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Optimized Girls

17/01/29初稿

 邦題“最適化された少女たち”。

 フィギュアスケートグランプリファイナル2016・女子シングル放送(テレビ朝日系)で、荒川静香さんがエフゲニア・メドベデワ(メドベージェワ)選手のSP(歴代最高得点)を次のように評されてました。

アナ:ホントに隙がないなーというカンジですね。
荒川さん:そうですね、跳ぶ前に手を上げたり足を上げたりという、そういった工夫が自然にできあがってますから、この新採点法でやはり育ってきたという強さかも知れませんね。


 私も最近の若手には“そういった強さ”を感じていたので、非常に共感するところがありました。

 新採点が施行されたのは2004-05シーズンからです。その後2006~10年くらいに基本的攻略法が概ね確立されたとすると、そのころ技術の基礎を教えられた世代は最初から「新採点法に最適化した跳び方・回り方」で習得しているのではないかと思われ、そういう意味なのではないかと。
 以前から気になっていたことでもあるので、同大会FSにて「新採点法で育ってきた世代の最適化戦略」を見える化してみようと思い立ちました。
 といってもまあ、あくまでも「いち素人の個人的な主観的感想」に過ぎませんのでその辺はご了承ください。そして、感想は静止画だけではなく動画で抱くものだと思いますので、もしご関心持たれた場合は必ずご自身でビデオ映像をご確認ください。
 対象は女子シングルのみです。

 なお、本稿はISUジャッジングシステムは

 ウツクシサは点にならないしウツクシクなくても減点されない
 PCSもGOEも、はてはテクニカル判定も、「裁量」という名の主観

という認識が前提です。

 選手みなさまには敬称略で失礼させていただきます。


■ジャンプのテクニカル判定とGOE

 まず、2016-17の表題資料を示しておきます。
 この内容に対して「どのような最適化されているか」を見ていくことになります。
 なお、2016-2017の採点方法公開資料としてはこれになると思いますので、本稿で採点と言えば以下に依るものとします。「実は別の基準があるのだ」と言われてもワカンナイ(成す術ない)ですから。

・テクニカルハンドブック
テクニカルHB2016-17:ジャンプ明確化
出典:2016hb_single_0810.pdf

・GOEプラス
SoV16-17:ジャンプGOE+
出典:comm2000j.pdf

 最終的には「ジャッジの裁量による」ので、あんまり考えても無駄っちゃ無駄ですけど(笑)。

・GOEマイナス
SoV16-17:ジャンプGOE-
出典:comm2000j.pdf

 最終GOEを必ずマイナスにしなければならないのはSPで1項目だけなところもポイントですかね。


■ISU史上最高チームの戦略

 「新採点法で育ってきた世代」「育ててきたコーチ」の代表として、メドべぇチームの演技を調べてみることにします。
 “新採点法へ最適化”しているのは、やり方や程度の差こそあれメドべぇチームだけではありません(逆に若手は全員そうだという意味でもありません)が、メドべぇは現時点で「ISU史上最高の女子シングル選手」と言っていいでしょうから、最も最適化に成功している可能性が高いという意味でサンプルとして最適でしょう。アゲサゲの意図はありません。

 「チーム」と記しているのは、“そういう戦略による技術(ジャンプの跳び方など)”はコーチから指導された結果として身に着けたものだと理解しているためです(一般的にはジュニア時代からずっと同じコーチに師事してきた若手について)。場合によっては振付師も協力しているかも知れません。
 新採点法世代の選手は「新採点法に最適化された」のであって「最適化したのはコーチ」なのだろうと思っています。

 とりあえず最大の得点源であるジャンプについて見ます。ていうかスピンやステップは難しくて語れませんし(苦笑)。
 画像出典はテレビ朝日系放送(地上波・BS)です。

 なお、GPFでは最初の3Fでコンボに失敗したため2個めの3Fをコンボにしましたが、今季(16-17)のジャンプ構成はスケカナからすると以下だと思います(ボールドはタノ(片手)付き)。

  3F+3T  3Lz  3Lo  3F  2A+2T+2T  3S+3T  2A

・ジャンプは捻ってから跳ぶ
 メドべぇは、体をかなり回転と逆方向(時計回り)にひねって反動をつけてジャンプ跳んでますよね。
 その代表例として、3S+3Tのセカンド3Tを見てみます。

(3S_)3T 合成 2

 体だけでなく右手を一旦背中まで“おおきく振りかぶって”から、斜め下を経由して左側から振り上げているのが解ると思います。腕の慣性力をジャンプ力&回転力に加えているようです。

 同様の“振りかぶり”は3Lzや3Fでも見られ、こちらでは振り上げた腕をそのままタノにもっていっています。高さと回転力とGOEが同時に得られるまさに一石三鳥の妙案です。
 もちろん簡単にできることではないと思いますが、上述の通り最初からそのように習得したのではないかと。
 また、メドべぇは離氷動作中手をぎゅっと握っているのも特徴的ですが、回転力&ジャンプ力にするための“腕の振り”なのでどうしても力が入って「グー」になってしまうのではと推察しています。

☆ここが最適化!
 テクニカルハンドブック・GOE目安共に振りかぶっても捻ってもマイナスする項目はありませんから、プラスの効果のみ期待できるでしょう。
 唯一、「無駄な力が全く無い」というプラス項目に当てはまるかどうか素人的には微妙ですが、「無駄じゃない。役に立ってる」って言われればそれまでですし、もし当てはまらなくてもそのバーターとして例えば「高さおよび距離が十分」に該当するなら差し引きゼロですし。

・ジャンプは回ってから跳ぶ
 上記3T、「左足トウを突く位置もかなり特徴的」だと思います(左から2番目の体勢)。滑走軌道のベクトル線上からはかなり右側に突いています。
 左右の足の関係が“舵を切った”ような事態になっていますから、突いた時点でブレードは必然的にかなり回転した状態になっています。ほぼ1/4は回っているのではないでしょうか。そして、そこから体を左足に引きつける動作によってさらに1/2ほど氷上で回ってから離氷しています(左から4番目の体勢)。
 トウを突いた時点での滑走軌道のベクトル線上に対して見るなら、3/4近く回ってから離氷していると言えます。

☆ここが最適化!
 テクニカルハンドブックでは、離氷までに半回転以上回ると「ごまかした踏み切り(Cheated take-Off)」としてDGされることになっています。
 しかし、これが適用されることはまずないようです。少なくともA級大会でトップクラスの選手にこれが適用された明確な事例を私は知りません。
 そういう採点傾向ですから、判定する側としてもこれを適用するには勇気がいるでしょうし、実績がないのでどのレベルで適用するか難しいでしょう。レビューも「通常速度のみ」となっていますから、判定は難しく慎重になるでしょう。
 また、GOEプラス項目「3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ」のディレイド回転は満たせませんが、タノることで姿勢変形の方を満たせるのでは(「4) 高さおよび距離が十分」項と異なり“および”とは記してないので、どちらかに合致すればいいのだと理解しています)。
 この状況を鑑みての「できる限り氷上で回っておく」跳び方なのだと思います。

・ジャンプの種類は減らす
 この項は素人の思い付きレベルですが…

 「ジャンプの跳び方・カタチ」についてはJSFのページが最もオフィシャル(日本語としては)だと思いますので、以下から引用させていただきました。
http://www.skatingjapan.or.jp/figure/trick.html

 まず、ジャンプの種類を整理しておきます。
 6種ありますが、それらは「左足踏み切り(トウループ,サルコウ)、右足踏み切り(ルッツ,フリップ,ループ)、前向き踏み切り(アクセル)」の3種に大別できるのではと思います。そしてさらにトウジャンプとエッジジャンプという決定的違いがあるワケです(トウでは跳べないアクセル除く)。

・ジャンプの種類は減らす:3S≒3T?
 上記3T、さらに、「離氷時に左足ブレードがほとんど氷に着いている」のも特徴的ではないでしょうか(真ん中の体勢)。これにも何か“最適化のヒミツ”が隠されている気がします。
 トウループはトウのまま踏み切るジャンプであって、本来「左足ブレードが氷面に着いたジャンプ」はサルコウだと思ってるのですが。そして、そのサルコウはあんまり「ハの字」を作らず跳んるように見えます。

トウループジャンプ:右足外側のエッジに乗り、左足のトウをついて踏み切ります。
サルコウジャンプ:左足内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、瞬間、内股が「ハ」の字になります。


 ということから3S+3Tのファースト3Sを以下に示し、セカンド3Tと比較してみます。

3S合成 2

 3Sは「左足内側のエッジで滑ってる」というより「右側外側のエッジに乗ってる」ように見える点など、メドべぇは3Tとかなり似た跳び方しているように見えます。
 トウループでどこまでブレードを着けることが許されてるのかは知りませんが、これを見るとISU的には“ほぼほぼおっけー”なようです。

・ジャンプの種類は減らす:3Lo≒3F?
 とすると、「右足踏み切り」のジャンプもそういう傾向あるのでは? ということで、次に3F+3Tのファースト3Fを見てみます。

3F(_3T) 合成 2

 やはり、右足ブレードがほぼ全面氷面に着いています。
 本来「右足ブレードが氷面に着いたジャンプ」はループで、フリップはトウで踏み切るジャンプだと思ってるんですけれど。

フリップ:ジャンプする直前に左足内側のエッジに乗り、右のトウをついて跳びます。
ループ:右足踏み切りで、トウを使わないジャンプがループジャンプです。右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。


 ということで単独3Loを以下に示し、3Fと比較してみます。

3Lo合成 2

 3Lo、「左足を少し前」ではなく「かなり前」に出している点や入りの時点では「腰掛けた」ようには見えない点など、他選手とはけっこう異なる跳び方しているように見えます。
 フリップでどこまでブレードを着けることが許されてるのかは知りませんが、これを見ると“ほぼほぼおっけー”なようですね。

 以上見ると、トウを突いた後離氷時までにほぼフルブレードにしてしまうことで、本来トウジャンプであるトウループとフリップをエッジジャンプに近い跳び方にし、「サルコウをトウループの」「ループをフリップの」バリエーションで跳んでいるのでは?

・ジャンプの種類は減らす:3Lz≒3F?
 続いてルッツとフリップを見てみます。以下に、左に3Lz(単独)+右に3F(リカバーで3Tを付けたコンボのファースト)の画像を並べます。ニアリーな位置で跳んでおり、当然同じカメラからの画像です。

3Lz エッジエラー 3f(_3T)と合成

 素人目にはかなり似て見えます。

 さらに、3Fの軌道(左の体勢)をみると一瞬カウンター気味になっているのが解ります。うっすらと氷上の軌跡にも残ってますよね。たとえ一瞬でもカウンター=アウトエッジ気味になるのはフリップとしていいのかなと思いますが、これも“ほぼほぼおっけー”なようです。

 つまり、カウンター軌道のサイズは極端に変えているものの離氷動作はフリップとニアリーにすることで、「ルッツをフリップのバリエーション」で跳んでいるのでは。


 以上より、6種のジャンプのうち3種をベースジャンプとし、他3種類をそのバリエーションのカタチで跳んでいるように見えます。

  アクセル・・・前向き踏み切りのベースジャンプ
  トウループ・・・左足踏み切りのベースジャンプ
    サルコウ・・・トウループのバリエーション
  フリップ・・・右足踏み切りのベースジャンプ
    ループ・・・フリップのバリエーション
    ルッツ・・・フリップのバリエーション

☆ここが最適化!
 「トウジャンプはブレードの1/3以上氷面に着けてはいけない」といったエラー判定や減点要素はありません。「ループやサルコウのジャンプの形が“腰掛”や“ハの字”になってないと減点」という規定も見当たりませんから、それらに拘っても点数的には意味はないということです。リスクがあるとすると「拙劣な踏み切り」への抵触くらいですが、実績的にみて適用されてはいないでしょう。
 だったら効率的に練習できる方がよいという戦略ではないでしょうか。自動車メーカが同じシャシをベースに複数の車種を開発するようなカンジですかね(ビジネス的にはアタリマエっすね)。

・カメラ映りも大事にする
 といっても、ルッツをフリップのバリエーションとして跳ぶとエッジエラーを取られるリスクがありますよね。
 が、おそらくそれも当然対策されており、そのミソは「跳ぶ位置」にあるようです。

 エッジを判定するのはテクニカルパネルですが、彼らはリンクのど真ん中から見ているワケではありません。ジャッジパネルの右手側にいます。ロングサイドの真ん中ではなく片側に寄っているワケで、つまり、「見られ方はリンク内の位置によってだいぶ異なる」のです。
 単純に考えてテクニカルパネルから遠い方が判断しにくいでしょう。また、エッジ傾きはブレードの前後からよりも横から見た方が判りにくいのは道理でしょう。
 エッジエラーはレビュー対象ですが、カメラはテクニカルパネルの右横に設置されているので角度は肉眼とほぼ同じです。
 ということから、次図の滑走地点・方向での離氷が一番エッジ判定しにくいと思われます。

カメラ角度(改)

 最も遠いのは左上コーナーあたりですが、流石に上手くジャンプコースがとれないでしょうから、ここがベストなのでは。

 実際、そこで跳んでますね。やはり“レビューカメラの角度を考慮して”ジャンプ位置を構成しているのではないでしょうか。

 もちろん何も確証はありませんから偶然かもしれませんが(余談ですが2015-16シーズンのGGの3Fもココでした)。

 どんな見え方の差になるのか、同じ3Lzを横から見た画像(採点待ち時の演技振り返りで放送)があったので並べてみます。ショートサイドの真ん中あたりのカメラだと思われます。完全一致ではありませんが、ジャッジカメラの逆側相当の画にかなり近いハズだと思います。

      3Lz エッジエラー合成 2

 やはり、角度は前後より横からの方が明らかに判りにくいのではないでしょうか。
 まあ、所詮素人考えなので、プロにはそんなの関係ないのかも知れませんけれど…

 実際には、素人目には明らかにインエッジに見えますがアテンションどまりでGOEも+0.60得ています。

☆ここが最適化!
 テクニカルパネルやレビューカメラからどう見えるかを計算してジャンプ位置を決めた方が有利です。
 それは時には音楽表現やコレオの必然性と相容れないこともあるかもしれませんが、それらを優先してもPCSが微妙に上がるか否かですから、点を積み上げるにはカメラ対策を優先した方が圧倒的に有効でしょう。
 「PCSを上げるためにジャッジ席の前で大きくアピール」などのテクニックはよく言われており実際あるようですから、同カテゴリのテクと言えるかもしれませんね。

