ハイレゾ領域の高音は再生されているか

14/11/02初稿

 最近ハイレゾ試聴についていろいろ考えている中で、

 ・本当にハイレゾな音源か
 ・試聴環境はハイレゾ対応しているか

を確認する必要があると思い、音源がハイレゾリューションかどうか調べる方法は自分なりに考えてみました。

 次は、再生環境がハイレゾに対応できているかです。
 ダイナミックレンジを確認する術は私などには思いつけないのでさておき、ハイサンプリングについては「20kHz以上の音って再生できてんの?」という疑問は昔からあります。
 現在ERIでは、プレーヤPCからHDMIでYAMAHA製AVアンプDSP-Z7に送り込みA-1VLで805Sを駆動、およびZ7のヘッドホンアンプでZENNHEISER製HD700を鳴らしています。HD650(11年当時)で実験したこともありました。
 このシステムはハイレゾ高音を再生できているのでしょうか?

 ADCとして一応SB-DM-PHDが手元にありますので、試しに測ってみました。

*:人工的加工音声の再生は機器を破損する可能性がありますので、ご注意ください。


■32kHzサイン波

 まずは判りやすいものでと思い、人工波形で行います。
 環境は以下の通りです。

・ソース:≪WaveGene1.50≫で32kHz/-10dBのサイン波を2496形式で作成
・プレーヤPC:E-350ベース自作
・プレーヤソフト:≪PlayPcmWin x64 4.0.64.0≫ もちろん排他WASAPI
・DAC:DSP-Z7 音量は-20.0dB(ふだんの値)
・ADC:Sound Blaster Digital Music Premium HD 2496で
・マイク:DSP-Z7付属のYPAOキャリブレーション用マイクEMX-251
・レコーダPC:Versa Pro(ノートPC) ACアダプタは接続せずバッテリ駆動
・スペクトル表示&録音ソフト:≪WaveSpectra1.50≫ 排他WASAPI

 マイクは当然20kHz以上の帯域採取を保証するような代物ではありませんが、なにはともあれやってみようということで。

 生成したファイルの直接スペクトルはこんなカンジです。

32kHz再生:データスペクトル

・Z7のヘッドホン出力(アナログキャプチャ)
 まずはヘッドホン出力をライン入力に突っ込んで。どきどき。

32kHz再生:HD700をZ7マイクで採取

 おお、意外とハッキリ再生してるモンなんですね。ちょっと驚いたと同時に、DSP-Z7はヘッドホン出力に変な手抜きしてなさそうだと判ってちょっと安心(笑)。

・HD700(アナログキャプチャ)
 次は、そのヘッドホン出力を「実際に音波にできてるか」です。
 対象のHD650とHD700のスペックはハイレゾOKと考えていいと思います(HD650はもう手元にありませんが)。

・HD650:http://www.sennheiser.co.jp/sen.user.Item/id/7.html  10~39,500kHz
・HD700:http://www.sennheiser.co.jp/sen.user.Item/id/897.html 15~40,000kHz

 先入観としては、マイク性能も仕様外ですしADCも高級品じゃありませんから、32kHzの音なんて採取できるのか疑問でした。
 そもそも実際に鳴るのかすら半信半疑だったのですが、HD700のイヤーカップに突っ込んでスペクトル見てみると

32kHz再生:Z7ヘッドホン出力をSBDMPHDで採取

再生してる… ていうか音採れてる…

 マイク遠ざけるとレベル小さくなりますし、再生システムと録音システムは全く電気的には繋がっていません(前述の通り録音側はバッテリ駆動)ので、ノイズ回り込みなどではないと思います。もちろん32kHzはマイクの仕様外でしょうけれど、反応はしてるってことですね。
 これは意外… 何事もやってみるモンですねぇ。

・Nautilus805Sツィータ(アナログキャプチャ)
 気をよくして(?)、スピーカの音も拾ってみました。ツィータにマイクくっつけて。
 Nautilus805Sのスペックは42~50kHzとなっています。

