DOS/V電撃作戦

12/10/07初稿

 一口にPC-Audioと言っても、それに用いる「コンピュータ」には複数の規格が存在します。
 DOS/V(古い?)はいろいろハードウェア設定をいじくれるのが大変なメリットだと思っていますが、中でも自作PC(特にWindows環境)ならBIOS(UEFI)やフリーウェアでかなりのことが可能になります。
 デバイスの有効無効といったレベルの調整はこれまでもやってきましたが、先のGfxクロックチューンの流れでCPUクロックチューンに関心が向き、「K10stat」の存在を知ったことからさらに「電圧」までいろいろいじることになりました。以下、原則として“実施順”に記載しています。


■CPU

・けいてん!
 GA-E350N-USB3のBIOSではCPUクロック逓倍率はx16以下にはできませんので、OS上からソフト制御する必要があります。
 AMD製CPUのクロックや電圧を調整するユーティリティとしては、「K10stat」というソフトが有名&定番のようです。
 名前の通り本来はK10アーキテクチャ用なのだと思いますが、実際には各種CPUに対応しているようです。
 E-350への対応状況はネット情報ではよく判りませんでしたが、実際GIGABYE製GA-E350N-USB3で走らせた結果は以下の通り(Ver1.54にて)。大丈夫そうです。

K10stat Info

 なお、BIOSで「Q'n'C」はDisableしておきます。するとデフォルト状態はこうなります。

K10stat QnC des

 「Q'n'C」をEnableにした時は、P2stateの電圧値は0.8000Vになっていました。


・使い方
 本来の用途は「各ステイタスにおけるクロックや電圧、ステイタス変化条件などのオリジナル設定による動的制御」なのですが、今回は「任意のクロックと電圧の固定」が目的です。ので、タスクバーからの設定は不要となります。
 例えば、「Control Function」のチェックは不要ですし、

K10stat CtrlFnc

「Lock P-state」のチェックも「Unlock」に付いたままで問題ありません。

K10stat Lock p

 ちなみに、「UnGanged」とは「gang=団結」してないって意味ですので、この設定は「マルチコアの場合にコントロールの対象となる負荷をコアごとに独立させる(UnGanged)か連動させる(Ganged)か」だと理解しています。

 ですので、
  →「P-state」タブからラジオボタンを押して各ステイタスを選択
  →プルダウンメニューでFID(Frequency ID)=PLL周波数を設定
  →プルダウンメニューでDID(Devisor ID)=PLL周波数の分周比を設定
  →FIDとDIDの組み合わせでCPUクロックが決定するので「Frequency」窓で値を確認
  →Voltageを設定
  →適用(同時に表示している「Profile*」に登録される)
すればOKです。
 動的制御しませんので、一旦設定したら終了しても状態は維持されます。

K10stat 400 ←こんなカンジ。

 P0が最大負荷、P1が中負荷、P2が最小負荷時の設定になります。例によって「もし変化しても変わらないように念のため全部同じ値にセット」していますが、クロックコントロールをしない設定ですからP0から動くことはありません。
 FIDとDIDはCPUアーキテクチャ(M/B?)によって異なるようです。GA-E350N-USB3システムにおける値を列記しておきます。

・FID(DID=0にて。1/1の状態)
   0・・・3200
   1・・・1600
   2・・・1067
   3・・・ 800
   4・・・ 640
   5・・・ 533
   6・・・ 457
   7・・・ 400
   8・・・ 356
   9・・・ 320
…こんなカンジで27まであります。3200/(FID+1)ですね。

・DID(FID=0にて)
   0・・・3200
   1・・・2560
   2・・・2133
   3・・・1829
   4・・・1600
   5・・・1422
   6・・・1280
   7・・・1164
…こんなカンジで15まであります。

 なお、より高負荷のステイタスには、下位ステイタス“以上”のクロック&電圧値しか設定できないようです。
 また、プロファイルを自動適用しての起動なども可能ですが、当ソフトもUACに引っかかるようですので、スタートアップからの自動起動などについてはひと工夫必要です。

 以下、実際に「K10stat」を利用してE-350のクロックと電圧を変化させて音質との関連を確かめてみました。
 原則、ふたつのコアは同じ設定とします。

・CPUクロック
 1.6GHz→800MHz→400MHzで比較してみました。これ以下では320MHzでハングしました。200MHzでもしばらく動きましたがハングしました。遅すぎると何かマズイんですね。
 落とすほどキツさがとれて聴きやすい“おとなしい”音になる傾向に聴こえます。とりあえずまずCPUクロックだけ変化させる段階では落とした方が好ましく聴こえますが、他の要因による歪みやノイズをマスクしているような気もして、高クロックの方が本質的な音質は良いのではないかという感じがしました。ちょっと意外ですが。

 ところで、クロックは実際に変わっているのでしょうか。
 「K10stat」のInfo表示では明らかに周波集表示も負荷率も変化しますが、設定を変えている当のソフトの表示だけでは信憑性に欠けるという思いもあります。
 そこでタスクマネージャのパフォーマンスタブで確認してみると、Audio再生時、おおよそ
   1600MHz・・・5%
    800MHz・・・10%
    400MHz・・・20%
    200MHz・・・40%
くらいで推移しましたので、間違いなく適用されていると思います。低クロックすぎるとハングしましたし。
 ちなみに、SoX ResamplerとDitherを外したら1600MHz時は2~3%になりました。

・CPUコア電圧
 クロックは400MHzで比較してみます。
 もともと800MHz/0.8V設定を持っているCPUですから、800MHz以下である400MHzなら0.8Vまで下げても問題ないと言えます。上も1.3Vまで問題ないハズです。
 1.3V~0.8Vで変化させると、低い方が柔らかく高い方がソリッドなカンジに聴こえます。
 高くすると、特に低音のパンチが効いてきます。高域もよく出ています。ただ、中域がちょっと色気に欠けるでしょうか。また、ノイジーということはありませんがどこか聴き疲れする音です。
 が、しかし下げすぎると女性ヴォーカルが“鼻声”っぽくなってきます。中域が厚くなるというのかちょっとぼけてくるというか…
 とりあえず間をとって? 400MHzなら1.0Vが最適でしょうか。

 電圧が実際に変わっているかですが、Nipron電源の特性か、ワットチェッカでは差が出ません。
 ただ、400MHzで0.5Vを設定してみたところ適用ボタンを押した瞬間にハングしましたので、一応効いてると思います。

 しかし「K10stat」は大変すばらしいソフトですね。提供してくださった作者さまに深く感謝、です。


■Gfx

・Gfxコア電圧
 先の記事でクロック固定をやりましたが、要領は同じです。CCCプロファイル書き換えで最低負荷ステイタスのデフォルト0.9Vから1.0Vにしてみました。
 音が重厚になります。低音の迫力が増すが中高域も埋もれていない印象です。ただし、CPU電圧やクロックを高い方=おおむねソリッドで解像度依りの方向にしている場合は、低域と高域が別々に鳴ってるような特徴的な音になっていきます。ドンシャリとはまた違うのですが、しばらく聴いていると違和感がある音になります。ので0.9Vに戻しましたが、Gfxの電圧を上げた時の「重厚さ」は捨てがたい魅力のある変化という印象は残りました。
 さて、実際に変化したかどうかは「GPU-Z」にて確認しています。電圧もクロックと同じで「低い値に固定はできない」のですが、Audio再生では0.9V設定から自動上昇することはないです。
 ところで、1.0V固定にしてもSapphire製HD5450(ファンレス)の温度は大丈夫でしょうか。実際のAudio再生で確認してみました(1080i設定)。結果、室温28.5~29.5℃/VGA出力もしたまま/とあるCD全曲再生、にて66℃でほぼ安定。その後再生停止のアイドル状態(DSP-Z7もOff)で1時間放置したところ63℃でほぼ安定しました。
 12/10/14追記:HDMI画面を1080pに設定して起動すると1.0V固定できずに変動します。一度1080iにしてから1080pに戻すと変動しません。不思議です。

GPU-Z.jpg

 なお、CCCプロファイルに記す値は1.0Vなら1000、0.9Vなら900となります。なんだか小数点以下3桁まで設定できそうに思えますが、実際に「975」にしたらGPU-Z表示は0.975Vになりました。

・「ATI Tray Tools」のTips
 本項では使っていませんが、当ソフトでも電圧は「Custom VDDC List」で新規に作れます。「Add Edit VDDC」画面を出して「Custom VDDC value」をup/downボタンで設定するのですが、“mV単位”みたいですね(なぜかマイナスもある)。日が暮れちゃうので手入力しましょう。0.9Vなら900と入れればOKです。
 なお、ATI Tral Toolsにおけるクロック制御ですが、通常手段では最低クロック147MHz以下には設定できません。よって135MHz固定には使えないようです。コンマMHz単位の設定方法も見つけていません。


■メモリ

 CPUやGfxの電圧が思いの外音質に影響を与えているので、メモリの方もいじってみました。
 こちらはBIOSからの設定です。
 メモリはCFD製「W3U1333-2G」です。2Gモジュール2枚組の商品ですが搭載しているのは1枚です。
 青基板の2Gbitチップ8個片面実装バージョン。DIMMベンダはelixir、DRAMチップベンダはNanyaです。
 elixirはNanya系列のDIMMモジュールベンダのようですね。MicronとCrucialみたいなカンジでしょうか。

・メモリ電圧
 かなり効くみたいです。
 GA-E350NのBIOSでは何故だか1.6Vになっているデフォルト(規格上は1.5V)に対し、DDR3L規格の1.35Vあたりを狙って一気に1.36Vまで下げてみました(BIOSが0.02V単位なので)。定格DDR3-1333のDIMMを1066駆動(E-350の定格なので)しているためか安定して動きます。
 落ち着いた、整理された美音になる傾向でしょうか。が、CPUの方が400MHz/1.0V設定のままだと、ちょっとまったりしたカンジになります。CPU電圧・クロックを高くするとハッキリ系になる傾向でしたから、CPU動作を定格(1.6GHz/1.3V)に戻してみると、クッキリ感の悪さはなくなりますが良さは残り、かなり気持ちいい音になりました。
 これはより低電圧の方がより高音質なんじゃないかと、やや冒険ながら1.24Vを設定。動作しました。おお、さらに良さが増してくるカンジです。しかし、主に低域の力強さがやや弱いと感じたので、先に捨てがたい変化と感じていた「Gfx電圧を1.0Vに上げ」たら…ドンピシャ。
 その状態でBIOS設定下限である1.20Vも動作しましたが、やや全体的エネルギー感が希薄なカンジです。落ち着きすぎとでも言いましょうか。1.24Vの方がよさげかな~と思っていたらハングしましたのでそれ以上の比較はやめました(苦笑)。

・メモリアクセスタイミング
 SPD値よりAutoの方が小さな値になっています。SPD値は定格DDR3-1333である本来の数字が表示され、Autoの値は1066用にセットされているためでしょう。
 試しにManualにしてSPD値をセットしてみましたが、少なくとも良くなったようには聴こえなかったのでAutoに戻しました。

・インターリーブ
 Disableにすると華やかさが減るイメージ? Enableでよいと思いました。


■おまけ

 ああでもないこうでもないといぢくった結果どうなったのかと言うと、

・メモリ電圧:1.24V
・メモリクロック:DDR3-1066(E-350定格)
・画面モード:1080i(HDMI転送レート=742.5MHz)
・Gfx電圧:1.0V
・Gfxクロック:495MHz(742.5MHzの2/3)
・Gfxメモリクロック:200MHz(CCCデフォルト最低周波数)
・CPU電圧:1.3V(E-350定格)
・CPUクロック:1600MHz(E-350定格)

 「クロックも電圧も低い方がいいハズ」と思っていましたが、意外や意外そうとも限らないようで、メモリ電圧以外は逆の結果に。
 なんででしょ?

