=24.1kHz。SLOWはそれぞれ4.4kHz,39.1kHz。実際そのようになっていると判断(とするならこの機能はやはりDACフィルタのことという証左にもなる)。
 SLOWだとイメージングノイズはかなりの高域まで残留していると言える。

 旭化成のDACフィルタ解説(*)を見ると、SDLYとはSoX Resamplerなどにおける位相応答設定でエコー成分をポスト側に集中させたのと同じと推定。プリエコーがないのはメリットかも知れないがデメリットもあるということ(位相応答がノンリニアになる。波形変形も発生する)。Resampler-Vだとプリの分がポストに回っているのが判りやすい。
 つまりPC側でいかようにもフィルタできるということでもある。その場合はDACチップ側のフィルタはOFFしたい。その設定が解放されている点は高く評価したい。

*:http://www.phileweb.com/review/closeup/akemd-ak4399/

・工場出荷状態では「サンプリング定理」不成立?
 UD-501などと同じくやっぱりフィルタOFFがデフォルト。アップコンバート機能もデフォルトOFFなので、工場出荷状態で使うとOSDF(リコンストラクションフィルタ)がどこでもかからず、と言って補間された成分もなく、ナイキスト以上はイメージングノイズそのまま状態だけどいいのか?

・旭化成DACのOSDFコンセプト
 UD-503マニュアルには、352.8kHzと384kHzの場合はデジタルフィルタOFFになるとある。
 AK4490データシートには192kHzまでしかフィルタ特性データがない。
 つまり、AK4490のOSDF倍率は入力周波数によって可変で「fsの8倍(352.8 or 384kHz)が最大」ということか(*)。「どんな入力でも8倍」のTI社とは異なったコンセプトの模様。とすると、ΔΣブロックでのオーバーサンプリング倍率が高くなってしまう(最終256倍にしているようなので、8倍PCMをさらに32倍しているハズ)が、そのあたりは不利にならないのか?
 「PCで悉くやっちゃう作戦」の場合は関係ないけど。

*:上記アップコンバート検証中、8fsソースにはインパルス応答しないことを確認しているので、AK4490搭載機なら明示的にデジタルフィルタをOFFする機能がなくても「352.8kHzまたは384kHzで(CDフォーマットなら8倍して)入れてやればデジタルフィルタブロックをバイバスできる」ということではないか。
 AK4490、OSDF&ΔΣ型DACの構造として王道すぎ(笑)。

・「DSDデジタルフィルタ」とは?
 これもAK4490の機能設定と考えられる。アップコンバート機能に無関係だし、50kHzと150kHz(OFFはなし)というモードもAK4490のスペックだし。
 以下、50kHzと150kHzの差を示す。シェイピングされたノイズに対するフィルタ特性を見るのが目的なので、2444-6dBの441kHzサイン波を≪foobar2000≫でPCM→DSD64変換し、UDA-1動作確認と同じ環境にてアナログキャプチャ。赤が50kHz。

sin441-6dB2444→DSD64:UD-503フィルタ2種
(アナログキャプチャ)

 予想を覆す微妙な差。DSD128でも同様(DSD256では差が判らない)。もしかしたら100kHz以上の領域での減衰に大きな差があるのかも知れないが…
 DSDストリームをアナログ化する部分なので、単純なLPFカットオフ特性の違いではないということか?

 ちなみに、「DSD“デジタル”フィルタ」というのはちょっと語弊がある気が。SCF特性を変更しているのではないかと思われるので(SCFは駆動クロック周波数で特性変えられるらしいが、それをデジタルと言うのはどうか)。


■あこがれの(笑)NOS-DAC

 ずっといじってみたかった「NOS-DAC」を入手したことに。アナログポストフィルタがかかることはさておき、DACチップ動作としてはなんちゃってではない“リアルNOS-DAC(笑)”。NOS=Non-OverSamplingであることがキモで、その後がマルチビットかΔΣかは関係ないハズとして。

 早速NOS-DAC状態にするとアナログ出力が「カクカク」になる様子を見てみた。
 PC側では1200Hzサイン波1648ファイルを「何もしない」でPCM再生。カクカクを見るので念のため16bitで。