・回転力をトランジションに使用する
 回転を止めずに降りて、その回転力を利用してミニイーグルなどの「出の工夫」にしているようです。これもGOEアップとの一石二鳥。
 ちゃんと着氷しないとできないことですから、それを組み込んで確実に実行できるのは凄いことですね。

☆ここが最適化!
 「空中で回転を止めて降りてくるのがいいジャンプ」と聞きます(うろ覚えですが、ジャンプは実は回転を止めるのが難しいと無良かコヅが言っていたような)。
 が、採点上はそれが点になるところはありません。止めなくても減点される規定も見当たりません。であれば、頑張って回転力を相殺せず、そのまま「出の工夫」につなげた方が点数的には有利でしょう。
 それが出来るのはもちろん練習の賜物でしょうから、そのように練習してきた(させてきた?)という戦略の成果ですね。

・“いい予断”を得る
 それさえあれば、多少回転が足りなくてもエッジが怪しくても見逃されるようです(どうせ大丈夫でしょとレビューされない)。
 例えば上で挙げた3S+3Tのセカンド3T画像。一番右側が着氷時ですが、一番左側のジャンプ直前の軌道ベクトルからは1/4以上横、かつ前向きになっています。少なくともURだと思いますが取られていません。
 予断も、「実績を積み上げてきたゆえ」と言えるかもしれませんが…

 これって最適化とは言えないですかねスイマセン(爆)。


■新採点法「傾向と対策」

 という状況を踏まえた一般的な傾向と対策を独断と偏見でまとめてみました。
 あくまでも一般論であり、特定の選手(やコーチ)とは全く関係ありません。
 なお、TES的な対象はやっぱりジャンプだけです(他はワカリマセンので(笑))。

・ジャンプにウツクシサは求めない
 音楽との調和(表現)を大切にして入りと出に目立ったステップは入れずタノもせず、特に大きくはないがキレイな姿勢で流れるようなジャンプを跳んでも、特にGOEの項目にヒットしません。4項目以上満たさないでしょうから、GOEは1付くかどうかでしょう。
 そして、着氷時にトウを突いたところが“1/4以上”、ブレードを着いたところが1/4以内だとみなされUR判定だったとしましょう。
 とても流麗なジャンプに見えますが、基礎点は30%減でGOEはマイナスになる可能性が高いです。

 一方、“手を上げたり足を上げたり”して入り、大きな構えからほぼ1/2回ってから大きなジャンプを跳び、空中では手を上げ、ギリギリ1/4未満で着氷し、回転の勢いを利用してステップを踏んだ場合は、基礎点満額+GOE2~3を得るでしょう。
 素人にはキレイに見えなくてもジャンプの形がそれっぽく見えなくても、減点項目には引っかかりませんから。

・スローでレビューされるポイントを最優先で押さえる
 スローでレビューしていいのは着氷時のみです。離氷時は「通常速度」と規定されています。つまり一番厳しく見られるのは着氷時の足元(による回転不足とエッジ判定)ということです。そして、URやエッジエラーになると基礎点30%減、GOE減点も大きいです。
 しかし、逆に「1/4までは足りなくてもよい」と考えることもできます。
 また、離氷時の「Cheated take-off」は上述の通り規定はありますがまず取られないので、離氷時にはなるべく回っておくほうが得策です。

 よって、限りある練習時間は、
 「離氷時にかなり回ってもいい」ので、
 「とにかく着氷時に1/4以上の不足がないこと」
 「ただし完璧に3回転回りきることを目指す必要はない」
ジャンプを体得することを目標に使うのが効果的でしょう。

・一方が苦手なら敢えて「アテンション加点」を狙う
 3Lzと3Fをクリーンに跳び分けられるに越したことはありません。しかし、エッジ判定記事で見た通り女子にとっては大変難しいことのようです。
 しかし、エラー(e)ではなくアテンション(!)でとどめられれば基礎点減りません。アテンションでのGOEはマイナス固定ではないので、GOEプラス項目に多く適合すれば最終的にGOEプラスも可能です。
 ですので「どちらかに注力して練習し、得意にした方を2本入れて加点を稼ぎ、怪しい方は1本だけ上記地点で跳んでアテンションレベルでとどめられれば御の字、認定されたらラッキー」という戦略もあり得るでしょう。
 「苦手な方を必死にリアルエッジに矯正(得意だった方が崩れるリスクもありそう)しなくても戦える」ということです。エラー取られたり転倒したりすると、どうもPCSも伸び悩むみたいですし(苦笑)。
 “選択と集中”といえるかもしれませんね。まさに戦略(笑)。

・3Aやクワドは無視する
 3A以上のいジャンプをギャンブルじゃないまでに安定させるためにはかなりの練習が必要でしょう。一方、それができる女子選手はいないので習得しないと勝てない状況ではありません(少なくとも現時点では)。
 なので、同じ時間をかけるなら、3回転以下のジャンプ・その他エレメンツで「いかに失敗しないか」「いかに回転不足を取られないか」「いかにGOEを稼ぐか」「レベルを取りこぼさないか」に注力した方が有意義と言えます。
 また、省力化した3Tでコンボを増やし、かつ後半に跳んだ方がオトクです。それができるのは若さゆえの体力と小柄な体格があるからだと思いますが、その優位さが活かせるウチは最大限活用しない手はありません。

・セカンドに3Loは跳ばない
 ほとんど認定されないのでセカンドは3Tに“選択と集中”して練習した方がいいでしょう。
 非常に難しいと思われますが普通の基礎点しか付かない(逆にGOEプラスは難しい)セカンド3Loを習得するより、“いつでもどこでも何回でも”3Tを付けられるように練習した方が高得点のためには有効でしょう。
 3Tを3回セカンドに跳ぶワケにはいきませんが、あと1回のコンボはダブルを2回にするかハーフループから3S付ける構成が可能だと思いますので、セカンド3Loは出来なくても問題ない、と。実際、認定される技として標準装備している女子選手はほとんどいませんから、習得しないと勝てない状況でもないですし。

・タノる
 俗っぽい話ですが。
 タノると即GOEが上がるような気がしますよね。
 実際にはGOE項目「空中での姿勢変形」にしかヒットしませんので、タノったからといってGOEが+1されるワケではありませんが、観る側への印象付けとしては効果的でしょう。分かりやすいですし。
 放送でも「加点される要素になります」などと解説されますし。決して間違いではありませんが、もうちょっと正確に説明してもらえたらなぁと思います。

・「PCSのための練習」はしない
 極論ですけれど(笑)。
 PCSはしょせん主観ですし、どうも「URやエッジエラーを取られずGOEてんこ盛りでレベルをとって」高いTESを得るとつられて上がる(オーサー理論)ようですから、PCSを上げることを目的とした練習するくらいならTESを上げることに注力した方が戦略的でしょう。


 以上、気になっていたことがおよそまとめられたかなと思います。
 そして、「ISUが示すフィギュアスケートの方向性」が解ったかなと(苦笑)。

 ただし、素人なのでいろいろ間違ってるかも知れません。その場合は申し訳ありません。
 また、念のためですが、エッジ判定精度の調査などと違って本稿は個人的思い付きですから客観性があるとは言えません。ただの素人の戯言、個人的感想です。

 最後に繰り返しますが、本稿で記したような最適化はメドべぇチームだけに見られるものではありません。また、それは選手が発案したものではなくコーチが戦略的に考案し子供のころから教えているのだと想像しています。


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テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

ルッツふるっつフリップりっぷ

16/08/13初稿

 ザ・アイスの真央は今年も美しかったです。おまけに超きゃわわでした。しかもメチャカッコよかったです~
 という話ではなく(笑)。
 ボストンで行われたフィギュア世界選手権2016女子FSにおける「ルッツ・フリップのエッジ判定」を見てみました。

 前から疑問はあったのですが、この大会は「なんか思惑あるんじゃないの?」と言いたくなるような状態でしたので遂に。明らかなリップやフルッツの認定があったのではと。タイミング逃して今更になっちゃいましたけれど。

 ただし、「ISUテクニカル判定の精度はいかほどか」を個人的に納得することだけが目的です。選手個人に対し思うところは全くありません。

 選手皆様には敬称略で失礼します。


■やったこと

 上位8位までの8選手のルッツ・フリップ全24ジャンプをBDレコーダのコマ送り再生(フレーム単位の静止画。つまり1/30秒)で確認し、個人的にエッジがアヤシイと判断したものを抽出。
 それをISU(テクニカルパネル)がどう判定したのかをまとめました。

 離氷時のエッジ角度はもちろんですが、離氷に至る軌道も見ながら判断したつもりです。ISUの判断を確認するという目的から、若干厳しめに判断しています。

 全員が何らかのカタチで3回組み込んでたワケですが、4回じゃないということはルッツ・フリップどちらかを2回、どちらかを1回にしているワケです。ざっくりですが、1回にしている方がその選手の苦手だと推察されます。

・メドべぇ   3F+3T,3Lz,3F  SPはFのみ
・アシュリー 3F+3T,3F,3Lz!  SPはFのみ
・宮原さん  3Lz+2T+2Lo,3F,3Lz
・ゴリさん  3Lz+3T,3Lz,3F!  SPはFのみ
・ラジ子   3Lz+3T,3F,3Lz
・GG     3Lz+3T,3F!+2T,2Lz
・真央    3F+3Lo,2Lze,3F+2Lo+2Lo  SPはFのみ
・理華っち  3F+3T,3Lz,3F  SPはFのみ

 個人的に?と思ったジャンプをボールドしてみましたが、概ねそういうカンジではないでしょうか(御覧の通り、個人的に?ではなかったのにISUが何か付けてた例はありません)。
 やっぱり女子にとってはどちらかはできても両方の“跳び分け”はとてもムズカシイように見えます。
 唯一ラジ子には「?」に至るジャンプがありませんでしたが、その実情は稿末にて。

 ちなみに、個人的にはルッツって変態ジャンプだと思ってます(苦笑)。「一瞬にしてスケーティング軌道と逆回転する」なんて。ルッツさんが跳んだころはトリプルじゃないですし。
 スケーティング軌道のエネルギーを使えないどころかそれを打ち消してさらに3回転分のエネルギーを一気に得なければならないワケですから、そりゃ“リアルルッツ”は女子には酷ってモンでしょう。3Lz跳ぶ筋力やタイミングを鍛えたら3Fが苦手になる、なんて有りそうな気がします。

 考察資料の出典はすべてフジテレビ「世界フィギュアスケート選手権2016女子フリー」(16/04/03地デジ放送)です。
 以下に示すのは離氷より3~5コマ(0.1~0.2秒分)くらい前の画です。離氷の瞬間は逆に解りにくいケースが多かったので(動きが速くなってるのでスローで捉えきれずブレブレになる場合が多い)。スーパースロー撮影じゃない限りテクニカルパネルも同条件のハズです。
 このあと離氷までの間に、明らかにエッジが正しい方向に(いい例ではエラーの方向に)変化していた例はありません。

 ルッツがアウトエッジ踏み切りになるのはカウンターカーブ軌道のまま跳ぶ結果ゆえ、だから正しいルッツ判定の“代表特性として”踏み切り時のエッジを規定しているのだと理解しています。アウトエッジで順カーブ軌道を描くのは無理(*)ですから、踏み切り時を見れば軌道も見たことになる、と(フリップも考え方は同じ)。
 ですから、たとえ、もし「トウを突いた時は逆だったが0.1~0.2秒後の踏み切りの瞬間には正しいエッジにもどった」としても(肉体的にできそうにありませんが)、そんな“あっちいったりこっちいったり”するエッジワークは「クリーンなエッジ」とは認定されませんよね、ISUさん?

*:たとえ出来たとしてもフィギュアスケートとして間違いでしょう(もはやアクロバット)。


■フリップ

 まずはいい例からいきましょう。我らが真央の3Fです。
 2本目なのは、この放送ではカメラアングルがこちらの方が好ましかったからです。

真央F2:よい例(靴底が見える)2

 靴底見えてます(ブレードの留め金が判るくらい)。靴を斜め上から撮ったカメラ画像で靴底がアウトから見えてるってことは明らかにエッジはインってことですよね。軌道もキレイにフリップです。

 次に、個人的にアヤシイと思ってISUも「!」を付けているゴリさんの3F。

ゴリF1:これで!で済むの?(ブレード光ってるぞ)2

 真央の例とは逆にインサイドから靴底が見えてます。フリップの軌道で入ってきましたがコマ送りしているウチにアウトに変化したものです。その過程のこのコマでブレードがキラリと光りましたから(会場の照明を反射してるということ)、エッジは明らかにアウトでしょう。

 次は個人的には「e」だと思ったけれどISUは「!」にとどめたGGの3F。

GGF1:これで!で済むの?2

 これ、先入観なく見たらルッツの離氷前にしか見えなくないですか? 離氷までの軌道もばっちりカウンターですし。
 素人目にはどう見てもエッジエラーですけど…
 今大会だけならたまたまかとも思いますけれど、15-16シーズンはシーズン通してずっと大甘だったと思います。今大会のこれはマシな方で、もっとアウトなのに認定された例もありました。
 「ジャッジ席から見にくいから」なんて言い訳にならないのは記すまでもありません。
 「e」だと基礎点下がりますが「!」ならそのままですしエッジによるGOE減点幅も小さくなります。実際プラス付いてますから得点への影響は大きいですよね。


■ルッツ

 こちらもいい例から。GGの鉄板3Lz。

GGLz1:よい例2

 カンペキなアウトエッジ、軌道もバッチリです。直前の3Fと比べちゃダメです(笑)。

 続いて、「完全にクリーンとは思えなかったけれど不明確とまで言えるか微妙」だと思った宮原さんの3Lz。アテンションは付きませんでした。

知子Lz1:ギリ?2

 同じく微妙だと思ったアシュリーの3Lzは「!」判定でした。

ワグLz1:これで!なら…2

 アシュリーはいわゆる逆回転なので、失礼ながら左右反転した画も参考として付記しておきます。

ワグLz1:これで!なら…2反転

 軌道は最後までカウンターで、エッジもギリギリアウトに踏みとどまってるように見えますが、確かに微妙。エッジが“不明確”な場合「!」になるのですから、まあ仕方ないかなと。
 微妙な時にアテンション付けるか否か、素人とプロの判断が異なるのはアタリマエでしょう。しかし、アシュリーのレベルで「!」なのですからこれ以上インに傾いてたら「!以上は確実」、ということですよね。
 しかし、だとするならこの認定はどうなんでしょう?


