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「ハイレゾフォーマット」の音質向上効果を比較試聴するには

14/09/27初稿

 「ハイレゾは音がいいのか」という議論ありますよね。
 ですが、CDとハイレゾ配信では同じ曲でもマスタリングから異なっているケースが大半でしょう。ならば違って聴こえるのは当たり前ですから、その差が「判る・判らない」や「どっちが良い悪い」という評価結果が示すものは「ハイレゾというフォーマットの効果」なのか「マスタリングの違い」なのか判然としません。

 ので、標題のためには「フォーマットがハイレゾリューションなことによる効果」“だけ”を比較試聴する必要がありますが、結構いろいろ考えることがありましたので、以下に記しておこうと思います。
 ただ、「ハイレゾだからこそ、そのマスタリングをしている」という関連性もあり得ますので、厳密に言えば両者は切り離せず、純粋に“だけ”の比較は無理とは思います。


 とりあえずPCMについて。DSDは事情がまるで違いますのでここでは除きます。
 ハイレゾは2496、非ハイレゾは1648として記します。
 CDの1644は1648とニアリーでしょう。32bitや192kHz、44.1kHzなどは応用編と考えていいと思います。

 データ量が異なればシステム動作が異なるので、それによる影響も考えられます。本Blogでは、一応
「マスタリングが異なればDAC動作モードが同じでも違って聞こえるか=マスタリングから違うことは解る」
「マスタリングが同じでもDAC動作モードが異なれば違って聞こえるか=2448を1648に変換して比較、2496を2448に変換して比較…解る気がするけどすごく微妙」
ということは以前比較試聴しています。
 上記記事の前半は結構昔なのでナンですが、後半は本稿の内容を踏まえたものです。


■比較ソースを準備する

 さて、理屈はいろいろありますがそれはさておき、ハイレゾフォーマットの効能を実際に聴いて確認したくなったとします。

 上述の通り「入れ物の効果」だけを比較するには「CDリッピングとハイレゾ配信の比較」ではダメでしょうから、出自の明確な音源を自ら準備した方がよいと思います(*)。
 以下、その方法をちょっと考えてみます。

*:プロが作成して出自を明確化していて比較に足る音源も存在するかも知れませんが、特殊事例だと思いますので。

・アナログをデジタル録音して得る
 ひとつのアナログ音源からふたつの同型デジタル録音装置に同時にInputして、録音パラメータ変えて記録すれば一応出来るでしょうか。機器のバラツキが無視できるレベルであること、ADCに入る前のアナログ品質に差がないことが条件になりますけれど。
 ひとつの録音装置で同時ではなく2回に分けて録音してもいいかも知れませんが、アナログ音源(例えばレコード再生)の品質を2回同一に揃える必要があります。それなりに難しい気がします。
 また、この方式の場合、デジタル面でも、録音装置の「フォーマットごとの音質」について理解しておく必要があると思います。例えば、DACと同じく近頃のADCはΔΣ型じゃないかと思いますので、出力設定に依らず一旦ΔΣ変調し、それを設定に基づき1644や2496などのPCMに変換しているのではないでしょうか。とするなら、その「ΔΣデータ→PCM変換」における性能差も影響するかも知れません。なんとなくですが、いいADCになればなるほど16bitより24bitや32bitなどの方にオプティマイズしてあるような気がします。今時「入り口から16bitで録る」ケースは少ないでしょうから。極論すると、もしかすると48kHz未満や16bitなどは“オマケ”かも知れません。
 ですので、例えば、「録音した2448を以下に記すデジタル加工方式で1648に変換してネイティブ録音の1648と比較」するなどして、まずADCの素性を把握しておいた方がいいような気がします。

・デジタルをデジタル加工して得る
 ということで、アナログソース録音方式はアナログ面でもデジタル面でも結構難しい気がしています。
 ですので、ERI的には「ハイレゾ音源を入手し“非ハイレゾ音源”に加工して比較試聴」するのがよいのでは思っています。
 ただし、

 ・「ハイレゾとしてちゃんと高音質」な音源であること
 ・「ちゃんとした性能を持つ・素性が判明している加工ツール」を使うこと

に留意する必要があるでしょう。

 さて、PCMフォーマットのパラメータは「サンプリング周波数」と「ビット深度」のふたつあります。ふたつのパラメータは独立していますので(マスタリング的な観点ではなく純粋にフォーマットとして)、以下、それぞれ別に「非ハイレゾ化」手法について記します。
 もちろん一例として、です。


■デジタル加工法

・ビット深度を縮小する方法
 24bitを16bitに変換するにはどうしたらいいでしょう?
 「入れ物のサイズ」の効果を比較するためには、24bitの下位8bitを単純カットするのがよいのではと思います(もちろんサンプリング周波数は変えず)。
 カット後の最下位ビットを“そのまま”にすべきか“カット時の演算結果を反映”すべきかはやや議論があるかも知れませんが、フォーマットの比較試聴という意味では誤差と判断していいと考えています。