・フィルタOFF=NOS-DAC状態 (アナログキャプチャ)

sin1200Hz0dB1648:UD-503フィルタOFF


・FIR SHARP (アナログキャプチャ)

sin1200Hz0dB1648:UD-503フィルタON


 確かにPC側でもDAC側でもフィルタリングしないと「カクカク」している(サンプリング定理に準じていないのでアタリマエ)。
 ただし、完全な「垂直と水平」ではなくやや角が取れてオーバーシュートが立っている。おそらく100kHzくらいで遮断しているアナログポストフィルタによるもの(垂直部分は100kHzのサインカーブになってしまうハズ)だと推定されるが、キャプチャ時AD変換の変形も入っている。

 やっぱり、個人的にはNOSした音がいいとは思えない。

 ちなみにUD-505という後継機が出ています。


TEAC ヘッドホンアンプ(ブラック) UD-505-B
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UD-503を試す

15/08/24初稿

 TEACのUSB-DACヘッドホンアンプ、UD-503(黒)買っちゃいました。おおお、思い切りました~

ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B
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 設置して2週間ほどですが、いじくって判ったことを速報したいと思います。
 DSDのネイティブ再生方法など、UDA-1で考察したこととの重複記載は避けましたので、ご興味ありましたらUDA-1記事をご参照ください。

 「オーバーサンプリング」「アップサンプリング」などの用語定義や略語については、メインメニューからまとめをご参照いただきたく、よろしくお願いします。


 まずは「である」調でいかせていただきます。


■購入動機

 以下、≪foobar2000≫でPCM→DSD256変換しUDA-1のアナログ出力をDSP-Z7で駆動してHD700で聴く環境で、だんだんムズムズしてきたこと。

「PC側でデジタル処理の悉くをやっちゃってDSD256にして送り込み、DACユニットをアナログLPFとしてのみ使う」には、DSD256(11.2MHz)に正式対応したDACユニット欲しい。
 ネイティブ必須であることは言うまでもないし、「DSD256を受けるけど内部プロセッサでDSD128にダウンコンバートしてからDACチップに渡す」なども論外。

・“しょわしょわノイズ”はUDA-1以外でも発生するのか知りたい。

・そもそも、最近ヘッドホンでしか聴いてないのにヘッドホンアンプ持ってない。

・ヘッドホンアンプ代わりにしているDSP-Z7を毎回「PreAmpMode」に切り替えるのは実はメンドクサイ。

・SENNHEISER製HD700を鳴らしているが、明らかに低音出てない。

・バランス駆動してみたい。スピーカのBTL接続は凄い違いがあった(良くなったという意味ではない)けどヘッドホンではどうか。スピーカは設定したり戻したりに壮絶な手間かかるけどヘッドホンなら手軽なので。


 …要求を満たすUSB-DAC兼ヘッドホンアンプある?

・資料がほとんど公開されてないので確信はないが、ESS社のDACチップは、I/FはDSDネイティブでも内部処理はネイティブじゃない気がする(*)。
 ESS社DACチップの特徴は「DACチップ内で他社とは異なる方式かつ高度なデジタル処理している」ことだと理解しており、ブロック図をみる限り「外部からのDSDストリームをそのままアナログ化」するパスはなさそう。が、バイパス線を書き忘れてるなど間違いもあるかも知れないのでブロック図だけではなんとも。そういうこと実際あるし(AK4490データシート改訂履歴参照)。が、そもそも「DSDストリームをアナログ化するフィルタ」に相当するブロックが見当たらないような。
 なのでoppo製HA-1はパス。方式善し悪しの問題ではなく、「PCで悉く」動作のためにはアナログLPFとしてのみ使えるモードが必須だから。ちなみに同じくESSのU-05はDSD256“正式”対応じゃないし。

*:ES6016だけど。http://www.esstech.com/PDF/ES9016%20Product%20Brief.pdf#search='ES9016'
 ちなみに当Blogでは、「受信したDSDストリーム(1bit)をそのままLPF処理」するアナログ化方式を“DSDネイティブ再生”と位置づけ。