メドLz1:これで認定?2

 素人目には、エッジは“明確にイン”に見えます。カウンターカーブで入ってきた後トウを突く際に体重がイン側に移動したところのコマですので、この後アウトに“揺り戻し”てはいません。少なくとも“不明確”だと思います。
 なのになんで「!」すら付かないのでしょう? プロの目にはこれが「クリーンなバックワード・アウトサイド・エッジからの踏み切り」に見えるということです。軌道や体重移動の流れを加味するともはや見る角度の問題とは思えません。不思議です。
 認定ですからGOEもたっぷり。もしこれが「e」判定だったら、基礎点は6.0→4.2、GOEも「e」の場合は-2~-3がガイドですから、少なく見積もっても2~3点は下がってたことになります。

 なお、メドべぇのエッジは今シーズン(GPシリーズ・ユーロ・世界選手権)GPFのFSで3Lzに「!」が一度付いただけです。ていうか回転不足も含めてミソついたジャンプはこれだけ。すげ~

 もうひとつ、個人的には「e」だと思ったけれどISU的には認定の理華っちの3Lz。

理華Lz1:これで認定?2

 申し訳ないですけど、ほぼ真後ろから見た左足はイン側に傾いてますよね。これも数コマ前まではアウトだったものが離氷動作でインに変化したもので、この後の揺り戻しはありません。でも、「e」でも「!」でもなく認定。

 ISUテクニカルハンドブックの記述からは、素人には全く理解不能です。

間違ったエッジでの踏み切り(フリップ / ルッツ)
フリップはバックワード・インサイド・エッジからの踏み切りである。ルッツはバックワード・アウトサイド・エッジからの踏み切りである。踏み切りエッジがクリーンでなく正しくなければ、テクニカル・パネルは、記号“e”(エッジ)および記号“!”(アテンション)を用いてジャッ ジにエラーを示す。テクニカル・パネルはスロー・モーションの再生を見てもよい。テクニ カル・パネルは踏み切りがはっきりと間違っている場合に記号“e”を用いる。記号“e”が 付いたジャンプの基礎値は、SOV 表の V の欄に記載されたとおりとなる。テクニカル・パネルは踏み切りが明確ではない場合に記号“!”を用いる。この場合、そのジャンプの基礎値は減点されない。両方の間違いともジャッジの GOE に反映される。

出典:2015hb_single_08-16j.pdf

 ルッツは「バックワード・アウトサイド・エッジからの踏みきり」なんですよね?
 JSFの説明を見るとますますワカラナクなります。

ルッツは、少し長めに左足の外側エッジに乗って後ろ向きに滑走し、左肩をぐっと入れて右のトウをついて跳びます。滑走で描いてきた軌跡と反対の回転をかけながら踏み切るので難しいとされるジャンプです。「左足外側エッジ」というのが重要なポイントで、これが「左足内側エッジ」に体重を乗せてしまうと、正しくないエッジと判定されて減点対象となります。
出典:http://skatingjapan.or.jp/figure/trick.html

 「滑走軌跡(ISU言うところのバックワード・アウトサイド・エッジでの滑走)と反対の回転をかけながら」「左足内側エッジに体重乗せるとダメ」なんですよねぇ?

 上述の通り「バックワード・アウトサイド・エッジ=カウンターカーブを描きながら踏み切る跳び方の結果として」アウトエッジで離氷するのがルッツだと理解しているのですが、今回スローで見てみると、突いたトウ側に重心乗せて左足は氷に“添えるだけ”状態にしてアウトエッジを保ち摺り足のように抜いていく、というような跳び方もありますね。
 ISU的には認定のようです。

 そしてさあ、堂々唯一の「e」判定、我らが真央のルッツ(鬼門)。

真央Lz1:軌道が明らかにインなので確かにeかも…2

 残念ながら明らかにインでしょう。豪快なカウンターカーブで入ってくるのですが、最後はハッキリと“~”を描いてましたし(画像でもうっすら判ります)。
 「インサイド・エッジで踏み切ったらダメ」「左足内側エッジに体重を乗せてしまうとダメ」だというのですから、「e」なのは仕方ありません。
 しかし、だとするとメドべぇや理華っちのルッツが「!」も付かず認定なのは全く仕方なくないです。


■結果

 判定の甘辛や精度を語る場合、テクニカルパネルが変われば変わってしまう可能性があるため、同試合で見る必要があるでしょう。
 加えて、特定選手だけでなく複数選手の判定結果から傾向をみる必要があるでしょう。
 今回そのように見た結果、素人な個人的には、ISUテクニカルパネルのエッジ判定精度は「かなり低い」と思いました。
 2014たまアリ世界選手権記事でジャンプの回転不足判定を調べた時の感想と同じですね。ただ、この時はエッジに関しては明らかな違和感は感じていないので、やっぱり今回は特に私とISUの乖離は激しかったようです。

 こういう精度で何点も違っちゃうのですから選手はたまらないと思います。選手と同列に語るつもりは毛頭ありませんが、観てる方もタマンナイです。解説者もタイヘンですね。表情のことしか言えなくなるワケです(苦笑)。
 繰り返しますが、あくまでも素人な個人的判断としては、ですが。

 精度が低い理由、それを改善しない理由は不明です。当然「ISUとしては精度は問題ないと判断している」からでしょうけれど、私にはそう見えず(そう見えてない方は結構いらっしゃると思います)、さらに言うとかなり“レッテル貼り”があるように思えてなりません。

 もっと言うと、メドべぇ(理華っちは言うに及ばず)にしても、そのシーズンに「!」が付いた事例があるのですから「普段問題ないから今回も大丈夫でしょ」などと思って見逃したハズはありません。なのにあのエッジでノーエラー。レビューすらしていないとすると不自然です。
 レビューしての判定だったらより不自然だと思いますけど(爆)。

 もちろん真実は解りませんが、少なくとも「観ている側(ファン)との乖離」が無視できない状態になっているのは間違いないのではないでしょうか。ですので、それを解消する努力はすべきだと思います。
 まずは「どれをレビューしたか」と「その映像」の公開くらいはしてほしいです(できれば3対0だったのか2対1だったのかも)。Resultにひとつマーク追加するだけですから出来ないハズありません。
 ていうか公開しない理由を思いつきません(Resultは通信簿だって仰ってるくらいですから、どう評価したか公開するのはアタリマエでしょう)。ファンにとっても選手にとってもメリットだと思いますけれど。
 精度に問題ないと思ってるなら問題ないですよね。

 ジャッジ匿名制廃止より何倍も意味があると思っています。

 仕組み的には、レビューカメラを少なくともあと1台増やすべきでしょう。現在はおそらくジャッジ席の右手側に1台のみですので、左側にも1台入れて45度角度の違う映像で判定すべきでは。そもそも、テクニカルパネル席はリンクの真ん中ではなくジャッジの右手側にあるのでリンク右半分と左半分では見え方が変わります。カメラはさらにその右側に置いてるので「レビュー画像も同じ角度」になってしまいますよね。
 経費などの都合で増やせないのなら、1台の設置位置を試合ごとにランダムに変えるのもいいかも知れません。
 まあ、「レビュー要否判断」の精度が低いままなら意味ないですけど(苦笑)。


■おまけ

 いわゆる「捻挫ルッツ」。

ラジLz1:捻挫系の例:激しく捻挫。確かにアウトか…2

 ラジ子の左足すごいことになってる。アウトに傾きすぎてもはやブレードが見えません。
 なんて器用な…


■番外編

 本項17/01/02追記。
 16/11/19にテレビ朝日で放送された「フィギュア グランプリシリーズ2016 中国大会 女子ショート」では採点待ち時間にジャンプのスローレビュー映像が流れており、大変興味深いものでした。
 中でも3Lzのエッジ軌跡(と判定の乖離?)がかなりハッキリ判る画がありましたので追記しておきます。

ケイトりん3LZ:中国2016SP(2) 2

 最後に枝毛みたいになっているのは離氷直前に横向きになったブレードでひっかいたためです。
 念のためですが、ケイトりんのジャンプはアシュリーと同じく時計回りです。
 さらに念のためですが、もちろん、ケイトりんをサゲる意図など全くありません。むしろ好きな選手です。


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フィギュアのもろもろ

14/06/28初稿

 特定の話題だけの情報ではない件は、このページにまとめておこうかと思います。


■言葉の意味

・「恣意的」と「意図的」
 かくいう私も暫く前まで誤用していたのですが、「恣意的」とは、“論理的でなく、確たる意図なく、思いつきや気分で”という意味だそうです。「意図的」とは真逆ですね。
 一応意識しておこうと思っています。

・フリーの略称
 ショートの略は“SP”だけみたいですが、フリーの略し方はいくつかあるようですね。
 本Blogでは、テクニカルハンドブックに競技名として「ショート・プログラム」「フリー・スケーティング」とあることや、Resultスコア文書名がFS(例えば「wc2014_Ladies_FS_Scores.pdf」)であることなどことから「FreeSkating」の“FS”を使っています。

・ルール「改定」と「改訂」
 「改訂」や「改正」は正しく変更するという意味がありますので、ニュートラルな見方として「改定」を使っています。

・「ルール」と「ガイドライン」
 GOEの付け方などは実は厳格な決まり=「ルール」ではなくジャッジの裁量なので、「ガイドライン」と呼ばれているようです。一方、シニア女子FSのジャンプは7回まで、といった決まりは「ルール」と言えましょう。詳細はルール・ガイドラインについて考えた記事をご覧ください。
 本Blogでは両者は意識して使い分けたいと思っていますが、妥協して「ルール」とくくっているところもあります。難しいっす。

・「ジャッジ」と「ジャッジする」
 フィギュアにおける「ジャッジ」は演技審判のことですよね。テクニカルパネルは含まないと思います。
 が、「ジャッジする」はどうしても採点全体のことを指す動詞として使った方が自然だと感じています。
 採点方式自体の名称も「ISUジャッジングシステム」ですもんね。
 テクニカルパネルの“ジャッジ”はなるべく「技術判定」って記すようにしているのですが、正確に使い分けるのは難しいですね。

・「テクニカルパネル」
 技術審判3名は「テクニカルオフィシャル」と呼ばれるようですが、技術審判用の文書名が「テクニカルパネルハンドブック」であることやResultページに「Panel of Judges」とあることなどから、審判として機能する集団としては「テクニカルパネル」と呼ぶことにしています。「パネルディスカッション」「パネリスト」などの用法ですね。演技審判“団”も正確には「ジャッジパネル」みたいですし。
 そもそも、「テクニカルパネルハンドブック」の記述自体が、技術審判(団)を「テクニカルパネル」、演技審判を「ジャッジ」と呼んでますし。なんでジャッジにはパネルが付かないかというと、個々の判断を行う存在だからでしょうね。対して技術審判は3名でひとつの判断する存在ですから「パネル」とまとめられているのでしょう。

・「プロトコル」と「リザルト」と「スコア」
 普通に「protocol」を引くと「通信手順」とか「議定書」「外交儀礼」といった和訳が出てきて、「採点結果」という意味ではどうにも馴染めず使っていませんでした。
 先日、コトバンクの「スポーツ用語がわかる辞典」で「競技会の最終結果」という解説を見つけてやっと納得しました。「議定書」転じてそういう意味なのかなぁとは思ってましたので。
 つまり「プロトコル」とは、採点結果はもとより、開催日時やスケジュール、審判名などすべて記された「大会終了後に発行される結果まとめ」ということです。ちなみにラウンドテーブルディスカッションのスケジュールまで載ってます(*)。

*:例えば世界選手権2014の“PROTOCOL” http://www.isuresults.com/results/wc2014/wc2014_protocol.pdf
 文書のタイトルは「Protocol of the ISU World Figure Skating Chanmpionships 2014」です。pdfファイル名もそのまんまです。対して各競技ごとに終了後すぐ公開されるpdf名は例えば「wc2014_Ladies_SP_Scores.pdf」で、中身は文字通りスコアのみですね。

 ISUの現在のレギュレーション文書「SPECIAL REGULATIONS & TECHNICAL RULES 2012版(以下資料参照)」のP.24に「Rule 366 Protocol」という項目があり、そこに詳しく規定されているようです。
 それによると、どうもISU大会で必須とされている文書のようで、非ISU大会では存在しない可能性があるようです。例えばJSFのページには存在しません(*1)。つまり例えば「全日本選手権のプロトコル」はないようです。
 ISUのResultページ、世界選手権やGPシリーズなどには大会Protocol文書(へのリンク)がありますが、ソチにはありません(*2)。ISU公認大会ですがISU主催ではないからでしょうか。
 さらに、ISUのResultページにProtocol文書へのリンクがあるのは10-11シーズン以降のようです。存在はするのかも知れませんが所在は不明です。

*1:http://www.jsfresults.com/
*2:http://www.isuresults.com/results/owg2014/

 よって、ちょっと揚げ足取りのようになりますが、例えば「SPの採点結果を当日プロトコルで確認」することはできないハズです。
 やっぱり、採点結果という意味でも、ジャッジやテクニカルのメンバを確認するという意味でも、「Protocol」と呼ぶのは避けようと思っています。本Blogでは「誰が採点したかも合わせて採点結果を見る」という意味で、「Score」ではなくISUやJSFの大会結果資料ページタイトルにもなってる「Result」を使っています。こちらは大会中にも更新されてますので(決してそれが正しいという意味ではありません。個人的な趣味性のハナシです)。

