「フィギュア世界選手権2014」にTESカウンター(TESメーター)の意味を探る

14/06/07初稿

 14/05/24初稿のたまアリISUジャッジング記事がチマチマ追記で肥大化(苦笑)してきたのでまた分割しました。

 さて、EUROSPORTS系(?)の映像では今期から(のハズですよね)最終TESに至るまでのリアルタイム増減(CURRENT)が公開されています。
 通称“TESカウンター”。
 “TESメーター”とも?

#14/12/18:タイトル・本文を「TESメーター」から「TESカウンター」に書き換えました。

 変化の意味に興味はあったのですが、「判定と表示変化にはタイムラグがあってズバリの点数変遷は解らないだろう」と思って放置してました(無粋ですし(苦笑))。何よりメンドクサイですしね。
 しかし、今回の世界選手権2014についていろいろ考えた流れで“やる気”出たので、TESカウンターとは何か? 追っかけてみました。

 選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■得点確定プロセスをひもとく

 対象TESカウンターはもちろんというか何というか、真央です。大好きですから(笑)。
 それはさておき、SPでは歴代世界最高を出してますし、FSではTES変動がかなり大きかったので、サンプルとしても適切だと思います。

 今回の検討で技術判定とGOEの付け方の実態がおおよそ解ったかなと思いますので、やってみてよかったです。結構タメになりました。
 ていうか、放送の表示見てるだけだと「TES値の増減」しか解らないので誤解しそうですね、これ(苦笑)。

・「リーダー」は誰だ
 真央のTESを分析する前に、表示の見方についてひとつ。
 「LEADER」とはその時点でのトップTESだと思っていたのですが、そうではなく「PCSも合計した得点トップ選手のTES」らしいです。道理でTES更新してもLEADERの値が変わらないことがあるワケだ。
 念のため、今回のFSで具体的に確認してみます。
 まず、暫くはソヨンのTES64.09(PCS合計119.39でFS暫定1位)がLEADER値でした。
 ポリーナちゃん(合計126.91でFS暫定1位)でLEADER値が66.39に変わりました。彼女のTES値です。
 アシュリーが合計129.52でFS暫定1位になった時にアシュリーのTES63.64に変わりました(下がっている)。
 カロが126.59で総合暫定1位になったけどFS暫定1位はアシュリーのままだった時には、カロのTES53.81にはなりませんでした。
 よって、LEADER値とは、「SPとFS合わせた総合順位暫定トップ」ではなく「SPとFSそれぞれの暫定トップ」のTESということですね。

 あんまり意味ないような…(苦笑)。TESだけのLEADERにした方がいいような。
 ていうか、ふたつ表示するならCURRENTを「BaseValue」と「GOE」に分離した方が有意義じゃないかナ。

・フリー
 まずはいろいろヤヤコシイFSから。表を作りました。
 原則として、「エレメンツ終了して数秒経過してから、次のエレメンツが終了する前までに変化した数字」がそのエレメンツのTESと判断しています。
 そして、その値から実行された要素のBaseValueを引いた値がGOEであるハズです。
 URは、演技中にはコールされず、結果的にURになったジャンプもカレント段階では予定構成のBaseValueが入っている想定です。
 明らかなミスについては、ミスして3Tがなくなった2A+3Tを例に見ると2AのBaseValueが入っていると見なさないと矛盾するのでそのように判断しました。
 スピン・ステップの予定は、「当然レベル4獲るつもり」としており、レベル判定は演技中と演技後で変更なし、と想定しています。
 表の「GOEはどうなったか」で、演技後のGOE変更によって発生した「カレントGOEと最終GOEの差」を示しています。

世界選手権2014:真央FSのTESプロセス

No.4:CCoSpと5:FCSpの間に33.39→33.31と2回変化している。タイムラグと考え、33.39は無視
No.9:3Loと10:FCCoSpの間に58.82になっているが、これを3Loの得点とすると2.45しかないことになり不自然。一方、10:FCCoSpと11:StSqの間に63.15→67.22と2回変化している。これらから、58.82をタイムラグと判断して無視し、変化タイミングとエレメンツの関係を1段繰り上げ