・TI社の主力はDSDネイティブだが、DSD256正式対応チップなし。

・旭化成のAK4490はDSD256正式対応。
 だがDSDデータ再生モードには2種ある。データシートのブロック図を見ると「Normal Pass」だとPCM変換されていると見えるので、DACユニットとしては「Volume Bypass」モードで使っていることが条件となる。
 UD-503はAK4490の「DSD Filter」を使っていると推定されるが、それを設定できるのは「Volume Bypass」モード時だとデータシートにある。よって、UD-503はAK4490を「Volume Bypass」モードで実装していると判断。
 念のためTEACに問い合わせしたところ「Volume Bypass」モードとのこと。


 …UD-503欲しくなってきた。でも、高いので最後の合理化適応規制発動(笑)。

・バランスだけじゃなくて「アクティブ・グラウンド駆動」ってのも試せるし。

・OSDFオフモードがあるのでNOS-DAC実験にも使えるし。「PCのアップサンプリング VS DACフィルタ」対決もできる。

・DoPが使えるのでいろいろ試せるし。AndroidでDSD鳴らせるカモ?

・「アップコンバータ」搭載なのでいろいろ試せるし。

・もしDAC部が気に入らなければヘッドホンアンプとして使えるし。ヘッドホンアンプ部が気に入らなければDACユニットとして使えるし。
 どっちも気に入らなかった場合は考えない(笑)。


■外観・UI・ドライバ

 本項以下、ホストPCはX79自作機にて。
 pdf公開されている取説で判ることは割愛。

・箱および底面の定格銘板に「MADE IN CHINA」とあり。添付の取説は中華品質(紙質よくないし最初からヨレてるし)。梱包箱も段ボール地に色は青のみ。実質には関係ないとはいえ\15万もするAudio機器を買ったワクワク感はなし。保証書も取説の最終ページ兼用だし。
 ハンダ付け品質とか大丈夫? と信じたい(苦笑)。

・6面金属。フロント・両サイド・トップはアルミのはず(磁石くっつかない)。リア・ボトムは鉄板かな(磁石くっつく)。ただし天板はあんまり肉厚ではない。

・インシュレータは“一体型ピンポイント支持方式”。あらかじめ意識していないと箱から出すときガチャガチャいってドッキリする。平面に置けばしっくりくるので問題なし。

・インシュレータの裏側はスベスベなのでヘッドホンプラグの抜き差しの際はどこか押さえないと動いてしまう。両サイドに“取っ手”が付いてるのはこのためか(笑)。クッションシート付属してるけど「インシュレータ」に何か貼るのは気が進まない。

・ボリュームは高級感はないが低級感もないと思う。気になるような遊びはないし。あんまり使わない気もするし(リモコン操作が主になるハズ)。

・リモコンの表面パネルは金属(アルミ?)だと思う。ひんやりしてるので。妙に重くて高級感あり(笑)。パネルの組み立て用ツメ? 部分のへこみはやや気になるが。

・なんとスタンバイに入ると本体スイッチ操作では復帰しない。PC側で再生しても復帰しない。ていうかデバイスがない状態になる。電源入れ直せば復帰。ただしON→OFF→ONが早すぎると復帰しない(コンデンサがディスチャージしきらないためと推定)。
 リモコンの「STANDBY/ON」ボタン押せばもちろん復帰する。

・書くまでもないが、各種設定は電源OFFしても覚えている。

・DIMMER-0で消しても、USB READY状態(再生待ち)の時は常時点灯。再生開始するとすぐ消えるので受信周波数などは確認困難。MENUボタン押したりボリューム回すと点く(数秒で消える)。
 リモコン操作では、ENTERとかUP/DOWNキー押せば動作モードが数秒表示される。
 本体操作では、INPUT SELECTORノブは押すとENTER。MENUボタンは1度押しでMENU、MENU状態で押すと動作モード表示なので、DIMMER-0でもNEMUボタン2度押しで動作モード表示できる。
 ちなみにMENU表示時はDIMMER-0でも10秒間消えない。DIMMER-0(常時消灯)の目的は再生中のノイズ防止であるから、再生待ちの時は消えない点も含め妥当なUI設計だと思う。

