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UD-503でヘッドホンをバランス駆動する

19/11/24初稿

 UD-503でバランス駆動した顛末をUD-503記事から独立させました。ので、実質的な初稿はそちらになります。


■(まずはHD700で)バランス駆動するぞ

 始めに。6.3mm標準ジャック・プラグの極の名前ですが、ステレオプラグの頭から「Tip,Ring,Sleeve」というそうです(ちなみにSleeveとは「ノースリーブ」のスリーブ(袖))。

 UD-503のヘッドホンジャックは標準ステレオプラグ用なワケですが、これでアンバランス(=シングルエンド)駆動とバランス駆動とアクティブGND駆動に対応しています。モードによって出力アサインが変わるワケです。
 どんな出力になるのかはマニュアルにあるのですが、バランス&アクティブGND時「Sleeve(NC)」とある通り、“ヘッドホン側の条件”を記しています。webサイトの“本体スペック”説明(*)ではSleeve極はシールドという名称でGNDとあります。

*:http://teac.jp/product/ud-503/specifications/

 向かって左(バランス・アクティブGND時のLch)のアサインを記します。

     極  通常  バランス アクティブGND
  ○  T   L    L+     L+
  □  R   R    L-    ActGND
  □  S   GND   GND     GND

 ですので、通常ケーブルのままバランス駆動にすると左からLch、右からはLchの逆相が再生されます。アクティブGND駆動にすると左はLchですが右は無音になります。まあ、つまり壊れはしないということですね。
 逆に、バランスケーブルでステレオ駆動するとヘッドホンの+と-がLとRになっちゃいます。再生中でも駆動モード切り替え可能です(短時間でフェードアウトしてフェードインしてくる)ので、便利な反面ちょっと気を遣った方がいいかも知れません。

 さてしかし、世の中のバランス対応ヘッドホンのジャック・プラグはどう繋がっているのでしょう? 今回対象とするゼンハイザーHD700は一般的(プラグボディ形状は特殊ですが)な2.5mmミニミニジャックなのはいいのですがプラグは「モノラル」です。このSleeveはジャック内のどのあたりでHD700のGNDに接触しているかが問題となります。

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 実際ステレオミニミニケーブルを挿してTipとの抵抗を測ってみたところ、HD700のGNDはRing極部分ではなくSleeve極部分に接触していました(まあ、だよね~ってカンジです)。
 つまり、なんとか形状変換できたとしても以下のような結線になってしまうということです。

     極  通常  バランス アクティブGND HD700
  ○  T   L    L+     L+     T
  □  R   R    L-    ActGND    NC
  □  S   GND   GND     GND     S

 普通のドライブです(笑)。実際これで鳴りますので、やっぱりUD-503ジャックのSleeve極はGNDになってます。

 しかしこれはメンドクサイことに。世の中に「2.5mmモノラルのSleeve極をステレオのRing極に接続した変換アダプタ・ケーブル」が存在するとは思えません。配線入れ替え改造(またはフル自作)は必須となります。
 純正ケーブルのXLRを変換していけば繋げられますけれど、変換しまくるのってどうかと思いますし、何より高いし。

 以下に条件を記します。

・なるべく軽微&カンタンな改造で済ませたい。

・なるべく“変換”は少なくしたい。

・デスクトップオーディオではなく据え置きオーディオラックへの設置を考えているので、ヘッドホンケーブルは3mでギリギリ、できればもうちょっと欲しいところ。そういう意味では、MDR-Z7なんかを使うことになった場合(付属バランスケーブルは2m)は延長ケーブルとしても使えることが望ましい。

・HD700のジャックは「専用突起」があるのでそれを回避できるほど細いか、ぶつからないよう削れること。できれば削らないで済ませたい。

 これを満たすいろんな組み合わせと実際の商品を想定して現実解を考えたところ、

「2.5mmプラグ→3.5mmプラグケーブルと、3.5mmジャック→標準プラグケーブルの組み合わせとし、
前者の途中をカットしてSleeve→Ringへつなぎ替える」

作戦をとることにしました。

 用意したのは以下のケーブルです。

・富士パーツ商会 スーパースリムプラグ・オーディオ変換ケーブル/1.2m 3.5mm ステレオミニプラグと2.5mm ステレオ超ミニプラグ φ3.5とφ2.5 /AD-SPS-12
・JVCケンウッド ビクター ステレオミニジャックーステレオ標準プラグ 3M EXC-13A

