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ハイレゾファイルの中身はハイレゾか

11/11/27初稿
18/07/22:多分にあいまいな内容だったので大幅改定


 以下14/12/25追記。
 実は数ヶ月前に一度追記していたのですが一旦削除しました。この内容をきっかけに、もうちょっとハイレゾについて考える必要があると思ったためです。
 一応“考えた結果”も出ましたのでそれを踏まえ、改めて追記させていただきます。
 「本当に20kHz以上に意味があるのか」といった点には敢えて踏み込まず、試聴結果をメインにした内容にしました。


■24bitだけでもハイレゾか

・ハイレゾの定義
 JEITAの見解(*1)ではサンプリング周波数とビット深度のどちらかがCD規格を超えていればハイレゾという定義にしたようです。
 が、日本オーディオ協会(*2)は事実上24bit/96kHz以上と言いたいようですね。

*1:http://home.jeita.or.jp/page_file/20140328095728_rhsiN0Pz8x.pdf
*2:http://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2014/06/doc14061201.pdf

 「96kHzで16bit」というようなフォーマットは事実上無視していいと思いますが(44.1kHzで24bitもないでしょう)、48kHzで24bitというハイレゾ音源は結構存在しており、「ハイサンプリングでなくても24bitなのは効いている」といった評価(*)も目にします。

*:http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20131026_621098.html

 しかし、ハイレゾとしてマスタリングされた音源とCD音源の比較では、ビット深度以外の差も大きいでしょう。
 実際のところ、同じサンプリング周波数でも16bitと24bitでは音質に明確な差が出るのでしょうか。
 44.1kHzと48kHzはニアリーだと思いますので、ぶっちゃけ「2448って音いいの?」と。

・準備
 そこで、ひとつのハイレゾ音源データから以下の4ファイルを生成して準備し、ゼンハイザー製ヘッドホンHD700で比較してみました。

・2496(オリジナル)
   ちゃんと40kHzくらいまで周波数成分入ってますし、
   ビット深度でもピーク潰していないことから
   24bitを有意に使っていると判断したため採用したものです
・2448
   ≪foobar2000(v1.2.9)+SoX Resampler≫でオリジナルをダウンサンプリング
   convert機能でWAV化
・1648
   2448ファイルを16bit設定でS/PDIFループバックキャプチャし、
   下位8bitを単純カットした1648ファイルを生成
・なんちゃって2448
   1648ファイルを同じく24bit設定でS/PDIFキャプチャし、
   下位8bitがゼロの2448ファイルを生成

 プレーヤソフトは≪PlayPcmWin 4.0.64.0 x64≫です。自動に設定しておけばビット深度はファイルのフォーマットに基づいてWASAPIに渡してくれるので設定変更の手間がなく、連続で聴けます。

 「2448って音いいの?」と言っておきながら音源が2448じゃなくて2496なのは、ちゃんとハイレゾで比較に耐える2448音源を持っていなかったためです。リサンプリングしてしまいますがビット深度の比較においては同条件かと。ついでに48kHzと96kHzの比較もしてみようという下心も入ってますけれど(笑)。

 「なんちゃって2448」を用意したのは、「DACシステムにとっては同じフォーマットでの動作」として、データの差だけを確認するためです。

 「1648」と「なんちゃって2448」は、S/PDIFキャプチャではなくソフトウェア的な変換でも生成できると思いますが、「同時に予期せぬデータ改変されていないこと」を確認するのがメンドクサかったので、その可能性を排除した「≪RecPcmWin≫によるキャプチャ」方式で行いました。

 キャプチャして作成したファイルの中身はバイナリエディタで確認しました。

・1648ファイル:2448ファイルの下位8bitが単純カット(上位16bitは変化なし)されていること
・なんちゃって2448ファイル:下位8bitが単純にゼロ詰めされていること