 CPUクロックを落とすとそれだけ忙しくなり、転送タイミングなどのスムーズさが減る?
 CPU電圧を落とすと波形がなまって後段のハードウェアに影響する?
 Gfx電圧を高くするとHDMIトランシーバに“喝入れ”になってクッキリ波形になる?
 メモリ波形はCPU処理以降には影響しないので低電圧の方がメリットある?

 …真実は判りませんね(笑)。システムやその他の設定状態によっても全然違ってくるでしょうし。
 ひとつの知見、経験則として利用していこうかと思っています。

 しかしDOS/V自作システムで遊ぶPC-Audioは楽しいですね。プレーヤの主要デバイスの動作クロックや電圧まで好き勝手に変更して音質の違いを「デジタルチューニング」できるのですから。それも原則タダで。
 PC-Audioの醍醐味と言えましょう。

 多様なツールとその選択肢の豊富さ、しかもそれがフリーであること。これこそPC-AudioにおいてもDOS/V+Windows環境ならではのメリットと感じています。


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HDMI-Audio出力デバイスを入れ替える

12/09/15初稿

 HDMI-Audioにおいては、通常のPC-Audioと異なり「DDC」が存在し得ません(厳密に言えばS/PDIF変換はできますがDDCとしての意味はないでしょう)。Gfxチップそのものが生成するHDMI信号がDACたるAVアンプに直結することになるためです。ですので、DDC“のようなもの”を交換して楽しもうとすると、「Gfxチップ」を変更することになります。
 GIGABYTE製M/B:GA-E350N-USB3のCPU内蔵GfxからのHDMI-Auidoで現在大きな不満はありません。
 敢えて言うと「新しいドライバだとfoobar2000の排他WASAPIでイベントモードが通らない」「300MHz以下のGfxクロックが試せない」といったところでしょうか。
 逆に言うとチューニングのネタが尽きた感があり(笑)、HDMI-I/Fを変えてさらなる音質向上が図れるか試してみることにしました。


■HD5450再び

・カード選択
 もちろん、Gfx内蔵のM/Bごと交換するという考え方もありますが、なにせメンドクサイのでパス(笑)。
 E-350(15W)より低消費電力なC-60(9W)搭載M/Bなんてちょっと魅力的ですけど。

 と言うことで、まずはGfxカード選びです。
 もちろん3D性能なんて全く不要ですから、発熱が低くてファンレスが条件になります。Mini-ITXケースですからファンレスでも隣接スロットを使うサイズはダメです。
 なるべく新しいプロセスで発熱少ない方がいいです。プロセスが同じならトランジスタ数が少ない方がいいでしょう。
 メモリはDDR3の512MBで十分です。
 なお、GA-E350NのPCI-Express X16スロットはx4レーンしかありませんが、HDMI-Audio用途では全く問題ありません(むしろ好都合)。
 ということで、Sapphire製「RADEON HD5450-DDR3/512MB」にしました。
 メインマシンで使っているHD5750でクロック操作やイベントモードについて確認とれていたことや、GT610/620などGeForceの低グレード品より消費電力低いという情報あったことから、無難にRADEONにした次第。慣れてるし。DisplayPort版のHD5450は持っているので今回はHD6450にしようかと悩みましたが、プロセスは変わらず40nmでトランジスタ数はかなり増えている(2.92億→3.7億)ので、上記条件に照らして初志貫徹。
 安いし。

   

 DP版とはDPとHDMIの違い以外も基板がだいぶ異なっていました。最初はリファレンスのままだったのをHD6450系と共通のオリジナル? にしたっぽい。

・カード導入
 BIOSで「PEG優先」にしておく必要があります。
 HD5450を組み込むために玄人志向の「NO-PCI EXPRESS」は当然外します。名残惜しいですが(笑)。
 ドライバはCataryst12年8月版にてスタート。

 Sapphire製HD5450をGA-E350Nに組み込んでGfx機能をそちらに委ね、オンボードの時と同じ環境にすべくメイン画面をアナログRGBから出画し、Audio用HDMI画面の設定しようとしたらディスプレイを認識しません。有線HDMIケーブルでは問題ありませんので、光HDMIケーブルの送信メディアコンバータ電源不足のようです。オンボードでは足りてたのに…
 ちょっと意外でしたが、規格を満たしていないワケではないので文句は言えません。仕方ないのでオプションのUSBから電源供給するケーブルを挟んで動かしました。
 ちなみにこの給電ケーブルの5VはHDMIからの5Vとショートしているようです。オンボードHDMIに挟んだところUSB給電しなくても動作しましたので。つまり電源を独立させて別途供給できませんので「送信側のメディアコンバータ電源チューン」の目的には使えなそうです。と言いながらもさっそくUSB線にフェライトコアを取り付けましたけれど。逆に言うとそういうチューニングは出来るということですね。3周巻きましたけど、ちょっと良くなった気がします(笑)。

・イベントモード VS タイマーモード
 前述した通り、HD5450のドライバではfoobar2000の排他WASAPIでイベントモードが使えます。
 タイマーモードと聴き比べてみましたが、イベントモードの方が中高域の明瞭感が高くて低域も絞れていて好印象でした(WASAPIプラグインver3正式版からはそれぞれ「push」「event」という表記になっています)。
 しかし、イベントモードでは「頭出し」すると曲の頭が若干切れてしまいます。また、「早送り・巻き戻し」で“きょらきゅるきょれるる”と言ったモニタ音が出ません。一方、タイマーモードでは短い音の繰り返しになってしまう「Pause」がキチンと無音で一時停止します。AMD製ドライバを使って内蔵Gfxでイベントモードを動かした時も同じ現象でした。連続再生している分には問題ないので、音質も考えるとこれについてはちょっと悩ましいところです。

・Gfxクロックチューン
 「ATI Tray Tools v1.7.9.1573」でGfxクロック変えて音質に差があるか試してみました。1080pの時にHDMI転送レート逓倍率が整数の165/297/330/495MHz(330MHzはちょっと例外)、そうではない300MHz、500MHzや497MHzで比較です。
 せっかくなのでイベントモードにて。
 大変微妙ですが、整数逓倍率の方がよさげです。また、500MHzまでしか上げていませんが傾向的には高クロックの方がよく聴こえました。おおざっぱに言うと、高い方が濃密・低い方がサッパリ、というイメージです。大変ビミョーですが。
 結果、495MHzが一番いいかなと。GA-E350Nで設定している値と同じ結果となりました。
 内蔵Gfxよりさらにクッキリした気がします。

 なお、画面モードは1080iの32bitカラーで内蔵Gfx時と変えていません。よって、HDMI転送レートは1080pの1/2になっていますので上記の記述は実は不正確です。逓倍率は整数ではなく「.5」単位になっていますが、解りやすさを優先して記述した点ご了承ください。
 さらに、実は後述するCCC記述なら「10kHz単位」で可能だったことに後で気付きました(苦笑)。

・Gfxメモリクロック
 こだわるとキリがないので、なるべく低くということで、HD5450最低負荷モードの200MHzのままにしました。

・Gfxクロック自動設定
 さて、自動的に任意のGfxクロックで起動させるにはどうすればよいでしょう。GA-E350NではBIOSレベルで設定していましたが、Gfxカードではそうはいきません。
 実験に使った「ATI Tray Tools」は、特定プロファイルで起動するように設定できるようですが、当アプリは管理者権限で起動する必要があるため、UACに引っかかってスタートアップからは立ち上げられません。Fidelizerと同じようにタスクスケジューラを使えば可能だとは思いますが、できればあまりトリッキーなことはしたくありません。
 そこで、もうひとつの手段。AMD謹製「VISION Control Center」を使う手です(同じインストーラでも「Cataryst Control Center」になることもあります。本Blogでは略称はなじみのあるCCCで行きたいと思います)。
 「ATI Tray Tools」は更新停止ということですし、結果が同じならなるべく純正の方がいいかなというのもありまして(後日気が付いたのですが、CCCなら「10kHz単位での設定」や「スライダより低い値の設定」が可能なのもメリットでしょうか)。
 ネット上では主に「クロックを自動制御されるとゲーム途中でハングする」ための対策として流通している方法のようです。
 まず、プリセットを新規作成します(「デフォルト」を適用してからが確実だと思います)。例えば「Audio」という名前としましょう。この時、念のため「スタートメニューにショートカットを登録」する設定で行った方がよいでしょう。
 次に、このプリセット情報を任意のクロックで動作させるように編集します。隠しファイルを表示するようにして、
「C:\ユーザー\“ユーザ名”\AppData\Local\ATI\ACE\Profiles」フォルダの中に出来ている「Audio.xml」をエディタで開き、例えば495MHzにしたい場合は
  <Feature name="CoreClockTarget_PCI_VEN_~~~">の下の3行のvalue値を
    <Property name="Want_0" value="49500" />
    <Property name="Want_1" value="49500" />
    <Property name="Want_2" value="49500" />

と書き換えます。「Want_0」が最低負荷、「Want_1」が中負荷、「Want_2」が最大負荷状態の設定値になっているようです。
 そして、この「Audio」プリセットを適用すればOK。一度適用したプリセットは電源OFFしても記憶していてその後は適用不要になります。
 …と思ったのですが、結構インテリジェントな制御しているようで、クロックと電圧の組み合わせによっては狙った動作にならないことがあります。正確なところはよく解りません。
 ちなみにメインPCで使っているHD5750のCCCを試しに297MHzに書き換えた状態では、HDビデオファイル再生したら400MHzに上がってしまいました。「ATI Tray Tools」では297MHz固定にするとビデオファイル再生でも297MHzのままでした。
 E-350システムで確認したところ、少なくとも495MHzではAudio再生でクロック変動することはなさそうです。メモリクロックも最低速の200MHzで動かないので、Audio再生時は「Want_0」=最低負荷ステイタスで安定すると見ていいと思います。ので、495MHzを使うのならCCCプリセット作戦でイケると思います。
 つまりCCCプリセット作戦の場合、「負荷に応じた自動下降の下限値固定はできるが自動上昇の上限値固定はできない」けれど「事実上Audio再生では最低ステイタスで安定」ということですね。なので「Want_0」だけ書き換えればよいハズであり、上記で3段階の調整値すべてを同じ値に書き換えているのは実はあんまり意味があることではありません。「念のため」「気持ちの問題」「リスク回避」とでも言いましょうか(苦笑)。
 同じく、メモリクロックとコア電圧も書き換えられますが固定可不可事情は同じだと思います。
 ただ、再起動時に覚えているか否かと同じく、このルールも100%っぽくないみたな気もしますが…
 ちなみに、「AMD Over Drive」を許可しないとプリセットファイルは作れますがクロック記述などはないファイルになります。

 12/11/01追記:なお、E-350内蔵Gfxはプリセット機能はありません。店頭ノートPCで不完全ながら調べた限りではC-60もないようです。


■消費電力

 ワットチェッカにて。
 ちなみに「Cool'n'Quit」はE-350システムにしてからずっとDisableです。自らの制御下にないクロック変動が発生するのはヤだったので。

 GA-E350N-USB3の内蔵Gfxを使っている状態では、

・SoftOff:7W
・起動時:45~50W
・アイドル時:40W
・音楽再生時:1Wくらい増える?