32kHz再生:805SツィータをZ7マイクで採取

 おお、こちらも再生してます。スペックに偽りなし(笑)。

・試聴位置(アナログキャプチャ)
 では、いつもの試聴位置まで届いているのでしょうか。

32kHz再生:試聴位置(どまんなか)をZ7マイクで採取

 へええ、結構届いてるようです。


■ハイレゾ音源

 こうなると、普通の音楽ではどうなのかも確認したくなります。32kHz/-10dBのサイン波はスペック確認にはいいでしょうけれど音楽再生とは無縁ですもんね。
 そこで、「ハイレゾ音源に有意な高域は入っているか」を確認させてもらった「HPFをかけたe-onkyoのハイレゾサンプル」を再生してみました。
 ただ、この帯域のこの音量レベルの音声再生は無理な可能性も高いと思いましたので、≪SoundEngineFree5.02≫でノーマライズしたファイルも用意。
 音源以外の環境はサイン波と同じです。

・Z7のヘッドホン出力(アナログキャプチャ)
 ノーマライズしていない音源ですが、なんとか反応してます。へぇ~

HPF再生:Z7ヘッドホン出力をSBDMPHDで採取

 ノーマライズ音源はよりハッキリ反応しました。

・HD700(アナログキャプチャ)
 こちらは残念ながらノーマライズしていない音源には無反応(ていうかADCのフロアノイズ以下?)。
 ノーマライズ音源なら

HPFノーマライズ再生:HD700をZ7マイクで採取

・Nautilus805Sツィータ(アナログキャプチャ)
 ノーマライズ音源を、サイン波と同じくマイクをツィータにくっつけて。

HPFノーマライズ再生:805SツィータをZ7マイクで採取

 なお、ノーマライズしていない音源にも微かに反応していました。
 さすがB&W自慢のチョンマゲツィータ。そもそも“ツィータ”は高域専用スピーカですから、そのツィータでの再生は基本的にワンウェイであるヘッドホンより有利なのは当たり前かも知れません。

・試聴位置(アナログキャプチャ)

HPFノーマライズ再生:試聴位置(Lchのみ再生)をZ7マイクで採取

 上記の通り普段の試聴位置でも反応。ノーマライズ音源です。非ノーマライズ音源はさすがにダメでした。

 となると、今度は「これってどんな音なのか」確認したくなります。ただのノイズだったらしおしおですから。
 そこで、この音を録音、≪Wavosaur x64 1.1.0.0≫で24kHz以下カットのHPFかけたファイルを作成。以下がそのスペクトルです。

HPFノーマライズ再生:試聴位置(どまんなか)をZ7マイクで採取→HPF

 このファイルをノーマライズして0.5倍速再生したら、リズムとって聞こえました。少なくとも実験過程で発生したノイズではなさそうです。

 なんかちょっと感動。
 そもそも可聴周波数帯ではないことに加え、音量的にも音源としてノーマライズしたものを録音後にさらにノーマライズしていますから通常とは全く異なる音ではありますすが、1メートルちょっとの空間を超えてツィータから試聴位置まで音源ファイルに入ってる高音が届いてるんですねぇ。
 「実際には何も聞こえない空間で録音した音」を聞くことができるって不思議なカンジです。


 ということで、「現システムにおけるヘッドホン再生およびスピーカ再生は20kHz以上再生可能である」と言ってよさそうです。DSP-Z7自体(プリ部?)はBDなどのハイレゾ対応ですから問題ないのは当然ですが、アンプ部(特にヘッドホンアンプ)およびヘッドホン&スピーカ(パワーアンプ含む)の性能を実際に確認できた、のは良かったです。
 何か間違ってることあるかも知れませんが…(やや不安(笑))

 もちろん“音質”は考慮していません。繰り返しますが、「元々音源ファイルに入ってた高域を再生しているか(ノイズではなく)」のみの確認です。
 音質、確認する術ありませんし(笑)。


■今そこにある機器

 ちなみに、当実験におけるUSBケーブルやアナログケーブルは“フツー”のものを用いました。
 また、マイクもいくつか試してみましたが、こちらも普通のものでも意外と反応するみたいです。
 ので、アリモノを使って自システムの能力はどうなのか試しに測ってみるのもいいかも知れません。

 ADCなんてない…かも知れませんが、実はデスクトップPCオンボードサウンドのMIC-INやLINE-INでもイケそうです。
 私が現在メインPCにしているGIGABYTE製Z67マザー(Realtek ALC889)のMIC-INは192kHzサンプリングまで対応しており、HD700の32kHzサイン波を拾えることを確認しました。
 当実験には音質あまり関係ありませんので、オンボードサウンドでも有用だと思います。

 ≪WaveSpectra 1.50≫の排他WASAPIデバイス使用可能フォーマット

MIC-INスペック


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Author:らかせ
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