 改造して短くなっても4mは確保できます。
 前者AD-SPS-12はあつらえたようなスリムプラグで、無加工でHD700に挿すことができました。
 後者EXC-13Aは、ほぼFUJIパーツ一択の前者と異なりJVC製でなくてもいいのですが、

・99.996%OFCである
・2線平行だが、それぞれはTとRがSでシールドされたものと推定される
・JVC製であることに加えて「MADE IN JAPAN」である

ことから決定。プラグ・ジャック部に浮かぶ「JAPAN」エンブレムがまぶしいぜ。もっと高級品もありますが一部だけ凝っても意味ないかなと。

 信号線入れ替え改造にはちょっと手こずりましたがなんとか成功。「線のつなぎ替え」ではなく、新たに単品3.5mmプラグを取り付けた方がいいかも知れません(線細いのでプラグ固定や見栄えがどうかというのはありますが)。
 素人改造なのでケーブルとしての品位に疑問は残りますけれど、本機は「デュアルモノ構成」を徹底しているのがウリですから、ヘッドホン駆動時にLとRでGNDを共用するなんてもってのほか(笑)。な気がしますので、「ケーブルの品位」よりバランス系駆動優先ということで。
 いずれ何か新たなアイディアや商品出たら考えようと思います。

 HD700の純正ケーブルは修理パーツとして取り寄せられるのでそれを改造する手もありますが、どうも\2万以上するみたいなので、私には切った貼ったは無理っす(苦笑)。


■後日談:MDR-Z7を鳴らす

 本項15/11/08追記。
 そもそもエージング進んだこともあると思いますけれど、ホストPCの内部DC電源ケーブルにフェライトコア入れたり≪foobar2000≫のDSD変換をFP64にしたことで、HD700での音はかなり整ってきました。逆に、当初ほど低音は出なくなっちゃいました(苦笑)。
 それはそれで正しい状態だと思っていますので、「色付けはヘッドホンで」という感想通りヘッドホン自体で低音出してみたくなり、SONY製MDR-Z7を追加購入しました。
 開放型のHD700を持ってますので密閉型であること、バランス駆動対応していること、何機種か試聴し素性よさげと思える音だったこと、お値段手頃なことから選択。中古ですけど(笑)。

ソニー SONY ヘッドホン ハイレゾ対応 密閉型 ケーブル着脱式/バランス接続対応 MDR-Z7
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 購入検討の店頭試聴は同時に同じ曲でHD700も含めて行いました。聴き慣れたHD700をベンチマークにすることで素性を想定。店頭だと実力というか自分のシステムでどう鳴るかはそんなカンジで想像するしかないと思いますので。

 「周りに音漏れしたくない時」だけでなく「周りがうるさい時」も密閉型があった方が便利です。
 完全密閉ではなく穴は空いてますけど、メーカのスペックでは密閉型になってますよね。
 個性が異なるヘッドホンを持つことは、“チューニングが合ってるのかどうか”の判断にも有意義ではないかと。

 上述した通り、バランス(アクティブGND)駆動のピンアサインはUD-503とイコールですので、ミニ→標準変換だけで付属のバランスケーブルそのまま使えます。なお、Sleeve部分は本体左右でショートしていません。

 音は期待通り。HD700の中高音寄りの高解像度で開放感ある音に対し、中低音寄りの、モニターライクな解像感というより聴きやすい“整理された音”を密閉型らしく密密と奏でます。決して「スピーカで聴いているよう」じゃないです。密密してますので(笑)。楽器の音が不思議なくらいハッキリ分離して聴こえます。でも、意外なことに女性ヴォーカルの色気はHD700の方があるかな?

