真央VSヨナ!バンクーバー激闘の果てに

10/03/14初稿

 え~、まったくAudioでもVisualでもありませんが。“Emotional”ということで。

 女子フィギュア、浅田真央選手がとっても好きで、キムヨナ選手とのバンクーバーオリンピック対決についていろいろ考えたので記事にさせていただこうかと。といってもフィギュアスケートについてはそのヘンの素人なので、間違ってたらスミマセン。
 以下、選手のお名前に略称混じりで失礼します。

        ワールド・フィギュアスケート 42
        ワールド・フィギュアスケート 42

 しかし壮絶な戦いでした。
 真央ちゃんのインタビューではもらい泣きしたなぁ。金が獲れなかったことではなくてパーフェクトにできなかったことが本当に悔しそうでした。
 天然ボケにして苛烈、なんて希有な得難きヒロインなのでしょう。
 計算して金メダルを獲りに行くのではなく、その前に限界への挑戦ありき! 泣けるぜ真のアスリートだぜ!

 さて。

 ふたつのミスがあったので金が獲れなかったのは仕方ないと思いますが、あの「点差」はなんとも納得いかなかったので、納得するために事実をいろいろ調べてました。
 結果、以下のバンクーバーオリンピック採点結果公式サイトを眺めるだけでいろいろ考えさせられることがありました。

・女子SP結果 http://www.isuresults.com/results/owg2010/owg10_Ladies_SP_Scores.pdf
・女子FS結果 http://www.isuresults.com/results/owg2010/owg10_Ladies_FS_Scores.pdf

 上記採点結果を比較対象として男子ふたりも加えてExcelにまとめて、思ったことは・・・


・テクニカルエレメンツ(ざっくり言うと昔の技術点に相当?)について
 ヨナ選手の17.4というFSでの加点(GOE)は男女合わせてみてもケタハズレ。
 同じ「難易度よりも完成度」系で金を獲ったライサチェク選手でさえ9.64止まり(これが今大会の男女通しての加点第2位)。ライサチェク選手、いいFS演技だったと思いますけど、ヨナ選手はそれよりさらに180%も加点がもらえる演技だとジャッジされたということになりますね。
 ちなみに、女子の要素は男子の要素より少ないのでそもそもGOEをもらえるチャンスが少ないのにも関わらず、という点も付記しておきます。

・プログラムコンポーネンツ(ざっくり言うと昔の芸術点に相当?)について
 男子はSPでは1.0倍、FSで2.0倍されますが、女子ではそれぞれ0.8倍、1.6倍されて総合得点になります。
 なので、「Unfactored Score」がその係数を抜いたベーシックな得点ですが、SP/FSでは
   真央・・・40.35/41.90(計82.25)
   ヨナ・・・42.25/44.85(計87.10)
   プル・・・39.75/41.40(計81.15)
   ライサ・・42.00/41.40(計83.40)
 してみると、真央選手はプル選手とライサチェク選手の中間=男子並み、ヨナ選手は男子以上とジャッジされたということになりますね。ヨナ選手が男子並み、という記事をよく見ますが「男子以上」が正しいんです。

・総合得点について
 試しにヨナ選手のプログラムコンポーネンツの得点係数を男子と同じ値(SPは0.8→1.0/FSは1.6→2.0)にして総合得点を出し直すと254.95を叩き出します。
 おお、高橋選手(247.23)やランビエール選手(246.72)をぶっちぎって男子と戦っても堂々銅メダリスト!
 どころか金のライサチェク選手(257.67)まであと一息(2.72差)!?