(1)S/PDIF録音
 S/PDIF信号を録音できる機器でのデジタル録音において、録音ソフトである≪RecPcmWin(1.0.4 x64)≫の特性を利用した例です。
 ハード的に下位8bitを無視しますので確実なのが魅力ですね。上記記事の通り、逆に下位8bitを単純ゼロ詰めすることも出来ます。
 改めて、下位8bitが単純カットされていることをバイナリエディタで確認しました。
 上が2448、下がそれを1648録音したものです。

2448.png

2448を1648録音

 例として反転したサンプルでは、下位8bitのE6hがカットされているのが判ると思います。
 なお、以下に示す≪PlayPcmWin≫の出力ビット深度設定機能で、再生側で操作することもできるでしょう。

(2)≪foobar2000≫でファイル化
 Convert機能「Output bit depth」を16bitに設定してファイルに書き出す方法です。う~ん、カンタン。
 なぜ波形編集ソフトなどでの変換ではないのかというと、それらソフトは結構、意図せぬ加工をすることがあるようだからです。

 当然ですが、DSP処理、DitherなどはすべてOffします。
 v1.2.9の設定画面です。

fb2k-convert.png

 こちらは下位8bit単純カットではなく“四捨五入(?)”されているようで、16bit化したサンプルの最下位ビットは24bit時と同じにはならないようです。例えば、6Ehをカットした場合はそのままですが、E4hをカットした場合は+1になっていました。

(3)≪WAVEフォーマット変換プラス≫で変換
 上記を書いた後見つけたフリーソフトウェアです。
 下位8bitを単純カットしてくれます。それ以外の加工はないことをバイナリエディタで確認しました。録音したりする必要ありませんでしたね(苦笑)。
 ていうか、このソフト素晴らしいです。詳しくは後述。作者様ありがとうございます。

http://dreamthemetropolis.sitemix.jp/page/blog/wave_999c/wave_999c.html

(4)≪foobar2000≫のWASAPI「Output data format」を16bitに設定
 ファイル作らなくても、この設定で24bitファイルでも16bit出力されます。

・ダウンサンプリングする方法
 96kHzを48kHzにするにはどうしたらいいでしょう?

(1)≪foobar2000≫でファイル化
 リサンプリング専用ソフトを用いるのが王道かも知れませんが、使い慣れた≪foobar2000≫のSoX Resamplerを使うのが簡単では(Convert機能でファイル化)。リサンプラとしても定評ありますし。

(2)≪WAVEフォーマット変換プラス≫で変換
 ビット深度縮小でも紹介したソフトウェアですが、なんとなんと、“単純間引き”でダウンサンプリングします。エイリアスノイズ除去のためのLPFかけていないのでノイズを含むことになると思いますが、「何のフィルタリングもしていない単純にサンプル数の少ない音源」という比較対象として貴重かと思います。

・得られた「非ハイレゾ」ソースの有意性について
 「ビット深度縮小」はほぼ問題ない気がしますが、「ダウンサンプリング」の方は(普通は)フィルタリング演算によってリサンプリングするワケですから、最初から48kHzでサンプリングされた場合より音質的には不利でしょう。が、前述した通りサンプリング周波数またはビット深度どちらか“のみ”をパラメータにした比較ソースを準備することは素人には難しいですよね。そういう意味では簡易比較になっちゃいますけれど、「16bitや48kHzという非ハイレゾの入れ物」と「24bitや96kHzというハイレゾの入れ物」とのフォーマット比較ならば充分有意ではないかと思っています。


■ハイレゾフォーマットだけどハイレゾリューションではない音源を作る

 ハイレゾの音質について「マスタリングから違う」と同じく疑問なのが「DAC動作が違う」という点です。2496は単位時間あたり1644の3倍以上のデータ量があるワケですから、DACシステムの忙しさは間違いなく異なるでしょう。それによる音質変化の影響はないのでしょうか?
 ズバリそれを確認できるかはワカリマセンが、「DACにとっては24bitや96kHzだけど情報量としては16bitだったり48kHzだったり」するファイルがあればDAC動作は同じだけれど有意なデータが違う場合の比較ができます。
 以下そういうファイルの作り方です。

・なんちゃって24bitを作る
 16bit音源の下位8bitを単純ゼロ詰めすればいいワケです。ビット深度とプレーヤ設定について考えた時の知見でS/PDIF録音する方法は持っていたのですが、前述の≪WAVEフォーマット変換プラス≫を使うのがカンタンです。16→24bit化すると下位8bitは単純ゼロ詰めされます。元の上位16bitはもちろんそのまま。
 24bit音源を16bit化して24bit化すると、「24bitフォーマットだがビット深度レゾリューションとしては16bitしかない」ファイルができます。