 ところで、どうにも「スポーツ競技会結果」を「Protocol」と呼ぶのはなじみがありません。そこで同じく「採点競技」であるシンクロナイズドスイミングってどうなんだろうとweb検索してみたところ、結果を記す文書名はどうも単純に「Result」のようです。最終順位しか乗っていない文書は「Final Result」でした。以下一例です。

http://swim.seiko.co.jp/synchro/2013/01/jp/pdf/duet_fr_result.pdf

 体操でもProtocolという用例は見当たりませんでした。
 「スポーツ競技会の最終結果」という意味で使われている事例はフィギュア以外に発見できていません。
 そこで、レギュレーション文書をひもとくと、「4. A protocol must be signed by the Referee and the Technical Controller.」という規定があります。「サイン必須」というあたりが、いかにも“議定書”っぽいと思えます。
 そもそも「議定書」とは、「外交交渉・国際会議の議事録で関係国が署名したもの(出典:コトバンク 大辞林)」といった意味ですので、もしかしたら「各国の審判が協議して決めた結果に署名したもの」というイメージで古くから使われている歴史があるのかも知れません。


■回転不足に関するアレコレ

・いわゆる「プレロテ」でUR?
 「テクニカルパネルハンドブック13-14」のURとDGに関する記述を添付します。
13-14テクニカルガイドUR定義
13-14テクニアルガイドDG&ごまかし定義
出典:2013-14_TPHandbook_single_J_ver1.pdf

 これを見ると、“明かに後ろ向き踏み切り”の判断でUR判定が出ることはないのは明らかです。だったらDGになるハズですから。
 離氷時のデキに問題がある場合、現行採点法ではGOEで評価するものと理解しています(マイナスGOEガイドの「拙劣な踏み切り」かな?)。

 ちなみに、昨シーズン用のハンドブック12-13には、ごまかし踏み切り項の冒頭に「ジャンプの踏み切りでごまかした場合も同じ基準が適用される」という一文がありました。

12-13テクニアルガイドDG&ごまかし定義
出典:2012-13_TPHandbook_single_J_ver2.pdf

 「ダウングレード判定」について記している文章なのですから、普通に読めば「同じ基準」とは前項の「ダウングレード基準」を指しているとしか理解できません。が、その前の「アンダーローテ基準」との関係が若干微妙と言えば言えるかも知れません。
 曖昧になるだけで意味がないと気付いたのでしょう(笑)、13-14版で削除したようですね。
 この改訂からも踏み切りとURは無関係であることが解ります。

 なお、テイクオフ前に回っちゃうことは、本当は「プレロテ」とは呼ばないらしいですね。「チート」と呼ぶとのこと。確かにハンドブックではそう呼ばれています。
 まったくの余談ですが、「ごまかしジャンプ」「cheated jump」って呼び方って、もうちょっといい表現ないもんですかね。技術的に未熟であったり失敗したりと「ズル」は違うでしょう、ISUさん。

・どのジャンプをレビューしているのか
 本項14/04/02初出。
 ちなみに。
 私、「回転不足判定」について無意識に誤解してた気がするので記しておきます。
 ナントナク「全ジャンプを専用カメラ映像のリプレイでチェック」しているので素人の肉眼より正確なのかと思っていたのですが、田村明子著「銀盤の軌跡」P.186の「ジャンプの回転認定プロセスとは」項によると、テクニカルスペシャリストの判定に対してアシスタントがレビューかけない限りビデオ判定は行わないと読めます。レビューが多い場合は得点が出るまで時間がかかるという記述もありますし、考えてみればそもそもそんな時間ないですよね。
 15/11/03追記:JapanOpen2015では、座席からテクニカルパネルのディスプレイが半分くらい見えました。ジャンプレビューと思われる映像(横に流れていく映像)再生回数は、演技によって全く違いました。

 また、J-SPORTSで岡部由起子さんがテクニカルスペシャリストのコールを再現していた(私は観ていないのですが13年11月の放送かな?)そうですが、それによるとスペシャリストが「レビュー」のコールをしているようです。
 だとすると「レビュー」はスペシャリスト自身が「見直したい」と判断した場合も含まれるようですね(番組ではアシスタント役も兼ねていたのかも知れませんが。なお、田村明子著「パーフェクトプログラム」P.44には3人にコール権アリとあります)。逆に言うと、スペシャリスト及びアシスタントどちらからも(コントローラからも?)レビューかからなかった要素については、やはりビデオ判定はされないと理解してよさそうです。

 つまり、スペシャリストとアシスタント(コントローラも?)が同意見だった場合はビデオ判定はされないということです。
 たまたま生では二人(三人)が同じように感じちゃったけど、あとでビデオ見たら「あちゃ…」って判定もあり得るのでは。
 たまたま見つけられたり見逃されたり、結構“運”があるような気がします。

 ひとつのUR判定は3~4点下げることになり勝負を分けますから、野球というより、サッカーのオフサイド(によるノーゴール判定)やペナルティキック判定などと同種の感覚で捉えないといけないのかも知れません。
 ええ~ってカンジですけれど(苦笑)。

・レビューは何回までできるのか
 以下、世界選手権2014の真央採点について考察した時の感想です。
 選手に関係なく、なんでこれがUR? あれがURならなんでこれがOK? これでOKならなんであれがUR? っていう例が結構ありました。もはや「微妙な角度の問題」とは言えないのもあったと思います。
 今回の42ジャンプでは、なんだかトゥループとループは激甘に見えました。3A、3Lz、3Fあたりの難度の高いジャンプをガン見するのに手一杯?
 それから、転倒ジャンプの回転判定は解らないですねぇ。甘すぎ辛すぎが激しいように思います。転倒はあまりレビューかけないのかな?

 もしかして時短(*)のために「レビューは3回まで」とかって目安があったりして???

 転倒ジャンプやトゥループやループといった比較的難度が低いとされているジャンプにはモッタイナイので「レビュー権」使わず、リアルタイム目視判定で済ませているように見えました。
 ルール・ガイドラインについて考えた記事に記しましたが、審判団は「公式練習」で選手の状態や技をチェックしているようですので、そこで「厳しく見るアタリ」を付けている(レビューする候補を決めている)のかも知れません。

*:ISUは時短にご執心っぽいので。14-15年度から、コールされてから演技開始までが1分から30秒に短縮されたように。否決されたようですがシニア男子の演技時間短縮案も出てましたね。あまつさえSP廃止論もあったりして。

・回転(コマ数)不足?
 世界選手権2014の真央採点について考察した時、真央の3Aはおよそビデオ40コマで3.5回転してました。「サンプリング定理」から、1/4回転を表現するにはその倍の解像度=1回転に8コマ以上が必要になります。ので、3.5x8=28コマ以上必要ということです。テレビフォーマットの30fpsで40コマということは、通常撮影ではなんとか足りてるけれど充分とは言えないのでは。男子のクワドなんてもっと回転速いでしょうし。
 15fpsの動画とかではアウトですし、30fpsでも決定的コマが撮れてない可能性があるのではないでしょうか。スロー再生しても元々撮れてない画は見られません(笑)。60fpsとかハイスピード(スーパースロー)撮影しないとダメでしょう。
 つまりテレビ放送映像では限界がある(*)ってことですが、ISUさん大丈夫かな。当然スーパースロー再生使ってますよね?(是非見たいですよね!)

*:撮影ごとにサンプリングタイミングが異なりますので、テレビ映像でも複数見ればそれなりの判断は可能かとは思いますが。

 なお、通常のテレビ放送はインターレース方式ですので、1枚の静止画(フレーム画像)を得るためにはODDとEVENのフィールド画像を合成する必要があります。ジャンプ中は当然猛スピードで動いていますので2枚のフィールド画像は違った画になります。よって、それを合成した静止画(コマ送り画像)はブレてしまいますが、合成の仕方は再生機器によって異なる可能性があります。
 また、あまり詳しく知らないのですが、機器やソフトによっては「フィールド単位」でコマ送りできるものもあるようです。走査線は半分しかありませんので補間しているのでしょうね。
 「着氷の瞬間」の静止画像は、同じ放送録画ソースでも、例えば「あるレコーダ」と「あるPC」では同じではない可能性がある、ということです。

・レビュー映像(カメラはどこにあるか)
 16/01/30追記:NBCが、2011年に前年の2010年全米大会でのサーシャSPのテクニカルレビュー映像を流したそうです。
 ISU大会ではありませんが、おそらくカメラ位置やレビュー作業は同等ではないでしょうか。カメラはジャッジ席の右横っぽいです。

https://www.youtube.com/watch?v=BxEObLwnTDU

 3Lzのエッジをレビューしているようです。

 以下ISUジャッジングシステムを開発したらしい会社のwebページを見ると、カメラ位置は上記ビデオの位置っぽいです。
 ちなみに「スーパースロー」とは記されていませんが…

http://www.swisstiming.com/Figure-Skating.507.0.html

 16/12/01追記:また、例えばNHK杯2016では「ジャッジ席目前で演技する選手」と「選手映像(レビューカメラ映像だと推定)が表示されているジャッジ席のモニタ」が一緒に映っている場面がありました(未来FSなど)のでアングルからカメラ位置が推定できますが、右手側で矛盾ないと思います。実際、それっぽいカメラありましたし(JO2016でもその位置にあり、それは夜のCOIでは無くなってました)。


■評価基準は男女で同じか異なるか

 レベル判定やGOEなどTESについてはハンドブックなどの文書があり、そこには男女別評価に触れた記載はありません。「女子はコレオにスパイラルを入れろ」といった“ルール”は男女で異なりますが、ルールが異なるからGOEの付け方も異なるとは言えないでしょう。
 一方、PCSに関するISUの公開資料(URLは以下資料参照)にも男女別に関する記述は一切ありません(私が行ったアヤシイ参考和訳はこちら)。

 つまり、「“男女別”であるという根拠はTESとPCSの採点方法を記した公開資料にはない」のが事実かと思います(別の公開文書になってるとはちょっと考えにくい)。もし男女別なら常識的に考えてGOE獲得項目数が異なっていたり「男女で演技時間が異なることを裁量せよ」といった記述が絶対あると思いますが、それらは見当たりません。

 まあ、回転不足判定と同じように非公開の何かがある可能性は高いでしょうけれど(苦)、内部事情を知らない我々にとっては、

「男女別に関して公開資料に記載がないことから判断すると、採点結果を比べる意味はあるハズ」

という考え方と

「演技内容と採点結果から判断すると、公開されていないが男女で違うハズ」

という考え方は、いいとこ“どっちもどっち”ではないかと思っています。

 そもそも、PCSについてはファイブコンポーネンツのうち「振り付け」や「音楽解釈」なんて男女別基準にしようがないですよね。「実行力」もかな。
 もし「スケーティングスキル」と「つなぎ」だけは男女別だと言うなら、なんて中途半端なことかと思います。


■PCSの謎

・PCSの基準はSSなのか
 web記事を読んでいると「SSを基準として他4項目は採点されている」的な記述を見ることがあります。しかし、そのようなISUの公式見解を私は見たことがありません。
 ネット検索で調べてみると、ファンが想定したそういう“仮説”はあるようですね。

・PCSは高難度ジャンプを跳ぶと上がるのか
 本項15/06/08追記。
 表題のような説(?)もあるみたいですが、絶対そんなことないでしょう。
 例えばソチ団体戦男子、プルプルは4T,3Lz,3A,3A+2T+2Lo,3Lz+3T,2S,2Lo,2Aという構成、つまりサルコウとループをトリプルで跳ばず1種1クワド+4種5トリプルでPCS86.72(1位)を得ています。82.72でPCS2位のまっちーは4T,3T,3A+2T,3A,3Lo,3Lz,3F+2T,3Sの1種1クワド+6種7トリプルでした。SSだけで見ても8.75に対して8.32です。
 「ダブルはどうでもいいのだ、最高難度のデキが問題なのだ」というなら、同じ4TのGOEはプルプル1.86に対してまっちー2.00です。ケヴィンなんて4S,4T+3T,4Tという「コンボ入り&ひとつ後半の2種3クワド」をプラスGOEで跳んでもPCS78.92(SS7.93)ですがな。
 「団体戦はお祭りだから」といった“場合分け”を始めたらキリないです(爆)。
 ISUジャッジングシステム考察記事で見た通り、ジャンプミスしても下がりませんし。

・PCSはエレメンツの成否と連動するか
 本項16/11/23追記。
 「する」なんてISU情報はひとつもないハズです。実例は上記リンク先にある通り。
 GPフランス2016の真央に関する岡崎真さん(テクニカルスペシャリスト)の評にも、ハッキリと「PCSは要素の成否とは別」と記されています。

プログラムは着実に練り込まれており、ステップも初めてレベル4を獲得した。だが、ほぼ全てのジャンプが2回転では、技術点で勝負にならない。ジャンプが決まらないため全体の印象が引き締まらず、要素の成否とは別の視点で採点されるはずの演技点も伸びなかった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00000093-spnannex-spo

 一方、オーサー氏はこんな発言してるとのこと。

「4回転ジャンプの本数や種類が得点源ではありません。ジャンプやスピンすべての出来栄え点(GOE)で『+3』に近い加点をもらうことが1つ。そして質の高い技術ばかりをそろえることで、プログラム全体の質が高まり、演技構成点の評価も9点〜10点という高い評価になるのです。結局は技の質にこだわって練習していくことです」
出典:http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201611220001-spnavi?p=2

 「成功したエレメンツに高いGOEが付く上手い選手」はおおむね「PCSも高い上手い選手」というだけのことであり、そりゃ普通ならアタリマエでしょう。
 採点システムの原則的考え方としては“別の視点”ですけど、TESの出来栄えがいい演技は結果的にはPCS的にもいい演技である可能性が高いってことですよね。逆に、例えば転倒しまくったらPEやTRやINは下がっても仕方ないでしょう。
 しかし、それが客観論として成立するかどうかは別です。例えば「ジャンプでGOEを稼げる選手」は、SSは高い可能性ありますがCHやINも卓越しているとは限りませんよね。
 つまり、あくまでも“可能性が高い”ってだけのハズですが、実際には“TESにつられてPCSも上がってる”ように見えます。
 一方、そうでないケースも見られます。例えばボストン世界選手権2016女子FS、1位のメドべぇはTESにミソなく77.76(うちGOE15.43)、PCS72.34でした。2位のアシュリーはUR2個アテンション1個などがありTES68.45(うちGOE9.07)でしたがPCSは73.78。“質の高い技術ばかりをそろえた”ワケではなくTESやGOEは明らかにメドべぇより低いのに、PCSは上回っているワケです。