 どうせならもっとがんばれヨナ選手! ということで、男子ルールならFSでテクニカルエレメンツをまだ追加できることを活用し、得意のダブルアクセル(基礎点3.5:どうせ加点付き)あたりをもう一回入れればおめでとう男子に混じっても金メダルだ!
 もちろん、「あと30秒滑れるのか」「ルール上入れられる技はあと何か」といった現実的問題があるので、上記のようなシミュレーションにはあまり意味があるとは思っていません。ので金はさておくとしても、プログラムコンポーネンツ計算の係数は実際の演技と関係ありませんから銅は確実。
 つまり少なくとも高橋選手やランビエール選手に勝るとジャッジされたのは事実と言っていいと思います。
 ヘタするとライサ選手やプル選手に匹敵するとも読めるかも。

 「いや、新採点方式は絶対評価といいながら相対評価の側面が残ってるのが実態で、男子と女子は同列で比べられない」・・・なんて言われても困りますけどね。だって、男女どころかノービスもジュニアもシニアも同じルールなんでしょ? やっぱり男子以上と採点したと考えざるを得ない。
 そうではなく「いや、絶対評価なのは間違いない、しかし男子と女子は絶対評価の基準が異なるのだ」と言うのなら、そもそも基礎点やGOEを男女で違う値にすべきだし、そうしないなら(実際していない)、女子としては超絶難度のトリプルアクセルはボーナスなどでもっと評価すべきだし(実際していない)。つまり、

 男女の採点は同基準だというのなら、ヨナ選手は男子以上ということに。マジ?
 男女の採点は同基準じゃないというのなら、真央選手のトリプリアクセルは女子としては男子のクアッド以上の難度なのだから何らかの形で得点に反映されてしかるべきだが、ない。

 新採点法、いずれにしても筋が通ってないと思うのは私だけかなぁ。
 たらればが許されるなら、真央選手はふたつのミスで加点や後半ボーナスも考えるとざっと8点失ってると思いますので、FSをパーフェクトに滑ったとして想定されるのが「15点差」。ミスしたことによるPCSへの影響など考えても10点以上の差はついたはず。・・・それだけの絶対得点差があったというのが新採点法による判定の真実。この真実に疑問を感じるのは私だけかなぁ?

・具体的得点差について
 男女比較はさておき、ほぼ同じ構成で両者ともミスなかったSPでの得点差(4.72)を具体的にチェックしてみましょう。

 まずはテクニカルエレメンツから。

要素1.メインジャンプ
  真央選手 Triple Axel + Double Toeloop・・・9.5+GOE0.6=10.1
  ヨナ選手 Triple Lutz + Triple Toeloop・・・10.0+GOE2.0=12.0 ここで1.9差ヨナ選手が勝ってます。
要素2.Triple Flip
  真央選手 5.5+GOE0.2=5.7
  ヨナ選手 5.5+GOE1.2=6.7 ここで1.0
要素3.Layback Spin(共にレベル4)
  真央選手 2.7+GOE0.7=3.4
  ヨナ選手 2.7+GOE0.8=3.5 ここで0.1差
要素4.Spiral Sequence(共にレベル4)
  真央選手 3.4+GOE2.0=5.4
  ヨナ選手 3.4+GOE2.0=5.4 同点!
要素5.Double Axel
  真央選手 3.5+GOE1.6=5.1
  ヨナ選手 3.5+GOE1.6=5.1 同点!
要素6.Flying Sit Spin(共にレベル4)
  真央選手 3.0+GOE0.5=3.5
  ヨナ選手 3.0+GOE0.5=3.5 同点!
要素7.Straight Line Step Sequence(共にレベル3)
  真央選手 3.3+GOE1.0=4.3
  ヨナ選手 3.3+GOE0.7=4.0 ここで-0.3差・・・唯一真央選手がヨナ選手に勝っている要素
要素8.Change Foot Combination Spin(共にレベル4)
  真央選手 3.5+GOE0.5=4.0
  ヨナ選手 3.5+GOE1.0=4.5 ここで0.5差

 テクニカルエレメンツ3.2差のうち2.9点までが最初のふたつのジャンプで付いているのが判ります(さらに言うとそのうち2.4点はGOEの差)。ジャンプ以外ではヨナ選手が0.6上回り、真央選手が唯一ストレートラインステップシークェンスで0.3勝って、差し引きヨナ選手が0.3勝ったということです。これでジャンプと合計3.2差。

