リッピング・ゴースト

16/07/16初稿

 やっぱり気になるリッピング(笑)。もう考え尽くしたと思っていたのですが、BDR-S09J導入をきっかけにまたぶり返しちゃいました。

 本稿、ファイルはすべてオプション付いてないプレーンWAV、排他WASAPIまたはASIO再生、余計なエフェクトや変換はない前提です。
 また、リッピング結果の「エラー」とは、特記なきはC2エラー=補間発生のこととしています。


■経緯

 リッピングと音質に関してはかなり昔からいろいろ考えています。もしやり方が違うと音質違っちゃうなら、やり直しなんて大変ですから本格的にファイルオーディオ始める時に考えたんですね。
 その経緯を簡単にまとめると次のようになります。

・CDのエラー訂正とは何かを理解しておく
・C2エラー発生はPCやリッパーや振動などで変化しない

 ということで、エラー量はリッピング環境を変えても(ドライブの光学性能差は除く)フツウは変化しないと考えています。ていうか健常なディスクではほとんど発生しないようですから、万一発生した場合にそれを認識できる仕組みがあればいいと判断しました。

 さらに、

・WAVフォーマットを(とってもシンプルであることを)理解しておく
・ドライブにはオフセットがあり、それが違うことでリッピング位置が変わり、それでWAVファイル中のtrackデータ位置が変わり、前後の「ゼロサンプル」状態が変わる
・ヘッダフッタにオプションを付けるリッパーがあるので、リッパーを変えると再生動作が変わる可能性がある

 ということを考えました。
 リッピング環境が変わると曲間分割位置が変わる可能性があるので「ゼロサンプル」状態が変化します。が、その違いは音質に影響していないと判断しました(ちなみに、ゼロサンプルと呼称していますが曲間に相当するデータであってゼロとは限らず、一般的には“ゼロ近傍”です)。
 一方、ヘッダフッタが変われば(プレーヤによっては)再生動作が変化しますから、それによる音質変化は否定できません。なので余計なヘッダフッタは付けないことを原則にしています。

 そして、念押しにネット上で見かける「バイナリ違いが発生していなくてもリッピングの仕方で音質が変わる(もちろん再生環境は同一(*)でも)」ことがあるのか、“ビット品質”という概念で考えてみました。同じ0や1にも音質差がある、という考え方です。
 しかし、PCMデータをCD-DAとして焼いたCD-R/RWをエラーなしリッピングすれば元のPCMデータそのものが得られます。ドライブの電源を良質にすると抽出できる量が増えるような情報は“もともとどこにも無い”と思っているので、私はその考え方ではありません。

*:同一ストレージでも記録場所までは同時に一致させられませんので、普通これだけは違いとなりますが。

 ちなみに、「楽曲ファイルはコピーによって音質変化しない」とも考えており、本件はそれが前提となっています。

・リッピングソフトを変えると“ビット品質”が変わって音質が変わるのか

 理屈も思いつきませんでしたし、念のため試聴しても変わって聴こえませんでした。

 ということで、PureReadのパーフェクトモードで補間発生だけモニタしつつiTunesでリッピングしています。

 ところで、上記ビット品質記事に「やっぱり気になるので、リッパーだけでなくハードウェアも含めて差をつけても変わらないか」を追記していたのですが、本来は「リッピングソフトでの違い」がお題目の記事なのでちょっと違和感はありました。
 今回、ハードウェア条件違いのサンプルを追加して再試聴してみましたので、ハード違いに関してはこちらに記載し直すことにしました。
 ということで、以下「■フツウの試聴テスト」項は、13/11/02追記としてリッパー比較記事に初出のものです。大変勝手ながら、以下はその比較記事に続けて読んでいただいた方が解りやすいかと思います。

 さて、リッピングの仕方を変えてファイル生成すると、楽曲部のバイナリも再生環境も完全一致しているのに音質が違うことはあるのでしょうか?


