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コアなジェネレーションはギャップしているか

17/10/14初稿

 トランスポートPCをX79からZ170に組み替えました。ASUS製Z170-Aです。

 CPUは6コア12スレッドのCore-i7 3930K(3.2GHz,TDP135W)から2コア4スレッドのPentiumG4560(3.5GHz,TDP54W)に。
 マルチスレッド性能としては大幅グレードダウンですが、世代としては第2世代(のエンハンスですけれど)SandyBridge-Eから第7世代Kabylake(M/Bはひと世代前ですけれど)へのジャンプアップとなります。

 ジェネレーションギャップ、(だいたい)5世代分の影響や如何に?


■動機

 Z170構築の際NVMeについてさんざん調べた流れで、「オーディオPCのストレージをCPU直結のNVMeにしたらどうなるか」興味津々になっちゃいまして。

 だって、USB-I/FはすでにCPU直結していますから、そうすれば音源データをCPUを経由するだけで送り出せるような気がするではないですか。

 PCIe-I/FのSATAコントローラカード経由のSSDでも直結できますが、“よりシンプル”でないと魅力半減ですのでNVMeです。
 でも、現X79はNVMeから起動できないんですよね。システムも音源も1台に入れてしまいたいので、X79では実現できないということになります。
 そこに、Z170マザーが1枚余ってるワケで。壊しちゃったのでとりあえず修理見積もりしてみたら、あっさり直っちゃったんです。
 CPUは新たに調達しなければなりません。といってもZ170でX79の代替できるかどうかは不明ですから、お試し価格でないと踏み切れません。
 そこに、ちょうどオイシイ新CPU「PentiumG4560」が発売されてたワケで。



 Pentiumは、X79を組んだ時は2コア2スレッドでしたので候補になりませんでした(流石に4スレッド以上は欲しかったので)が、新型は2コア4スレッドになりました。
 Gfx性能や動画アクセラレーションなどの付加機能は要りませんので問題になりません。
 スレッド数はX79に比して1/3になるワケですが、3930Kでの負荷状況をみる限り処理能力的には全く問題ないハズです。
 G4560はKabylakeですが、Z170-AのUEFIはメインPC用の6700Kでアップデート済みですから使えます。

 いずれにせよM/Bだけあっても仕方ないので、これを調達しました。

 しかし、X79導入理由である「スレッドが多い方がよい」が世代を超えても成立するなら、音質的には退化してしまう可能性があります。
 もしそうだったら代替はあきらめてサブマシンにします。
 トランスポートとしてちょっとでも可能性を感じた場合は、6700Kを使ったりして追い込んでみるつもりで。


■構成

・ハードウェア
 以下のような違いになります。

・メモリ・・・DDR3 → DDR4
・メモリチャンネル・・・4 → 2
・メモリ枚数・・・4 → 2 (いずれも4GBモジュール)
・クロック・・・3.2GHz → 3.5GHz
・コア数・・・6 → 2
・スレッド数・・・12 → 4
・プロセス・・・32nm → 14nm+

 DDR4メモリはメインPCのZ170化の際に4枚用意したCorsair製を2枚流用。もともとオーディオ用途も考慮して選んだものですので。
 その他、CPUファンのみリテール品に変更した以外は、拡張カード類もそのまま移築しました。
 メインテーマだったストレージもとりあえず元のSSDのまま。512GB以上のNVMeはおいそれと買える値段じゃありませんので、まずはZ170環境にしたことによる影響を見定めます。

 スロット使用状況は以下のようになりました。
 Z170-AにはPCIスロットがあるので「NO-PCI」が無駄になりません。PCIeからの変換PCIですがNO-PCIには関係ありませんし(笑)。

・slot0:PCIe x1 NO-PCI Express
・slot1:PCIe x16 PP2U-E  CPUに一番近いところに配置(CPU直結)
・slot2:PCIe x1 空き
・slot3:PCI   NO-PCI
・slot4:PCIe x8 空き(CPU直結)
・slot5:PCIe x1 空き
・slot6:PCIe x4 HD7750  表示用&HDMI-Audio用I/Fとして