 このあたり突っ込んだハナシは「非ハイレゾ音源の作り方」記事にて。

 さて、聴いてみた結果は…

・ビット深度の効能
 1648と2448では、2448の方がヴォーカルや楽器の分離が良くなり、音場の奥行き感が出てくる。ように聴こえる。かなり微妙ですが。

・DAC動作違いの影響ではないか
 なんちゃって2448(フォーマットは2448だが有意なデータは1648)は、「DAC動作モードが同じ2448」より、「有意なデータとして同じ1648」に近いというかほぼ同じというか… に聴こえました。一応。
 ぶっちゃけ、Input段階から内部処理まで、24bitDACチップならもしかすると24bit以上のデータ幅で統一されているような気もするので、“ほぼ同じ”は正解なのかも知れません。

 ということで、48kHzでも24bitである意味はありそうだと思いました。もちろん、最初から24bitの情報量がある音源の場合は、ですけれど。

・参考まで:サンプリングレートで差は出るか(ダウンサンプリングすると悪くなるか)
 2448と2496では、2496の方が個々の音が立体的になり上品な趣が出てくるように感じました。
 ただ、「ダウンサンプリング(リサンプリング)という変換処理してない分2496はそもそも有利」という事情もあるかもです。


 以上、いくつかの比較で違いは感じましたが、めちゃくちゃ「びみょ~」でした。
 ただし、本試聴はヘッドホンで行っていますので、もしかするとビット深度拡張=ダイナミックレンジ関連の差違は判りにくいかも知れません。巨大音量出せる環境にないものですから…


■ハイレゾ音源の価値:フォーマット VS マスタリング

 ハイレゾリューションであること=24bitとか192kHzとかって言うのはデータフォーマットに過ぎません。実際の音がハイレゾリューションであるか否かはフォーマットで確定はしないでしょう。極論すると「CD音源で同じサンプルを2個づつ並べる」と88.2kHzのハイレゾフォーマットのデータになりますが音としてのレゾリューションはCDと変わりません。

 上記比較で、ビット深度拡張は意味あると判断しました。「びみょ~」ではありましたが。

 また、以前ハイレゾ商品とCD音源を聴き比べてみた際には、確かにハイレゾの方がいい音に聴こえました。アップサンプリングしたCD音源よりもハイレゾ商品の方がよかったです。DAC動作の差分(サンプルレートの処理差)ではなさそうでした。
 ただ、こちらはさらに自信なく、本当に約20kHzを超える高域成分を再生することによって差を感じているのかは疑問には思っています。そもそもハイレゾ商品とCDは違う商品ですから「マスタリングが違う」ハズですし(同じCDでもリマスター版は音違いますよね)。

#リサンプリングせずにサンプリング周波数以外のパラメータを完全一致させたデータを得ることは素人には無理ですから、比較試聴結果も“一応”の域を出ないでしょう。


 以上より、
「一応ハイレゾフォーマットには意味ありそうだが、実際の試聴では“明らかに違う”とはとても言えない」
と感じました。
 どっちかと言うとビット深度の方が好ましい効果が判る気がしましたが、大変微妙な違いに思いました。

 以上、多分に感覚的ですが、ハイレゾとCDの違いを比較試聴への影響は、データフォーマット差よりもマスタリングの違いの方が支配的だと思います。

 なので、「このハイレゾ音源は音がいい」という場合、
「データフォーマットとしてCDより情報量が多いから」
という以前に、
「そもそもそういうつもりでマスタリングしているから」
という理由もありえる(ていうかほとんどそうでは)と思います。
 具体的には、同じマスターでも「CD版ではピーク潰してでも音圧上げたけど、ハイレゾ版ではコンプ控えめにした」といった例でしょうか。
 ぶっちゃけ言うと「ハイレゾとして売るものだから」「わざわざCDという決められた器にハメ込む必要ないから」音質にこだわってるハズと。

 あくまでも“ハズ”ですが(苦笑)。


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