 また、
そうなんです。そしてGOEが高い、つまり質の高い演技をしているということは、演技構成点(PCS)にも連動してきます。一点の曇りもない高品質な演技が、芸術性も高いというのは、おのずとわかることでしょう? 今回のハビエルに対して10点満点を出したジャッジもいましたね。ユヅルもとてもPCSが高かった。これが勝利の方程式です。
出典(削除?):http://web.canon.jp/event/skating/interview/int_brian01_1.html

 と言われても…
 全くおのずとなんてわかりません。だってGOEに芸術性なんて関係ありませんから(爆)。

・PCSは長期的に見るとGOEと連動しているのか
 本項15/11/08追記。
 オーサー氏がそういうことを言ってるようですが、もしそう見えたとしても、それはその選手がエレメンツも5コンポーネンツも高得点できるように上達した“結果”を示しているだけであり、“原因”として連動している証明にはならないでしょう。
 オーサー氏はおそらく「ISUジャッジングシステム上、GOEとPCS同時に出さざるを得ない“ワザ”やコレオや見栄えがあるので、それを重点的に練習すると効率的に点が取れる」と言ってるのでは。

 試合単位で見ればGOE(TES)とPCSが連動してないのは明らかですし。

・5コンポーネンツは連動するものなのか
 本項16/04/10追記。
 ある選手のあるResultは5項目概ね揃ってて極端に振れませんよね。SSはいいけどINがダメ、なんてあってもいいハズですけれど。
 PCS定義の中心人物、クリック夫人のインタビューです。

それからジャッジの採点が他のジャッジと極端にずれていた場合、5コンポーネンツ全体の合計で平均値と比べられます。でもこれは間違っています。もともと5コンポーネンツは、順位を決めるために使われるべきものではなかったはずです。スケート技術、トランジションなどは、もともと別々に評価をしなくてはならないものでしょう。
出典:「ワールド・フィギュアスケート No.58」 P.43

 連動してる(ように見える)のはやっぱヘンってことですね。

・トランジションは繋ぎに動きを入れるほど上がるのか
 本項16/04/10追記。
 同じくクリック夫人の言です。

トランジションについてはよく理解されていないかも知れません。トランジションとは、エレメンツの間に何か違った動きをやってみせることではなく、エレメンツ間を繋いでいく動きのことなんです。
出典:「ワールド・フィギュアスケート No.58」 P.44

 「目立つ(変わった)繋ぎの動きが満載だからTRが高い」じゃないってことですね。

・杉田氏(日本スケート連盟名誉レフェリー)のPCS解説
 本項16/12/02追記。

 演技の表現、振り付け、曲の解釈の3項目は重なる部分も多い。演技の表現はプログラムの出来が左右する。いい演技をすればパフォーマンスが上がっていい評価になる。音楽との関係や滑る選手が持っている個性をうまく生かしているかどうかも大きい。

 振り付けはジャンプやスピンの一つ一つが、リンク全体にどうレイアウトされているかという点も審判は見ている。リンクの同じところで同じジャンプを跳んでいたり、ジャンプがプログラムの前半に集中していたりすれば、いまひとつの評価となる。配置のバランスのよさもシビアに見ている。一番大事な点はその選手が持っている能力を音楽と調和させること。その要素の中にバランスがとれたプログラム内容を考えていくことが大切だ。選手を生かすも殺すもプログラム次第だといえる。

 曲の解釈は音楽の持つ雰囲気や情感を選手がどれだけ出しているか。「滑りそのものが音楽だ」となってくると高い得点が出る。たとえば浅田、鈴木明子(邦和スポーツランド)はそれを感じさせる選手だ。経験が浅い選手には情感を出すことは難しく、年齢が左右する部分でもある。

出典:http://www.nikkei.com/article/DGXZZO65539700Z10C14A1000000/?df=4

 スポーツライターやコーチではなく「ISU採点の実態を知っている側」からの解説ですが、14/01/23の記事であり、最近は「ジャンプが後半に集中していても」「経験が浅くても」大丈夫になったってことですかね(苦笑)。

 また、同記事で以下のようにも仰っていますので、やはり「TESとPCSは連動しない」のが正しい解釈だと思われます。

技術点がジャンプなど一つ一つの要素を評価しているのに対し、演技構成点は演技全体を見て評価する。「ジャンプで転倒したのになぜ高得点が出るのか」と疑問を持つ人もいると思うが、技術点でマイナスになっても、演技構成点で総合的な滑りを評価されることはある。
出典:http://www.nikkei.com/article/DGXZZO65539700Z10C14A1000000/?df=3

 少なくとも2014年当時は。


■エトセトラ

 何故か「である」調も混じってます(笑)。

・審判の「主観」とは何か
 GOEは、「ガイドラインの項目いくつに該当するか」に基づき、どれに該当するかの判断、および、いくつ該当するからGOEレベルXである、という判断はジャッジの“裁量”に任されています。

 PCSは、「Explan(説明書)」に基づきジャッジが判断することになっていますが、実運用は「各選手について“整合”されたレベルからの±が“裁量”として許容されている」のではないかと推察しています。

 技術判定は、「テクニカルパネルハンドブック(ルールブックではない)」に基づき、実運用としては詳細な判定要素に関する整合を経てテクニカルパネルの“裁量”に任されていると推察しています。

 当Blogでは、これら“裁量”を「審判の主観」と呼んでいます。つまり「フィギュアスケート演技に関する価値観」という意味での主観のことです。それを逸脱する主観(人として国としての好悪感情など)は含みません。含んではなりません。
 もし含んでいるならそれは不当採点です。

・ISUの「主観」とは何か
 さらに、「整合」は“ISUの価値観によって行われている”と言っていいでしょう。これはISUの「主観」だと思っています。
 いろいろ調べた結果、つまるところ、PCSやGOEにつきISUから「客観的な評価基準」は提示されていないからです。逆に、審判の判断は「裁量による」と明示されています。ベースとなる整合についても含め、誰が見てもそうなる、という基準はないのです。

・ISUジャッジングシステムによる採点の正当性を論じるということ
 客観的な基準がない事象の正否を論じても答えを出すのは不可能です。例えば、どんなにGOEが付いても、PCSが前例のない急上昇しても、何が起こっても「そんなことあり得ない」という証明はできません。
 もちろん、証明できないから正当であるということにもなりません。
 結果について「このように判断した」という公式な情報があればそれを検証することは出来るかも知れません。が、ご存じの通りそれに類する公開情報は全くありません。

・解説者の立場・メディアの中立性
 少なくとも日本の解説者やアナウンサー、関係者は「採点がおかしい」という趣旨の発言は絶対しないでしょう。採点システムの改善点という意味での指摘はあるかも知れませんが、ISUを信じない=不正があるという立場はとらない、と言うかとれないでしょうから。基本的には「ISUジャッジの結果を追認するコメント・解説=勝った選手は素晴らしい」となるハズです。少なくとも表向きには。
 本音はさておき。
 ですから、解説者やアナウンサーが言ったからといってそれが真実とは限らないでしょう。
 逆に、ISUジャッジの結果に疑義を呈するような内容は、追従コメントよりは信憑性あると言えるかも知れません。

 ただ、上記は日本の場合です。海外メディアにはいろんな思惑ありそうです。実際、北米では「採点に疑惑を言い立てること」「メディアが介入して圧力かけること」に違和感ないようですから。ソルトレイクのように。
 日本ではすべてのスポーツは“道”になってしまう傾向がありますが(選手だけでなく周辺やメディアもそのように扱う)、欧米、特に北米では「ショービズ」としての扱いが強いのでは。

・ジャッジパネルの匿名制は正当性にとって害悪か
 ジャッジパネルの匿名制は、少なくとも名目的には「メディアや所属連盟による圧力からの解放」を目的としているようです。が、ISU内には「ジャッジの能力向上のために」匿名制を廃止すべきという意見もあるようです。
 一方、一般ファンの多数意見としては「誰が何点付けたか判るようにしていかがわしい採点できないようにするため廃止」でしょうか。
 しかし、実名制にして「心置きなく不正な採点する」ことができなくなったとしても、逆に「圧力を気にして日和る」可能性が出てきます。実際にどうかは別として、結局、実名制にしてもそういう疑惑は出てきちゃう(持てちゃう)のではないかと思っています。

・スピードがあればいいのか
 言うまでもないことですが、多くの難しいことを流れに乗って実行する時に、スピードがある方がいい評価されるワケです。スピードだけあればいいワケではありません。

・ノーミスならいいのか
 言うまでもないことですが、高難度の演技をノーミスで演じることが評価されるワケです。「パーフェクト」も同じです。
 ところで、あきらかにエレメンツをミス(トリプルがダブルになるなど)しているのに「ほぼパーフェクト」とか「ほぼノーミス」とか言うのやめてほしいです。たまに「カンペキです!」なんて叫ぶアナとかいたり(苦笑)。

・チェンジエッジとは何か
 スパイラルにもスピンにもある。
 スパイラルではチェンジエッジすると必然的にS字を描く。“目にもとまらぬチェンジエッジ”はないハズ。それは単にエッジに乗れていないだけだと理解する。

 スピンでは「後ろ向きに滑る」場合は「バックアウト」と呼ばれるようにアウトエッジ。「前向きに滑る」場合は「フォアイン」と呼ばれるインエッジとなる。
 体重をかける位置は、バックアウトの場合ブレードの前側、フォアインの場合は逆に後ろ側になる。名前とは逆になる点に注意。
 回転中心が点であるように見えるスピンにも「前向き」「後ろ向き」がある点が理解のポイントか。点のように見えるが、概念的に小さな円を描いていると考え、その円周を前者ではブレードの前の方に体重をかけてアウトエッジで後ろ方向に回り、後者では後ろに体重をかけたインエッジで前方向に回る、と理解すればよいかも。同じ脚で回転方向そのままに体の進行方向を変えるのであるから、エッジは逆になるということ。
 もちろん“目にもとまらぬチェンジエッジ”はスピンにおいても存在しない(できない)ハズ。

 記すまでもないが“靴の中でチェンジエッジ”などというハナシもバカバカしい限り。

・アウェーとは何か
 フィギュアに限ったことではありませんが、「アウェーゆえの不利」とは決して妨害や嫌がらせを受けることではありません。観客の応援が全くなかったり(逆にヤジられたり)、移動や、食事や住環境や気候風土などのやむを得ない違いによるコンディション調整の難しさのことを言うハズです。
 ホスト国はそれら違いが極力発生しないように取りはからう義務があるハズです。というか常識でしょう。逆にホスト側に妨害されるなど、「アウェーの洗礼」というようなものでは断じてありません。

・観戦マナー
 観戦中(採点待ちやコール後の1分間や6分間練習も含む)にスマホとかケータイとかいじるのやめてほしい。そもそも画面光ってるし照明反射して後席の人の目に入るんだから。「電源切れ」ってアナウンスしてるんだから、百万歩譲ってもコールされたらやめるのが普通の感性じゃないの? いわんや演技中までいじってるなんて信じられない。他の人への迷惑考えて欲しい。
 子供にずっとDSやらせてるなんてのにも出くわしたけど、あんまりだと思う。

・欧州選手権とは何か
 16/01/31追記:ユーロって“全欧選手権”であって“全米選手権”とか“全日本選手権”とかと同じく「ナショナル」だったんですね。少なくとも採点基準は(笑)。だけどISU公式大会(爆)というフシギ。


■えとせとら

・「浅田真央」というブランド
 当Blogではソチ記事をはじめ、「真央が満足ならいい」というような意味のことを記しています。
 誤解なきよう書き添えますが、これは「真央は信頼のブランド」だという事実を大前提にしている記述です。
 非常に単純化すると

  a.真央が満足・実際良い演技
  b.真央が満足・実際悪い演技
  c.真央が不満・実際良い演技
  d.真央が不満・実際悪い演技

のうち、「“bはあり得ない”という信頼感」のことです。「真央が満足」は「実際良い演技」と等価だと思っている、ということですね。
 なお、「実際良い演技」は「得点や順位や勝敗」に直接リンクしていないのが現実、とも思っています。

      ←連作文庫本。真央の底抜けっぷりが楽しい

・休養宣言直後のテレビ出演を観てて改めて思ったこと
 やっぱりすんごくかわいくて美しいけど、真央の魅力は「飾らない」ことじゃなくて「飾れない」ことじゃないのかな。
 いつまでたってもテレビ慣れしてないみたいなところとか。
 高純度の鉄は錆びない、みたいな。
 真央は「お雛様」というより「五月人形」の方がイメージでしょ。テリー解ってないなぁ(笑)。そりゃ本人にそうは言えないでしょうけどね。

  ←「休養声明記者会見全文」だそうな。

・16/04/20
 世界選手権後の真央、滾ってる。
 19日の伊集院光のラジオで、おじさんおばさんファンのことを「日本中におじさんおばさんがいるみたい」と言ってくれて嬉しいぞ!(笑) 今日から平昌は「ぽんちゃん」って呼ぼう。


■資料

・ISU女子ランキング
 http://www.isuresults.com/ws/ws/wsladies.htm

・ISUレギュレーション
 http://static.isu.org/media/79153/2012_constitution_and_general_regulations.pdf
 14/06/16現在。ISUのサイトは文書の置き場所などコロコロ変わっちゃうのでいつまであるか解りませんが。
 昔はこっちにあったみたい。
 http://www.isu.org/vsite/vfile/page/fileurl/0,11040,4844-206192-223415-177357-0-file,00.pdf

 これが13-14シーズンまでの「ルールの大本締め」のハズ。ちなみに、14/06/28現在、第55回Ordinary Congress(2年ごとの大きなルール改定が協議される)をDublinで開催中で、その結果をもって2014版が発行されるってことですね。

・ISUレギュレーションその他
 本項16/12/01追記。
 レギュレーションには運用規定っぽい「General」と技術ルールっぽい「Special」があります。
 2016版のそれぞれは以下です。
http://static.isu.org/media/1017/constitution-and-general-regulations-2016.pdf
http://static.isu.org/media/1003/2016-special-regulation-sandp-and-ice-dance-and-technical-rules-sandp-and-id_final.pdf

 現在発見している過去分は以下です。
 Specialの2011,2012,2013,2015は見当たらないですねぇ。Generalも2012と2016以外は見当たらないような。

・SpecialRegulation2010版
http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2010regurations.pdf