■フツウの試聴テスト

・光学ドライブのエラーなく(補間発生なく)読める性能とビット品質は無関係
 ちなみに、光学ドライブにもし「音質のよいビット品質でストレージに記録できる性能」差が存在するとしても、「補間発生少なく読める性能」と関係あるとは言えないでしょう。例えば、低消費電力なスリムポータブルの方が低ノイズなので「ビット品質」にはいいかも知れませんよね。ダメージディスクでもない限り、普通の補間はパラパラとランダムに発生するだけで「全体的な音質差」にはなりえませんし(局所的な音質差としても聴き取れませんけど)。
 ということは前提として。

・異なる環境でバイナリ一致のファイルを作る
 一応、「電気的にノイジーだったりソフトが忙しく動いてる方が不利」じゃないかと仮定して進めます。
 以下、それに基づき無理矢理作った悪条件と好条件(⇒で示す)です。
 それなりに工夫(笑)してかなり差を付けたつもりですので、“サイテー”と“サイコー”ではないにしても何か違いは出るだろうと。

 ・CPU:3.4GHz
   ⇒  BIOSで1.6GHzに固定(スレッド数は8のまま)
 ・HDD:システムSSD+RAID1 HDD2機+2TBのデータHDD2機
   ⇒  データ用HDDを取り外し
 ・光学ドライブ:内蔵BDドライブ2機+外付けFX48
   ⇒  BDR-S05Jのみ
 ・光学ドライブI/F:PATA→USB変換→USBハブ経由で接続
   ⇒  チップセットのSATA直結 
 ・リッパー:iTunes11.0.5.5(エラー訂正あり)
   ⇒  dBpoweramp R14.4(BurstMode タグ書き込みなし)
 ・CPU負荷:TMPGEnc4.0Xpressによるmpeg2→mpeg4でほぼ100%
   ⇒  リッピングのみ
 ・ドライブ負荷:2機のBDドライブからRAID1 HDDにファイルコピー
   ⇒  リップ以外何もできず
 ・アース:部屋のアース端子からアース線を抜く
   ⇒  接続

 リッピング対象はリッパー左右比較と同じCDのtrack01です。本当は外周の方が倍速上がるので悪環境になるのですが、CDによって“最外周”って異なりますから、とりあえず最内周にしました。

 iTunesを「エラー訂正なし」にしているのは、2度読みさせて負荷をかけるためです。

 dBpowerampは逆に「BurstMode」で負荷を減らしています(C2エラー発生はないtrackなのでBurstModeで問題ないハズ)。
 また、デフォルトではなく「Disable Tag Writing」に設定しているのは、「極力余計なことしない好条件」を作るためです。

 FX48はリッピング光学性能が低そうなのでセレクト。上述の通りビット品質との関連があると思ってるワケではありませんがこれくらいしかパラメータがないので(苦笑)。電源はPCと同じタップから供給(もちろんACアダプタ)。机の引き出しの上にグラグラするように設置。

 BDR-S05Jは…まあ一応メインドライブなので。ただしPureReadはOff。FX48と同じ理由で、逆に負荷を下げるためです。対象trackはPureRead使わなくても補間エラーは発生しませんので問題ないでしょう。
 が、BDR-S05JはdBpowerampで倍速設定が「Maxかx40」しか選べません。ので、純正ユーティリティで「常時静音モード」にしました。こうするとtrack01は4倍速で読みます(dBpoweramp表示にて)。FX48は約9倍くらいでした(iTunes表示にて)。2度読みした結果なので物理的な速度は18倍くらいだと思います。
 PCの外に出し、コーリアンボードで上下をサンドイッチ(ベゼル部のみ若干上下に大きいのではみ出し)。その上に鉛の円柱を置きました。

 ちなみに、好条件=低速にしたのは、セキュアリッパーやPureReadがリトライリードする際には「シフトダウン」するからです。エラーなく読もうとする時には速度を下げてるんですから、その方がビット品質にも“好条件”かなと。イメージ的には低速の方が電気的ノイズもメカ的ノイズも少なそうですし(空気抵抗がある以上、あんまり高速回転だと振動なんかも不利でしょう)。

 リッピング結果はもちろんWaveCompare一致。楽曲部のバイナリは同じということです。ファイルコンペアでは不一致でした(ドライブもリッパーも異なるのでオフセットズレは仕方ないでしょう)。
 リッピング先はUSB2.0接続の外付け2.5inch-HDDです。別名のフォルダにファイル生成。フォルダ階層は同じです。

・試聴
 リッピングするPCと再生するPCを兼用している場合は、リッピング環境を変えたら再生環境も変わってしまいますが、今回は上記HDDをリッピングしたPCから“再生専用PC”に移動し外付けしてそのファイルを直接再生しています。
 つまり再生環境は全く同一(HDD上のファイル位置は違うけど。仕方なし)、さらにストレージ間コピーはしてない“生”ファイルってことですね。