 そして、演技後のTES修正は以下のように推移しました。

世界選手権2014:真央FSのTESプロセス演技後

 ここから読み取れたことを記していきます。ただし、タイムラグの修正などは私の判断ですので真実と異なる可能性もあります。ご承知置きください。
 もちろんISUの公式見解じゃないです、念のため。

・技術判定のコール
 最終的にURされたジャンプもカレント段階ではURされてない点数で積み上がっていると仮定して計算しましたが、問題ないようですね。でないとGOEがオーバーフローしますので。
 URは演技中にはコールされていないことが確認できました。

 3Tが消えた2A+3Tはカレント段階から2Aの点数であると仮定しましたが、それでOKのようです。どう見ても2A+3Tの得点じゃないですもんね。
 予定構成にならなかった明らかなミスはカレント段階からミス結果としてコールされた点数になることが確認できました。

 エッジエラーはどうでしょう。
 J-SPORTSの番組「フィギュアスケートラボ 技術編」によると、エッジ判定もレビューかけることがあるようです。今回、確かに3Lzのエッジエラーのコールは演技後だったと推定されます。その理由を記します。
 GOEガイドラインでは「e」が示された場合、「重度と判断したら-2か-3して必ずマイナス、不明確と判断したら-1か-2するが最終GOEはマイナスにしなくてもよい」です。3LzのカレントGOEは+0.93ついておりますので、カレント段階でeがコールされて重度と判定された可能性はありません。
 「不明確」の判断があったかどうかは明らかにできませんが、演技終了後の修正でマイナスに落ちてることからも、コールは演技後だったと考えていいと思います。

・技術判定以外のGOE変更
 意外なことに、集計してみると表題のGOE操作もあるようです。それを考えてみます。

 まず基礎点データを記しておきます。後半は差分も1.1倍です。

 ・3A:8.5 URで6.0 その差2.5
 ・3F:5.3 URで3.7 その差1.6
 ・2Lo:1.8 URで1.3 その差0.5

 さて、TESは合計で11.52マイナスされています。このうち

 テクニカルによるB.V.ダウン
   3A<:-2.5 3F<:-1.6 3連(2Lo<:-0.55x2):-1.10
   計:-5.20
 エラーコールを受けてジャッジが下げたGOE
   3A<:-1.86 3F<:-1.20 3Lz e:-1.23 3連:-1.52
   計:-5.81
  合計:-11.01

 11.52に0.51足りません。つまり、テクニカルパネル(技術審判団)のコールと関係なく、ジャッジ(演技審判)が演技終了後に-0.51したということです。スピン&ステップ&コレオ、エラー判定のなかったジャンプのGOEを変更したということになります。実際上記FSプロセス表を見れば一目瞭然ですね。
 以下SPの例をみても、最後の修正No.4~5でスピンのGOEをかなり増やしているようです。エラーがないのにジャンプのGOEも変動してますしね。

 つまり「ジャッジ(演技審判)は演技終了後にテクニカルのエラーコールによる修正以外にもGOEをいじっている」のです。

 スピンやステップはすべてレベル4なので、演技終了後にレベルが「上がった可能性はあっても下がった可能性はない」ですから、CCoSpのGOEが下がる理由は私にはワカリマセン。ていうかレベルとGOE採点ガイドラインはリンクしてないハズですよね。
 ちなみに、上記フィギュアスケートラボのテクニカルコールシミュレーションによると、スピン・ステップのレベルは演技中にコールされているようです。
 ChSqも下がってるようですが、そもそもコレオはレベル固定ですからレベル判定が原因である可能性はありません(ちなみにステップだけは同じGOE値でもレベルによってGOE点が異なる)。
 はて。

 例えばジャンプのURコールがあるとコレオのGOEにも影響することがあるのでしょうか?
 しかし、次のような「テクニカルのエラーコールに引きずられた可能性がないのにGOEをいじっている事例」がありますので、それはないと言えます。

 3AのURがコールされると一気に2.5点以上の減点が発生しますので、それはNo.4~5の変化点しかあり得ないハズです。続くNo.5~8がURコールによるGOE減点と考えてよいと思います。そして3Aは最初のテクニカルエレメンツです。
 つまり、No.1~4の変動は「テクニカルコールと無関係にジャッジが独自判断したもの」としか考えられません。
 「実は3FのURコールが3Aより前のここに入っていてそのGOE減点が始まっている」といった可能性はまずないでしょうから。

 演技終了後に何を何故変更しているのでしょう?
 演技後に「やっぱりあのスピンは+2じゃなくて+1だな」なんて思い直せるほどにエレメンツの出来を覚えているってことですから、凄いなと思います。まさか会場内のビデオ映像見て、なんてことはないでしょうから(全エレメンツリプレイしてるワケじゃないので)。
 同時にPCSも判断しているハズですから、その過程で何か思い当たっちゃうことでもあるのでしょうか?

