スペクトラム拡散で高音質?

10/08/19初稿

 いくつかのPC環境でのハードウェア的なパラメータと音質の関係を試した結果をまとめて記しておきます。
 「どんな“いぢくりポイント”があるか」の備忘録的なカンジですね。

 もちろん一般論として成立していると思っているワケではありません。いろんな環境では違った結果になるでしょう。
 何事もやってみて知見を得ていかないと、ということで。


【Clarkdale自作機編】

 HDMI-Audio予備実験で組んだClarkdaleのPCにONKYO製サウンドカード「SE-90PCI」を組み込み、懸案の実験を少々。

藤本健のDigital Audio Laboratory:第184回:最廉価モデルで最高音質を実現?
~2ch出力に特化した「オンキヨー SE-90PCI」~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20050328/dal184.htm

 というふうにかなり評価の高いSE-90PCIの実力や如何に?

 出力は光S/PDIF(AudioTechnica製AT6D40)、AX2700のAUXで受けています。
 ドライバは最新の5.40Fです。
 PSUとかケースとかはノーケアですが、玄人志向の「NO-PCI」と「NO-PCI EXPRESS」でサンドイッチしています。
 え? あ、いや、お守り代わりに…(苦笑)


      


■パラメータテスト

 日頃試してみたかった「音質への影響」を思いつくもの一気に。音質評価やレビューもどきとしては一言コメント程度で。

・S/PDIF:SE-90PCI VS M/Bオンボード
 まずは一応代表選手決定戦。
 SE-90PCIの方がいいです。まあ、そうでないと困るのでプラシーボかも(苦笑)。
 けど、オンボードも結構健闘しているって印象でした。普通に鳴らすにはこれで十分かも知れません。

・SpreadSpectrum
 BIOSでCPUとPCI-Eを同時に変更しました。
 Enable(拡散する)の方がいいです。
 静かになるカンジです。915GM環境でREX-Link2EXに飛ばした時もそうでした。PC内部のクロックノイズの影響はS/PDIFを通して伝播するみたいです。逆に言うと、CPUクロックに大量のジッタがあっても、PCからのS/PDIFに影響は与えていないということです。
 まあ、SE-90PCI上のサウンドコントローラのクロックはこの設定に無関係ですから当然なんですが、「とにかくなんでもかんでもクロックのジッタがあったらダメ」っていうことにはならないよ、とは言えると思います。
 ただ、環境によるとは思います。

・メモリアクセスチャンネル
 2GBx2と2GBx1の比較です。総容量が異なってしまう要素も入ってしまいますがやむなしということで。
 シングルアクセスの方がいいです。
 明瞭感が向上するカンジです。上記915GM環境でのREX飛ばしでも1GBx2より1GBx1の方が良かったですので、これもある程度客観性があるのではと思います。やはりメモリコントローラがひとつ停止するのがノイズ的に好影響なのでしょうか。

・CPUクロック
 定格の2.8GHz(133x21)とBIOS設定によるアンダークロック720MHz(80x9)の比較です。
 アンダークロックの方がいいです。
 消費電力もかなり下がってるハズですので、回路全体が落ち着いてくるためでしょうか。
 12/10/13追記:EISTは切っていませんでしたのでCPUコア電圧も自動的に下がっていた可能性もあり、どちらの効果か微妙かも知れません。

・Gfxクロック
 定格の533MHzと最低の133MHzに設定してみました。
 これは違いが判りませんでした。
 と、後で知ったのですが、ClarkdaleのGfxクロックは負荷に応じて自動で上下するらしいです。ということは、Audio再生している時はBIOSで133MHz固定しようがしまいが最低クロックで動いていたのかも知れません。

・SE-90PCI VS REX-Link2EX(豪勢5V)
 さて、上記のチューニングでベスト状態にしたSE-90PCIのS/PDIFと、REX-Link2EXへの無線ではどちらがいいでしょう。
 やっぱりREXでした。
 豪勢5Vの威力はすさまじいと言うべきでしょうか。
 24/96のハイレゾ音源につき、SE-90PCIから無変換で鳴らした音とuLilithで44.1kHzにサンプリングレート変換しながら(REXは44.1kHzのみ対応なので)REXで鳴らした音で比較しても、REXの方がいいです。
 ハイレゾ音源をCD音源より高音質で再生することの難しさを感じます。
 ついでに、同じREX飛ばしでもHDC-1Lからの方がよいです。やっぱりAtomのシンプルさの方がPC-Audioには向いてるんでしょうねぇ。
 上記結果を見ると、HDC-1LでSpreadSpecrtumをEnableできたらどうなるのか試してみたいですねぇ(BIOSパラメータがないのでどっちがデフォルトなのかは判りませんが、本来はEMI低減の最後の手段的機能ですので通常はDisalbeでしょう)。