ってところでした。わりと食ってますね。J&WとSeasonicPSUの時は起動時40W/再生中15Wだったので。Nipron製産業用PSU、効率がやや低いのですが、それ以外にも最低負荷を自分で持ってるようなカンジの「フツーじゃない」ところがあるような気がしています。

 HD5450を組み込むと上記に約7Wくらいオンされるカンジでしょうか。思っていたほど増えない印象です。これなら常用してもよいでしょう。
 ちなみに495MHzは定格最大650MHz~アイドル157MHzであるHD5450において高めの動作クロックと言えるので電力が気になりましたが、アイドル時もAudio再生時も157MHzと違いがありませんでした(ワットチェッカでは、ですけれど)。

 12/10/28追記:HD7750では、起動時55~60W、アイドル時55~57Wくらいでした(コア&メモリ共に742.5MHz/1.10V設定にて)。再生動作による上乗せ分は無視していいと思います。


 「外付けGfxカードからのHDMI-Audio」はGfxコアのクロックや電圧、メモリクロックなどをチューニングできる点においてまさに「PC-Audio」なので、そういう楽しみ方をする向きにはオススメです。
 だって普通のAudio機器で「Digital-I/Fチップの動作クロックやら電圧やら」を自分好みに調整したりは出来ませんものね。
 交換パーツとしても\2,480ぽっちでこれだけ楽しめるワケですし。

 音の変化については、VRAMがメインメモリ兼用から専用になる違いも要因の可能性になるかも知れません。


■HD7750参上

 本項12/10/28追記。

・「Gfxクロック=HDMI転送レート」
 本稿の後、立て続けに電圧ふったりDIMM交換実験してみたり した結果、「GfxコアクロックとメモリクロックをHDMI転送レートの“x1”に設定してみたい!」と思うようになりました。CCCなら10kHz単位でクロック設定できることに気付いたことも大きいです。
 1080iのHDMI転送レートは742.5MHzですが、最大定格650MHzのHD5450では残念ながら設定できません(試しにプロファイルに記述してみましたがダメでした)。
 とすると、最大定格800MHz~1GHzくらいのGfxカードを新調するしかありません。が、3D性能は要らないから消費電力少なくてファンレス、補助電源なんて論外で1slot版、なんて条件を同時に満たす製品はあるのでしょうか。
 完璧ではありませんが、ありました。RADEON HD7750搭載カードは、最新28nmプロセスのローエンドモデルとなっており、アイドル時の消費電力はHAD5450や6450+αくらいで収まりそうで、ファンレスバージョンもあります。

 いくつかあるファンレスバージョンの中から、POWERCOLOR製AX7750-1GBD5-NHを選択しました。かなり賭でしたが、ブラケットが1slotタイプで、もしかしたら現在使っているMini-ITXケース(Abee製acubic C10)に入るかもというサイズだったためです。

 う~ん、最新28nmプロセスですよ。HDMIも1.4対応に上がってるし(トラスミッタが新しくなってるということ)。メモリはGDDR5で1GBもあります。あんまり要らないんですけど仕方ないですね(苦笑)。

・トラブル
 早速E-350システムをHD5450から換装。おお、なんとか入るじゃないですか! 厚みはやや微妙で側板に押しつけるカタチになっちゃうみたいですが、まあいいや、こうなったら全身ヒートシンクだぃ(苦笑)。
 これは幸先いいぞっと、OSインボックスVGAドライバでまずは立ち上がります。もともと入っていたCatalyst12年8月バージョンから自動的にドライバインストール、再起動。

 …ハングしてますが?

 ヘンなプロファイルを作ってあるからかと削除したり、HD5450に戻してCCCを削除したりしてもダメです。相性問題かとあきらめかけたのですが、念のためメインPCでも確認してみると、ドライバインストール後の再起動でブルースクリーン(BSOD)発生! でんがな。
 Windows8 Enterprise評価版をクリーンインストールするとインボックスドライバなら起動することもありますが落ちることもあります。そこにCatalyst10月版を入れると、ドライバ切り替わるところでエラーしているようで画面が乱れて再起動します。
 …Windows7の標準VGAドライバなら動いたので、致命的なハードウェア不良とは言えません。またあきらめかけたのですが、web情報を追っていると「別のPCでは動いたが対象PCでは全くダメだったのでショップに相談したら初期不良と判断された」というケースがあったので、ダメモトで購入店に相談しに行きました。
 複数M/BやOSで試したことを伝えたところ、「経験則上、ドライバ入れるとハングしたりする場合は初期不良」とのことで交換してくださいました。思わぬ時間使っちゃいましたが交換品はちゃんとE-350システムで動作。
 ああ、よかった。

 考えてみると、Gfxチップやカードの製造検査って「OS上でドライバ入れてぐりぐり動かして確認」なんてやってるとは思えませんので、何らかの仮想的検査のハズ。とするとドライバでアクセスする場合しか発生しない不良をチェックできないことはあるのかも知れません。

・クロック顛末
 CCCプロファイル方式にて。
 Gfxコアとメモリを742.5MHzに設定すると、コア電圧は1.10Vになってしまうようです。
 半分の371.25MHzに設定したらハングしました。
 Gfxコアのみ371.25MHz、メモリは742.5MHzにしたら動きましたのでそちらと比較しましたが、前者の方がよさげです。電圧が0.95Vに下がってましたのでその影響もあるかも知れません。いずれにしろ微妙で、気持ちの問題かも(笑)。

 今度は、光HDMIメディアコンバータの電力は足りているようです。補助USB電源コードを使わなくても動作しました。やはりその方が音にはよいような気がします。

 742.5MHzであるCD1枚分約1時間動作後です(VGA出力はカット)。室温21℃なので、HD5450とほぼ同等というところでしょうか。

GPU-Z HD7750

 12/11/04追記:かなりダイナミックな音なのですが、ソースによってはヴォーカルの高域が破綻するケースがあるようです。HD5450(371.25MHz)に戻しました。


■クロック事情を見直す

 本項15/05/01追記。

 最初はE-350内蔵Gfxでクロック弄りました
 本稿では単体Gfxカードにおいてそれを行っているワケですが、CPU内蔵と単体カードでは“原発振事情”が異なることを失念していました。

 グラフィックカードにはもちろんGfxコントローラチップ(GPU)が載っています。当然動作クロックが必要なワケで、それはPCIeバスから供給されるものではありません。もちろんCPUクロックとも関係ありません。オンボードにクロックを持っているのです。
 最近のカードでは27MHzの水晶振動子が搭載されているみたいです。AMDのHD5450とHD7550カードで確認しましたが、nVidiaも同じではないかと思います。
 基本となるSD画質の525p/59.94fpsは転送レート270MHz(HDMIクロック27MHz)ですので、おそらくこれをベースとして選択された周波数だと思われます。

 つまり、グラフィックカード上のすべてのクロックは27MHzから生成されているということです。

 ということは、GPUクロックやメモリクロックは「HDMI転送レート」だけでなく「27MHz」とも極力整数倍になるよう考慮した方が“PLLにやさしい”のではないでしょうか。

 例えば525pなら、GPUやメモリクロックを270MHzに設定すればHDMI転送レートも含めてすべて270MHzで統一できます。GPUで扱う(生成する?)クロック種類を、原発振のジャスト10倍というキリのいい1種類にまで減らせるということです。
 理屈上はこれが一番音質にいいような気がします。

 また、1080pの転送レート1485MHzは27MHzのジャスト55倍、つまり整数逓倍です。しかし奇数倍ですから転送レートが半分の1080i/720pでは整数倍になりません。1080pはクロックが低くて有利な気がする1080iや720pより好ましく聴こえることがありましたが、もしかするとこのためかも知れません。

 27MHzから1485MHzを生成するための逓倍数55の素因数は5x11なので、135MHzか297MHzが「発振子の整数倍」かつ「転送レートの整数分の一」となります。そのうち135MHzは525p/59fps時の転送レート270MHzの1/2(27MHzの5倍)でもあり、2の累乗ではありませんがキリはよさそうです。
 原発振5倍の135MHzに設定すれば、GPUやメモリクロック周波数はほぼ最低レベルでしょう。480pの転送レート270MHzは2倍、1080pの1485MHzはその11倍ということですね。

 このリクツで聴き比べてみたところ、270MHz設定の480pが一番くっきり粒立ちがよいように聞こえました。
 ただ、残念ながら480pだとハイレゾが通りません(2496まではいけるハズなんですけど)。
 このモードは実質CD音源専用になりますね。ハイレゾも鳴らす頻度が高いようなら1080pを併用することとし、どちらにもベターな135MHzに設定することになるでしょうか。

 “よくなったような気”がしますが、当然客観的にどうかは定かではありません。キリがいいっていう気持ちの問題かも知れません(笑)。


 ちなみにSD画質がプログレッシブじゃなくてインターレースだったころのカードでは13.5MHzの水晶が載っていたようです。


■HDMI-I/FをAudio用に特化する

 本項15/05/04追記。

 「Gfxカード上のクロックは整数逓倍かつ種類は極力少なく」が正義とするなら、そもそも、Gfxカードは「Audio用HDMI-I/F」であることを徹底するべきではないかと思えてきました。

 HDMI-Audioにおいては、「プレーヤ操作画面」を「Audio用I/F画面」とは別に用意する必要があります。HDMI画面は全黒にするのが基本だからです。
 しかして、操作画面を同じGfxカードから2画面出力すると、その画素周波数も必要になりGPUのPLLが忙しくなってしまいます。
 HDMI-I/Fと同じ転送レートが設定できる場合は別ですが、HDMI画面モードは音質調整のために可変パラメータにしておいた方がいいでしょう。
 ですので、HDMI-Audio用画面(真っ黒ですが)と操作画面(OSメイン画面)は別Gfxカードから出力すべき、ということです。

 しかし、Mini-ITXたるGA-E350Nには拡張スロットは1本しかありません。
 そこで、

「Audio-I/F=HD5450のHDMI(真っ黒)」+「操作画面=CPU内蔵GfxのAnalog-RGB」

のデュアルディスプレイにしてみました。
 ちなみに制御画面をAnalog-RGBにしているのは、ノイズ遮断のため再生中にケーブル抜いてもディスプレイモードを“状態維持”するためです。メイン画面をHDMIやDVIで出力するとケーブル抜くと残った出力に出すようになってしまうんですよね(Audio用HDMIが真っ黒じゃなくなってしまう)。

 これで音質良くなるハズ(笑)だったのですが、数日聴いていると違和感が。なんで???

