AとVの狭間で

10/09/23初稿

 11/08/13追記:HDMI-Audioに宗旨替えしましたので、現在はHDMIも“1系統だけ”常時接続しています。詳しくはメインメニューからどうぞ。
 12/07/29追記:HDMIも光ファイバケーブルが登場したのでアイソレーション復活しました。詳しくはHDMI光化記事にて。
 その他、時期によって使い方変わっていますのでアイソレーション状態は一定ではありません。ご了承ください。


■あこがれの「フラッグシップ(“準”だけど)」

 AVアンプ買い換えました。YAMAHA製DSP-AX2700からDSP-Z7(B)です。予定外でしたが激安の現品処分に出会ってしまったもので(苦笑)。
 この秋の新作AVアンプは主としてHDMI1.4対応がトピックですが、純粋に音声と映像関係のUpdateとしてはつまりは3D対応です。もっと言うと3Dで音声規格は変更ないので「3D画像信号のリピータ機能」の有無ですね。3D対応のTVを持ってなければ無関係の機能です。たとえ持っていても、プレーヤからTVにHDMIを直結すれば3D画面は楽しめるワケですから、1.4対応のAVアンプが活躍するシーンは「3DのBD再生+HD-Audioデコード」したい時に限られます。この後暫くは限定的なシチュエーションだと思います。加えて、AVアンプが1.4非対応でもHDMI2系統出力のプレーヤを使うなどの対応策もありえます。
 PC使っても出来ますしね(HDMI-Audio構築記事参照)。

 そもそもHDMIをAVアンプに常時繋がない運用しているので無関係(笑)。ということで購入に至りました。

 と、「いまどきHDMIをつながないAVアンプってなんだよ?」とお思いでしょうから、ちょっと説明します。


■AVアンプはAVセンターとして使わない
 
 結論を最初に書きます。
AVアンプは
普段は
  ・S/PDIFセレクタ
  ・DAC
  ・マルチチャンネルプリ(サラウンドエフェクタ)
  ・サラウンドスピーカ用パワーアンプ
必要な時上記に加えて
  ・HD-Audioデコーダ

として使っています。

 これまでの経験から、Audio的には「極力シンプル」な構成が有利だと考えています。プレーヤ+アンプ+スピーカの最小構成が一番有利だと思います。
 しかし、以下のような楽しみ方も付け加えたいとなるそうはいきません。

・Visualも楽しみたい=サラウンド対応
・SACDなどのマルチもいい音で聴きたい=マルチチャンネル対応
・HD-Audioも鳴らしたい=ハイレゾ対応

 いわゆるピュアオーディオ系(どこまでをピュアと言うかはアレですので、本稿では「AV系」に対応する呼称とさせてください)とAV系を分離すれば一番ですが、住宅事情その他からそうはいかない場合がほとんどだと思います。となると、AVアンプを導入せざるを得ません(ステレオハイレゾまでならAVアンプレスにできると思いますけど)。
 と言っても、AVアンプとTVやBDレコーダやDACやDDCなどを電気的に接続すると、GNDノイズ共有やGNDループの問題で音質劣化を招きます。BDレコーダなどのヴィジュアル機器にピュアオーディオレベルのGNDやSignal品位を求めるのは無理があるからです。
 でも、ハイレゾサラウンド機能を実現しないとシステムにAVアンプを入れる意味がありません。そこで、AVアンプに何をさせたいのか、その時にはどんな接続が必要なのかをを具体的に検討してみます。

・ピュア系のステレオ再生したい
 PCMの96kHz/24bit(Wantで192kHz/24bit)まで対応できればいいと思います。S/PDIFでも守備範囲内ですね。よってDDCから光S/PDIFで接続すれば電気的結合は回避できます(24/96を越えるハイレゾにUSBもAudio Class2.0で対応しましたね)。
 DACをアナログ接続でもいいかも知れませんが、電気的結合しても大丈夫なクリーンなDACと電源メンテナンスが重要になると思います。

・デジタル放送のAACをデコードしたい
 S/PDIFで対応できます。つまり、BDレコーダなどからはS/PDIF光で接続すれば電気的結合は回避できます。
 もちろん5.1chサラウンドまで対応できます。