 3930Kと異なりG4560には内蔵Gfxがありますが未使用に設定します。オンボードデバイスも極力disalbeです。山ほどあるチップセットUSBはBluetoothドングルと調整用K/Bのために2ポートのみ活かしてdisable。

・OS
 システム入りストレージを再インストールすることなくそのまま移築したワケですが、問題なく動いています。Bluetoothドングルも何もせず認識。なのでオーディオ系のセッティングもそのままです。
 CreatorsUpdateはMSがオーディオ関連で“やらかしている(*)”ようなので、クリーンインストールせずに様子を見た次第。

*:UD-503でテストしてみたところでは、クリーンな状態からなら問題は起こらなそうですけれど。


■電力

 CPUのTDPはまるで違います。DDR4は低電圧化しています。DIMMは4枚から2枚になっています。
 が、それ以外はほぼ変更なしで以下の通りです。ワットチェッカにて。

・再生時  ・・・35W
・アイドル時・・・31W
・起動時最大・・・50Wくらい

 再生動作は「«foobar2000»による1644音源の32倍アップサンプリング→DSD256変換」です。

 解体直前に測ったX79の再生時は60Wでした。
 X79構築当時はHD5450が実装された状態で64W(条件はやや異なります)でしたので、HD5450で4W消費と推定。
 とすると、アイドルは当時61WだったのでHD5450レスならざっと57W程度でしょうか。
 起動時最大の低下に至っては“劇的”と言えるでしょう。

 スレッド数は1/3になりましたが、これはこれでよさげな気が(笑)。


■負荷

 では、気になる負荷状況はどうでしょう。タスクマネージャで比較してみます。システム入りSSDをそのまま移築しての比較です。動作モードは電力と同じです。
 まずはZ170。

Z170-A負荷2


 X79では同条件で以下の通りでした。

X79負荷2


 X79では4%/2.3GHzくらいでしたが、新システムは12%/1.5GHzくらいになりました。

 「使用率」が3倍になっていますが、スレッド数が1/3になってるワケですからそのまんまってカンジです。一方「速度(動作クロック)」は低下していますから、処理効率は上がっていると言えそうです。

 やっぱり5世代も違うと違うところは違いますねぇ。


■音質

 変わったように思います。クリアでシャープになったカンジでしょうか。といって高域がキツイなどというワケではありません。

 ところで、やっぱりメモリ設定いじると変わる気がします。
 電圧はデフォルトの1.2VのままだとX79より音量下がったように聞こえます。最低の1.0032(?)にするとX79と似た音色に。デフォルトの方が好みです(X79に勝るとも劣らない)。
 1.0Vにしたらリセットしちゃいました。1.1Vにしたら低域がふくれた感じに。1.2Vで2400MHzにしても同じです。
 どうも、かつてのE-350環境での経験とは異なり、電圧下げると好ましくない方向にいきます(苦笑)。
 スピードは100MHzの24倍で2400にしてみました。XMPで2666なのでそれを超えないところで。が、これも好ましく聴こえません。

 キリがありませんし、E-350の時ほど関心はないので追い込んだりはしていませんが、結局、“Z170-A環境では”XMP定格が一番よさげです。


 以上、X79+3930KからZ170+G4560への変更で音質劣化したとは思えませんでした。Windows10で使うのでなるべく新しい方が望ましいですしNVMeが使えるなどのメリットがありますから、Z170環境で常用しようと思います。

 X79にした理由である「スレッド数が多い方がよい」と相反する話になりましたが、それが差異パラメータになりえるのは同じ環境、または“同世代どうし”でのことであり、世代の違い(しかも5世代)はそれどころではない違いを産むのかも知れません。シリコンのプロセスは新しい方が有利なのかも知れません。
 メモリについても、プラットフォームが変われば全然違うということです。当たり前ですね。