 楽曲データのアクセスにも使われるメインメモリがVRAMとしてアクセスされ続けるからかも知れませんし、E-350が忙しくなるのが良くないのかも知れませんが、原因は不明です。M/Bオンボードであって専用回路じゃないですもんね。
 そういえばClarkdaleでHDMI-Audio試した時もあんまりよくなかったなぁ。
 なんだか、HDMI-AudioするならCPU内蔵Gfxは使わない方がよさそうです。Audio-I/Fとしても操作画面としても。
 

 ということで、リクツは解りませんがGfxカード+CPU内蔵Gfx作戦はNGでした。
 じゃあどうすれば?
 操作画面はBIOS(UEFI)画面の出力も行いますのでUSBグラフィックアダプタは使えません。
 Audio-I/FとしてのHDMI側をメイン画面にすると、普段は表示していないワケですから、BIOS(UEFI)設定の時だけ表示するようにケーブルつなぎ替えたりなんだりメンドクサイことこの上ない状態になりますのでパスです。同じ理由でバーチャル画面もダメです。

 とりあえず宿題ですね(笑)。


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HDMIもひ・か・り・に・なれー!

12/07/29初稿

 実は私、電気的なアイソレーションが大好きです(笑)。


■遂にHDMIもアイソレーション

 ウチではAVアンプ(YAMAHA製DSP-Z7)をDACとして使っていますが、長らく入力は光S/PDIFによる音声だけで運用していました(その場合のHD-Audio対応への考え方などはこちらをご参照ください)。
 しかし、先日HDMI-Audioに目覚めて以来、PCとAVアンプを電気的に接続せざるを得なくなっていました。
 それでもメリットが上回っていたワケですが、なにせノイズ源の代表選手のようなPC。できることならアイソレートしたかったのは言うまでもありません。
 これまでも例えば無線HDMIなんて手法もあったのですが、結局レシーバ側に別電源が必要なため改めてACを含めたGND問題が発生してしまいますし、何より、結構な規模の回路がAVアンプ側に追加される形になることから音質的にメリットが出せるとは思えず試していませんでした。
 光ファイバHDMIなんてのも業務用などにはあったのでしょうけれど、とても試してみる対象にはなり得ていませんでした。が、先日、なんと、リーズナブルな「光ファイバHDMIケーブル」が登場していることを知りました。

 Rainbow Fish Fiber Opticという米国メーカで、日本ではエミライが代理店となったようです。
 本来の目的は長尺引き回しなのでしょうけれど、本田雅一氏のBlog(*)では、プレーヤとAVアンプ、AVアンプとTV間のアイソレーションによる音質画質向上に用いる例が紹介されています。

*:http://blogs.itmedia.co.jp/honda/2012/05/avhdmi-38a5.html

 Home(白)とProfessional(黒)の2バージョンがあるようですが、メーカサイトによると用途別であって音質的な性能差はないそうです。
 また、3m以下を設定する予定はないとのことです。PCとAVアンプ間は1mではちょっと足りないこともあり、Homeバージョンの3mで即決しました。

 このHDMIケーブルはコネクタ内に電気信号と光を相互に変換するメディアコンバータが内蔵されていますので、当然電源が必要です。送信側はHDMI信号の中に5V給電がありますが受信側にはありませんので、外部から電源供給してやる必要があります。そこでACアダプタなんかが登場してしまっては上記無線HDMIと似た事情になってしまいますが、この製品ではUSBの5V電源から給電可能です。ので、最近は受信側にまず存在するであろうUSB-A端子から給電できますから、電気的アイソレーションは保たれるというワケです。

 ちなみに当商品の仕様上の消費電力は送信側0.6W、受信側0.5Wとなっていました。5Vですから電流値にすると120mAと100mAになりますね。
 USBバスパワーは規格上500mAですから受信側は問題ありません。一方、送信側で使うことになるHDMIの給電は規格上min.55mAのようです。
http://www.hdmi.org/learningcenter/kb.aspx?c=13#42
 が、実際の商品では100mA~150mAくらい供給されているようで、その程度の消費電力のモノなら現実的には動作することが多いようです。しかしながら「今後はポータブルデバイスなども増えてくるのでアテにして商品作るなよ」といったことが書かれています。
 「送信側120mA」は微妙なところでしょうか。なので送信側でも電力が足りない場合がありえるため、その場合もUSBから給電できるアダプタケーブルがオプションで準備されています。

 実際、DSP-Z7からTVへの出力ではLEDは光るものの出画しませんでした。Sapphire製HD5450のHDMIもNG。
 なお、DDCだけは銅線だったりしないだろななんて一抹の不安もあったのですが、ファイバケーブルは透けるような状態でメタル線が通る余地はありませんでした(念のためテスターでシェルを当たりましたが抵抗値無限大)。

 さて、いよいよ投入です。受信側はDSP-Z7のリアUSBを有効にして給電し、WIREWORLD製SilverStarLight/1mから変更。送信側はPC(GA-E350N-USB3オンボードHDMI)なので潤沢に電流出してるだろうと思っていましたが、実際電力の問題はなさそうです。
 13/03/28追記:NEC製UltraBook「VersaPro VG-E(Lavie G タイプZのビジネスPC版)」、POWERCOLOR製ファンレスHD7750のHDMIもそのまま出画できました。
 評価・音質レビューもどきとしては、明らかにクリアな音になりました。S/Nが上がって静かになったカンジでしょうか。スタビリティ感の向上も感じます。やはりアイソレーションの効果は捨てがたいようです。


■DC電源チューン再び

 といっても“おお~”というレベルではなかったとも言えます。元のケーブルがかなり高級品でもありましたし。
 しかし、このケーブルにはチューニングの余地が残されています。ハイ、受信側電源…つまり光→電気のメディアコンバータ電源=受信側で再生成されるHDMI電気信号の品質を左右する電源の変更です(これが可能なのも速攻で購入した理由のひとつです)。

 といってもUSB-ACアダプタから取ったりしたら意味ありません。せっかくPCとアイソレーションしたのに今度はACアダプタと結合してしまいます(普通のACアダプタでは高品質の5Vが得られないでしょうし)。アイソレーションを有効にした状態でAVアンプ本体以外から給電するとしたら「バッテリ」になります。
 ということで、DDCの電源をいろいろ試した時に使った(今は無き)SANYO製モバイルバッテリ「KBC-L2AS」のUSB形状出力から給電してみました。もちろん充電端子には何も繋ぎません。

 これは…最初の音だしで“おお~!?”と思いました。ちょっと暖色系になり、女性ヴォーカルの生々しさがアップしつつ解像感も充分ですがサ行のキツさもなく、低域のボリューム感も増えていますがボケていません。音が“密密”してます。ちょっと感動です。気持ちイイので聴いてるとすぐ寝ちゃうのが問題といえば問題(爆)。
 う~ん、魅惑的。
 ちなみに2口あるUSBコネクタにも音質差があるようです。どうも底面側(ボタンがある面の反対側)の方がシャッキリ解像度系で表面側がバランス系? みたいな。不思議ですが(苦笑)。

 バッテリということで気になる駆動時間ですが、KBC-L2ASのスペックは「5V/500mAを240min」相当の容量なっていますので、100mAなら5倍、約20時間ドライブできることになります。実際、満充電から普通に数時間使った後充電レベルを確認してみたところではほとんど消耗していないようでしたし、1日あたりおよそ8時間くらい通電(音楽再生はしたりしなかったり)で3日保ちましたので、上記計算で大体合っていそうです。
 システム電源を落とす時のお作法として充電を行う(ACアダプタのプラグを挿すだけ)ようにすれば、リスニング時毎回ほぼ安定した電力供給が出来るのではないかと思います。

 KBC-L2ASは充電しつつ出力が出来ますのでイザという時はそれも可能ですが、USB経由でもACアダプタでも、それをすると明らかに音質劣化します。劣化と言っても比較の話で悪い音ではないのですが、バッテリ独立状態の立体的音場が平面的になるカンジでしょうか。
 ACアダプタだと電気的結合してしまいますし何より「廉価なACアダプタ」ですから5Vの質も推して知るべしなのですが、GNDはもともとショートしているハズのDSP-Z7のUSBでも似たようなレベルの劣化があるというのは不思議です。Z7のUSBメモリからのファイル再生はそれほど高音質ではなかったので、あんまり良質な5Vは出ていないのかも知れません。逆にHDMIメディアコンバータのノイズが混入するのかも知れませんが、ならHDMIコネクタ側から影響ありそうですし。

 ということで、受信側5Vの品質を上げると音質も上がりそうです。他にも試してみたくなりますが、どんな可能性があるでしょう。
 同じモバイルバッテリ方式でも商品によっても音質変わりそうですけれど、どれがいいのかは実際やってみないと解らないでしょうから難しいですね。

 ちなみに、SANYO商品を引き継いだPanasonic商品の中でウチで使っている「KBC-L2AS」の後継機に当たるのはたぶん「QE-QL201-W」だと思います。
 バッテリは実績あるメーカ製がいいですね。ていうかAudio用だし(笑)。Panasonicはこのカテゴリかなり力入れてるようです(SANYO時代よりラインナップが増えてるような)。
 以下、10260mA、5400mA、2700mA。それぞれ白黒あり。

         

        

 上記リンク先で試したeneloop4本直列の電池BOXなんてのもイケると思いますが、毎回電池ハズして継ぎ足し充電するのは憚られますし(何よりメンドクサイですし)、容量少ないことによる「充電レベルが変化していくことによって音質に差が出る」なんて可能性のもあり得ると思え、不安定感が気になるので試すノリが出ていません。

 安定化電源から給電っていうのもあり得ますが、ケーブル作ったりするメンドくささに加え折角PCとアイソレーションしたのに新たな機器との結合を生んでしまうため、気持ち的にも試すノリが出ていません(笑)。

 あとは、AC電源から無接続のままで給電できる「無接点充電」でアイソレートしながら常時給電?
 でも、要するに電磁誘導してるワケだからノイズ出そうだしな~
 以下「Qi」対応バージョン。

         


      

 12/09/26追記:モバイルバッテリの電圧と電流の安定度を測った記事(*)を見ると、SONYので試したくなっちゃいますね。もちろんミクロな事情とマクロな事情は違うでしょうけれど、なんとなくDC/DC(チャージポンプ)の精度がよさげに思えてしまいます(笑)。



*:http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/fujilabo/20111208_496279.html
  http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/fujilabo/20111209_496500.html

・ポリマー&ダブル
 本項13/07/27追記
 SONYの新型を購入してSANYOから交換してみました。
 現状かなりいい音でているのですが、どうにも正確すぎ&解像感高すぎ(?)で色気が足りない。
 何か変えてみたかったのですが、手軽で効果ありそうな策かと思いまして。
 上記の通りDC/DCよさげなのとポリマー型ということでSONYにしてみました。敢えて「メーカ」と「バッテリ構造」を変えて音質変わるかチャレンジです。
 なるべく充電の手間を減らすため最大容量10,000mAhにしました。以下の商品はすべてACアダプタ付きです。10,000mAhはUSBポートによる充電だと23時間とかかかりますがACアダプタだと7時間とのことですので、特に大容量タイプでは専用ACアダプタ付きの方がよいでしょう。
 左から10,000mAh、7,000mAh、3,500mAh。

      

 結果、幸いなことに中低域が豊かになりました。高域の解像感は減退しましたが豊かなカンジが好ましいです。ただ、やっぱり2口のUSBコネクタによっても違うようで、給電SW側の方がふくよかで良いです。