 さあ、いよいよ試聴です。どきどき。

 まずはPlayPcmWinにて。

 …やっぱり違い判りません。

 メモリ全展開型だと判りにくいのかも知れませんので、気を取り直してuLilithにて。

 …やっぱり判りません。

 ということで、本編での結論を覆す結果にはなりませんでした。


■バイナリ一致サンプル追加

 さて、ここからは再び本稿での新しい記載となります。

 上記の「ハード違い」による差分はZ68システムの設定によって作り出したものでした。ですが、PC自体にもっと差を付けた方がよかったかも知れません。
 そこで、「ノートPCによる完全バッテリ駆動(*)でのリッピング」のファイル追加してみようと思い立ちました。
 再生システムも当時よりかなり進化してると思いますし(以下再生システム参照)。

*:ただし、ノートPCのバッテリ駆動は音質に良いと判断しているワケではありません。バッテリと言ってもPC内部で必要な複数電圧をすべて化学変化による発電で賄ってるワケでもないので。「デスクトップのATX電源との対比として」という意味です。

 上記2サンプル「とりあえずサイコー」「とりあえずサイテー」もHDD(比較試聴したHDDではありませんが)に保存してありますので、それらとの比較を行います。もちろん物理的に同じCDで。

・リッピング環境
 バッテリ駆動しますので、ドライブはスリムドライブをUSB2.0で外付けします(スリムが好条件なのかについては上述の通り)。
 その他、ERI手持ち機材で可能な限り“ビット品質によさそうな”対策してみました。どんなもんでしょう?

 ・PC
    ThinkPad X220 Windows10Pro 64bit
    バッテリ駆動(LCD輝度最低) 常駐系アプリインストールなし
    しまった、メモリはシングルアクセスに戻せばよかった…
    デュアルでやっちゃいました
 ・PC状態
    BIOS(UEFI)でLANを始め内蔵カメラなど切れるものは全てdisable
    CPUはシングルコア、THもdisableに設定
    (シングルスレッド状態をタスクマネージャで確認)
 ・ドライブ
    スリムDVD-ROM NEC製PC-VP-BU47(ドライブ本体はTEAC製DV-28S-Y)
    コーリアンボードで上下を挟み鉛円柱を載せて制振
 ・USBケーブル
    USBフィルタボード:エミライ製ES-OT4経由でアコリバ製USB-1.0SPS
    電源側はモバイルバッテリSONY製CP-F10LSAVPに接続
    eneloop4本直列直結では駆動できませんでした
 ・リッパー
    ≪dBpoweramp R16.0 Trial≫ BurstMode(リッピング時に負荷をかけない) 
    AccurateRip Off(オフセット補正しない)
    Disable Tag Writingチェック(余計なヘッダフッタを付けない)
    ドライブ速度x4に設定(リップ時x4と表示されていた)
 ・リッピング先
    X220の内蔵SSD(CFD製CSSD-S6T128NHG5Q:ベンダはTOSHIBA)
    GPTのUEFIブート設定,パーティション分割したDドライブ,NTFS

 USBフィルタはStereo誌付録です。

 リッピング後、X220からSSDを取り出してZ68メインPCにUSB2.0接続、今回リッピングしたフォルダに3年前の「とりあえずサイコー」と「とりあえずサイテー」ファイルをコピーしてみっつのサンプルを揃えました。中身以外にファイル名とSSD上の記録場所が異なるワケですが、どうしようもないので無視します。リッパーや光学ドライブで制御できることでもありませんし。
 このストレージを再生PCに接続してそのまま再生します。
 今回の「スペシャルベスト」はコピーなしの第一世代となります。それもUSB接続などではなく、SATA3でノートPC基板に直接接続されたストレージです。純度高いですよね?
 対する過去の2ファイルはコピーであることに加え、変換を入れることでさらに不利にするため敢えてUSB接続にしてみたものです。

・みっつのサンプル
 これで3種のサンプルが揃いました。

 ・とりあえずサイテー
   Z68フル稼働+グラグラFX48+iTunes
 ・とりあえずサイコー
   Z68最低限稼働+制振BDR-S05J+dBpoweramp
 ・スペシャルベスト
   X220シングルスレッド+制振スリムドライブ+dBpoweramp+フルバッテリ駆動