・SpecialRegulation2014版
http://static.isu.org/media/165218/2014-special-regulation-sandp-and-ice-dance-and-technical-rules-sandp-and-id.pdf


■ISUジャッジングシステム

 点数高すぎ低すぎを言う場合はざっとでも目を通すべきだと思います。

・ジャッジングシステム:TES

・ISU資料(JSFまとめページ)
 http://www.skatingjapan.or.jp/whatsnew/detail.php?id=1695

・ISU資料(ISU Q&Aページ)
 http://www.isu.org/en/single-and-pair-skating-and-ice-dance/isu-judging-system/single-and-pair-skating

・テクニカルパネルハンドブック12-13 (日本語)
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/2012-13_TPHandbook_single_J_ver2.pdf

・Communication No.1724(日本語)
 12-13シーズンに適用されるISU点数表。レベルやGOEの付け方記載もあり
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/comm1724J-3.pdf

・テクニカルパネルハンドブック13-14(日本語)
 http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2013-14hb_single_ver_1j.pdf

・Communication No.1790(日本語)
 13-14シーズンに適用されるNo.1724改定版。
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/comm1790J.pdf

・ISUジャッジングシステム:PCS
*両方ともずいぶん古いUSFSA(米国スケート連盟?)サイト版 (最初ISUサイトで発見できなかったので)

・OverView  *05/05/18付けバージョン
 http://www.usfsa.org/content/JS08-progcompoverview.pdf

・Explan  *04/07/31付けバージョン 
 http://www.usfsa.org/content/JS08A-Programcompexplan.pdf

 14/06/16時点で発見したISU正式版はこちら。

・OverView  *13/10/23付けバージョン
 http://static.isu.org/media/139116/program-components-overview-2014.pdf

・Explan  *04/07/31付けなので、USFSAの文書と同じバージョンのハズ
 http://static.isu.org/media/104183/program-component-explanations.pdf

 16/12/01追記:上記Special-Regulation2016にはPCSが載ってるようです。昔のには(Singleは)無いみたいですが…

・ISUジャッジングシステム:Deduction

・原文
 http://isuprod.blob.core.windows.net/media/104211/sandp-deductions-deductions-who-is-responsible.pdf

・日本語
 http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2012sp_whois_j.pdf


■13-14シーズンResult

・2013アメリカ
 http://www.isuresults.com/results/gpusa2013/

・2013カナダ
 http://www.isuresults.com/results/gpcan2013/

・2013中国
 http://www.isuresults.com/results/gpchn2013/

・2013日本
 http://www.isuresults.com/results/gpjpn2013/

・2013フランス
 http://www.isuresults.com/results/gpfra2013/

・2013ロシア
 http://www.isuresults.com/results/gprus2013/

・2013ファイナル
 http://www.isuresults.com/results/gpf1314/

・2014欧州
 http://www.isuresults.com/results/ec2014/

・2014四大陸
 http://www.isuresults.com/results/fc2014/

・2014世界選手権
 http://www.isuresults.com/results/wc2014/

*原則、年次を書き換えれば2012など他のシーズンのURLになる。ただし、GPFはたまに2011といった4桁表記になっていたりする模様

*Protocol文書もこのページからDLできる


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ジャンル : スポーツ

「フィギュア世界選手権2014」にTESカウンター(TESメーター)の意味を探る

14/06/07初稿

 14/05/24初稿のたまアリISUジャッジング記事がチマチマ追記で肥大化(苦笑)してきたのでまた分割しました。

 さて、EUROSPORTS系(?)の映像では今期から(のハズですよね)最終TESに至るまでのリアルタイム増減(CURRENT)が公開されています。
 通称“TESカウンター”。
 “TESメーター”とも?

*:14/12/18:タイトル・本文を「TESメーター」から「TESカウンター」に書き換えました。

 変化の意味に興味はあったのですが、「判定と表示変化にはタイムラグがあってズバリの点数変遷は解らないだろう」と思って放置してました(無粋ですし(苦笑))。何よりメンドクサイですしね。
 しかし、今回の世界選手権2014についていろいろ考えた流れで“やる気”出たので、TESカウンターとは何か? 追っかけてみました。

 選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■得点確定プロセスをひもとく

 対象TESカウンターはもちろんというか何というか、真央です。大好きですから(笑)。
 それはさておき、SPでは歴代世界最高を出してますし、FSではTES変動がかなり大きかったので、サンプルとしても適切だと思います。

 今回の検討で技術判定とGOEの付け方の実態がおおよそ解ったかなと思いますので、やってみてよかったです。結構タメになりました。
 ていうか、放送の表示見てるだけだと「TES値の増減」しか解らないので誤解しそうですね、これ(苦笑)。

・「リーダー」は誰だ
 真央のTESを分析する前に、表示の見方についてひとつ。
 「LEADER」とはその時点でのトップTESだと思っていたのですが、そうではなく「PCSも合計した得点トップ選手のTES」らしいです。道理でTES更新してもLEADERの値が変わらないことがあるワケだ。
 念のため、今回のFSで具体的に確認してみます。
 まず、暫くはソヨンのTES64.09(PCS合計119.39でFS暫定1位)がLEADER値でした。
 ポリーナちゃん(合計126.91でFS暫定1位)でLEADER値が66.39に変わりました。彼女のTES値です。
 アシュリーが合計129.52でFS暫定1位になった時にアシュリーのTES63.64に変わりました(下がっている)。
 カロが126.59で総合暫定1位になったけどFS暫定1位はアシュリーのままだった時には、カロのTES53.81にはなりませんでした。
 よって、LEADER値とは、「SPとFS合わせた総合順位暫定トップ」ではなく「SPとFSそれぞれの暫定トップ」のTESということですね。

 あんまり意味ないような…(苦笑)。TESだけのLEADERにした方がいいような。
 ていうか、ふたつ表示するならCURRENTを「BaseValue」と「GOE」に分離した方が有意義じゃないかナ。

・フリー
 まずはいろいろヤヤコシイFSから。表を作りました。
 原則として、「エレメンツ終了して数秒経過してから、次のエレメンツが終了する前までに変化した数字」がそのエレメンツのTESと判断しています。
 そして、その値から実行された要素のBaseValueを引いた値がGOEであるハズです。
 URは、演技中にはコールされず、結果的にURになったジャンプもカレント段階では予定構成のBaseValueが入っている想定です。
 明らかなミスについては、ミスして3Tがなくなった2A+3Tを例に見ると2AのBaseValueが入っていると見なさないと矛盾するのでそのように判断しました。
 スピン・ステップの予定は、「当然レベル4獲るつもり」としており、レベル判定は演技中と演技後で変更なし、と想定しています。
 表の「GOEはどうなったか」で、演技後のGOE変更によって発生した「カレントGOEと最終GOEの差」を示しています。

世界選手権2014:真央FSのTESプロセス

*4:CCoSpと5:FCSpの間に33.39→33.31と2回変化している。タイムラグと考え、33.39は無視
*9:3Loと10:FCCoSpの間に58.82になっているが、これを3Loの得点とすると2.45しかないことになり不自然。一方、10:FCCoSpと11:StSqの間に63.15→67.22と2回変化している。これらから、58.82をタイムラグと判断して無視し、変化タイミングとエレメンツの関係を1段繰り上げ

 そして、演技後のTES修正は以下のように推移しました。

世界選手権2014:真央FSのTESプロセス演技後

 ここから読み取れたことを記していきます。ただし、タイムラグの修正などは私の判断ですので真実と異なる可能性もあります。ご承知置きください。
 もちろんISUの公式見解じゃないです、念のため。

・技術判定のコール
 最終的にURされたジャンプもカレント段階ではURされてない点数で積み上がっていると仮定して計算しましたが、問題ないようですね。でないとGOEがオーバーフローしますので。
 URは演技中にはコールされていないことが確認できました。

 3Tが消えた2A+3Tはカレント段階から2Aの点数であると仮定しましたが、それでOKのようです。どう見ても2A+3Tの得点じゃないですもんね。
 予定構成にならなかった明らかなミスはカレント段階からミス結果としてコールされた点数になることが確認できました。

 エッジエラーはどうでしょう。
 J-SPORTSの番組「フィギュアスケートラボ 技術編」によると、エッジ判定もレビューかけることがあるようです。今回、確かに3Lzのエッジエラーのコールは演技後だったと推定されます。その理由を記します。
 GOEガイドラインでは「e」が示された場合、「重度と判断したら-2か-3して必ずマイナス、不明確と判断したら-1か-2するが最終GOEはマイナスにしなくてもよい」です。3LzのカレントGOEは+0.93ついておりますので、カレント段階でeがコールされて重度と判定された可能性はありません。
 「不明確」の判断があったかどうかは明らかにできませんが、演技終了後の修正でマイナスに落ちてることからも、コールは演技後だったと考えていいと思います。

・技術判定以外のGOE変更
 意外なことに、集計してみると表題のGOE操作もあるようです。それを考えてみます。

 まず基礎点データを記しておきます。後半は差分も1.1倍です。

 ・3A:8.5 URで6.0 その差2.5
 ・3F:5.3 URで3.7 その差1.6
 ・2Lo:1.8 URで1.3 その差0.5

 さて、TESは合計で11.52マイナスされています。このうち

 テクニカルによるB.V.ダウン ⇒ 3A<:-2.5 3F<:-1.6 3連(2Lo<:-0.55x2):-1.10 計:-5.20
 エラーコールを受けてジャッジが下げたGOE ⇒ 3A<:-1.86 3F<:-1.20 3Lz e:-1.23 3連:-1.52 計:-5.81
 合計:-11.01

 11.52に0.51足りません。つまり、テクニカルパネル(技術審判団)のコールと関係なく、ジャッジ(演技審判)が演技終了後に-0.51したということです。スピン&ステップ&コレオ、エラー判定のなかったジャンプのGOEを変更したということになります。実際上記FSプロセス表を見れば一目瞭然ですね。
 以下SPの例をみても、最後の修正No.4~5でスピンのGOEをかなり増やしているようです。エラーがないのにジャンプのGOEも変動してますしね。

 つまり「ジャッジ(演技審判)は演技終了後にテクニカルのエラーコールによる修正以外にもGOEをいじっている」のです。

 スピンやステップはすべてレベル4なので、演技終了後にレベルが「上がった可能性はあっても下がった可能性はない」ですから、CCoSpのGOEが下がる理由は私にはワカリマセン。ていうかレベルとGOE採点ガイドラインはリンクしてないハズですよね。
 ちなみに、上記フィギュアスケートラボのテクニカルコールシミュレーションによると、スピン・ステップのレベルは演技中にコールされているようです。
 ChSqも下がってるようですが、そもそもコレオはレベル固定ですからレベル判定が原因である可能性はありません(ちなみにステップだけは同じGOE値でもレベルによってGOE点が異なる)。
 はて。

 例えばジャンプのURコールがあるとコレオのGOEにも影響することがあるのでしょうか?
 しかし、次のような「テクニカルのエラーコールに引きずられた可能性がないのにGOEをいじっている事例」がありますので、それはないと言えます。

 3AのURがコールされると一気に2.5点以上の減点が発生しますので、それはNo.4~5の変化点しかあり得ないハズです。続くNo.5~8がURコールによるGOE減点と考えてよいと思います。そして3Aは最初のテクニカルエレメンツです。
 つまり、No.1~4の変動は「テクニカルコールと無関係にジャッジが独自判断したもの」としか考えられません。
 「実は3FのURコールが3Aより前のここに入っていてそのGOE減点が始まっている」といった可能性はまずないでしょうから。

 演技終了後に何を何故変更しているのでしょう?
 演技後に「やっぱりあのスピンは+2じゃなくて+1だな」なんて思い直せるほどにエレメンツの出来を覚えているってことですから、凄いなと思います。まさか会場内のビデオ映像見て、なんてことはないでしょうから(全エレメンツリプレイしてるワケじゃないので)。
 同時にPCSも判断しているハズですから、その過程で何か思い当たっちゃうことでもあるのでしょうか?

 TES増減を公開してもその中身が解らないんじゃ不審のネタを増やしてるだけのような気が(苦笑)。公開するならそこまでして欲しいですよねぇ。
 ただ、誤解なきよう改めて念のため記しますが、真央FSにおけるTES大量消滅の95.6%分は上記の通りテクニカルパネルの技術判定による基礎点変更とそれに伴うGOE修正(ガイドラインに基づく)によるものです。

・「UR」「DG」判定とGOE
 演技中はジャッジに示さないことになってますが、演技終了後のコールによって「必ずマイナス」とか「-1か-2」といったガイドに基づいてGOEは修正されています。結局「二重減点」ですよねぇ。
 GOEガイド13-14版から、ジャンプ技術判定とGOEに関する記述を含む部分を抜粋付記しておきます。
GOEマイナスガイド
出典:comm1790j.pdf P.14

 ご参考まで。

・「e」判定とGOE
 上記の通り、エッジ判定についてもレビューはあるようです。よって、演技後にGOE修正されることがあるのですね。
 ところで、URやDG判定はレビューするしないと関係なく演技中にはジャッジに知らされないことになっていますが、エッジエラーについては、レビュー不要で有無が確定した場合はリアルタイムでジャッジに知らされるのかは不勉強でよく判っていません。

・ショート
 クリーンなSPのプロセスも見てみます。
世界選手権2014:真央SPのTESプロセス

*1:3Aと2:3Fの間に10.30→10.21と変化しているので、3Aの結果は後者と推定、タイムラグとして前者を無視
*5:3Lo+2Loと6:StSpの間に33.80→33.73と2回変化している。確定結果と等しいので3Lo+2Loの結果は後者と推定、タイムラグとして前者を無視

世界選手権2014:真央SPのTESプロセス演技後

・GOEは技術判定次第
 FSでは技術判定でエラーが出たエレメンツ以外もチマチマと削られたようですが、SPでは逆に演技後にGOE上がっています。
 してみると、技術判定でエラーがあるとGOEをマイナスせざるを得ないだけでなく、さらに総合的な印象(?)にも影響してトータルで伸び悩むということでしょうか?