 さて、これで手持ちのモバイルバッテリが2個になりましたので、送信側受信側どちらもバッテリ給電の“ダブルバッテリドライブ”も試せます。
 SANYOを出力側の給電に投入(プレーヤPCのUSB給電から変更)してみました。
 RainbowFish純正給電ケーブルの5VはUSBとHDMIがショートしているため、バッテリ駆動にしてもHDMIからの5Vとアイソレーションは出来ません。そのためこれまで試していなかったのですがやってみると歴然の変化。受信側をSONYに変更して減退した要素が若干戻ったカンジです。

 つまり送信側を変えることでもかなり変化がありそうなので、KIKUSUIの安定化電源も試してみました。
 やっぱりかなり変わりますが、AC機器が増えちゃう難しさか、SANYOバッテリの方が格段によいようです。

 んで、調子に乗って送信側もSONY10,000mAhに統一しました。

 この状態で受信側を「eneloop4本の電池BOX」にしてみたところ、SONYバッテリより音場が狭くなったカンジでイマイチでした。

 ダブルバッテリ状態で最適化を模索してチューニングした結果、電源周りを大幅変更。HD650からHD700に換えた時「サ行」がキツイのを改善するために変更したところをすべて元に戻すことになりました。PC本体のチューンとしてはGfxメモリクロックを下げてPCIeのスペクトラム拡散をEnableにしてありましたが、これはそのままでいいみたい。

 もしかしたらこの状態だとeneloopやKUKUSUIの感想も変わるかも知れませんが、組み合わせはキリないですからね…

 13/08/20追記:送信側の5V供給、純正よりHORIC製の方が良いようです。



 考えてみれば純正の方は「有線ケーブル」付きですから、HDMI信号部分は「コネクタ」になってる方が有利なのかも知れません。


■HDMIリピータ

 本項15/05/01追記。

 ケーブル周辺いぢくりまわすと音変わるようです。
 もちろんデジタルデータの0/1が変わっちゃってるワケではありません。やっぱり、デジタル信号(GNDも含めて)の波形品質が変わればDACから出力されるアナログ信号は変化するのではないかと。

 と、だとすると。ふと思い当たったことが。

 普通はケーブルの違いレベルのパッシブな質変化しか起こりません(起こし得ません)が、HDMIって出力と入力の間でもアクティブな加工というか“整形”できるじゃないですか。
 信号延長のために使われる「HDMIリピータ」「HDMIイコライザ」と呼ばれるアダプタが存在するのです。

 長距離ケーブルで鈍った波形をシャッキリたたき直してくれるものです。単純なバッファアンプ回路のようなものではなく、立派なコントローラが一旦受けて改めて出力しています。採用コントローラや設計の違いで波形整形結果は変化するでしょうからモノによって音質も変わるでしょう。

 さっそく安価なものを3個ほど調達してみました。HORIC製HDMI-E40N、RATOC製EEX-HDRP1、ELPA製DH-RPです。

    

 HORIC製の中身(リピータチップ)はSONY製CXB1441Rです。
 RATOC製はMAXIM製MAX3815(CCM 1351 AXQONHR)です。
 ELPA製は非破壊で開けられませんでしたので不明。

 立派な電気回路製品ですので当然電源がないと動きません。HDMI出力側が供給する5Vで動かす必要があります。もし不足だった場合はアダプタケーブルでUSBなどから電源入れてやることになりますね。このあたりは光HDMIコンバータと同じ事情です。リピータ本体にもDC入力があれば直接入れることもできます(RATOCとELPAにはアリ。HOLICにはナシ)。
 光HDMIでアイソレートしている場合は当然受信側には5V通じていませんから、別途供給する必要があります。
 ちなみにHD5450のHDMI5Vでは(光コンバータなしでリピータだけでも)動きませんでした。


 確かに大きく変わります。プラシーボとは思えないレベルだと思います。
 3個の組み合わせを変えつつ出力側・受信側・両側と入れる箇所を変えていろいろやってみたのですが、概ね傾向はあるようです。ざっくり言うと「HOLIC=優等生」「RATOC=豪快」「ELPA=あっさり」といったところでしょうか。もちろん環境依存性は激しいと思いますが。
 5V供給源に依っても影響されますので、光HDMIではなく“有線”HDMIケーブルに交換してみたり、HDMI5Vが強力な(リピータも光コンバータも同時に動かせる)HD7750を復活投入したりもしました。

 その結果どうなったかと言うと… 「HD7750+光HDMIプレーン(外部5Vナシ)が一番」という結論に(爆)。出力側光コンバータがHDMI5Vだけで動かせることが効いてるのかも知れません。以前最初にHD7750投入した時はHD5450に戻したのですが、OSをはじめシステム環境変わったためでしょうか。今回はHD7750採用となりました。

 ということで、ERIではリピータを挟んで使うことにはなりませんでしたが、音質が変化する様はなかなか楽しかったです。HDMI-Audioの音質チューニングになるのは確かだと思います。Gfxカードを交換するのは手間かかりますが、リピータなら手軽に取り替えて楽しめる点もいいのではないかと。
 アナログレコードプレーヤのカートリッジのようなカンジですかね。


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HDMI-Audioあれやこれや

11/07/31初稿

 HDMIがイケると判断した先の記事の通り、いきなりお気に入りになったAMDのE-350を使ったHDMI-Audio環境構築を進めています。


■M/B換装

 早速M/B交換しちゃいました。E350-GTだとHDMIとDVIが干渉しちゃうので。というか「UltraDurable3」にしてみたくて(笑)。
 新しいM/Bは、Mini-ITXでHudsonM1になっちゃってUSB3.0も搭載されちゃいますけど、GIGABYTEの「GA-E350N-USB3」です。
        日本ギガバイト GA-E350N-USB3 integr. mini-ITX
        日本ギガバイト GA-E350N-USB3 integr. mini-ITX

 選択のポイント「UltraDurable3」ですが、

電力層及び接地層の両方に2オンスの銅を導入し、システム温度を劇的に減少させ、エネルギー効率とオーバークロックの安定性を向上しました。
http://www.gigabyte.jp/MicroSite/48/data/tech_080924_ud3_overview.htm

というものです。

 UltraDurable3を本当に切った記事がありました。すげー
http://ascii.jp/elem/000/000/184/184818/

 ちなみに「2オンス」って重さのことですが、銅箔厚は「1平方フィート」分の重さで示すと決まっており、35um厚だと1オンス、70um厚だと2オンスになるようです。
http://www.pbfree.jp/html/column119.html

 温度やオーバークロックはさておき、「電源パターンの銅が2倍」なんて言われるとそれだけで音に良さそう(笑)ですが、それ以外にもフェライトコアとかコンデンサなども奢っているので、さらに良さそうな気が。
 実際交換してみてどうだったかですが、HDDをそのまま付け替えて無理矢理再認識させた環境で比較してみたところ、若干よくなったような気もしますが…なにせ組み替える時間が経過してますからなんとも…

 やっぱりFANは付いてますが、E350-GTのFANノイズが“しゅるしゅるしゅる”って結構大きかったのに比べると“さー”ってカンジでほとんど気にならないレベルになりました。さすが高級機(笑)。
 当然NO-PCIが付けられなくなった以外は同じ構成です。NO-PCI Expressは装着しています。

 HD-AudioとLANとUSB3.0はBIOSでDisable。
 Gfxの周波数は最低の300MHzに設定しました。CPUのアンダークロックはできないようです。残念。
   →12/10/10追記:アプリからならできるんですね。電圧や周波数をいぢくりまわした記事参照。
 PCIeのSpreadSpectrumはDisableの方がいいようです。
 11/08/06:HDDをTOSHIBA製MK6459GSXPに換装してシステム再構築しました。Advanced FormatのHDDです。AFの方がHDDアクセス効率が良くなるので音にもいいような気がして敢えて選択。実際かなりクリア~なカンジに変わりましたが、システム再構築したりアルミHDDケースへの組み込み方を変えたりしているので、HDD自体が要因かどうかは定かではありません。


 ということで、以下、GA-E350N-USB3にて。


■ハイレゾ(にして)聴くぞ

 せっかくですから聴けるハイレゾを増やしたいですよね。
 PCM系であればuLilithでほとんどまかなえると思いますが、DSD系フォーマットは再生できません。
 また、そもそもハイレゾソースが少ないのを補間するため、「リアルタイムUpSampling」機能も欲しいところです。事前に変換しておくのもメンドクサイですので(苦笑)。

 このふたつを実現できるのがご存じの通りfoobar2000(のプラグイン)です。
 もちろんAPIは排他WASAPI。WASAPIもプラグインを使います。
 プラグインを使うにはDLLを入手してインストールする必要がありますが、インストールと言っても、foobar2000の「components」フォルダにDLLをコピーすればいいだけです。
 ということで、以下のソフトウェアをインストールしました。

  ・foobar2000本体:v1.1.7
  ・WASAPI:foo_out_wasapi … 2.1, released on 2009-05-19
  ・DSD Decorder:foo_input_dsdiff … 1.4, released on 2011-05-19
  ・Sox Resampler:foo_dsp_resampler_0.7.0

 同じくResamplerのfoo_dsp_ssrc_057はv1.1.7ではバージョンが合わないって言われちゃいました。

・foobar2000の24/192 
 一応、現時点では24bit/192kHzまで再生できればオールマイティでしょう。ということで、まずは24/192の再生環境を確保します。
 排他WASAPIの設定で出力bit数を24bitにしてPCMや以下に記すDSD→PCM変換で192kHzや176.2kHz再生すると

「Unrecoverable Playback error:この操作を完了するのに十分な記憶域がありません(0x8007000E)」

なるエラーが出ます。DSD→PCMでもネイティブ24/192のwavでも同じくダメですので、排他WASAPI動作の部分と推定されます。
 メインメモリを2GB→4GBにしてもダメです。
 96kHzや88.2kHzなら大丈夫です。bit数の方を「16bitディザ」にすれば192のままでもokです。なんか単純にどっかの容量の問題ような。

 結局、排他WASAPI設定のBufferサイズ(デフォルト1000ms)を680ms以下にするとOKでした。690ms以上にするとNGです。96kHzにすると2倍の1360ms以下でok、1370ms以上NG。じゃあ176.4kHzなら192÷176.4で680msの1.088倍あたりにスレッシュがあるのではと思ってやってみると実際740msでok、750msでNG。
 つまり、192x24x2x0.68/8=783360Byte=765KBくらい(つまり768KB?)のバッファ容量を持っているということでしょうか。
 VRAM512MB固定で調べましたが、256MB固定にしても680と690の間にスレッシュがあることは変わりませんでした。

・DSD 
 「DSDIFF」形式(拡張子.dff)をPCMに変換してくれるプラグイン「DSD Decorder」がありますのでそれを使います。
 プラグインの設定ではPCMのサンプリングレートを選択できます。最大192kHzですね。
 上記の通り排他WASAPIで24/192が通る設定にしておけばさっくり動きます。例によってbit数は表示されないので定かではありませんがDSP-Z7表示で192kHz出力が192kHzで受信しているのを確認しました。
 ちなみにDSDは2.8224MHzで変調された1bitDigitalですが、44.1kHzのちょうど64倍の周波数です。
 とすると、やっぱり、PCM変換する時は44.1/88.2/176.4が相性いいのかな?
 実際、192よりも176.4の方がかなりハッキリよい気がしますねぇ。だからデフォルトが88.2なのかな?
 音は圧倒的です。16/44.1とは全く違う世界が広がりますね。HDMI-Audioにしてよかったと思える音です。マルチもできるし。