 三すくみで≪WaveCompare 1.32≫した結果を提示しておきます。音質を確認するワケではないのでコピーしたファイルを使用。

BDR VS FX48

X220 VS FX48

BDR VS X220

 ファイルの仕様を明示しておきます。

・ゼロサンプル数(曲間サンプル)と楽曲部バイナリ:ドライブ違い=オフセット違いのため先頭ゼロサンプル数がすべて異なりますが楽曲部バイナリは一致です。

・補間有無:3サンプルとも、PureReadパーフェクトモードでのリップデータと≪WaveCompare≫で一致するので補間は発生していません。

・サンプル数:すべて同じ12,491,472サンプルになっています。

・ファイルサイズ:プロパティで見るとすべて49,965,932Byteで一致します。

・ヘッダ:バイナリエディタで全く同じであることを確認しました。容量はオプションもなく一番ベーシックな44Byteです。

・オプションフッタ:ファイルサイズが同じでヘッダが同じでサンプル数も同じということは、フッタはないということです。
 実際、バイナリエディタでファイルの末尾を見てもほぼ無音レベルのデータが並んでいるだけです。
 ちなみに、「12,491,472サンプル×4バイト+ヘッダ44バイト=ファイルサイズ49,965,932バイト」です。フッタ(オプションメタデータなど)が存在する余地はありません。

・再生環境
 その時点での環境は使用機材履歴に記録していますが、今回はここに明記しておきます。

 ・PC:X79システム 再生専用
 ・PC電源:CSE製TX-200(アイソレーショントランス) アース接続
 ・PC電源ケーブル:AET製HIN AC EVD
 ・TX-200電源ケーブル:同上
 ・プレーヤソフト:≪foobar2000 1.3.8≫ PortableMode(*1)
 ・ファイル在処:X220のストレージ(*2)
 ・DAC:TEAC製UD-503 DSD256モード DSDデジタルフィルタは150kHz設定
 ・DAC電源:CSE製RG-50(クリーン電源レギュレータ)
 ・DAC電源ケーブル:同上
 ・USBケーブル:アコリバ製USB-1.0SPS
 ・ヘッドホン:SONY製MDR-Z7とSENNHEISER製HD700 アクティブGND駆動

*1:Resampler-V(SoX)で32倍アップサンプリング後DSD256変換(FP64 TypeD)再生  
*2:X79のチップセットSATA2にミヨシ製SATA-272(20cm)で接続。電源はシステムSSDの枝分かれ

 リンク先に記した通りアップサンプリングやDSD変換はPCでやらない場合はDACチップで実施されますので、「余計な変換」とは考えていません。

・試聴
 オフセットが異なっているので前後の曲間サンプル数が異なっていますが、楽曲部バイナリは一致です。オプショナルなヘッダフッタもないので再生時の動作が異なることはありえません。
 ファイル自体はそういうものですが、それを生成したリッピング環境“だけ”はかなり違うと思います。
 猛烈に念のためですが、猛烈に特殊な運用でない限りファイル生成してから再生するまでにストレージ電源は切れることがある前提です。

 リッピング時にフラッシュメモリセルに宿り、無通電でも存在し続け、再生時にはバッファやレジスタを幾重にも伝播していく、0/1を超越する音質差要因「GHOST IN THE CELL」は存在するのでしょうか…

 …ふたつのヘッドホンでブラインドで3サンプルをランダムに聴きましたが、違いは感じませんでした。
 少なくとも「こりゃヤバイ」とは思いませんでしたので何よりです(笑)。

 もちろん、個人的主観的判断なのは言うまでもありません。冒頭に記した通り「変わると思ってない」って“プラシーボ”効果もあるかも知れませんしね(苦笑)。


■仮想ドライブ幻想

 「ドライブ直ではなく、一旦イメージとして読んだファイルで作る仮想ドライブからリッピングした方がよい」という説もありますよね。
 しかし、音楽CDは音楽CDとしてしか読めないと理解しているので、ウチではリッピングに採用していません。

 が、今回「ビット品質のスペシャルベスト環境」として導入するかどうか判断するため、それなりに調べてみました。

・仮想ドライブからのリッピングとは何か
 始めに。そもそも音楽CD(CD-DA)はCD-ROMではありません(CD-ROM規格は音楽CD規格を利用して作られたもの)。データディスクではありませんから、いわゆるISO化はできません。実際、≪ImgBurn≫でもISO化は選択できません。
 ですので、音楽CDをイメージ化できるソフトウェアがあっても、それはISOイメージ生成ではないハズです。ここはCD-ROMやDVD以降(映像メディアだがファイルシステムに則ったデータディスク)と決定的に異なる点です。