・なんと電源インジケータがない。
 のでDIMMER-0にすると電源入ってるかどうかぱっと見判らない。が、上述の通り待機状態なら表示は出るし再生中なら動作しているのはアタリマエ。そもそもメカスイッチなので本体の状態はそれを見れば判る。スタンバイ状態か否か若干が判りにくいが、再生していないのに表示が消えていればスタンバイ状態ということ。
 確かに要らないか…

・本体からはトランスうなりなどのノイズは皆無。ヘッドホン出力はボリューム+10dB以上くらいから「う~ん」ノイズが聞こえるようになるが、常用域では全く問題ないと判断。STEREO&ACTIVE GNDモード、再生MUTE状態、HD700にて。

・連続駆動しても気になるほど熱くはならない。真夏一晩連続9時間(音量も大きめで)HD700をバランス駆動しても「そりゃ熱くもなるわな」程度。

・webサイトによるとクロックは44.1kHz系と48系のデュアルで、「低位相雑音タイプ」とのこと。これこれ。これでなくちゃ。

・インレットにアースピンあり。ただし浮き。付属ACコードは2pin(しっぽなし)。少なくとも国内仕様機においては、ピンはあるけど、それにいわゆる「アース」機能はないということ。

・webサイトによるとアナログとデジタルで電源とGNDはアイソレーションしているとのこと。

デジタル部とアナログ部のグラウンドを完全分離したアイソレーション回路
デジタル部とアナログ部の間は、デジタルアイソレーターによって電源およびグラウンド双方が完全に絶縁された回路設計になっており、USB経由でパソコンから流入するノイズをはじめ、全てのデジタル入力ソースに由来するノイズが電源ラインやグラウンドを伝ってアナログ部に侵入することを防ぎます。特にハイサンプリングレートのハイレゾ音源を再生する際に大きな優位性を持つアイソレーション回路をReferenceシリーズではUD-503が初めて採用しました。

出典:https://teac.jp/jp/product/ud-503/feature

 実際に測ってみると、外部クロック,同軸S/PDIF,アナログRCA(IN/OUT)らのGND,XLRの1pin(シールド),およびヘッドホンSleeve,筐体FGすべてショート。USBシールドもショートしている。USB VbusGNDだけは電源OFFだとショートだが電源ONするとそれらと2.5ohmくらいの抵抗を持つ。同軸GNDはデジタルだが電源ON/OFFで変化しない。
 送信側は接続していない状態での結果だが、どういう完全分離アイソレーション?

・USB5Vをカットするとデバマネから消える。
 つまり少なくともDetectには使ってる模様。残念。

・USB入力以外の場合はデバマネから消える。
 不要な時はUSB-I/F回路をDisableしているということか。音質への配慮だとすると好印象。

・専用ドライバをインストールしてから接続せよと。このへんはUDA-1と逆。
 入れないで接続すると、「TEAC USB AUDIO DEVICE」をWindows Updateに探しに行って見つからず、結果「不明なデバイス」になる(Windows7にて)。

・32bitOS(Windws8.1Update)には64bitドライバはインストールできない。当たり前だけど。逆は出来ちゃうので注意。

・DSD転送方式はASIOネイティブとDoPあり。≪foobar2000≫のASIOモードでどちらでも鳴った。ただしDoPではDSD128まで。PCMのMaxビットレートは256fs(周波数でx8&ビット深度でx32)なので、DoPのオーバーヘッドを考慮するとDSD256は256fsでは足りず通らないということか。マニュアルには「≪TEAC HR Audio Player≫では11.2MHz(DSD256)はASIO Nativeを選択しろ」とある。
 DoP、実験してると「ぶち!」とか大きな音が出ることがあるのでやっぱ怖いかも。