・RealTime UpSampling
 「SoX Resampler」を使っています。パラメータの意味はあまり理解できていないのでとりあえず以下設定にて。デフォルトのまま、のはずです。
   Quality:Best
   Passband:95%
   Allow aliasing:ノーチェック
   Phase response:50%

 こちらも24/192が通る設定さえしてあれば大丈夫のようです。x4の176.4kHz、同じくDSP-Z7表示で確認できました。
 ウチの現在の環境だと、x4だとちょっと柔らかくなりすぎ(特に低域が不明瞭に)でしょうか。元の情報量に比してDACの負担増が釣り合ってないのかな。
 x2でも、DSDのPCM変換には及びませんが16/44.1とは違う音が聴けます。うれしいですね。心地よくて眠くなっちゃいますけど(笑)。
 電源周りいじったりケーブル変えたりするとx2とx4は微妙です。

*:15/02/15注記:厳密に言えばアップサンプリングは“ハイレゾ”と呼ぶべきでものではありません。ハイレゾとアップサンプリングの関係(違い)はこちらの記事にて。


■DSDやハイレゾに思うこと

・PCでDSDストリーム出力?
 DSD(Direct Stream Digital)って、再生においてはフォーマット自体が特にD/A変換時にLPCM(Linear Pulse Code Modulation)より高音質になりえる要素を持っているワケですが、現時点ではDSDデータのままPCから出力することはできません。というか、何らかの手段で出力してもDAC側がDSDのまま受けてくれないと意味がない(DSD→PCMの変換を行う場所を変更するという意味はありますが)ので、それが成立する規格化されたI/FはHDMIしかありません。
 ので、PCのHDMIからDSDストリーム出力することができればとても楽しそうですが、おそらく無理かなぁと思う今日このごろ。
 何故って、一般的な需要がないからです。HDMI-AudioドライバとサウンドAPIが対応し、そのAPIを使ってDSDデータを出力するプレーヤが必要になると思いますが、それなりの規模の規格化と開発が必要ではないかと思います。HDMI Outputの対応エンコード形式に「DSD」が出るようにするイメージですね。
 しかし、そもそも、PC上にはDSDソースが(ほとんど)ありません。せめてSACDがPCで再生できれば少しは対象になるかも知れませんが、現時点ではDSD配信しか可能性はありません。つまり、DSD配信がかなりメジャーにならない限り、それだけの規格化&開発を行うトリガはかからないだろうと言うことです。
 その可能性は…DSD配信がたとえ結構メジャーになったとしても、PCM変換で聴けてしまうこともあり、難しそうな気がします。残念ですけど。
 本Blogで対象としている商用WindowsPCのハードソフトとしてでは、ですが。

・なんちゃってハイレゾ?
 SACDも含めたハイレゾ音源、DSDだったりハイサンプリングだったり24bitだったらいい音、とは限りませんよね。それらはあくまでもフォーマットに過ぎませんから、中に入ってる元の音の質が良くないとダメなのは当たり前だからです。
 24/192のソースだって言っても、例えばベンダ側で16/44.1の音源をアップサンプリングしただけなら、それは“業務用ツールで個人でやるよりハイレベルにアップサンプリンしたから高音質”ってな違いしかないことになります(違いがあるとしたら)。DSDだって、元ソースが16/44.1だったらそれ以上の高音質ソースにはなり得ないですよね。
 もともとハイレゾなハイレゾソースって現時点ではまだあんまり多くないような。

 でも、ハイレゾ再生はリアルタイムアップサンプリングでも音が変わるのも事実です。
 が、そもそも、サンプリングレートやbit数が違えばDACの動作は異なります。例えば16/44.1を24/88.2にアップした場合、3倍の密度でD/A変換しているのでDACの忙しさも3倍、ですからDACから出てくるAnalog音が変わるのは当然だと思います。もともとDACでオーバーサンプリングしてるというような話はさておき、少なくとも入ってくるデータ量の処理としてはそうでしょう。もちろんDACに届けるまでの各種S/W・H/Wの動作も変わりますので、それらは最終Analog段に総合的に影響を与えることでしょう。いわんやPCMとDSDの違いをや。
 つまり、ハイレゾ再生の音が従来の16/44.1再生と違うのは、それは(アップサンプリング後も含めた)ソースの音質が変わったためと、DACを中心とした再生システムの動作が変わったためという2種類の要因があると思っています。

 よって、ハイレゾ再生する時は、「変わった」イコール「良くなった」ではないことを意識するようにしようと思っています。

 CDレベル(16/44.1)の3倍とか6倍っていうデータ量を処理するようになればシステム負荷もそれ相応に増えますので、当然電気もより食うでしょうし発生するノイズも増えるでしょうし、ハイレゾ=高解像度なのですから悪影響の比率も相対的に増えるでしょう(3倍~6倍センシティヴになる)。たとえソースが本当に高音質だったとしても、96kHzより192kHzの再生の方が高音質かどうかはシステムに依ってしまうだろうと思っています。
 ハイレゾを本当にハイレゾで聴くのは結構大変でしょうねぇ。


■ちょっとだけチューン:GA-E350N-USB3+foobar2000編

・リンク速度
 改めて480pと1080iと1080pを256色で勝負させると、1080p。1080pの256色(8bit)と16bitと32bitでは意外にも32bit(720pのリンク速度は1080iと同じためパス)。つまり表記上は一番データ量の多いモードが一番高音質ということに。PCのモードとHDMI規格との関連は別項にて…
 29Hzはよくないっぽい。25Hzは悪くない?
 しかし流石PC、パラメータ多いこと多いこと。
 SH-1010にて。

・HDMIケーブル
 いや~ なんというか、HDMIケーブルでも音変わりますけど…

      

http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=KM-HD20-10FC&cate=1

Z7とTVを繋ぐケーブルとして↑の1.5m版買ったんですけど、PC→Z7で試してみたら意外なほど音良かったです。
 金メッキプラグ、金メッキピン、一体成形プラグ、両端フェライトコア、3重シールド、99.996%OFC、4K2K/3D/HEC/ARC対応のHighSpeed(満額回答?(笑))ということで選んだんですけど、スペックが効いてるのかたまたま相性なのか? はワカリマセン…

・インシュレータ
 HDMI-Audioでも、PCのインシュレータは影響あるみたいです。いくつか試して、余ってたJ1-ProjectのSP37/Sをかましました。805SにもSP35/Sを使ってて、ICPコンポジットは結構お気に入りです。
 オーディオボード代わりのコーリアンボードの下にはActisのソルボセインESI-100を2段積みで。
 ええ、理屈はワカリマセンとも(苦笑)。PC本体というよりラック全体の変化とか???

   


■ケース変更

      

 ↑こんな肉厚アルミケースで組んだらいかにもAV機器っぽくカッコいいですけど。でもすでに結構散財しちゃったしな~

http://abee.co.jp/Product/CASE/acubic/M10/index.html

 11/08/24追記:なんて言ってるそばから結局M10シルバーを購入してGA-E350Nを入れ替えました。
 幅が広くなったのでコーリアンとソルボセインはハズしています。
 ちょっと罠だったのがPSU取り付け。「真ん中ネジ穴」が片側にしかありませんので、片側が真ん中ネジ穴のみ+片側が上下ネジ穴のみのPSUは上下向きが固定になります。一般的にはFANが上になってしまいますが、エアフローを考えるとFANは下向きにしたいところです。
 また、FAN部が突出するタイプはトレイに当たってFANを下向きに出来ません。といって上向きにすると完全に5inchデバイスに干渉します。
 RG-50で使える唯一の手持ち電源SeaSonic製は両方アウト(苦笑)。
 仕方ないので、FANがでっぱらないタイプをFAN下向きで無理矢理ネジ止めしました。


■またケース変更(ATX電源投入のため)

 この項12/06/09追記。

 またケース変更しました。同じくabeeの「acubic C10」です。今度は黒。旧型をアウトレット通販にて。
 いや、別に色を変えたかったワケじゃなくて、ATX電源を使えるようにしたかったのです(M10はSFX仕様)。
 電源変えてみたいと思って物色していたのですが、SFX限定だと選択肢が少ないので勢いケースも変えることに。
 SeasonicのSFXをトリッキーな取り付け方してるのもちょっとヤだったので。

 さて、普通にお店で売っててPC-Audioで定評のあるPSUとしては、SeasonicのXシリーズが定番でしょうか。

 ですが、そんな大容量要らないし、そのまんま定番ってのもナントナク面白くないので「日本メーカのNipron」一択でチョイスすることにしました。
 Nipronは原則として産業用や医療用PCに使われるPSUメーカなので、PC用とはひと味違った出力が得られるのではと。
 が、そういうメーカなのでコンスーマ向けの商品はほとんどありません。

 でも、実は個人でも買える直販サイトがあるんですよね。
 すごい数の選択肢の中から「VCCI classB取得」してて一番低容量の「NSP3-150-D2S」を選びました。150Wでも十分ですので。リップルも5Vで10mV、12Vで30mVと優秀だと思います。

https://www.nipron.co.jp/pdf/download/testdata/200505271146083558.pdf

 5月末に当電源とacubic C10で組み直しました。
 んが、FANの五月蠅いことったら! ある程度覚悟していましたが想像以上の爆音でした。FAグレードなので動作温度範囲も広くなっているし高寿命を保つためにも冷却能力を強力にしているのでしょう。FAでは音気にしないし。
 しかし、PC-Audioでは無用です。当初から交換覚悟だったので早速静音FANに換装しました(コネクタがPC用と違ったりするのでサックリとはいきませんでしたが)。風量は大変少なくなりましたが、数時間運転しても排気は仄かに暖かい程度で問題なさそうです。

 音質は…一応、それまで使っていたSeasonic製SS-180SFDとC10の組み合わせでも聴いてからPSUのみ換装しましたが、かなり長時間の換装作業の間が空くのでなんとも言えません。が、「S/N良くなった」ような気がしました。プラシーボかも(笑)。

 なお、この電源では残念ながらクリーン電源レギュレータRG-50が起動しませんでした(RG-50を使うためにも低容量をセレクトしたのですが)。
 ので、モッタイナイのでA-1VL(さすがデジタルアンプ、23Wくらいしか食ってないので)の方に投入したのですが、結構よさげです。分解能が上がったけれど暖色系の厚みのある音になったような。

 これも邪道かな(笑)。


■さらにチューン

・ファン交換
 12/06/19追記:あり合わせのFANを5V駆動にしていたのですが、ちゃんと12Vで静音のブランド品、山洋のSANACEに組み替えました。

  ←なんと5dB。

 そうしたら音が変わったようで…すんごく綺麗な音になりました。ノイズ感も歪み感もまるで感じません。これがNipron電源の実力だったのでしょうか。

 12/10/28追記:あり合わせ5V駆動ファンを、ペリフェラルコネクタからの5Vと12V駆動で“追加(そのへんにぶら下げるだけ)”してみて、音質変化(劣化するハズ)を改めて確認したのですが、“わっかりましぇ~ん”でした(笑)。なんだったのかなぁ。最初のHDMI-I/FはE-350、今回はHD5450という違いはありますが…