 TES増減を公開してもその中身が解らないんじゃ不審のネタを増やしてるだけのような気が(苦笑)。公開するならそこまでして欲しいですよねぇ。
 ただ、誤解なきよう改めて念のため記しますが、真央FSにおけるTES大量消滅の95.6%分は上記の通りテクニカルパネルの技術判定による基礎点変更とそれに伴うGOE修正(ガイドラインに基づく)によるものです。

・「UR」「DG」判定とGOE
 演技中はジャッジに示さないことになってますが、演技終了後のコールによって「必ずマイナス」とか「-1か-2」といったガイドに基づいてGOEは修正されています。結局「二重減点」ですよねぇ。
 GOEガイド13-14版から、ジャンプ技術判定とGOEに関する記述を含む部分を抜粋付記しておきます。
GOEマイナスガイド
出典:comm1790j.pdf P.14

 ご参考まで。

・「e」判定とGOE
 上記の通り、エッジ判定についてもレビューはあるようです。よって、演技後にGOE修正されることがあるのですね。
 ところで、URやDG判定はレビューするしないと関係なく演技中にはジャッジに知らされないことになっていますが、エッジエラーについては、レビュー不要で有無が確定した場合はリアルタイムでジャッジに知らされるのかは不勉強でよく判っていません。

・ショート
 クリーンなSPのプロセスも見てみます。
世界選手権2014:真央SPのTESプロセス

No.1:3Aと2:3Fの間に10.30→10.21と変化しているので、3Aの結果は後者と推定、タイムラグとして前者を無視
No.5:3Lo+2Loと6:StSpの間に33.80→33.73と2回変化している。確定結果と等しいので3Lo+2Loの結果は後者と推定、タイムラグとして前者を無視

世界選手権2014:真央SPのTESプロセス演技後

・GOEは技術判定次第
 FSでは技術判定でエラーが出たエレメンツ以外もチマチマと削られたようですが、SPでは逆に演技後にGOE上がっています。
 してみると、技術判定でエラーがあるとGOEをマイナスせざるを得ないだけでなく、さらに総合的な印象(?)にも影響してトータルで伸び悩むということでしょうか?

「流れのあるキレイなジャンプでジャッジもカレントではGOEたくさん付けたけど、演技後URがコールされて基礎点は下がるはGOEはごっそり減るわ」

だと、観客の印象と得点が乖離しちゃうワケですね。実は不本意なジャッジもいるかも知れません。
 逆に

「難度は低めだけどURやエラー判定なくすべてクリーンに決めてプラスGOEだけが付いた」

ような場合は、観客が感じたインパクトのワリには得点出ることもあるでしょう。

 改めて、得点はテクニカルパネル次第だなぁと。
 例えば、真央FSでもし3Aが認定されていてGOEがカレントのままだったら4.36アップして142.39。3Tを失っていながらソチFSに匹敵する得点を得ていたことになります。

 そういう意味では、FSトップでやや話題のソヨンのGOEですが、エラー判定がなかったことからプラスのGOEだけが活きたということで、特に不審なところはないのでは。マイナスがなくプラスの積み上げだけであることを考えると7.49って絶対値も劇的に高いワケじゃありませんし。確かに現地で得点見た時は「へぇ、こんなに出るんだ」という印象でしたが、そういうルール・ガイドラインということなのですよね。
 やっぱり技術判定次第ってことなのですが、それ自体の正当性はどうなのかって言われたら素人にはワカリマセンけれど。現地で観た印象では回転・エッジともクリーンでしたが。


