直前にフィギュアソチ五輪代表選考方法を理解しておく(結果追記アリ)

13/12/22(15:00)初稿

 またまた浅田真央選手をはじめ、選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■公開されている選考方法を確認する

 今更ですが、ソチオリンピック代表選考方法(選考基準)に関するJSF公式ドキュメント(13/06/19発表)です。
http://skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/2013/130619_FS_senkokijun.pdf

 以下抜粋(原文のまま)。

男女シングル選考
全日本選手権終了時に、オリンピック参加有資格者の中から、以下の選考方法で決定し、フィギュア委員会へ推薦する。
① 1人目は全日本選手権優勝者を選考する。
② 2人目は、全日本2位、3位の選手とグランプリ・ファイナルの日本人表彰台最上位者の中から選考を行う。
③ 3人目は、②の選考から漏れた選手と、全日本選手権終了時点でのワールド・ランキング日本人上位3名、ISUシーズンベストスコアの日本人上位3名選手の中から選考を行う。


 かみ砕いて書くと、

1人目の候補:全日本選手権優勝者(一応“選考対象”ですが事実上決定でしょう)

2人目の候補:①全日本2位
         ②全日本3位
         ③GPFの日本人表彰台最上位者

3人目の候補:①2人目の選考から漏れた選手
         ②全日本選手権終了時点でのISUワールドランキング日本人上位3名
         ③全日本選手権終了時点でのISUシーズンベストスコア日本人上位3名

ってことかと思います。ハッキリと記載はありませんが「2人目」「3人目」候補の条件はANDではなくORでしょうね(2位と3位をANDにはできませんから)。

 JSFとしてもモメるのがヤなのでしょうか、結構ガチな規定だと思います。

 ちょっと紛らわしいのはGPF日本人表彰台最上位者が全日本で優勝した場合でしょうか。
 その場合、「GPF日本人最表彰台上位者」という条件は消滅すると理解しています。だって日本人表彰台“最上位者”という条件ですから。
 同様に、「上位3名」も1人目や2人目に選出された選手分“繰り上げ”なんてない、でしょう。

 また、「2人目」「3人目」候補の条件はあくまでも文字通り“候補にする条件”であり、その条件の中での上位…例えば「3位より2位」とか「シーズンベストが上」といった単純な理由ではなく総合的に選考されるのだと理解しています。だってそうでないなら「2位」とか「ベストスコアの上から」って規定しちゃった方がいいワケですから。


 ちなみに本選考に使われる「ワールドランキング」と「シーズンベスト」データは以下の通りです。

・女子ワールドランキング(13/12/09付け)
http://www.isuresults.com/ws/ws/wsladies.htm
 変動しちゃうので抜粋しておきます(ご興味ある向きはhtml保存しておいた方がよろしいかと)。
ISUランキング
出典:上記URL

*ちなみにミキティは94位

・男子ワールドランキング(13/12/09付け)
http://www.isuresults.com/ws/ws/wsmen.htm
ISUランキング男子
出典:上記URL

・女子ISUシーズンベスト(13/12/07付け)
http://www.isuresults.com/isujsstat/sb2013-14/sbtslto.htm
シーズンベスト
出典:上記URL

・男子ISUシーズンベスト(13/12/06付け)
http://www.isuresults.com/isujsstat/sb2013-14/sbtsmto.htm
シーズンベスト男子
出典:上記URL


 それぞれ「全日本終了時点」でのものが採用されるとのことですが、たぶん上記のデータでしょう(13/12/23の10:30にURL先を確認しましたがUpdateはありませんでした)。

 へぇ~と思ったのは、ネーベルホルン杯のスコアがあることです(やっぱりちゃんと原典にあたるのは大事ですね)。当大会は普段はドイツスケ連主催のようですが、今年はオリンピック最終予選に位置づけられたためでしょう、ISU主催の公式大会扱いのようです。
 つまり、ミキティはここでISU公式スコアを持っていることになり、162.86が考慮対象になると思われます(佳菜子や宮原さんより低い)。
 先日のゴールデンスピン(62.81+114.01=176.82)の方が高得点で、こちらだと佳菜子や宮原さんのISUシーズンベストを上回る逆転現象発生がちょっと紛らわしいですね。
 が、あくまで考慮対象は「“ISU”シーズンベストスコア」と明記してある通りだと理解しています。


 選手みなさんが存分に力を出し切れますように!

 私は富山の銘酒「銀盤」呑みながら応援させていただきます!