・PSU交換
 12/11/12追記:PSUをSS-400FLに換装してみました。Seasonic製のファンレス電源です。Xシリーズと同等の低ノイズ性能を持っているようですので、より低出力ということで試したくなった次第。工夫によってはCPUファンだけで冷却まかなえるかも知れませんし。

 まずは消費電力ですが、HD5450実装環境にて起動時は40~45W程度、アイドル&再生時は34W程度でした。さすが80PLUS:GOLD。SoftOFF状態では0.0W(測定限界以下(笑))。
 ファンレスでどこまでいけるのかと、特にファンなど追加せずとあるCDファイルの全曲再生(約1時間)してみましたが、ケースカバー開けた状態とはいえほんのり暖かくなる程度でした。CPUやGfxカードのヒートシンクの方がよほど熱かったです。大したものです。
 ただし音質は、悪くははないのですがNipronに比すと何か抑圧されたカンジでした。もしかしたら“エージング”が必要なのかも知れませんが、1時間では変化していないと感じました。Nipronと同条件にしたケーブルへのフェライトコア追加が逆効果なのかも知れませんし、定格400WのPSUを40W程度の負荷で使うことに無理があるのかも知れません。

 Nipron継続使用にしました。


■備忘録

・GA-E350N付属ドライバの罠
 GA-E350N-USB3を使ったHDMI-Audio用PC構築では、どうもHDMI Outputに相性問題がありそうですので備忘録的に記しておきます。

 GA-E350N-USB3付属ドライバDVD(バージョン:1.0.B11.0106.1)でインストールを行うと…

・AMD SATA Controllerドライババージョン:8.71 2010/11/04付け
・Gfxドライババージョン:8.792.0.0 2010/11/09付け
・RealtekチップをBIOSでDisableにした状態でGfxドライバと同時にインストールされるHDMI Audioドライババージョン:7.11.0.7710 2010/08/30付け(ドライバDVD上は1.2.1.269)
・RealtekチップをEnableにしてドライバDVDからAudioドライバをインストールすると、RealtekのHD-Audioデバイス用だけでなくHDMI-AudioデバイスのドライバもRealtek製がインストールされ、「AMD HDMI Output」が「Realtek HDMI Output」に入れ替わる。バージョン:R2.54(6235) 6.0.1.6121 2010/05/24付け

 AMDはGfxチップのAudio機能にRealtekのコア使っているらしいので入れ替わること自体は別にいいんですけど、RealtekドライバだとuLilith(11/06/15バージョン)のWASAPIが通らないです。Foobar2000(1.1.7)のWASAPIは通りましたので、WASAPI-I/Fの相性問題のようです。
 もしこの状態になった場合は「ドライバのロールバック」など使ってHDMI-Audioドライバを入れ替える必要があります。

 12/07/04追記:RealtekドライバはWASAPIのイベントモードが動かないのが原因のようです。foobar2000のWASAPIプラグイン(Ver3のbeta5)でもイベントモードにするとエラーになります。AMDドライバではイベントモードが動き、タイマーモードより良いように聴こえましたが、Realtekドライバ(R267にて)でタイマーモードの方が好ましく感じました。

・Gfxドライバで音は変わる
 12/09/03追記:罠じゃないんですけどGfxドライバについてひとつ。11/06/07付け8.862.0.0から12/07/27付け8.982.0.0に入れ替えたら猛烈に高解像の音になりました。いろんな楽器が聴こえるようになるなど解像感は凄いのですが、サ行などちょっとキツすぎるのでドライバロールバックで戻してみたところ、確かに元の音に。
 しかし、新しいドライバを使いこなさないのもナンだと思い、「まったり>解像度」になる傾向の「プログラム優先」「エクスプローラ起動」など試してみた結果、1080pを1080iにするだけが一番よさげです。


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PCのHDMIでハイレゾもマルチもイケるじゃないの

11/07/17初稿

 11年07月、再生システムを大幅変更しました。
 HDC-1LとREX-Link2EXと、「USB-Audio」にサヨウナラしました。「HDMI-Audio」コンニチワ、です。


■チェンジマインド

 1年ほど前、USB以外のハイレゾ音源再生I/FとしてPCのHDMIを挙げて少し実験したことがあります。
 その時は、「HDC-1Lから無線で飛ばし、アイソレーション&レギュレーション&安定化電源で生成した5Vで動かすREX-Link2EXで受けて光S/PDIFに変換してAVアンプへ」Digital音声を送り込むシステムに音質で勝てそうもありませんでしたので、どんな機能が出来るようになっているかまで調べてオシマイにしていました。
 音質もさることながら、Intelの内蔵Gfxだと先の記事の通りAVアンプのPureDirectモードで使えなかったので(苦笑)。
 RADEONなら使えたのですが、16bit/44.1kHz再生のガチ勝負だけでなく24/96ソースの無変換再生すら既存システムでの16/44.1への変換再生に負けていたので… おそらく、CPUが豪華すぎるのに加えて外付けGfxまで加わることによるシステムの複雑化(によるノイズ?)が要因だと思いますが、理屈は解りません!(笑)

 ですが、先日、AMDの新型アーキテクチャ“APU”の先兵「E-350」って、それらのマイナス要素がかなり減ってるんじゃないかと、ふと思いあたりました。
 コアは2個ありますが、Atomと同じようなシンプル化アーキテクチャです。1.6GHz駆動で18W。PC-Audioには十分です。
 しかも、RADEON HD6310なる最新GfxがCPUに合体しています。つまりCPUからの直出しHDMIです。アーキテクチャとして合体しちゃってるのですから、HDMIデータ転送もスムーズそうです。“無濾過火入れなし生蔵出し直送”ってカンジです。ハイレゾやマルチのHD-Audioフォーマットについても、HD5450でほぼフル対応していましたから問題ないであろうことが期待できます。
 もちろん64bitにも対応しています。

 …なんかよさそうではないですか(既存システムのいぢり所がなくなってツマンナクなったというのはさておき(笑))。そこで、しばらく以下の条件でE-350のM/Bを物色していました。

  ・可能ならPCIeだけじゃなくPCIもあること。玄人志向の“音質改善ボード”をできれば2枚使ってみたいので。
   さらに、サウンドカードやUSBカード増設しての実験もできるようにしておきたいなと。
   つまりMini-ITXじゃなくてMicroATXが望ましい。
  ・チップセットがHudsonD1(A45)なこと。
   SATA3はなくなりますが(要らないし)、PCIにネイティブで対応していますので。
   極力シンプルな方がいいので、ブリッジチップはないにこしたことはありません。
  ・同じ理由で、USB3.0などには対応していないこと。要らないオンボードチップは少ない方がいいです。
  ・できればファンレスであること。
  ・もちろんHDMIがあること。

 満額回答はなく将来的にも無理っぽいので、ファンレスはあきらめて「J&W製MINIX E350-GT」が出たところで決断。安いし。
 ファンレスはあとでなんとか出来るかも知れませんしね。

 意図からすると同じFusionAPUでも「C-50」の方がよさそうですけど、自作M/BはなくってノートPCしか存在しないようなので…
 C-50が内蔵するHD6250なるGfxのHDMI音声機能がHD5450などと同じレベルかどうかは判りませんが。


■E-350おそるべし

 で、1年前の実験の時と同じケースOwlTech製OWL-101silent(電源付属:SFX180W)と同じHDDで仮組みして、YAMAHA製DSP-Z7にSAEC製HDMIケーブルSH-1010で繋いで音だししてみたところ…

 げっ! 16/44.1が既存のHDC-1L無線システムよりいい! 24/96が16/44.1よりいいのが判る!

じゃないですか! なんと言うか、音の掘りが深くて安定感があります。音が濃いって感じ?

 となると、ハイレゾもマルチもできる分E-350の勝ちです。HDMI経由でPCとAudioシステムが電気的に結合しちゃうので高音質にするのは至難の業だと思ったんだけどなぁ(苦笑)。それは将来的にも避けようがないんですけど、現時点で勝ってますからねぇ。
 考えてみると、DACとして使っているのは「HDMIのHD-Audio対応AVアンプ」なのですから、メーカとしてもその音質はハイレゾに足るように日々磨いてきているハズで、第2世代の準フラッグシップDSP-Z7のHDMI音声の音がいいのは当たり前なのかも知れませんが…

 しばらく試して、素性の良さは間違いなさそうと判断、DDC部分(というかDSP-Z7の前段…プレーヤまで含むのでもうDDCとも言えませんけど)をごっそり入れ替えることに決定。
 もちろん、DSP-Z7をPureDirectモードに切り替えてもuLilithの動作は止まらないことを何度も確認して。ちなみにuLilithは「x64Core2版」ではなく「x64版」じゃないとダメみたい。

 USB-AudioからHDMI-Audioへ宗旨替えしま~す。

 以下のパーツで組み立てて常用に入りました。構成はハードウェアと音質の実験結果から決定しています。

・M/B・・・MINIX E350-GT
・メモリ・・・CFD製elixir DDR3-1333 2Gx1(片面)
・OS・・・Windows7 HomePremium 64bit SP1
・HDD・・・WD3200BEVT
・ケース・・・INWIN製IW-BK623/300(R)-80P
・電源・・・BK623付属 SFX300W 80Plus
・その他・・・玄人志向の「NO-PCI」と「NO-PCI EXPRESS」を装着


■できること

 HDMIでもFidelizerの効果は感じられます。物理的I/FがHDMIなだけでAudioドライバにデータ渡すまでのOSの処理は同じでしょうから、たぶんUSBの時と同様の理屈になっていると推察します。
 構成は最初5.1chでドライバ側とuLilith側を合わせたのですが、後述する通りstereoでも16/176.4だと帯域足りなくなるようなので2chに変更しました。
 もちろんAPIはWASAPI排他モードで。

 対応フォーマットはどうなっているかと言うと、

E-350 HDMIaudio

です。スクロールで隠れている行はありません(ウィンドウデザインがAeroじゃないのはFidelizeしちゃった後だからです)。192kHzとAACが迷子になってますかね(笑)。
 DSP-Z7の方は、

DSP-Z7サポート形式

なので、つまり現時点での全対応ですね。

 サポート形式の方はこうなっています。

E-350サポート形式

 「サポートされている形式」からするとハード的には可能なハズの24bitの88.2kHzや176.4kHzが「規定の形式」にはありません。が、逆に「サポートされている形式」には192kHzがないなど、これらはイマイチマッチしません(*)。
 が、uLilithにて以下の再生をDSP-Z7の表示で確認しました(bit数は表示されませんのでサンプルレートだけですが)。全部PCMのWAVファイルです。

  ・16/44.1/stereo
  ・24/88.2/stereo
  ・24/176.4/stereo
  ・24/96/stereo
  ・24/96/Multi(5.1ch)
  ・24/192/stereo

 つまり、この組み合わせはリニア系に関しては“ユニバーサル”と言っていいのではないでしょうか(24/192/multiは手持ちソースが無かったので確認していませんが通るのではないかと思います)。
 圧縮系もすべてデコード(して出力)対応できるであろうことは言うまでもありません。PCですので。それも直出しだし。