・ちなみに≪TEAC HR Audio Player≫の出自はUDA-1記事参照。

・当然ながら、認識させればWASAPIなどASIO以外のAPIでも鳴らせる。≪foobar2000 1.3.8≫のKS(1.2.2)でも鳴ることを確認。

・ASIO、排他WASAPIでもOSボリュームのミュートだけは効く。ボリュームは効かない。≪foobar2000≫で鳴らした状態で確認。

・≪PlayPcmWin x64 4.0.81.0≫のDoPでも鳴った(DSD64ファイルで確認)。

・DSDネイティブ再生など、UDA-1と同じ設定で問題なし。鳴らすデバイスを変更するだけ。違いはDoPが通るようになるくらい。あと352.8/384kHzが通ることか。

・DSD512は通らない(笑)。

・なんと48kHz系のDSD通らない(苦笑)。DoPでもダメ。確かに対応周波数は2.8,5.6,11.2MHzになっていて48kHz系はないけど…
 内部アップコンバート機能では48kHz系は12.2MHzになってるので油断した。2496などの48kHz系PCMデータをDSD変換する時はどっかで44.1kHz系にリサンプルする必要あるということ。
 AK4490のデータシート上も対応がないことから、内部アップコンバート機能の48kHz系は内部機能での実力値対応としてしか使わせないということか。しかし敢えて出来なくしなくてもいいぢゃんと思う(自己責任で使わせて欲しい)ので、ドライバかファームのUpdateで改善して欲しいところ。

・そういう意味では、PCMモードもAK4490自体は768kHzまで対応してるので通るようにして欲しかったところ。ネイティブ音源なくてもアップサンプリングすれば作れるのだから、いろいろ遊ぶために。
 I/Fできないんだっけ?

・ワットチェッカで消費電力測定。デジタルフィルタOFF、ラインアウトOFF、ボリューム-∞にて(上げてもほぼ変わらない)。
   STANDBY時・・・11~12W #ディスプレイ点滅しているため変動している
   DSD64,128,256再生・・・11W安定
   44.1kHzネイティブ,2Fs,4Fs,8Fs,DSD・・・11W安定
   88.2kHz,176.4kHzネイティブ・・・11W

 FIR SHARPフィルタONしてみても変化なし(ネイティブ時)。
 何しても変わらない(笑)。ただし、有機ELディスプレイが点灯している時は+1Wになった。やっぱり再生時消灯が吉か。

・15/09/20追記:Windows8.1Update x64からWindows10Home x64に上書きアップグレードしたら不明なデバイスになった。その状態のままドライバを上書きインストールしてもダメ。一旦アンインストールして再インストールしたら認識した。

・15/11/21追記:ONKYO製Androidアプリ≪HF Player 1.2.2 (無料版)≫で44.1kHzのmp3再生できた。Ascend G6にて。結構いい音してる。CDリッピングWAVの再生ももちろんできた。
 有料版、アップサンプリングはさておきリアルタイムPCM→DSD変換再生やってみたいところなれど、2GHz/4コア以上必要とのことでG6では無理。


■“しょわしょわノイズ”はあるか

 ≪foobar2000≫でのPCM→DSD変換再生時、UDA-1ではどうしても消えなかった“しょわしょわノイズ”がない。
 ≪foobar2000≫の設定は全く同じであり、再生デバイスによって処理内容が変わるハズはないので、DSDデータ自体は同じものが送り込まれている。それをDACユニット側でデジタル処理せずDSDストリームをアナログ化するフィルタ部に突っ込んでるのだから、当該部の違いである可能性が高いということに。
 だからしょわしょわが目立っちゃうDSD256はUDA-1の仕様外だった?(笑)。確かにスペクトルもDSD256はDSD64やDSD128に比してノイジーではあったが… 実際、当機のDSD256スペクトルはUDA-1よりキレイ(DSD64やDSD128と差がない)。流石正式対応(笑)。
 なお、PCMモードでは発生しないし、≪JRMC20≫のDSD変換でも発生するし、音声に連動するし、発生状況は安定している(同じ発生箇所は繰り返し再生しても同じ)ので、単純なアナログノイズではないと判断している。念のため電源レギュレータをハズしたUDA-1でも再確認したがやはりしょわしょわ。FP64でも消えなかった。
 これと思われるノイズの体験談はネット上に数件あるようだが、その再生機のDACチップはどれもTI製の模様。