参考:ゴルスピResult(いつまであるかはワカリマセンが)
http://www.croskate.hr/Html/GSp13_Ladies_SP_Scores.pdf
http://www.croskate.hr/Html/GSp13_Ladies_FS_Scores.pdf


初稿ここまで





以下13/12/26追記

■選考結果を確認する

 本当に凄い全日本でした。選手のみなさまには心からありがとうおつかれさまと言いたいです。
 自宅でTV観戦でしたが、思わず3回くらいスタオベしちゃいました。

・男子
 さて、まずは以下、別稿からこちらに転載します。

================<転載開始>================

13/12/23(10:30)初稿


 選手みなさん、素晴らしい全日本選手権をありがとうございます。

 さて、男子が終了しました。女子と異なりソチオリンピック代表発表までちょっと時間があるので、代表選考基準に関する記事に最終結果を当てはめてみます。

 選手のみなさまには敬称略で失礼いたします。


1.1人目
 全日本選手権優勝者ですからゆづるんで決定です。

2.2人目
 ①全日本2位 = まっちー
 ②全日本3位 = こづ
 ③GPFの日本人表彰台最上位者 = ゆづるん

 ゆづるんは対象外ですから、まっちーとこづからの選出です。
 「ISU戦績」「全日本の順位」ともにまっちーにしかならないでしょう。

3.3人目
 ①2人目の選考から漏れた選手 = こづ
 ②ISUワールドランキング日本人上位3名 = 1位ゆづるん、3位大輔、6位まっちー
 ③ISUシーズンベストスコアの日本人上位3名 = 2位ゆづるん、3位大輔、4位まっちー

 ゆづるんとまっちーは対象外ですから、こづと大輔どちらかとなります。
 こづはランキングで17位、ベストスコアは12位です。この点で、それぞれ3位と3位の大輔に大きく水をあけられている状態と言えます。一方、大輔はケガからの回復がソチに間に合うのかという要素もありそうです(こづも股関節に不安あり?)

 3人目は

「ISU戦績では大輔に水をあけられているが全日本3位のこづ」
「全日本5位だがISU戦績では世界トップクラスの大輔」

につき、「全日本での絶対的パフォーマンス」と「体調面」も考慮しての選出になると推測されます。
 体調について正しい情報を持ちませんし、これ以上はワカリマセンね。

================<転載終了>================


 大輔とこづを比較すると、以下の通りとなります。

 ナショナル順位・・・5位 3位
 世界ランキング・・・3位 17位
 GP戦績・・・・・・4位+1位 6位+3位
 シーズンベスト・・・3位 12位
 ベストスコア・・・268.31 230.95
 ナショナルスコア・・・252.81 264.81

 選手は(少なくともスタッフは)もともと6月に発表されていた上記の選考方法は知った上でシーズンを戦い、五輪が決まる全日本に臨んでいるハズですから、例えばこづの場合、全日本で優勝して「1人目」枠を獲るか、優勝に準ずるような“絶対的パフォーマンス”を見せて「2人目」枠に入ることを目指さなければ、代表は難しいことは解っていたハズです。実際それを目指したと思います。
 最後の体調面も、大輔のケガはソチに影響しないと医者にも確認を取っての決定とのこと。
 別段「言葉足らず」でも「物議を醸す」でも「救済」「逆転」でも、ましてや「あいまい」でもなんでもなく、公表済みの方法に則ったクリーンな決定だと思います。
 こづも応援してる選手ですので残念ですが、なにせ枠が3しかないので…


・女子
 次に女子を見てみます。
 同じように当てはめると、

1.1人目
 全日本選手権優勝者ですからアッコちゃんで決定です。

2.2人目
 ①全日本2位 = 佳菜子
 ②全日本3位 = 真央
 ③GPFの日本人表彰台最上位者 = 真央

 ③の条件、しかも優勝であることが評価され、真央となったと推察します。

3.3人目
 ①2人目の選考から漏れた選手 = 佳菜子
 ②ISUワールドランキング日本人上位3名 = 2位真央 4位アッコちゃん 11位佳菜子 (宮原さん22位)
 ③ISUシーズンベストスコアの日本人上位3名 = 1位真央 4位アッコちゃん 19位宮原さん (佳菜子22位)

 アッコちゃんと真央は対象外ですから佳菜子と宮原さんが候補となります。
 ここは佳菜子が「全日本2位」と「200点超えというパフォーマンス(シーズンベストが悪い点を払拭)」と「ワールドランキング」で、宮原さんを上回ったということでしょう。
 宮原さんがかなり点差をつけて佳菜子の上に行ってたら判らなかったかも、ですね。