■TESカウンターに意図的点数操作の“痕跡”を探る

 ネット上では、真央サゲ、反対に真央アゲがあったという意見も見かけます。個人的にはそうは見えなかったのですが、どうしても気になっちゃいます。気持ちよく納得したいです。
 そこで、自分なりに納得するため、上記検討で採点プロセスについての知見が増えたことを利用し、「動機」を仮定して考えてみました。
 対象は今大会だけ、ですけれど。

・SPをアゲて歴代最高を獲らせた?
 演技終了後のGOE修正最後で0.30アップしています。今回、それまでの記録を0.16上回ったワケですから、この最後のアップがなければ世界歴代記録更新は成っていません。ISUがコンマいくつ単位で意図的に点数操作していると仮定するなら、真央に「歴代最高を獲らせた」ように見えます。
 つまりアゲられたとなりますが、コンマいくつの上乗せなんて、やるなら変遷を公開しちゃってるTESじゃなくてPCSでやるのが自然でしょう。PCSは大して高くなかったですから怪しまれずに盛る余地はありますし。そもそもジャッジング記事の通り妥当な得点でした。
 加えて、続くFSではBaseValueを容赦なく削られGOEも連動して下がっていることからも、アゲがあったとは思えません。
 「それはFSでは世界最高を獲らせないため」という見方もあるかも知れませんが、SPでは獲らせてFSでは獲らせないっていう意図の想定は中途半端でちょっと厳しいと思います。

・FSはサゲて歴代最高を獲らせなかった?
 そもそも上述の通り不自然な想定だと思いますが、そのための操作を技術判定やGOEで“する必要があったか”見てみます。
 8Tripleを神演技した場合の想定得点は元旦にソチ構成を考えた記事で約151点ほどだと考えました。PCSやGOEの想定は現実的なセンだと思っていますが、もっと出てもいいと考えても155点くらいが限界でしょう。
 実際には2A+3Tをミスして単独2A(ステップアウト)になってしまいました。3T消滅だけでも4.51の基礎点が消えますしGOEもコンボじゃなくてソロの2Aが対象になり、さらに2Aのデキとして減りますので、少なくとも6点くらいは神演技得点より(誰にも怪しまれず)減る計算です。

 よって、別段操作しなくても世界最高得点を更新することはなかったと推定されます。つまり、ことさら「世界最高を更新させないためにURしたりGOEを下げたりする必要(理由)はない」ということです。
 実際、テクニカルコールが入る前のカレント状態では、3Tが消える前なので「サゲなきゃ」という意識があったことになる3A、3F+3Lo、3Lzに結構いいGOE付けてますから、少なくともジャッジにはそういう意図は見えません。そしてその状態で積み上がったTESそのままだったとしても、トータルは149.55でした。届いていません。
 72.76を得たPCSが「サゲられた結果」という想定は私にはちょっとできません。

・8Triple完遂を阻止したかった?
 TESカウンターを見るまでもなく、3Tが入らなかったのですから阻止するもなにもないです。

・FSはサゲて優勝させないようにした?
 優勝者を操作しようとした可能性はどうでしょう。
 FS最終グループ滑走順はカロ、アッコちゃん、真央、リプちん、ゴリさん、GGでした。このうち、もし「真央をサゲてこの選手を優勝させよう」という意図があったとしたらその対象は74.54でSP3位のリプちんでしょう。カロは真央が滑る前に轟沈してますし、SP70.31のGGや66.26のゴリさんではちょっと苦しいですから(そもそも意図があったならSPでもっと盛ってるハズ)。

 しかし、そういう意図があったとするなら、真央をもっとサゲとかないとSPでの4.12差を逆転するのは難しいと思います。具体的には、真央のFSに138.03出しているのですから、リプちんはあのソチ団体戦FSの141.51を上回る142.15を出さないと勝てない状況を作ったことになります。いわゆる「ホームアドバンテージ」ナシで、です。
 黒い意図があったとするならやはり真央サゲが足りないでしょう。特に一番“便利”なPCSを絞らないどころか上げているのは解せません。