*:「規定の形式」の方は共有モードの機能(リサンプラー機能)のハナシだからでしょうか。

 ただし、HDMI-Audioでは音声信号は画像信号のブランク期間にパケットとして挿入されますので、いわゆる解像度と呼ばれる画像表示モード(=リンク速度)によって音声帯域が変化する点に注意が必要です。
 表示モードの画素数やリフレッシュレートが低いと音声帯域も狭くなるため、その表示モードで割り当てられる音声帯域以上の音声モードは出力できなくなります。

 なお、これはソースの帯域ではなくHDMIのリンクモードに依りますので、例えば5.1chでリンクしていれば、5.1chの中の2ch分に相当する帯域を越えるとステレオソースでもNGとなる点に注意が必要でしょう。
 11/09/05追記:規格上は可能なハズの「480pでのステレオハイレゾ」が非サポートになってしまいます。起動時に1080iでリンクしてから480pに落としたりすると通りますので、E-350システムとDSP-Z7のHDMIリンクの相性問題でしょうか。

 BD系の音声はまだ試していませんが、おそらく大丈夫でしょう。相変わらず対応フォーマットに出てこないAACがちょっと気になりますけど、HD5450で出来てましたからね。


■調整

・いきなり停止?
 しばらく鳴らしていると約15分ごとに停止してしまう現象が発生しました。どうも省電力設定のディスプレイOFFが作動しているようです。「バランス」モードで「OFFしない」に設定しているのに、です。HDMI音声は画面出力が切れたらそりゃ切れます。
 調べてみると、勝手にディスプレイ出力が切れるのは、「WinSAT」がタスクスケジューラで起動するからとのこと(勝手にAeroが無効になったりするのもこのせいらしい)。
 WinSATはPCのパフォーマンス測定のために省電力モードを「高パフォーマンス」に設定しちゃうらしいのですが、「高パフォーマンス」モードのディスプレイ設定のデフォルト値は「15分でOFF」です。よって、「バランス」から「高パフォーマンス」モードに切り替わったその瞬間、すでに15分を大幅に時間経過しているディスプレイON時間積算タイマ値が参照されてOFFになってしまうのだそうな。

http://support.microsoft.com/kb/974681/ja
http://d.hatena.ne.jp/trigger7/20101211/1292084975

 WinSATをスケジュール起動しないようにするには、「コントロールパネル」→「管理ツール」→「タスクスケジューラ」→「タスクスケジューラライブラリ」→「Microsoft」→「Windows」→「Maintenance」→「WinSAT」を「無効」に。
 さらに、念のためすべての省電力モードのディスプレイOFF設定を「なし」とし、省電力モードは「高パフォーマンス」にし、エクスペリエンスインデックスもそそくさと測定しておきました。
 ああ、驚いた。

・Gfxドライバの所作
 PureDirectにすると再生停止したあげくブルースクリーンになる現象が発生しました。GfxドライバをドライバCDのBIN64フォルダからインストールしたら治まったようです。追試していませんが、Intelがダメだった例もあるので、表示モード切替と再生停止はドライバに依存する可能性があるかも知れません。

・Audioドライバの所作
 DVI-HDMIアダプタを使って、HDMIを2本繋いだらどうなるでしょう。起動時にDVIとHDMIを検出すると、HDMI側に音声出力します。DVIしかなければDVI-HDMIにも音声載せてきました(音声サポート形式はHDMIと同じでした)。
 起動後に音声載ってる方を抜くと、残った方に音声出力先が切り替わることはなくスピーカアイコンがバッテン状態になりました。

・2画面制御
 AnalogRGB+HDMIの2画面出力可能です(DVI+HDMIも可能)。BIOSレベルで決められている優先順位ではHDMIの方が「ディスプレイ番号①」になりますが、OS上ではどちらもメインディスプレイに設定できます。ので、AnalogRGB側をメインにするとHDMI側を“音声I/F専用”として使えるようになります。AVアンプの後段で実際にTVに表示しなくてもOKです。と言ってももちろんディスプレイとして有効にしないと音も出ませんから、マルチディスプレイモードにはせざるを得ませんけど。
 HDMI側の背景は黒にしてアイコンなども一切置かないようにしましょう。PS3の昔から画面真っ黒が音によいことは判っていますから。
 ちなみにこのM/B、DVIとHDMIのコネクタ位置が近すぎて干渉してしまいます。コネクタが小さめのHDMIケーブルを無理矢理なら入るけど(笑)。
 3画面独立はできなそうですが、AnalogRGB+DVI+HDMIにした時、HDMIはAnalogRGBのクローン画像+音声出力してました。
 ということで、HDMI側をPureDirect接続にした後でAnalogRGB側で再生操作を行えばよいため、「再生開始してからPureDirectにすると停止する問題」は関係なくなりました。


■ちょっとだけチューン:E350-GT+uLilith編

・HDMIケーブル
 変わります。
 SAEC製SH-1010とWIREWORLD製SilverStarLight(共に1m)はいい勝負で、後者は前者より高域のキラメキがありますが低域が控えめな印象です。PS3の時とは逆です。デジタル音質のケーブルによる変化具合は機器との組み合わせで決まると考えていますので、やっぱり一般論的には語れそうにないです。
 とは言っても、SONY製一般品2mは数段落ちます。音がごっちゃになるカンジです。長さのせいかも知れません。プラシーボじゃないと思いますねぇ。

・表示モード
 SH-1010でいくつか試してみましたが、1920x1080/16bit/60Hzがよさげです。30Hz(インターレース)よりよく聴こえるのは意外。
 640x480/16bit/60Hzはリンク速度最低のハズなんですが、それよりいいのも意外でした。
 しかし、24/96再生時に1secくらい繰り返し再生してしまう現象が発生したので1920/1080/16/30Hzに戻してみたら直ったみたい。

・HDDを隔離
 3.5inchHDDを内蔵して静音化する5inchベイ用アルミケースに入れちゃいました(HDD自体は2.5inchですからスカスカです)。音と電気のノイズ遮蔽には有効かと。
 アルミケースは全然熱くなりません。

・やっぱりキモは電源か
 AC電源ですが、
「AETとハイエンドホースの自作ケーブルを使ってDSP-Z7やA-1VLと同じ壁のコンセントからアイソレーションバランスフォーマのTX-200経由で供給」
するのと、
「別の壁コンから“一応Audio用”のケーブルで繋ぐ」
のでは、やっぱり前者の方がよいです。スッキリしますね。

 SFX電源ユニットを変えても変わります。
 BK623付属の300W「POWERMAN製IP-P300BN7-2」より、Owltechケース付属の180W「SeaSonic製SS-180SFD」の方が低音がスッキリして女性ヴォーカルの生っぽさが増すカンジです。やっぱり低容量の方が有利なんでしょうか。今時入手できませんけど。
 微妙な差ですけどね。好みの問題レベルかも。

 当システムの消費電力を測ったところ、ACとして最大40W程度(再生中は15W程度)なので、CSE製クリーン電源レギュレータRG-50での駆動にチャレンジしてみました。TX-200→RG-50からのAC供給です。
 残念ながら、起動時の突入がオーバーするのか、ATX550W、POWERMAN、Enhance製ENP-2730H-2(SFX300W)では安全回路が作動するようで出力されませんでした。唯一、SeaSonicだけはOK。
 よってSeaSonicだけでの比較になりますが、クリーン電源の方が高域のツヤ感や低域の解像感などがアップします。効果はあると思います。

 といっても、TX-200に接続したPOWERMANでも十分いい音してると思います。低音のイヤな歪み感や高域のシャリつきなどはなく耳に違和感のない音が出てます。

 やっぱりE-350によるHDMI-Audio(というかDSP-Z7?)いいんじゃないでしょうか。

 「壁コン→NFW-30→TX-200→RG-50→安定化電源→DC/DCコンバータ(19V→ATX)」っていうのもやってみました(DCケーブルはSPK-3100で)。一聴するとスッキリしてよさげでしたが、いくつか聴いていると、なんだか帯域がせまっくるしくなったカンジであんまりよくなかったです。安定化電源を変えるとまた違うかも知れませんが…


■おまけ

・デュアルHDMIプレーヤ
 Audioじゃないし、E-350に限った話じゃないんで後日別項にするかも~と思いますが、おもしろい動作確認できましたので記しておきます。
 J&WのE350-GTにて。
 まずは、DVI→HDMIとHDMIの2画面独立出力が可能で、どちらもHDCP対応していることを確認。
 このとき、前述の通り音声はHDMI側から出ます。一方、BDプレーヤはどちらの画面でも表示可能です。
 ということは、マニア垂涎の“音声と映像を分離出力するデュアルHDMI”のBDプレーヤのできあがりです。
 E350-GTのDVI→HDMI変換してTVへ、HDMIをDSP-Z7へ接続し、WinDVD8にて映像はTV側でフルスクリーン再生、音声はDSP-Z7から出力、を確認しました。

 こういうところがPC-Audio/Visualのおもしろみですねぇ。

 GIGABYTEはそういうこと解ってるっぽくて、

http://www.gigabyte.jp/products/product-page.aspx?pid=3681#ov

なんて、HDMIが2系統あります。UltraDurable3だし。
 ただ、SandyBridge系でどこまでいい音狙えるかは解りません。GA-Z68X-UD3H-B3+2600K(の1.6G駆動)でちょっと試した限りでは、E-350には及びませんでした。全然チューンしてない状態なので結論的なことは言えませんけど。

・ノートでHDMI-Audio
 本項14/12/06追記。
 HDMI-Audio、ノートPCでも可能です(音質の有利不利はなんとも言えませんが)。
 例えばNEC製VersaPro(Core i7/UM77チップセット/Windows7)のサウンドプロパティは以下のようになっています。

Versaサウンドプロパティ

 スクロールで隠れている行はありません。192kHzが表示されませんが、実際には通ります。

 HDMI対応したイマドキのノートPCとAVアンプをお持ちであれば、ハイレゾもサラウンドも“すでにスタンバイOK”な可能性高いってことですね。HDMIケーブルさえあればいいので、ちょっとでもご興味ある向きは試してみることをオススメします。


■備忘録

 11/07/23メモ:E350-GTにて、WinDVD8でBD再生したらDSP-Z7経由だとHDCP非対応となって弾かれました。TVに直結するとOK。もちろんDSP-Z7のHDMIはHDCP対応。BDプレーヤからの再生はOKですから。
 ハードかドライバかソフトの相性問題か???
 BDR-S05J付属のPowerDVD8もやっぱり「HDCP認証に失敗した」と出た。ハードか?
 HDDそのままGA-E350Nに交換してドライバ類も再利用した状態でやっぱりダメ(WinDVD8にて。Gfxドライバを最新にしてもダメ(WinDVD8、WinDVD2010pro体験版にて)。
 OS再インストールしたら(Gfxドライババージョンは下がった)、音は出るけど画が出ない状態に(WinDVD2010pro体験版にて)。


 15/05/28追記:本稿に限ったハナシではありませんが、「Audio用PCに適したCPU」や「最適なHDMI-I/F」などに関するコンセプト・考え方は変わっていきます。最新の考え方は「メインメニュー」などからご確認ください。


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