 「流れのあるキレイなジャンプでジャッジもカレントではGOEたくさん付けたけど、演技後URがコールされて基礎点は下がるはGOEはごっそり減るわ」

だと、観客の印象と得点が乖離しちゃうワケですね。実は不本意なジャッジもいるかも知れません。
 逆に

 「難度は低めだけどURやエラー判定なくすべてクリーンに決めてプラスGOEだけが付いた」

ような場合は、観客が感じたインパクトのワリには得点出ることもあるでしょう。

 改めて、得点はテクニカルパネル次第だなぁと。
 例えば、真央FSでもし3Aが認定されていてGOEがカレントのままだったら4.36アップして142.39。3Tを失っていながらソチFSに匹敵する得点を得ていたことになります。

 そういう意味では、FSトップでやや話題のソヨンのGOEですが、エラー判定がなかったことからプラスのGOEだけが活きたということで、特に不審なところはないのでは。マイナスがなくプラスの積み上げだけであることを考えると7.49って絶対値も劇的に高いワケじゃありませんし。確かに現地で得点見た時は「へぇ、こんなに出るんだ」という印象でしたが、そういうルール・ガイドラインということなのですよね。
 やっぱり技術判定次第ってことなのですが、それ自体の正当性はどうなのかって言われたら素人にはワカリマセンけれど。現地で観た印象では回転・エッジともクリーンでしたが。


■TESカウンターに意図的点数操作の“痕跡”を探る

 ネット上では、真央サゲ、反対に真央アゲがあったという意見も見かけます。個人的にはそうは見えなかったのですが、どうしても気になっちゃいます。気持ちよく納得したいです。
 そこで、自分なりに納得するため、上記検討で採点プロセスについての知見が増えたことを利用し、「動機」を仮定して考えてみました。
 対象は今大会だけ、ですけれど。

・SPをアゲて歴代最高を獲らせた?
 演技終了後のGOE修正最後で0.30アップしています。今回、それまでの記録を0.16上回ったワケですから、この最後のアップがなければ世界歴代記録更新は成っていません。ISUがコンマいくつ単位で意図的に点数操作していると仮定するなら、真央に「歴代最高を獲らせた」ように見えます。
 つまりアゲられたとなりますが、コンマいくつの上乗せなんて、やるなら変遷を公開しちゃってるTESじゃなくてPCSでやるのが自然でしょう。PCSは大して高くなかったですから怪しまれずに盛る余地はありますし。そもそもジャッジング記事の通り妥当な得点でした。
 加えて、続くFSではBaseValueを容赦なく削られGOEも連動して下がっていることからも、アゲがあったとは思えません。
 「それはFSでは世界最高を獲らせないため」という見方もあるかも知れませんが、SPでは獲らせてFSでは獲らせないっていう意図の想定は中途半端でちょっと厳しいと思います。

・FSはサゲて歴代最高を獲らせなかった?
 そもそも上述の通り不自然な想定だと思いますが、そのための操作を技術判定やGOEで“する必要があったか”見てみます。
 8Tripleを神演技した場合の想定得点は元旦にソチ構成を考えた記事で約151点ほどだと考えました。PCSやGOEの想定は現実的なセンだと思っていますが、もっと出てもいいと考えても155点くらいが限界でしょう。
 実際には2A+3Tをミスして単独2A(ステップアウト)になってしまいました。3T消滅だけでも4.51の基礎点が消えますしGOEもコンボじゃなくてソロの2Aが対象になり、さらに2Aのデキとして減りますので、少なくとも6点くらいは神演技得点より(誰にも怪しまれず)減る計算です。

 よって、別段操作しなくても世界最高得点を更新することはなかったと推定されます。つまり、ことさら「世界最高を更新させないためにURしたりGOEを下げたりする必要(理由)はない」ということです。
 実際、テクニカルコールが入る前のカレント状態では、3Tが消える前なので「サゲなきゃ」という意識があったことになる3A、3F+3Lo、3Lzに結構いいGOE付けてますから、少なくともジャッジにはそういう意図は見えません。そしてその状態で積み上がったTESそのままだったとしても、トータルは149.55でした。届いていません。
 72.76を得たPCSが「サゲられた結果」という想定は私にはちょっとできません。

・8Triple完遂を阻止したかった?
 TESカウンターを見るまでもなく、3Tが入らなかったのですから阻止するもなにもないです。

・FSはサゲて優勝させないようにした?
 優勝者を操作しようとした可能性はどうでしょう。
 FS最終グループ滑走順はカロ、アッコちゃん、真央、リプちん、ゴリさん、GGでした。このうち、もし「真央をサゲてこの選手を優勝させよう」という意図があったとしたらその対象は74.54でSP3位のリプちんでしょう。カロは真央が滑る前に轟沈してますし、SP70.31のGGや66.26のゴリさんではちょっと苦しいですから(そもそも意図があったならSPでもっと盛ってるハズ)。

 しかし、そういう意図があったとするなら、真央をもっとサゲとかないとSPでの4.12差を逆転するのは難しいと思います。具体的には、真央のFSに138.03出しているのですから、リプちんはあのソチ団体戦FSの141.51を上回る142.15を出さないと勝てない状況を作ったことになります。いわゆる「ホームアドバンテージ」ナシで、です。
 黒い意図があったとするならやはり真央サゲが足りないでしょう。特に一番“便利”なPCSを絞らないどころか上げているのは解せません。

・リプちんをアゲて優勝させようとした?
 合わせて、リプちんはアゲられているのかを見ておきます。
 リプちんはいい演技して132.96をマークしましたが、3Lzふたつともエッジエラーを食らい、たまアリISUジャッジング記事の通りPCSもソチより下がっています。3Sで転倒したとはいえGOEも6.66止まりですし、ここに優勝させるためのアゲは感じられません。
 「いや、3Sのミスが出たから演技中にアゲを諦めたのであり、リプちんが“あわよくば”(見た目)ノーミス演技した場合はアゲようと狙っていた」ということはあるでしょうか。
 リプちんFSのTESカレント変遷を見てみましょう。

世界選手権2014:リプFSのTESプロセス

*ソチと構成変わっている。J-SPORTSの女子FS公式練習によると、2番エレメンツに2A+3T+2T、6番に2A+2Tを入れる予定だった模様。2本目の3Tの使いどころを逆にしているということ。表では、演技中に変更した通りということで「予定」は「結果」と同じとした
*3Sで逆にGOEが上がっているのは、演技中は「GOE-3の3S」として積み上がっていたものが演技後DGコールされ「GOE-3の2S」となったから。2Sの基礎点は1.3(今回は後半なので1.43)、GOE値-3は-0.6点。ちなみに3SのGOE値-3は-2.1点なのでツジツマは合っている。どちらもGOE値がマイナスマックスの-3なのは転倒のマイナスガイドラインによる

 “あわよくば”という意図があったとするなら、3S転倒という明らかなミスして“操作を断念する”以前のエレメンツにはカレント段階ではどっさりGOE盛っているハズだと思いますが、どうでしょう?
 人それぞれでしょうけれど、私にはそのようには見えません。例えば、意図があるなら冒頭の3Lz+3Tなんてエラー見逃し前提でGOE付けると思いますが、実際には0.90にとどまっています(ちなみにソチ団体戦では1.40。エッジエラーなし)。

 まあ、そもそも真央にSPで歴代最高を出しちゃったのですから、「FSだけで調整して優勝者を操作しようとした」とは考えにくいです。


 以上、
 「SP世界最高更新」
 「FS歴代最高更新阻止(自動的に総合最高も含む)」
 「8Triple阻止」
 「優勝者操作」
という動機に限れば、意図的で露骨なアゲサゲはその対象になるであろう選手誰にもないように思います。

 「3A認定はSPとFS合わせて1回まで」
 「反逆児真央への嫌がらせ」
 「敢えてサゲにしては不自然にして隠蔽している」
 「“うっかり”SPで歴代最高獲らせちゃったので、FSでは獲らせない気満々だった。総合得点も歴代最高になっちゃうし、それは許されない」
 「SPとFS、かたっぽだけ世界最高獲らせてファンのご機嫌とった」
といった動機では考えないことにします。キリないですから(笑)。

 もちろん今大会に限ったハナシですし、そもそも個人的見解ですし、UR判定やGOEなどが妥当かどうか(ISUが健全かどうか)とは全く関係ないハナシです。また、本稿に登場する選手みなさんに対して何も思うところはありません。念のため。


 いろいろ記しましたが、何か間違いありましたら申し訳ありません。


■演技後GOE変動の検証

 本項14/12/20追記。

 コンピュータによる自動集計ですので(ですよね?)まずあり得ないと思って確認していませんでしたが、演技後のGOE変動は「CURRENTと結果で採用している数が違うから」という可能性(例えばカレント段階では上下カットしていないとか)について真央事例で一応みておきます。
 変動が激しくタイムラグによるエレメンツ間の得点交錯があり得るFSではなく、判りやすいSPで。

・カレントと結果で変動はなかったと推定している4エレメンツ
 もし「カレントは9名分、結果は7名分」といった違いがあるなら変動しちゃうハズです。やってみれば解りますが、小数点以下2桁まで平均値が“7個と一致する、8個や9個のGOE値組み合わせ”はありません。もちろんすべてのエレメンツで共通の個数として、です。
 なお、「同じ7個だけど選択ジャッジが異なる(必然的に最大最小も含むことになる)」という可能性もないでしょう。上下カットせず9ジャッジ中7ジャッジをランダム抽出する意味ありませんから。

 ということで、カレントも結果と同じく「上下カットした7個分」で算出していると見ていいと思います。

 次に、カレントと結果で変化したと推定している3エレメンツについても上記の考え方が成立するか、確認してみます。

・変動したと推定:3A
 結果は1.86、カレントでは1.71です。7倍すると13.02と11.97、つまり13点と12点だったと見ていいでしょう(念のためですが誤差は合計点を7で割って四捨五入した平均値の方に含まれています)。3AのGOE点は1点単位ですので矛盾はありません。
 誰かが演技終了後にGOE値を1上げたと考えられます(もちろん誰かが2上げて誰かが1下げたなどの可能性もありますが)。

・変動したと推定:3F
 結果は0.80、カレントでは0.90です。同じく7倍すると5.60、6.30。3FのGOE得点単位は0.7ですので誤差なくズバリです。
 3Aとは逆に、誰かが1減らしたとみられます。

・変動したと推定:LSp4
 結果が0.93、カレントが0.70です。結果の7倍は6.51であり、+GOE単位0.5の13倍ですね。
 一方、カレントの合計は4.90となり0.5単位とはズレが生じます。直前のStSqと混ざってる可能性はまず無いでしょう。
 では、何故? 
 実はLSpでは-GOE値の単位は+GOEと異なり-0.3なのです。あのLSpでまさかとは思いますが+0.5単位でツジツマが合わないなら-0.3単位が入っていることを考慮せざるを得ません。

 結果は「2 2 1 2 2 2 1 3 2」の1と3をカットしたものですが、カレントが例えば「2 1 -2 2 2 2 -2 3 2」だったと仮定すると、-2と3をカットした合計はズバリ4.90になります。
 0.5の倍数から0.3の倍数を引いた結果の小数点以下第1位が9になるのですから-0.3や-0.9、-1.2も-1.5も-1.8もあり得ません。-2.1ならコンマ9が作れますが、GOE-3が2個と-1が1個必要となり、残り4個がすべてGOE3の+1.5で+6.0だったとしても合計3.90にしかなりませんから成立しません。-2.1以上は合計最大値がもっと減るので当然可能性はありません。
 つまり、-0.6分のマイナスGOEがあったことが特定できます。

 つまり、カレント段階ではマイナス評価したジャッジが上述の例「-2が1人とそれ以下1人」または「-1が2人とそれ以下1人」存在した可能性があります(マイナス合計は-0.6点以外あり得ませんから、計4人以上マイナスしていた可能性はありません)。個人的には前者ではないかという気がしています。

 カレント段階では2人ほど何かミスジャッジ(後で直してるのですから“ミス”ですよね)してたってことでしょうか。でも、一体何を?
GOE規定13-14:スピン
出典:comm1790j.pdf P.14

 転倒してませんしFスピンじゃないしタッチダウンしてませんから「必ずマイナス」を適用したハズはありません(“裁量”の可能性はありますが…)。ので、プラス分と相殺してマイナスになったということですが、一体どのマイナス要素に該当すると判断したのか素人にはサッパリ解りません。
 「姿勢が拙劣」とか「美しさを損なう」と判定されたとは思えませんし、SPの必須スピンに対する真央の演技は「単一姿勢のコンビネーション(足換えあり)=CCoSp」「フライング=FCSp」「単一姿勢=LSp」(すべてレベル4)のハズですから、空中姿勢も踏み切りも足換えも関係ありません。素人目には山ほど回ってますけれど何らかの回転数不足? それとも(あれで)遅い? としてもプラスが消えてマイナスに落ちるほど?
 いずれにしろ乖離あるなぁ…

 さらに疑問なのは「演技終了後どうやってミスに気づき、修正すべきと判断したのか」です。
 GOE変動最後のタイミングですのでLSpに関してだけの何らかのトリガがあったことになります。スピンにはジャンプのURやDGのような演技後のテクニカルコールはないハズですが、もしその類のコトがあったなら影響は全員に及びますからもっと大きく変動していないとヘンでしょう。カレント段階ではみんなマイナスにしてたのがドカンとプラスに上がるハズ。URコールと逆のイメージです。
 要は「9人全員ではなく(おそらく)2人または3人だけが大幅修正したトリガは何かがワカラナイ」のです。もちろんジャッジ判断の独立性を保証するトリガであることは絶対です。
 まさか他ジャッジのGOEが晒される? まさか「それ違わね?」的な“指導”がインカムから入る???