・リプちんをアゲて優勝させようとした?
 合わせて、リプちんはアゲられているのかを見ておきます。
 リプちんはいい演技して132.96をマークしましたが、3Lzふたつともエッジエラーを食らい、たまアリISUジャッジング記事の通りPCSもソチより下がっています。3Sで転倒したとはいえGOEも6.66止まりですし、ここに優勝させるためのアゲは感じられません。
 「いや、3Sのミスが出たから演技中にアゲを諦めたのであり、リプちんが“あわよくば”(見た目)ノーミス演技した場合はアゲようと狙っていた」ということはあるでしょうか。
 リプちんFSのTESカレント変遷を見てみましょう。

世界選手権2014:リプFSのTESプロセス

#ソチと構成変わっている。J-SPORTSの女子FS公式練習によると、2番エレメンツに2A+3T+2T、6番に2A+2Tを入れる予定だった模様。2本目の3Tの使いどころを逆にしているということ。表では、演技中に変更した通りということで「予定」は「結果」と同じとした
#3Sで逆にGOEが上がっているのは、演技中は「GOE-3の3S」として積み上がっていたものが演技後DGコールされ「GOE-3の2S」となったから。2Sの基礎点は1.3(今回は後半なので1.43)、GOE値-3は-0.6点。ちなみに3SのGOE値-3は-2.1点なのでツジツマは合っている。どちらもGOE値がマイナスマックスの-3なのは転倒のマイナスガイドラインによる

 “あわよくば”という意図があったとするなら、3S転倒という明らかなミスして“操作を断念する”以前のエレメンツにはカレント段階ではどっさりGOE盛っているハズだと思いますが、どうでしょう?
 人それぞれでしょうけれど、私にはそのようには見えません。例えば、意図があるなら冒頭の3Lz+3Tなんてエラー見逃し前提でGOE付けると思いますが、実際には0.90にとどまっています(ちなみにソチ団体戦では1.40。エッジエラーなし)。

 まあ、そもそも真央にSPで歴代最高を出しちゃったのですから、「FSだけで調整して優勝者を操作しようとした」とは考えにくいです。


 以上、
 「SP世界最高更新」
 「FS歴代最高更新阻止(自動的に総合最高も含む)」
 「8Triple阻止」
 「優勝者操作」
という動機に限れば、意図的で露骨なアゲサゲはその対象になるであろう選手誰にもないように思います。

 「3A認定はSPとFS合わせて1回まで」
 「反逆児真央への嫌がらせ」
 「敢えてサゲにしては不自然にして隠蔽している」
 「“うっかり”SPで歴代最高獲らせちゃったので、FSでは獲らせない気満々だった。総合得点も歴代最高になっちゃうし、それは許されない」
 「SPとFS、かたっぽだけ世界最高獲らせてファンのご機嫌とった」
といった動機では考えないことにします。キリないですから(笑)。

 もちろん今大会に限ったハナシですし、そもそも個人的見解ですし、UR判定やGOEなどが妥当かどうか(ISUが健全かどうか)とは全く関係ないハナシです。また、本稿に登場する選手みなさんに対して何も思うところはありません。念のため。


 いろいろ記しましたが、何か間違いありましたら申し訳ありません。


■演技後GOE変動の検証

 本項14/12/20追記。

 コンピュータによる自動集計ですので(ですよね?)まずあり得ないと思って確認していませんでしたが、演技後のGOE変動は「CURRENTと結果で採用している数が違うから」という可能性(例えばカレント段階では上下カットしていないとか)について真央事例で一応みておきます。
 変動が激しくタイムラグによるエレメンツ間の得点交錯があり得るFSではなく、判りやすいSPで。

・カレントと結果で変動はなかったと推定している4エレメンツ
 もし「カレントは9名分、結果は7名分」といった違いがあるなら変動しちゃうハズです。やってみれば解りますが、小数点以下2桁まで平均値が“7個と一致する、8個や9個のGOE値組み合わせ”はありません。もちろんすべてのエレメンツで共通の個数として、です。
 なお、「同じ7個だけど選択ジャッジが異なる(必然的に最大最小も含むことになる)」という可能性もないでしょう。上下カットせず9ジャッジ中7ジャッジをランダム抽出する意味ありませんから。