 なお、フィルタ特性など各種デジタル処理の実際についてはこちらの記事にまとめた。


 このあとは「ですます」調にて。
 HD700をバランス駆動する環境を構築した状態で。


■エージング&音質評価・レビューもどき

・インピーダンス150ohmのHD700ですが、-10dB程度で充分な音量が得られてます。

・アクティブGND駆動でもバランス駆動と音量は変わらないみたい。少なくとも半分になったカンジはありません。

・なんかRCAアナログ出力レベルがUDA-1より大きいような。出力レベル0dB設定時のスペックは2.0Vrms。UDA-1はおそらく2.0Vppと思われるので確かに。

・お店で試聴しても判らないですよね。USBオーディオの場合、1台のPCからUSBハブかまして複数DACを接続してたりしますし。

・買っても、暫くは実力判らないからドキドキしますよね。ウチでは設置直後は“酷い音”でした。一晩鳴らして翌朝聴いたら一応マイルドになってました。最低1日は慣らし運転必須のようです。
 さらに、チューニングしないと実力判らないですけど慣らし中にしても意味ないし。ウチの実績では、おそらく150時間以上鳴らしてやっと「調整可」状態になったカンジです。

・5日以上昼夜を問わず鳴らしましたがPC側含めて安定して動いています。もちろん設定変えるために再生停止したり何度か再起動はしていますが「朝起きたら止まってた」なんてことはありません。PCはAudio専用ですけれど。

・ふたつのヘッドホン出力、どうやってエージングしたらいいか難しいっす。使用頻度が“アンバランス”になってるとバランス駆動時気になるので(笑)。
 となると、少なくともエージングはバランスでやらないとキモチワルイ(笑)。なので、早速ケーブル自作した次第。
 ひとつの出力にドライバは2回路あるワケですが、アンバランス駆動でもドライブ回路(webサイトにはトランジスタとある)はパラレル駆動で使っているらしいので、あまり気にすることはなのかも。ふたつのジャックの使用頻度さえ合わせておけば(笑)。

・PC電源はアイソレーショントランスTX-200から取っているのですが(ここだけアースも繋いでます)、「アースセレクタ」の設定でも結構変わるようです。ていうかTX-200入れる入れないでかなり変わりますね。
 PCのAC側がFloatingでもBananceでもNormalでもDACユニットには関係ないハズですし、スイッチング電源はアイソレートすべきと言われてると思いますが、必ずしも一般論が通用しないところがAudioの難しさですね。
 アースはPCでSGやFGとショートしており、USB経由でUD-503ともショートします。UD-503は何らかのアイソレーションしてるようですから、ウチではそのあたりの関係で大きく影響したのかも知れません。また、当機に電源レギュレータRG-50を使うとかなり変化するようです(善し悪しは別として)。後日談ですがRG-50のAC極性でもかなり変わるようです。
 いずれにしても、UD-503導入に当たっては電源・GND・アース関連をよく考慮した方がいい気がします(本体だけでなくシステムとして)。

・機能的にはほぼ満足ですが、外部クロック入力機能は要らないかな。本来S/PDIFの外部同期にこそメリットあるハズですけど何故かUSB時のみ有効。USBはアシンクロナスモードで動いてるハズなので外部同期にほとんど意味はありませんから、効用はジッタ性能向上のみです。
 そりゃ「音は変わる」でしょうけれど実効的には疑問な“ギミック”だと考えているので無い方がいいです。せっかくの低位相雑音型クロック、切り替え回路で純度が落ちちゃう。