・お守り(NO-PCI)
 最後に、これ効いてるかどうか、2枚ともハズした状態と付けた状態で比較してみます。
 付けた方が明らかに高域の解像度が高くなり、低域がスッキリします。
 システムによっては低域が痩せてシャリシャリに聴こえるかも知れず好みの領域かも知れませんが、どちらがいい音か? と言われたら付けた状態でしょう。少なくとも違いは明らかにありました。
 このカードが影響を与えるのは電源ノイズだけのハズです。つまりPC内の電源ノイズはS/PDIFで伝播する(どういうパラメータとしてかはさておき)事例かと思います。
 ええ、カード有無によるメカニカルな影響っていうのも可能性は無いとは言えないことも判ってますとも。


■おまけ

・アンダークロックしていると、SE-90PCIのドライバインストーラはハードウェアを見つけてくれずインストールできませんでした。SpreadSpectrumも疑いましたが、定格クロックでEnableにしている状態なら問題なかったのでやっぱりアンダークロックが臭いです。PCIクロックは変化していないはずなので理屈は判りませんが…

・SE-90PCIの「パフォーマンスモード」って何? SE-90PCIのマニュアルには出てこないのですが、SE-200PCIのマニュアルを見ると、Envy24のコントロールユーティリティ「AudioDeck」のボリューム表示などを停止して動作を軽くするモードのようです。当然軽い方が音がいいってことなんでしょうけれど、意味あるようなないような…?


    ←高級カードだとまた違うんでしょうか? S/PDIFは変わらない?


【HDC-1L編】

・USB2.0
 もちろん、USB-Audioが1.1の場合ですが。
 HDC-1LではBIOSでの設定項目はあまりないのですが、以前も記した通りUSB2.0のEnable/Disableはかなり影響あります(ちなみにP7H55D-M PROのBIOSには2.0のDisable設定はありません。というか、PCHの世代から無くなったようです)。豪勢5Vシステムではその違いはより顕著になったようで、改めてやってみると、Enableでは高域の解像感は上がるが低域の艶が減少し、ステレオ感も減り、全体的にエモーショナル感が希薄になります。
 ちなみにOSからEHCIコントローラを無効にすると同じくUSB1.1でしか動かなくなりますが、BIOSでEnable/Disableを切り替えた時の中間の効果ですかね(どっちかというとEnableに近い)。
 11/03/20追記:Fidelizerを入れたら事情が変わりました。

・オンボードLAN
 オンボードLANもDisableにしています。Enableだと低域が重たくなるカンジですので。

 なのでRipping(リッピング)したファイルをHDC-1Lにコピーするのがメンドクサくて(苦笑)。ファイルコピーする時だけ2.0Enableにしてるんですが、先日Disableに戻し忘れてて、なんだか変わっちゃったな~って色々いじくってしまいました。Disableに戻してない事に気づいて直し、「これこれ!」ってカンジでした。

・おまけ:外付けUSB-HDD
 同じバイナリでも、内蔵HDDからの再生と外付けUSB-HDDからの再生では音が違います。USBを作動させること及びデジタルデバイスが増えることによる電気的ノイズ増加によるものと思いますが、外付けHDDからの再生の方が重く鈍い音になります。というか、内蔵HDDからの再生でも、外付けHDDを接続してあると音質劣化すると思います。