 それを踏まえた上で、以下プロセスを踏んでリッピングしてみました。音質比較するワケではないのでフツウにZ68メインマシンにて。

 ・イメージ化:≪ImgBurn 2.5.8.0≫で「BIN+CUE」化
 ・仮想ドライブ化:≪DAEMON Tools Lite 10.4≫
 ・リッパー:≪iTunes12.4.1.6 x64≫ エラー訂正なし
 ・イメージ化に使ったドライブ:BDR-S05J マスターモード
 ・CD:PureRead対決で使った傷ありCD
 ・リッピング対象:S05Jのパーフェクトモードで停止するtrack10

 結果、10個のエラーがあるファイルができました。
 続いて、PureRead3+をテストした時に使った3回のS05Jマスターモード結果のうちのひとつとの比較を示します。

S05Jm 補間 imgbrn比較

 比較対象のエラー数は9でした。上図の通り相違は1サンプルしかありませんから、10個のうちの9個まで補間結果も共通だということでしょう。
 このことから、仮想ドライブリップはフツウに“マスターモードでの直接リップ4回目”に見えます。

 なお、イメージ化する際、S05Jはシフトダウンしてリトライやってました。
 そもそも、上述の通り音楽CDは音楽CDとしてしか読めないハズです。

 やはり、音楽CDのイメージ化とはリッピングのことではないでしょうか(そもそもCUEファイルとセットだし…)。

・BINとWAVの違いとは何か
 でも、できあがるファイルは「.bin」ですよね。そこで、表題の比較してみます。
 同じタイトルですが買い直した傷なしディスク(こちらは補間発生はありません)から、全トラックを1ファイルにしたBINとWAVを生成します。傷ありと同じタイトルである意味はありませんが、流れとして(笑)。

 ・BIN
   ≪ImgBurn≫で「BIN+CUE」化
 ・WAV
   ≪EAC V1.1 from 23.June 2015≫で全トラックをリッピングして「WAV+CUE」化
   ≪ImgBurn≫と合わせるためオフセットズレ補正なし。フッタなしを確認

 プロパティで「サイズ」を見ると、BINが477,056,160Byte、WAVが477,056,204Byte。その差44ByteはバッチリWAVファイルのヘッダバイト数です。
 そこで、WAVファイルのヘッダをバイナリエディタでカットしてファイルコンペアしてみると、ファイル内容一致。
 逆に、BINファイルの先頭にWAVファイルのヘッダを追加し、拡張子を.wavにし、CUEファイル冒頭の対象ファイル記述を対応させると、そのCUEファイルで曲ごとに分割表示されて再生できちゃいます。

 つまり、≪ImgBurn≫でイメージ化されたBINファイルはWAVファイルの音声データ部そのもの、ということです。そしてそれは、「音楽CDのイメージ化とはリッピングに他ならない」ことを示しているとみていいでしょう。
 ちなみに、IMGで吸い上げてもBINとファイルコンペア一致の全く同じものができます。CUEファイルも冒頭以外は同じ。

 中身が同じになるのですから、仮想ドライブからのリッピングとは「わざわざファイルを仮想ドライブ化してリッピングという形式にしてるけど、ファイルコピーするのとほぼ同義」ということです。

 イメージ化は実はリッピングだとすると、エラーはその時点で補間済みですから、得られたファイルを仮想ドライブ化してリップするとエラーしようがありません。ノーエラーで「補間済み」のデータが読み出されることになります。
 つまり、イメージファイルからリッピングするとエラーがなくなりますがエラー訂正が強力になったからではありません。「イメージ化する際に補間済みなだけ」ということです。

 ということで、エラー発生低減方法としては意味がないと判断しました。
 そして、ビット品質(それがあるならですが)的にも「コピー世代を重ねるだけなので逆に不利」と考えて採用しませんでした。


 なお、少なくとも≪ImgBurn≫によると上記の通りですが、ISO化できない以上他ソフトでも同じだろうと考えています。


■さてどうする?