・なんちゃって96kHzを作る
 ビット深度と同じような理屈で言うと「同じサンプルを2個づつ並べたもの」になるでしょうか。これも≪WAVEフォーマット変換プラス≫で96→48→96kHz変換するだけでOK。このソフトはアップする際は「同じサンプルを繰り返す」のですが、アップサンプリングとしては「零次ホールド」という手法になるようです。
 これだと“イメージングノイズ(24kHz以上の折り返しノイズ)”が含まれる音源になるようですが、「96kHzフォーマットだが周波数レゾリューションとしては48kHzしかない」ファイルを得ることができます。

 上が2496のオリジナル。それを48kHzにして96kHzにして、16bitにして24にしたのが下です。1.02にて。

WCPオリジナル

WCPダブル変換

 オリジナルのステレオサンプル1個めと2個目は「L:24E209,R:EF5C0C」と「L:0C0B0B,R:FBF30D」です。
 変換後は「L:00E209,R:005C0C」と「L:00E209,R:005C0C」になっているのが判ると思います。下位8bitがゼロ詰めされ、同じサンプルが繰り返されています。

 15/12/20追記。
 ≪foobar2000≫の≪MultiResampler≫なるプラグインを使うとリアルタイムで「Zero Order Hold」つまり零次ホールド変換ができます。平均値にする「Linear Interpolation」も選べます。もちろんConvert機能を使えばファイル化可能。
 流石fb2k。


 ステレオのサンプルはWAVEファイル内に交互に並んでいるのを利用する方法:LchをRchにコピーしたステレオファイルを作り、ヘッダを「モノラルの96kHz」に書き換える。Rchも以下同じ。二つのモノラルファイルを合成してステレオにする。
 って手法を考えたんですけど無駄でした(苦笑)。


■比較再生時に注意すること

 ネットワークプレーヤなど専用機では問題ないかも知れませんが、PCなどから再生する場合はプレーヤソフトやAPIなどの設定に注意する必要があります。

・API
 例えば、Windowsオーディオエンジンを通したら、変換機能によって出力はそこで設定されているサンプリング周波数やビット深度に“統一”されてしまっているハズです。そもそもWindowsOSのリサンプラを通した時点で音質的にはアウトですよね。Windowsなら排他WASAPI、ASIOなどのビットパーフェクトが保証されているAPI使用は必須です。
 ちなみにですが、これは録音時も同様です。

・出力ビット深度
 また、プレーヤソフトの出力ビット深度設定も適切に行う必要があるでしょう。でないと、24bitのつもりで16bitしか出力されてなかったりということになります。これは結構盲点では。
 再生のたびに設定を変更して…というのでは、試聴間隔が空いてしまうため比較が難しくなります。ですので、「異なるフォーマットの連続再生でもファイルのフォーマットに合わせて出力フォーマットを曲ごとに自動的に変更」してくれるプレーヤソフトが必要になりますが、実は希少ではないかと思います。例えば、リンク記事の通り≪foobar2000≫ではファイルの仕様でビット深度は変化せず出力設定固定になるようです。
 自動変更してくれるソフトとしては≪PlayPcmWin≫でしょうか。念のため、“連続再生でも”自動変更してくれているか確認してみました。4.0.64.0 x64にて。
 ビット深度は明確に「自動選択」が可能になっています。1648と2448ファイルの再生を上記手法にて2448でS/PDIF録音し、前者は下位8bitがゼロ、後者は有意であることを確認しました。
 サンプリング周波数についてはDSP-Z7の表示が曲ごとに切り替わるのを確認しました。

・アナログ性能
 もちろん、それなりのシステムじゃないと違いは判らないと思います。例えば、極端な例ですが、CDからAAC128kbpsで取り込んだファイルと無劣化WAVで取り込んだファイルの違いが判らないシステムでは無理じゃないかなと。
 もうちょっとメンドクサイのがシステムチューンかも。かなりハイスペックなシステムでも、「海苔CDに最適化」してたりすると、海苔になってないハイレゾには「ヴォーカルが引っ込んじゃっておとなしすぎ」とかネガティヴな評価が出るかも知れません。


 以上、逆に言うとハイレゾフォーマットの音質に関する批評を正確に咀嚼するためには、「何と何を比べたか」「どんなシステムで聴いたのか」「ちゃんと設定されていたのか」という情報が必要でしょう。

 また、念のためですが、上述した通り厳然と存在するであろうマスタリングの違いにも、「ハイレゾにデータ増量しただけで元ソースが低音質なのでCDと差がつかない」「ハイレゾがいいというよりCDが昆布とか海苔とか低音質すぎただけ」といった要素もたくさんあるようですから、そういった点も考慮しないといけませんよね。
 「mp3と聴き比べ」なんてのも紛れてるかも…


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Author:らかせ
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