 ということで、カレントも結果と同じく「上下カットした7個分」で算出していると見ていいと思います。

 次に、カレントと結果で変化したと推定している3エレメンツについても上記の考え方が成立するか、確認してみます。

・変動したと推定:3A
 結果は1.86、カレントでは1.71です。7倍すると13.02と11.97、つまり13点と12点だったと見ていいでしょう(念のためですが誤差は合計点を7で割って四捨五入した平均値の方に含まれています)。3AのGOE点は1点単位ですので矛盾はありません。
 誰かが演技終了後にGOE値を1上げたと考えられます(もちろん誰かが2上げて誰かが1下げたなどの可能性もありますが)。

・変動したと推定:3F
 結果は0.80、カレントでは0.90です。同じく7倍すると5.60、6.30。3FのGOE得点単位は0.7ですので誤差なくズバリです。
 3Aとは逆に、誰かが1減らしたとみられます。

・変動したと推定:LSp4
 結果が0.93、カレントが0.70です。結果の7倍は6.51であり、+GOE単位0.5の13倍ですね。
 一方、カレントの合計は4.90となり0.5単位とはズレが生じます。直前のStSqと混ざってる可能性はまず無いでしょう。
 では、何故? 
 実はLSpでは-GOE値の単位は+GOEと異なり-0.3なのです。あのLSpでまさかとは思いますが+0.5単位でツジツマが合わないなら-0.3単位が入っていることを考慮せざるを得ません。

 結果は「2 2 1 2 2 2 1 3 2」の1と3をカットしたものですが、カレントが例えば「2 1 -2 2 2 2 -2 3 2」だったと仮定すると、-2と3をカットした合計はズバリ4.90になります。
 0.5の倍数から0.3の倍数を引いた結果の小数点以下第1位が9になるのですから-0.3や-0.9、-1.2も-1.5も-1.8もあり得ません。-2.1ならコンマ9が作れますが、GOE-3が2個と-1が1個必要となり、残り4個がすべてGOE3の+1.5で+6.0だったとしても合計3.90にしかなりませんから成立しません。-2.1以上は合計最大値がもっと減るので当然可能性はありません。
 つまり、-0.6分のマイナスGOEがあったことが特定できます。

 つまり、カレント段階ではマイナス評価したジャッジが上述の例「-2が1人とそれ以下1人」または「-1が2人とそれ以下1人」存在した可能性があります(マイナス合計は-0.6点以外あり得ませんから、計4人以上マイナスしていた可能性はありません)。個人的には前者ではないかという気がしています。

 カレント段階では2人ほど何かミスジャッジ(後で直してるのですから“ミス”ですよね)してたってことでしょうか。でも、一体何を?
GOE規定13-14:スピン
出典:comm1790j.pdf P.14

 転倒してませんしFスピンじゃないしタッチダウンしてませんから「必ずマイナス」を適用したハズはありません(“裁量”の可能性はありますが…)。ので、プラス分と相殺してマイナスになったということですが、一体どのマイナス要素に該当すると判断したのか素人にはサッパリ解りません。
 「姿勢が拙劣」とか「美しさを損なう」と判定されたとは思えませんし、SPの必須スピンに対する真央の演技は「単一姿勢のコンビネーション(足換えあり)=CCoSp」「フライング=FCSp」「単一姿勢=LSp」(すべてレベル4)のハズですから、空中姿勢も踏み切りも足換えも関係ありません。素人目には山ほど回ってますけれど何らかの回転数不足? それとも(あれで)遅い? としてもプラスが消えてマイナスに落ちるほど?
 いずれにしろ乖離あるなぁ…

 さらに疑問なのは「演技終了後どうやってミスに気づき、修正すべきと判断したのか」です。
 GOE変動最後のタイミングですのでLSpに関してだけの何らかのトリガがあったことになります。スピンにはジャンプのURやDGのような演技後のテクニカルコールはないハズですが、もしその類のコトがあったなら影響は全員に及びますからもっと大きく変動していないとヘンでしょう。カレント段階ではみんなマイナスにしてたのがドカンとプラスに上がるハズ。URコールと逆のイメージです。
 要は「9人全員ではなく(おそらく)2人または3人だけが大幅修正したトリガは何かがワカラナイ」のです。もちろんジャッジ判断の独立性を保証するトリガであることは絶対です。
 まさか他ジャッジのGOEが晒される? まさか「それ違わね?」的な“指導”がインカムから入る???

 もしそうなら、それって“逆の指導”も可能ってことですよね…


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