 アンバランスよりバランスやアクティブGND駆動の方がガチャガチャしたカンジが減少するので明らかによいですが、HD700も同じ傾向に聴こえますので、「MDR-Z7はアンバランスだとダメでバランスじゃないと」とは思いませんでした。低域はかなりキッチリ出ますので、中低域に歪み感のあるシステムだとそれが際立ってしまう可能性はあるかも。また、低域の制動力が不足しているとボヤってしまうかも知れません。

 もちろん最後は好みの問題ですけど、キチンと鳴らせば正統派の音を奏でる、コストパフォーマンスいいヘッドホンではないかと。


■後日談:T1 2ndも鳴らす

 本項16/08/19追記。
 すること思いつかなくなったので(苦笑)、beyerdynamic製T1 2nd Generationを導入しました。中古ですけど。

ティアック セミオープン型テスラテクノロジーヘッドホン beyerdynamic T 1 2nd Generation T 1 2nd Generation
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 Z7選定試聴時にいいと思ったひとつにT1があったのですが、バランス駆動不可(ケーブル固定型)のため選択肢から外れていました(ホントは高くて手が出なかっただけですスイマセン)。2ndになってバランス駆動できるようになりましたので。
 TEACが扱ってるんですね。ある意味UD-503とは純正組み合わせ?

 これでフルオープン、セミオープン、密閉が揃うことになるのもいいかなと。

 付属ケーブルはアンバランスのみですのでバランスケーブルを調達しなければなりませんが、これがまた一工夫必要です。
 本体側ジャックは3.5mmミニでピンアサインもいたって普通(Z7と同じ。ちなみにSleeve部がLRでショートしてないのも同じ)なのはいいのですが、純正プラグを見るとロックするためのリング状凸部の径を含めてもメチャ細い(*)。普通に考えたら純正しか入らなそうですが、XLRバージョンしかありません(TRSタイプがあってもお高いでしょうし)。

*:https://tascam.jp/jp/product/t_1_2nd/top
  http://www.pronews.jp/news/20150824154526.html

 代用できそうなものとして「出来るだけプラブ部分が細身で音質的にも妥協できそうなケーブル」を物色した結果、JVC製CN-MM200-Bを選びました。先に延長ケーブルとしてもJVC選択してますので相性(?)もいいかなと。平行線なのも同じですし。
 1mだと中継部が座った足元まで垂れず邪魔ですので、1.5mか2mが選択肢になります。99.996%OFC。パッケージにはないけどwebには24金メッキとある(一方OFCは99.995%になってる)。形状は現物確認かwebで画像検索した方がいいです。

 そのまま入らないかと淡い期待はあったのですが、残念ながらダメでした。ちょっと力入れたら入りましたがヘッドホン側でリング状凸部を挟んでロックする山がツブれそうなので常用はしたくありません。
 そこで、純正プラグのロック部分に相当する分として「JAPAN」の“JA”くらいまでをカッターで削ることに。
 やってみたら中身に超スレンダーなプラ本体が出現したので、“一皮むけば”カンタンにそれっぽいプラグになりました。
 高級なリケーブルではありませんが、付属ケーブルでのアンバランス駆動より立体感が出て好ましい気がします。

 このケーブル、もちろんZ7にも使えます。こっちの方がキレイな音になる気がします。ケーブルのLR完全セパレーションは有効なのかも知れません。スピーカケーブルだって併走させたりしませんもんね。

 ちなみに、HD700で改造して使った富士パーツ製のミニ側は何もしなくても挿入できましたので、ミニ-ミニ版なら改造なしで使えると思います(たぶん同じ形状だと思いますが、確認はしていません)。

 Z7から入れ替えただけだと、「分離が良くて解像度も高く低域はZ7ほどではないけれどよく出るし高域はそれはもうどっさり出るけれど、出過ぎてサ行がキツかったりして聴きづらい」状態でした。600ohmですから音量はかなり上げることになりますね。
 が、ちょっと弄ってみたら≪foobar2000≫のSoX設定でかなり変わるようです。個人的メモ書きですが、「減衰特性は理屈通り」「Attenuation値が小さいと煌びやかだがシャリ感もあり、大きいとサ行が緩くなるが抑圧的」「PhaseResponseをLinearにするとクールで平坦、Minimalにするとウォーミーで明瞭」っぽく聴こえるような。
 けど、電源なども含めて本格的に「T1 2ndへオプティマイズ」した方がよさそうです。
 リサンプラの設定がこれほどハッキリ音質違いとして感じられたのは初めてです。T1 2nd、恐るべき一品かも知れません。


#本エントリーは16/01/04初稿「サンプリング定理のひみつ」を再利用したものです。


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