 もしそうなら、それって“逆の指導”も可能ってことですよね…


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「フィギュア世界選手権2014」をISUはどうジャッジしたか

14/05/24初稿

 14/04/20に初稿を上げた世界選手権観戦記事にチマチマと追記してた内容がずいぶん大量になってしまいました。
 ので、上記記事を選手と観客についての「演技・応援」編とし、ISUについては「採点」編としてこちらに分離しました。
 「女子シングル」だけしか取り上げていないので、ちょっとタイトルには語弊あるかも知れませんね(笑)。
 なお、タイトルの「ジャッジ」はもちろん採点行為のことで「演技審判」のことではありません。

 念のためですが、本稿に登場する選手みなさんに対して何も思うところはありません。みんな好きですし。真央は大好きですけど(笑)。

 浅田真央選手、カロリーナ・コストナー選手、ユリア・リプニツカヤ選手をはじめ、選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■たまアリに「ホームアドバンテージ」はあったか

 ソチ以降話題の本件、無粋ですけどちょっと書いてみます。
 ルール・ガイドラインについて考えた記事を前提として。

・ショート
 「日本人選手の高得点」という意味で、真央のSPをみてみます。“それ”がないハズのGPアメリカ大会2013のSPと比較してみましょう。
 アメリカでは、3Aが認定されていることをはじめスピンステップも取りこぼしなしの演技で73.18を得てます。今回78.66を獲得したワケですが、その差はホームアドバンテージなんて考える必要なく納得できるものです。
 例えば3AのGOEだけみても、GPアメリカでの-1.43が+1.86になっています。これだけで3.29アップ。あの3AですからGOEはホームアドバンテージとか関係なく妥当でしょう。
 PCSは34.33→35.85で1.52アップ。あの演技内容なら全く妥当だと思います。アメリカはシリーズ初戦ですしね。ていうかファンとしてはもっと出てもいいと思うくらい(笑)。だってSP2位のカロは37.46ですから。
 73.18にこのふたつを足すだけで77.99。その他エレメンツの出来も素晴らしかったですからさらに0.67上がって78
.66になっても何の不思議もない。
 ええと、ホームアドバンテージってどこにあるんでしたっけ?

・フリー
 さて、FSもやはり「日本人として優勝」ということで真央の例を見てみます。敢えて「ホームアドバンテージ」「最終グループボーナス」の可能性が“両方無いソチFS”と比較してみましょう。今回は逆に“両方あり得る”ワケですね。
 言うまでもなく両方とも素晴らしい演技でしたので、ホームアドバンテージが定常的にあるなら、今回はドバドバ盛られているハズです。
 「ドバドバ」のイメージとして、ソチ金メダリスト・アデリナのGPF2013(福岡:非ホーム)とソチでのSPを比較しておきます。共に2位と好演していますね(間に入ってるユーロ2014は“準ホーム”と見なしてカットです(笑))。
 SPで見ているのは「メダル争いのプレッシャーに耐えたご褒美(FS最終グループボーナス)」はないハズだからです。

  TES:37.53 → 39.09
  GOE: 7.10 → 8.66
  PCS:30.85 → 35.55  0.8倍する前の素のPCS:38.56 → 44.43 115.2%

 PCSには確かに“ホームアドバンテージ”感じますね。もちろん100%実際に上達した分かも知れません。が、真実は解りませんので、あくまでも「ありそうに感じるか」という意味です(上記リンク先記事に記した通り、関係者も「ある。程度問題」って前提でハナシしてるみたいですし)。

 ということで、これを参考にすると真央のFS(ソチVS世戦)はドバドバしてるように感じるでしょうか?

  TES:73.03 → 65.27
  GOE: 6.69 → 5.82
  PCS:69.68 → 72.76  1.6倍する前の素のPCS:43.55 → 45.47 104.4%

 …感じないです(苦笑)。念のためですがTES的デキとPCSはダイレクトに連動しないことになっているハズですよね。
 真央のPCSはソチより3点上がっていますが、ホームアドバンテージで出過ぎだなんてことは全くなく、「やっとマトモな点が出た」だけでしょう(ソチFSは少なくとも2点は低いと感じてましたので)。
 以下「FS変遷表」でもイメージできると思いますが、玄人もこぞって「ソチでは抑えられた」と言ってますから、「今回は抑えられなかった」だけだと思います。

 なお、TESではかなり厳しく(*)UR取られましたよね。真央だけでなくアッコちゃんも佳菜子も。あれが「ホームアドバンテージで甘かった」と言う人はいないんじゃないでしょうか。

*:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/figureskate/all/1314/columndtl/201403300003-spnavi

 ということで、たまアリでは日本に「採点上の」ホームアドバンテージはなかったと思います。
 ていうか、本来あっちゃダメなんだからそれが正しいんですけど。
 ソチの時は「あったでしょ。でも許容範囲内じゃない? たまアリでもあるだろうし」というご意見もあったようですけれど。

 地元日本で大好物のあったかいご飯食べ放題だったから調子良かった、というような「コンディション面」ではもちろん色々あるでしょう。けど、それは当たり前のことですしどうしようもないですよね。


 以下オマケ。FS変遷シーズン完結編です。
13-14シーズン変遷(世戦まで)

*:念のためですが、Deductionは無視していますのでTESとPCSを合計しても得点にならない場合があります。
  TESとその内訳としてのB.V.とGOEは、演技のデキの参考情報として付けています。
  以下の表も同じ。

 PCS、真央が3点上がってリプちんがやや下がりアデリナがパスした(*)ことで、“最低限”帳尻が合ったところで今シーズンはオシマイ、しゃんしゃん感満載(爆)。
 リプちんはソチよりよかったと思いましたけどPCS下がっちゃった。一方ゴリさんは急上昇。確かにGPシリーズと比べると格段に上手くなったと思いましたが、「継続的にいい演技しないと上がらない」とかなんとか言われることもありますよね。PCSってやっぱ不思議だナ~

*:確かソチ直後には絶対出るって言ってくれてたと思うので(当初補欠という不可思議なエントリーでしたよね)、欠場は残念でした。


■真央は「抑えられた」のか

 上記の通り「アゲられた」とは思えませんが、逆に「サゲられた」ということはあるのでしょうか。

 真央は魅力的すぎます。演技も本人も。もちろんファンにとっては、ですが(笑)。
 ので、採点結果を見る時など、どうしてもファンの想いが強くなってしまうところがあるなぁと思います。でも、ISUのジャッジングは真央ファン目線で行ってるワケではありませんよね。加えてISUジャッジングシステムでは「たぶんウツクシサや感動は点にならない」ところが違和感に輪をかけてるような。
 ネット上では「アゲ」とか「サゲ」についていろいろ言われており、ワケワカラナクなることがあります。
 つい感情的に思い込んでしまいそうになることもあるのですが、ポジティブ面もネガティブ面もネット情報には“ファンの想いフィルタ”や“アンチフィルタ”がかかっている部分があると思いますので、以下「サゲ」について「自分なりに納得するため自分なりに」考えてみました(「アゲ」については前述した内容でいいでしょう)。
 これも無粋ですけど、モンモンしたり悲しくなるのヤですもん。

 なお、「ISUの採点」と、いわゆるマスコミやネット上の印象操作による「点数以外のアゲ・サゲ」は、一緒くたに考えない方がよいと思っています。

 まず、採点内容は以下の4種類に分解できる(今回はDeductionは無視します)かと思いますので、それぞれについて見てみます。

 テクニカルパネル(技術審判団)のお仕事
   ・ジャンプの技術判定(URとかDGとかeとかの判断)
   ・スピン・ステップの技術判定(レベル判断)
 ジャッジパネル(演技審判団)のお仕事
   ・GOE
   ・PCS

・ショート
 SPは世界歴代最高得点、シーズンベストを4点近く更新、もちろん真央パーソナルベストなワケですが「もっと出てもいいのでは」というご感想もあるようですね。

 ジャンプの技術判定エラーなし
 スピン・ステップの技術判定オールレベル4
 GOE:8.12  (トップはカロの8.65)
 PCS:35.85 (トップはカロの37.46)

 う~ん、強いて言うなら「GOEとPCSはカロと同じくらい出るべきだ」ってカンジでしょうか。つまりあと0.53+1.61=2.14くらい足りない?
 私はSPの得点見た時、どうせGOEはあんまり出てないだろうから遂にPCSをカロ並に出したのかと思ったのですが、実際にはどちらかと言うとGOEがよく出ての78.66でした。GOEもPCSもカロに届いてないワケですが、演技・応援編に記した通り生で観た感想としてそれは納得できました。
 誤解なきよう申し添えますが、「私が真央より上だ」と思ったという意味ではありません。「ISUがそう採点することもあり得るデキだ」と思ったという意味です。逆に真央の方がGOE・PCS出ても納得しますし。

 ということで上記メンバでSP編も作って俯瞰してみましたが、個人的には本SP、(ソチFSなどとは違って(苦笑))少なくとも「明らかに低い」という数字ではないのでは、と思っています。

13-14シーズン変遷(世戦まで)SP編

 まぁ、真央ファンとして正直なところでは、「カロのPCSに37点台出すなら真央は36点台に乗せてくれたっていいじゃんか」とか思ったりしますけど(笑)。といっても主観領域のコンマ数点の世界ですから是非は言えないですね。

・フリー
 PCSはいい点出てると思います。
 スピン・ステップの技術判定もすべてレベル4です。
 GOEも、実はジャッジ(演技審判)はいい点出してたと推察しています。
 TESカウンターを読み解いた結果、“URやeのコールに関係なくジャッジが付けた時点”では12.14まで積み上がっていたようだからです。2A+3Tを失敗してこの数字ですので、ジャッジの評価に「サゲ」があったとは思えません。

 よって、意図的なサゲがあったとしたらテクニカルパネル(技術審判団)による「ジャンプの技術判定」に絞っていいでしょう(最終GOEはそれ次第で大きく変動しちゃいます)。

 では、「ジャンプの技術判定」の妥当性につき、少なくとも自分が納得するにはどうしたらいいでしょう?
 考えた結果、「最終グループ6選手の全42ジャンプを自分で“判定”」してみることにしました。
 ソースはJ-SPORTSの演技画像のみ(採点待ちのリプレイなどは全ジャンプないので不公平にならないように)。BDレコーダのHDD上のソースを50inchTVでコマ送り再生。もちろんHD画質。演技放送映像なので30コマ/秒(fps)ですね。
 予断状態としては、幸い(笑)真央以外の技術判定結果はほぼ覚えていませんでした。

 当然Resultとの差違がありましたが、他の5選手の差違を踏まえて真央FSをみてみると…

 まずエッジ。3Lzでエラー食らってますが、他選手の例と比べてもまあこれは仕方ないと思いました。潔くインエッジテイクオフですね(苦笑)。
 他の選手でも「フラット気味だよな~」と思う例はありましたが、「絶対eでしょ」「絶対eじゃないでしょ」と言い切れるものはありませんでした。

 次にUR判定。3A<、3F<+3Lo、3F+2Lo<+2Lo<と4つのジャンプでもらってますね。
 3Aはギリギリでしょうか。他のジャンプ(真央のも含め)に比べて厳しいとは感じましたが、逆に「絶対足りてる」とも言えないと思いました。「トゥが着いた時点では1/4以上、エッジが着いた時点では1/4未満」ってカンジでしょうか。もちろん真央ファンとしては「あれがOKならなんでこれがUR?」などとも思いますが、3Aは「唯一無二」なので他選手と比較はできませんからねぇ。
 非常に違和感あったのは3F+3Lo。どう見ても3FはURに見えませんでした。でも、逆に3Loが危ないです。これ、逆じゃないのかなぁ? この判定はまるで解せないです。
 他にも、ヤバく見えましたが刺さってない例もあり、つまり真央のジャンプ判定だけ見ても甘いのと辛いのが混在してると思いました。

 真央以外の選手についても、個々のジャンプに甘辛は感じましたが、「この選手だけ絶対全部厳しめ!」「絶対全部甘め!」って断言できる例はなかったです。
 「刺された」ことの妥当性だけじゃなくて「刺されなかった」妥当性も見ないとダメですよね。

 ということで、ジャンプの技術判定においても、明らかな意図は浮かび上がってきませんでした。

*:余談ですが、上記個人的UR(DG)判定における回転不足0度のラインは「ジャンプの進行方向ベクトル」をイメージしています(離氷状態は考慮していません)。助走ラインからジャンプを挟んで着氷してからの流れは、物体として前に進む運動エネルギーベクトル上にあり、その慣性力には逆らえないので、ブレード方向がベクトル方向に足りない状態で着氷すると必然的にグリってしまうのではないかと思っています。


 以上、「PCS」「GOE」「スピン・ステップの技術判定」、「ジャンプの技術判定」それぞれにおいて、「真央を可能な限り抑える」という意図は感じませんでした。個人的には、です。

・なんちゃってテクニカルパネルの限界
 選手に対する意図は感じませんでしたが、“3AがURであることを基準にすると”「甘いんじゃないの?」と思ったジャンプ(真央の3A以外も含めて)は結構ありましたし、逆に言うと3Aは格別に厳しいとは思いました。つまり「真央を抑えている」とは思いませんでしたが「3Aに厳しい」とは感じました。正直、正直なところ。
 もちろん自分が判定した結果の方が正しいという意味ではありません。あくまでも自分が納得するためですからそれでもいいんです(笑)。

 「3Aに厳しい=真央だけに厳しいってことぢゃん」と言われたらまあ事実上そうでもありますが…(苦笑)

 素人の限界感じますね(笑)。やっぱりもう少し情報出して欲しいです。素人だって“納得したい”ですもん。例えば上記3F+3Loなんて、是非、テクニカルパネルが判断に使った映像で解説して欲しいです。「3Aの厳しさを基準にするなら絶対URに見えるのに刺さってない例」などもお願いしたいですね。
 でないと「見つける見つけないは運なんじゃないの?」とか「目を付けてるジャンプだけガン見してるんぢゃないの?」とか思っちゃいますよISUさん。


 念のためですが、本項、今大会に限ってのお話です。特にPCSなんかはソチ(とユーロ)あたりの数字とダイレクトに比べない方がいいと思います。
 比べちゃうと「たまアリの真央低すぎ」と感じるかもしれませんが、それは「サゲられた」のではなく「アゲられてない」だけだと思いますよっ!(笑)


 「TESカウンター編」に続く。


■余談

・大会Result
 http://www.isuresults.com/results/wc2014/

・相変わらず演技中にも関わらずスマホやってる人が前席に。他の人への迷惑を考えて欲しいです。そもそも電源切れって言ってるのに。「スマホは携帯電話じゃない」なんて詭弁はナシですよ。

・首相にハグされる真央
 04/25、真央が安倍総理にハグされた衝撃映像(笑)。大体17分くらいから。
 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9737.html

・中央日報14/03/28
 相変わらず証拠もないのに「甘い採点」などと報道するメジャー一般紙(スポーツ新聞やゴシップ紙などではないという意味)。
 http://japanese.joins.com/article/459/183459.html?servcode=600§code=600&cloc=jp|article|related


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