・DVDやBDのDolbyやDTSをデコードしたい
 これもAACと同じくS/PDIFの守備範囲内。

・ハイレゾサラウンドをデコードしたい
 PCMやDolbyTrueHD、DTS-HD MasterAudioなどですね(非可逆圧縮のDTS-HD HighResolutionAudioもあるけど)。DSD(ステレオ&マルチ)も含めていいでしょう。これらはS/PDIFでは対応できません。HDMIで繋ぐしかありませんが、電気的にアイソレーションできるHDMIは一般的には存在しません。無線を使ってもレシーバ自体がひとつの機器になってしまいますし。
 さて、
・上記新世代フォーマットをデコードしたい時(HDMI接続必要)と、
・昔ながらのCD音源(ステレオハイレゾ含めても可)やデジタルTV放送やDVDをいい音で聴きたい時(S/PDIFでOK=HDMI必須ではない)と、
どちらが多いでしょう? 人それぞれだと思いますが、私は圧倒的に後者です。

 以上より、ウチでは以下のような構成・運用を取っています。

・BDレコーダなどの音声は光S/PDIFから再生。HDMIはTVへ直接接続。映像はこちらにて。

・BDプレーヤ(というかPS3)の音声は通常は光S/PDIFから再生。映像はTVに直接接続したHDMIにて。
 ハイレゾマルチソースを再生する時だけHDMIをAVアンプに接続、AVアンプからもHDMIをTVに接続。

・現時点ではDV-610AVによるDSD再生も上記とBDプレーヤと同等。


 なので、通常状態では、AVアンプのInputはBDレコーダ2機、PS3、DDCの4系統しか接続していません。それも全部光S/PDIFで再生機器とは電気的にアイソレーションしています。Outputはフロントプリアウト(プリアウトである理由は後述)とリアサラウンドスピーカ、サブウーファプリアウトのみ。映像系やアナログ音声は繋ぎません。極力GNDの純度を保つためです。
 ソースがデジタル化された今では、機器間ダビングの利便性はAVアンプに求められてないですよね。ですので、ぶっちゃけ、HDMIやS/PDIFに特化した“高級デジタルソース専用AVアンプ”があってもいいと思ってます。
 この運用のキモは、「フロントにHDMI入力があるAVアンプとTVじゃないと不便」なところです。AX2700では「HDMI中継アダプタ」を使ってリアのInputを前に出してました。



 DSP-Z7には「フロントHDMI」がありますので便利になったのもメリットです。
 12/10/13追記:一番上に追記した光HDMIを使えば、GND分離の意味ではBDプレーヤの常時接続もアリですね。


■AVとオーディオのハイブリッドシステムへ

 デジタル処理(DAC)については、AVアンプって実はかなりのレベルなのではないかと思ってます。
 例えばDSP-Z7では「DAC On Pure Ground」コンセプトで主にGND強化によってDAC動作の健全化を図っていたり、「ウルトラロージッタPLL」でリクロック精度を向上していたりと、当Blogで考えていたDigital音声処理のありようを具現化しています。
 もちろん単体DACの方が優れたものはあるでしょうけれど、AVアンプはHDMIやマルチやDSDまで含めて上記恩恵を受けられます。最低限必要なリアスピーカ用のアンプも手に入りますし、サラウンドエフェクトも楽しめます。コストパフォーマンス的にはかなりイイのではないでしょうか。CD音源系の再生用に専用DACを加えると、プリメインアンプに対してDACとAVアンプを電気的に接続することになり、システムの(電気的結合の)複雑化を増すことにもなります。

 アナログ段はどうでしょう。
 理想的にはAVアンプのパワーアンプでフロントスピーカもドライブできればいいのでしょうが、高音質なStereo再生クオリティを望むのはなかなか難しいところです。スピーカターミナルを見ても、ぶっといケーブル繋げませんしね(苦笑)。というか、極力パワー部は動かさない方がプリ部の音質は上がるみたいですし(DSP-Z7には“PREAMP MODE”があります)。ということで、ウチではフロントスピーカはAVアンプのプリアウトをオーディオ用アンプのMAIN-INに入れてドライブしています。
 こうするとずっと避けてきた複数機器間の電気的結合が発生してしまいますが、GND品質の高いそれなりのAVアンプと(プリ)メインアンプの組み合わせなら、結合しても電位が不安定になったりノイズを共有する心配はあまりしなくていいようです。実際、DSP-Z7とA-1VLの組み合わせでN805Sを鳴らすと結構凄い音しています。やっぱり電源がキモな気がしますね(高級オーディオのコストのかけどころ?)。