【E-350自作機編】

 本項12/06/03新設。

・USBドングル
 E-350システムはHDMI-AudioなのでAudio-I/FとしてUSBは使っていませんが、どうしてもUIF用デバイスは必要になります。
 なので、2.4GHz帯の無線Mouse用ドングルとBluetoothのPS3-BDリモコン用ドングルの2個接続していました。が、やっぱりドングル外した方がよく聴こえるんですよね。
 そこで、ドングル減らすことにしました。BIOS設定どうするかとかいろいろ考えたのですが、プレーヤPCを操作するためにBDリモコンは外せないので、MouseをBT接続にして2.4GHz無線をやめることにしました(K/Bはもともと必要な時しか繋ぎません)。
 んで、せっかくだからと同時にBTドングルも最近の「ノートPCの電池が保つ」という謳い文句のモノに変えてみました。消費電力は低い方がよいと思いますので。

  ←BluetoothのMouseはこれにしました。


 2.4GHz帯無線ドングル削除も効果ありましたが、BTドングル変更も思った以上に効果あり、でした。
 結構違って驚いたのですが、実は使っていたBTはClaas1、つまり100m対応のものだったのです。PC-Audioで使うことなんて考えてないころに買ったものですから、強力な方がいいと…
 PC-AudioのUIFとしては10mで十分なので、BTはClass2をオススメします(笑)。

 ということで、PCのUSBコネクタに直挿しして使っていたのですが、敢えて「フェライトコア付きノイズクリッピングダイオード搭載USBケーブル」経由で接続することによるUSB信号線のノイズ対策を思い立ちました。
 やってみたところ、なんだかスッキリ感が出てよさげではないですか。特に低域がクッキリします。2.4GHz無線ドングル外した時と似た効能があるような気がします。

  ←1m。私のは70cmですけど。

 残念ながらこのシリーズ↑に「延長ケーブル」は存在しないようなのでB→A変換アダプタで接続しています。



・ファン
 12/10/07追記:CPUファンとNipron電源ファン(SANYO製SF8-S1)のケーブルをM/Bから引っこ抜いてみました。
 何となくケーブル抜いた方がクリーンな音(低域のアクが抜けるカンジ?)になるような気もしましたが、決定的ではありません。どちらかと言うと電源ファンの方が影響していそうです。ケースは開けたままの比較です。
 ファン電源を別にする、といった結構メンドクサイ対策に対する効果としては薄いと思えました。
 とは言え、単純な12V給電ですから、M/B経由で行う必要もない(回転数は見えなくなりますが)ということで12Vペリフェラルコネクタから給電するようにしました。その方がやや生っぽさが出る気がします。

・ストレージ
 本項17/05/22にX79記事から移設。

 ずっとTOSHIBA製2.5inchHDD640GBを使っていたのですが、あるとき3.5inchHDDを試してみました。WD製CaviarGreen、1TBワンプラッタ品です。GND安定化の点でアルミの塊が大きい方がよいかも知れないと思いまして。ずいぶん昔ですが「3.5inchのメカは12V系で動いてるので5Vの2.5inchより有利(USBにも関係する5V系を汚さないため)」ってハナシもあったのでホントかなというのもあり。もしイケそうなら2.5inchよりパフォーマンスが高いので起動が速くなりますし。

 結果、ガチャガチャした音でよくありませんでした。もちろん品種に依るかもしれませんし環境依存もあるでしょうから一般論ではありませんが。

 また、メインPCに投入すべく128GBのTOSHIBA製SSDを購入した際、SSDを試すいいチャンスと思い本来の目的に使用する前に投入してみたところ、2.5inchHDDとあまり違いを感じませんでした。

 ということで、環境による相性は別として、一般論として「HDDは2.5inchより3.5inchの方がよい」とも「SSDはHDDに劣る」とも「SSDの方がよい」とも思いませんでした。
 という結果を受けTOSHIBA製512GBに換装しました。音質に決定的な悪影響がなさそうなら、起動がメチャ速くなるSSDにしない手はありませんから。システムも音源も512GB1台に収めています。Audio再生中にシステム領域への大量アクセスは発生しないでしょうから音源読み出しに悪影響はないでしょう。

   ←SATAケーブルは“キモチ的に”3重シールドのこれで


【X79自作機編】

 本項17/05/22新設。
 NO-PCIやオンボデバイス停止などの過去ネタをどう盛り込んでるかはX79構築記事の方をご覧ください。

・ファンコントロール
 本項17/05/22にX79記事から移動(X79記事に15/09/13追記が初出)。

 ファンは騒音と冷却能力の兼ね合いで選定しますが、そもそも3pinと4pinの違いがよく解っていませんでした。4pinは増えた1pinが「PWM信号」であり、M/B側からFAN回転数をPWM制御するということは知っていましたが、3pinFANでもスピードコントロールは可能ですよね。何が違うのでしょう?