・変わるという体験談をどうとらえるか
 ということで、ERI的にはいくら考えてみても試してみても「楽曲部バイナリが同じなら差はない(余計なヘッダフッタがないのは前提)」という結論になっちゃうのですが、世の中には変わるという体験談も結構ありますよね。

 それら主観評価は全くもって個人の自由の領域ですけれど、もし参考にする場合は

・ファイルのヘッダフッタも同じか。プレーヤソフトの動作が変わる可能性があるので
・それはバイナリレベルで確認されているか
・最低でも、楽曲部バイナリは一致か(≪WaveCompare≫で一致か)
・FLACとWAVEで比較したりしていないか
 可逆でも。ファイルバイナリ違っちゃいますけど
エンファシスCDを対応非対応のリッパーソフトで比較していないか
 音声バイナリが違っちゃいますけど
・本当に再生環境は同一か
 リッピング環境と完全分離していない場合、リッピング条件を変えたら
 再生環境も変わったことになるので


といった客観的条件がどうなっているか考慮した方がよいと思っています。

 やや余談になりますが、補間って普通はパラパラ離散的に発生するので楽曲全体への“ヴェールの枚数”的音質差にはならないハズ(大量に連続的に発生すると局所的なノイズになるかマウント不可になる)なので、実は、補間有無的には「楽曲部バイナリ一致」は客観的条件にしなくていいと思っているのですが、話がヤヤコシクなるので敢えて挙げています。
 シャレにならないくらいまんべんなく大量に発生してたらヴェールの枚数的音質差になるかも知れませんが…
 ていうか、こういう試聴する時にそんなディスク使っちゃダメっす(苦笑)。

・「プロ」の発言をどうとらえるか
 コピー劣化について考えた時にも記しましたが、「音楽制作のエンジニア=必ずデジタル信号処理やコンピュータシステムについても詳しい」とは限らないのではないかと思えますので、発言者のスキルや発言の正確な意味や“意図(目的)”など、よく吟味した方がよいと考えています。
 特に「そういうことにしておいた方が儲かる」立場の方の場合は、“営業トーク”の可能性も考えた方がよいでしょう。

 加えて、マスタークロックを使う目的は録音・編集と再生では異なるであろう点など、「プロ製作現場の事情とコンスーマ再生事情は異なる」ことも念頭に置くべきでしょう。
 ちなみに、プロ用ツール(ソフト・ハード)が高価なのは「数売れないから」「高信頼性や長期安定供給が求められるのでメンテナンスコストがかかるから」といった理由が大きいと思っています。特にソフトは「ビット品質的に高音質だから」じゃないでしょう。

・リッピング速度
 「ビット品質に関するハードウェア条件としてはドライブの読み取り倍速性能がかなり支配的なのだ」という説もあるかも知れません。
 だとすると、普通のリッピング動作はCAVでしょうから同じCDでも内周と外周で読み取り速度が異なり「1曲目は音がいいのだが15曲目は悪い」なんてことが起こっていることになります。内周と外周で同じ曲が入っていることはないので気付かないのかも知れませんが、CD-Rでそういうディスクを作って確認してみることはできそうですね(記録時の速度とかいろいろめんどくさそうですが)。
 あ、カラオケがオマケについてるCDだと、もしかして「同一CDの別track」に同じ音声データ入ってるかも知れませんね。前奏部分とか。

 この影響があるとすると、「低速CLV読み取り」が可能なドライブ&それを設定可能なリッパーの組み合わせで使うしかありません。もちろんリッピング前にスピンアップ完了しないなんてもってのほかです(笑)。ドライブとリッパーの選定自由度がすごく狭まりそうです。実際に組み合わせてみないと判んないでしょうし(例えばS05Jは選びでありませんでしたがiHES208は結構選べるみたいです)。

・CD状態
 リッピング条件で音質変わるとすると、同じCDでもプレス(*)状態によっても読み出し波形が変わってリップファイルの音質変わりそうです。
 「初回プレスが一番いい」とか「いや、数回後の方がスタンパがエージング(爆)されてきて良くなる」とか、いろんな説がありそうです。ドライブ制振するより影響デカイ気がしますが、ユーザにはどうしようもないですよね。

*:http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0707/25/news001.html

 もっと遡ると、マスタリングスタジオがデータ入稿に使っている「生ディスクのブランド」「焼きドライブ」などによっても、スタンパの状態が変わってプレスされたCDの音質は激変しそうです。
 いわんやディスク入稿とネット入稿をや。

・配信ファイル
 リッピング条件違いによる「ビット品質差」があるとすると、配信ファイルのダウンロード条件違いでもそれは発生しそうですよね。DL時、ネットワーク機器も制振した方がビット品質は良くなるのでしょうか? 落とすソフトもブラウザと専用ダウンローダでは違うとか。
 もしかしてインターネット接続環境にも依存? ADSLより光ファイバの方がいいとか、光でもギガより100Mの方がいいとか、NTTよりKDDIの方がいいとか、DLは真夜中に限るとか?
 配信サイトのサーバにも依存?


 …やっぱり考えないことにしようっと(笑)。


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