・ヘッドホンアンプというものは初めて、ヘッドホンはHD700のみという前提で(ケーブルは上記の通り高品位とは言えない自作)。100時間以上エージングした後(だけど設置後10日くらいしか経ってない)。CDリップ音源をfb2kによるDSD256変換再生にて。
 ステレオ駆動(=シングルエンド=アンバランス)でも低音は凄く出ます。HD700なのに。
 バランス駆動だともっと元気になります。アクティブGND駆動だと整った元気さに。エネルギッシュな若人とクールな大人って感じでしょうか。アクティブGND駆動、「積極的にGNDをGNDレベルにドライブする」っていうのは理に適っている気がします。リモコンでワンタッチですので、曲や気分で使い分けるのもいいかと思います。
 低域は太鼓やベースが“でるべきところでは”ぶいぶい出ますがダブついてはいません。高域は十分な解像度がありますがキンキンしてません。少なくともCDフォーマットやDSD64クラスの情報は余すところなく再現できているのではないかと。
 音色は鳴らすヘッドホンや嗜好で評価変わってしまうと思いますが、敢えて言うならフラットかな~ 作った色気感やドンシャリ感などは感じません。「ヘッドホンをアンプリフトする」という仕事を忠実にこなしていると思いますが、そこに味付けが欲しい向きには物足りないかも。「これはアンプ。味付けはヘッドホン側で」というカンジでしょうか。
 比較するヘッドホンアンプもヘッドホンも持ってませんのでこれ以上は何とも言えませんが。

 個人的には、HD700で低音出るようになったのでよかったです。DSD256正式対応という安心感もありますし。DSD256変換で“しょわしょわノイズ”が出なくなったのも何より。UDA-1では聴くに堪えないと思っていたCDも聴けるようになりました。どういう変化に依るものかはさておき。

 が、価格を考えるとコストパフォーマンス的には… どうでしょうねぇ???


■備忘録

・UD-503レビュー記事
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/torii/1019297.html (OPPO製HA-1との比較あり)
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1506/10/news091.html
http://www.phileweb.com/review/article/201506/08/1670.html
http://www.phileweb.com/review/article/201508/25/1763.html
http://www.phileweb.com/interview/article/201510/09/315.html

・AK4490データシート・技術情報
http://www.akm.com/akm/jp/file/datasheet/AK4490EQ.pdf
http://www.akm.com/akm/jp/aboutus/news/20140501AK4490_001/

・15/09/08追記:MUTE不具合情報
http://teac.jp/news/display/1004/
 やったねクーポン当選(苦笑)。本稿とデジタル処理稿は「不具合修正前F/Wによる」ということで。

・17/06/17追記:CreatorsUpdate不具合情報
https://teac.jp/jp/support/news/5272
https://teac.jp/jp/product/ud-503/faq

 以下「である調」にてメモ。

 実際やってみた。
 Windows10Pro x64はZ170 PRO GAMINGへのクリーンインストール、「お使いのデバイスは最新の状態です」を確認(バージョン1703,ビルド15063.413)。「高速スタートアップ」無効。
 UD-503を接続したことなし、ドライバ入れたことなし。
 他のAudioデバイスは、オンボードのRealtekにM/B付属ドライバ入れたものとIN-BOXドライバで使うSoundBlaster DM-HDとK/Bのオマケ。

 念のためシステムのバックアップ。
 ドライバVer1.0.10.0をインストール。TEACページには「teac-audiohs_driver_v1010b」なるバージョンが上がっているが、手持ちだった「teac-audiohs_driver_v110j」とドライバ日付は同じ。英文ガイドを追加しただけっぽい。
 Z170内蔵USB3.0にUD-503を接続。
 既存のAudioデバイスも含めて特に問題なし。
 アップグレードではなくクリーンインストールでUD-503専用に使うなら問題ないかもしれない。
 ドライバをアンインストール。普通にできた。
 «foobar2000»、DSでは384kHz鳴らず。WASAPIなら鳴った。
 UD-503を外してドライバをインストール、UD-503を接続すると「Windowsが認識できませんでした」と出る。

 UD-503を接続したままシステムの回復を実施。当然ここで再起動。
 一度認識して「このデバイスを信頼するか」と聞いてくるが、それにかぶせて「認識できませんでした」となる。
 UD-503を外してドライバをインストール、UD-503を接続すると「認識できませんでした」となる。

 UD-503を外してシステムの回復を実施。当然ここで再起動。
 ドライバをインストール、UD-503を接続すると「Windowsが認識できませんでした」と出た。最初はこの順番で認識できている。システムの回復では回復できないところに何か残骸がある?
 UD-503を外し、シャットダウンし、起動し、改めて接続したら認識した。
 認識できない時はシャットダウンして暫く通電切ると様子が変わることがある?

 Class2対応についてはよく解らなかった。


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