 BIOSで回転数制御可能なふたつのFANコネクタ(いずれも4pin)に4pinと3pinのFANを接続した時、実際に何が変化するのか調べてみました。「電源」と「PWM」はテスタで測ったコネクタピンの電圧、「回転数」はBIOS読みです(変動しますのでおよその値です)。

・SystemFAN1コネクタ
 3pinのケースファン接続(仕様1000rpm=回転数可変非対応)

           電源  回転数
   ・Normal    5.7V  500rpm
   ・Silemt    5.1V  430rpm
   ・Full Speed  12.2V  1000rpm
   ・Manual(PWM value/℃) 50℃
     ・0.75   4.7V  387rpm
     ・1.5    5.9V  538rpm
     ・2.5    7.8V  713rpm

・CPU-FANコネクタ
 4pinのCPUファン接続(仕様600~2000rpm=PWMによる回転数可変対応)

           電源  回転数 PWM
   ・Normal    12.2V  1555rpm 2.8V
   ・Silemt    12.2V  1120rpm 2.0V
   ・Full Speed  12.2V  1870rpm 3.9V
   ・Manual(PWM value/℃) 53℃
     ・0.75   12.2V  980rpm 1.8V
     ・2.5   12.2V  1850rpm 3.5V

 なるほど、4pinの場合は「PWM制御」、3pinFANであることを検出した場合は「電圧制御」ということですね。

 電源ノイズ源になる可能性があるのでキモチ的にPWM制御は極力避けたいです(だって12Vを高速にON/OFFするんですよ?)。電圧制御方式もその生成はM/B上のPWM回路かも知れませんのでなるべく避けたい。web上には「FANコントロールするとOCが不安定になる」といった情報もありますし。OCが不安定になるなんて、音質に悪そうでたまりません(笑)。
 なお、といってFANモータを定格外で回す(12Vファンを5Vで回すなど)のも、オーディオ用PCとしては避けた方がいいでしょう。電子部品ではなくメカ部品ですから、電源への悪いフィードバックが心配ですので。

 つまり、「FANコンは使わない。FANは定格で回す」のがAudio的にはいいのではないかということです。
 「ファンレス」ならぬ「ファンコンレス」です。

 4pinでもFull設定ならPWMは100%(パタパタしない)な気がしなくもないですが、確実に「フル回転」で使うには、M/BからではなくPSU直結が吉かも知れません。
 定格だと騒音が問題になる場合は、事前にFANコントロール機能で必要充分性能にアタリを付けて、問題にならないFANに交換する、と。

 この点で言うと、PSUも「FANコントロールレス」した方が望ましいので、確実にそうするため「FANレス電源」がよいかも知れません。PSU内蔵FANはFANコンされてると思いますので。「FANレスPSUにして必要なら外部から定格FANで冷やす」と。

・ケースGND強化
 本項17/06/04「グランドチューン」記事から移設。
 プレーヤPCを組んだ当初は黒にしたくて「Abee製パーシャルアルミケースSmartP6」を新調して用いていたのですが、このケースは内装は鉄ですが黒塗装されており表面に導通はありません。

   ←こんなカンジ

 筐体グランド(FG)を強化するため(ホントに効果あるかは判りませんが)、余ってた「星野金属(Windy)製フルアルミケースMT-PRO1250 CROWN」に組み替えました。アイボリー&ややデカすぎることから使ってなかったのですが、フルアルミ・内装も塗装なしの方を優先で。
 ケース以外のパーツは同じですが、ACやRCAなどがほぼ同様のケーブリングでも高域の破綻がなくなった気がします。もちろんホントかどうかは解りませんが(苦笑)。

・ネジ
 本項17/05/22追記。
 M/B固定ネジをケース付属品から「スプリングワッシャ&ワッシャ付きネジ」に変更しました。
 バネで押しつけるワケですからGND強化になるかな~と。キモチの問題ですけど(笑)。
http://www.urk.co.jp/contents/elements/element12.html


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