 次にプログラムコンポーネンツ。いわゆるファイヴコンポーネンツ。「8点台で揃えてきました!」なんて解説に覚えがあるかと思います。8点台出すだけでも結構大変なんですね。

1.振り付け
  真央選手 8.1
  ヨナ選手 8.4 ここで0.3差
2.要素の繋ぎ
  真央選手 7.4
  ヨナ選手 7.9 ここで0.5差
3.音楽解釈
  真央選手 8.2
  ヨナ選手 8.75 ここで0.55差
4.実行力
  真央選手 8.4
  ヨナ選手 8.6 ここで0.2差
5.スケート技術
  真央選手 8.25
  ヨナ選手 8.6 ここで0.35差

 ヨナ選手はすべての要素で真央選手を上回り3要素で8点台後半を出しています(ちなみにこの3要素は二日後のFSでは遂に9点台を叩き出すことになります)。
 プロクラムコンポーネンツでの差は1.9。この中でも、「要素の繋ぎ」「音楽解釈」でそれぞれ0.5差付けられてるのが痛いですね。
 総合得点では0.8倍されますので1.52差。テクニカルエレメンツと合計して3.2+1.52=4.72点差ということになります。

 つまり「圧倒的じゃないかキムヨナは」状態なワケです。要素別で見ても真央選手が勝っているのはストレートラインで0.3点だけなので、勝ったり負けたりしているワケではなくほぼ「完全勝利」してる状態なんですね。

・納得のしかた
 審判団のSPにおけるジャッジを具体的に書いてみると次のようになります。これは憶測ではありません。上記、事実としての採点内容を噛み砕いて表現しただけです。

「真央選手のトリプルアクセル+ダブルトーループよりヨナ選手のトリプルルッツ+トリプルトーループの方が2割くらいいい演技」
「同じトリプルフリップはヨナ選手の方が2割くらいいい演技」
「ダブルアクセルは同じ出来」
「ステップやスピンはいい勝負だけどヨナ選手の方が若干上かな」
「振り付けやスケーティングスキルなどは全部ヨナ選手が上、中でも要素の繋ぎと音楽解釈はすごく勝ってる」

 ついでにFSと総合では
「ヨナ選手、FSの各エレメンツの出来映えはライサチェクの約2倍」
「ヨナ選手、総合的には高橋やランビエールよりいい演技。もしかしたらライサチェクより上かも」

 上記を頭に置きながら実際の演技を改めて見てみるしかありませんね。
 ・・・どうでしょう? そのように見えましたか? もちろん、人それぞれですけれど。


 ということで、上記を納得できる人もいらっしゃるでしょうけれど、私としてはどう考えても納得できないということで納得(微笑)。とても切ない納得ですが・・・

 いや、あくまでも採点法(ルール)についてですよ。ヨナ選手の演技自体がどうこうとは言ってませんよ。と言うか、絶対金メダル獲らなくてはならない状況の中であれだけの演技ができるなんて、怪物だと思いましたね(FSをカンペキに滑ったことないのに五輪で決めるなんて)。
 けど、その怪物を作っちゃったのは真央ちゃんだよなぁ。

       燃えるし萌える。


メインメニューへ

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

ERIへようこそ

Author:らかせ
 「最新記事」または「メインメニュー」からどうぞ

・ファイルへの直接リンク以外はリンクフリー(連絡不要)です
・一応、拍手にコメント(非公開)付けられるようにしてあります
・DB的に利用しており、過去記事もガシガシ書き換えています。特に「最新記事」は初稿から一週間くらいは直してることが多く、大幅に変わっちゃうことも。ご了承ください
・ということもありますし、記すまでもないですが無断転載(ファイル含む)はご遠慮ください
・引用の考え方については「007:諸事」をご参照ください
・アフィリエイトはAmazonのみです
・ハイパーリンクは当Blog記事のみです(054:節電記事のみ例外)

最新記事
カテゴリ
検索フォーム
FC2カウンター