 ちなみに、音質の感想もその理由付けも、もちろん一般論になりえる客観的な話ではありません。個人的におもしろがってるだけですので、その点よろしくお願いします。


■直結

・ストレージはCPU直結した方がよいのか
 「ストレージをシンプルにCPU直結したいのでNVMeを使いたい」が動機ではありましたが、SSDをそのまま移築して動かし始めてしばらくしたら考え変わってしまいました(笑)。
 下流からさかのぼって考えると、トランスポートPCにとって一番優先すべきは「USBコントローラの安定動作」だと思っていますので、「CPUのPCIeレーンはそのI/F専用にした方がいいのではないか」と。
 NVMeのI/FとしてはオンボのM.2スロット(PCH経由)の方が、変換カード経由より余計な接点少なくてよいような気もしますし。

 仮調達したNVMeをSSD(SATA3)に代えてM.2に実装してみたところ「おぉ、これはいい!」ってカンジでもなかったので積極的には動いていません。やるにしても低発熱タイプじゃないと“ナンカイヤ”なので、SM961あたりが安くなったらまた考えようかと思っています。

・CPU直結に注意
 ところで、拡張カードを「CPU直結したい(PCHを経由したくない)」場合はM/B仕様に注意した方がよさそうです。
 MicroATXなどでは、CPU直結のPCIeスロットは1本しかない場合があるためです。

#以下、解りやすさを優先し、一般的なIntelアーキテクチャのM/B製品を想定して簡略化して記します。

 CPUから出ているPCIeレーン数は16です。
 その16レーンは「1スロットのx16」または「2スロットのx8」に設定できます。
 ですので、CPU直結のPCIeスロットは「最大2」となります。
 一般的用途はGfxカードの複数枚使用ですから、敢えてx1やx4に実装することはまずありません。
 また、「2スロットのx8」に固定してしまうM/Bもまずないでしょう。

 そのため、「x8スロットを使うとx16スロットはx8になる」という仕様のM/Bは、その2スロットがCPU直結です。逆に言うとそれ以外のスロットはCPU直結ではありません。
 そして、そうではない仕様の場合、CPU直結スロットはおそらく1本しかありません。

#3スロット以上直結したい場合は、LGA2011などのハイパフォーマンス系を用いる必要があります。

 同世代のASUS製品で例を挙げます。

 ATX「Z270-A」のスロット仕様は製品webページによると以下の通りです。

  2 x PCIe 3.0/2.0 x16 (x16 or dual x8)
  1 x PCIe 3.0/2.0 x16 (max at x4 mode)
  4 x PCIe 3.0/2.0 x1

 同じくMicroATX「PRIME H270M-PLUS」は以下の通り。

  1 x PCIe 3.0/2.0 x16 (x16 mode)
  1 x PCIe 3.0/2.0 x16 (max at x4 mode)
  2 x PCIe 3.0/2.0 x1

 x16スロットの仕様が微妙に異なっているのが解ると思います。
 Z270-Aと異なり、H270M-PLUSではx8になったりするとは記されていません。ですのでx16固定のCPU直結スロットと推定されます(わざわざPCHレーンをここに使うとは考え難いので)。
 そして、CPUからは16レーンしか出ていませんから、H270Mでは1本目でそれを使い切っていることになります。

 よって、H270M-PLUSにおけるCPU直結スロットは1本目だけであり、2本目の「PCIe x16形状のスロットのx4」はPCHからのものとなります。残る2本のx1はもちろんPCHからのPCIeレーンです。

 複数のカードでCPU直結を狙う場合は要注意、ということで。

 なお、Intelの一次資料で確認していませんが以下記事など見ると、そもそもH270M-PLUSが採用しているH270はCPUレーンを「1スロットのx16」でしか使えないようです。
http://news.mynavi.jp/articles/2017/01/04/kabylake/

 余談ですが、最近のM/Bマニュアルにはブロック図が無くなってしまったようで、こういうことが解りにくくなりましたねぇ。

 ちなみにPCHとはいわゆるチップセットのことです(Z170記事参照)。もはや“セット”ではありませんけれど。


■備忘録

 HD7550のままなのに、X79ではVIERAに出なかったUEFI画面が出るようになりました。そういうモンなんですかね? DSP-Z7経由でも大丈夫です。


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