 さて、ここで、電気的結合が不可避の場合のTipsがあります。
 どうせ電気的結合しなくてはならないなら、GNDは極力強力に結合して同電位になった方がいいハズです。アナログ音声信号は「GNDに対する電圧」として伝送されるのですから。ということで、ウチではフロントとリア以外使っていないAVプリアウトをプリメインの各種Inputに接続してGND接続を強化しています。高域の解像感や低域の締まりアップといった効果があるようです。
 ただ、ケーブルの品位にも影響されるようなので繊細なチューニングをしないと逆効果の可能性もありますが、「余ってる高級インターコネクトがある」ような場合は試してみる価値はあると思いますよ。
 あ、でも、GNDじゃなくてプラグを付けることによるメカニカルな影響もあるかも知れませんね。
 11/08/24追記:HDMI-Audioにした際のチューニングでは、GND強化用接続を外した方がよく聴こえたりもしました。逆に言うと、やっぱり音質変化はあると思いますのでチューニング術としてはアリかと思います。
 14/08/27追記:PioneerのBDプレーヤに“それ専用”のRCA端子が装備されたようです(笑)。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140827_663745.html

 サブウーファのケアはノーアイディアです。フツーにインタコで繋ぐしかない…最低限できることとして、ステレオ再生の時にはタップでAC電源をOFFして無通電状態とし、GNDループは発生しないようにしているのですが、タップも両切りじゃないと不完全かも知れませんね。
 延長ケーブルをフロントに出して繋いだり外したりってのもちょっと…

 リアスピーカ用パワーアンプはAVアンプのパワー部をそのまま使ってます。AVアンプをプリのみにして外部パワーアンプを増やす電気的的結合の複雑さが…マルチch用パワーアンプっていうのもやってはみたいのですが、お金と置き場所が…
 ただし、オーディオ再生時にはAdvanced Menuから「PreAmpMode」をONにしています。パワー部をカットオフするもので、効果はあると思います。ON/OFFメンドクサイですけれど。ワンタッチにして欲しいなぁ。

 以上、AとVを混在させる環境について、いいカンジの“おとしどころ”ではないかと考えています。

 ちなみにDSP-AX2700とDSP-Z7の差(評価・レビューもどき)ですが…
 あくまでもウチのシステム(上記のような運用)での結果ですが、入れ換えて若干チューニングした結果、あきらかな音質向上が得られたと感じています。確実にワンランク以上うえのパフォーマンスがあると言っていいと思います。
 一番の違いは、AX2700の時は入れていたCSE製電源ノイズフィルタをそのまま使ったらダイナミックレンジが圧縮されたような音になったので外したことかな。最初は判らなくてちょっと悩んじゃいましたよ。

 なお、F/Wは購入時点で1.06でしたが、最新の1.11にUpdateしてから常用開始しています。

 ちなみに、Z7搭載のDAC情報はありませんが、Z7はDSP-AX3900をベースとしたチューンアップ機とのことであり、その3900のカタログにはPCM1791の写真が載っていますので、おそらく同じでしょう。


■余談

 工業製品の原価(部品&生産コスト)は数に支配されます。部品は購入数が多いほど安く買えるのが普通ですし、生産数が多い方が効率も上がります。また、原価に上乗せされるメカ型代や開発費、生産設備などのイニシャル償却費も当然販売数が多い方が低くなります。
 さらに言うと、実際の販売価格は原価では決まらず購入者の価値感で決まります(だから「定価」が存在する商品はほとんどなく、通常は「メーカー希望小売価格」または「オープン価格」)。高くても売れるなら高い利益で売りますし、そうでなければ薄利になります。実はメーカには売価を決める権利はないのです。
 ですので、メジャーメーカの「7chAVアンプ」と、職人が手作りするような少量生産メーカの「2chステレオアンプ」では、たとえ1chあたり同じ物量やデバイスを投入したとしてもその原価はかなり違うはずです。最終的な売価ももちろんまるで違うでしょう。
 もちろん小規模メーカーの方が根本的な経費や宣伝費などが低いといった優位点もあるでしょう。


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