 女子もスッキリ決まってますよね(佳菜子が頑張ったのが大きい)。


・雑感
 こうして見ると、全日本結果は、それを重視しているように見えて実は「一発逆転のチャンス」と理解した方が近いかも知れませんね。
 だって、GPF表彰台最上位者は2人目として選ばれる可能性高いですし、ISU戦績がいい選手は3人目で選ばれる可能性高いですから。GPFを含めたISU戦績がイマイチの選手は優勝狙うしかない、ってカンジです。

 また、「全日本出場を義務づけ」という点が疑問視されることもあるようですが、出場できないくらいのケガなどの状態だとするとソチには間に合わない可能性高いですよね。今回大輔は“びみょ~”な状態になっちゃった感ありますけど、まあそんなに問題ある規定でもないと思います。
 例えばISU戦績が十分な選手がパスしたりしないように(実際にはそんな選手いないと思いますが、あくまでもルールとして)ってことではないかと。「全日本結果も重視するぞ」ってことにしておかないと、逆に物議醸しちゃいますからね。
 あくまでも(非現実的な)シミュレーションとしてですが、今回もバンクーバーみたく1人目は「GPF表彰台最上位者は決定」であり、ゆづるんが欠場または振るわず表彰台を逃し順位が一つ繰り上がったとしましょう。するとまっちーが優勝で2人目、3人目は2位と3位から選出となってこづか織田っちのどちらかになります。
 物議醸しそうですよね(爆)。

 ちなみに、この選考方法の発表は13/06/19ですからシーズン開幕より充分に前と言っていいでしょう。結果が出てから異議を言うのはどうかと。少なくともグランプリシリーズ第1戦の前に言っとかないと説得力がないと思います。
 選手のコメントや関係者の表情がどうであれ、選考方法には関係ありません。当たり前ですが「選手本人があんな発言してたってことは…」みたいな視点も真実は本人しか知らないのですから憶測に過ぎず異議の論拠にはなりえません。ましてやマスコミの憶測報道や誰が最初に言ったか判らないようなコメントからさらに憶測するのは、趣味の世界と割り切った方がよいでしょう。
 選手の体調面その他の情報はJSFの方が我々より豊富に持っていると考える方が自然だと思います(まあ、いろんな思惑も豊富でしょうけれど…)。

 それから、世界選手権選考方法も同じドキュメントに記載があります。原則オリンピック代表と同じになりますね。これも6月から判っていたことです。JSFはこれに従って粛々と決めたということですね。

 なお、「オリンピック代表」としてのインタビューなどでの選手の並びは原則向かって左から「1人目」「2人目」「3人目」なのだと思います。代表発表順がそれを示しているのだと推察しています。一応ある種の序列にはなるかも知れませんが、選手の実力順といった決定的な意味はなく“出席簿順”のようなものでしょう。
 「メダリストの並び方」とは意味が違うと思います。


 あと…Resultに基づかず「高すぎ」「低すぎ」って言うのはどうかと(もちろん個人的感想を持つのは全く自由ですが、「おかしい」という感想を付ける場合は、という意味です)。
 また、たとえResultに対しての意見であっても、「現行ジャッジングシステムに基づくと当該演技に対する評価のここがおかしい」という意見と、「そもそも技の基礎点やGOEやPCSの規定がおかしい」という意見では観点が全く違いますよね。混ざらないようにしたいものです。
 「(普通の)ファンの感性と結果が違う! 採点方式がわかりにくい!」ということと「高すぎ低すぎ」は論点が異なると思います。

 また、全日本はナショナル大会ですからISU国際大会と同列に比較しない方がいいですよね。ジャッジは二人少ないですし、何より全員日本人関係者でいつも選手見てるワケですから、国際大会で多様な価値観持ってる多国籍ジャッジの評価よりいい点出やすくなる(特にいい演技には)のかも知れません。普通、どの国でもナショナルはいい点出ますもんね。

 GOEやPCSは所詮主観ですし(笑。その“主観”がどう醸成されたのかは別問題)。

 個人的には真央のSPは(3AがUR&現システムで採点しても)感覚的には75点超えだと思いましたけど。終わった時あまりにウツクシクて宅内スタオベではなくソファからずり落ちる方を選択しました。「すげぇぇぇ」とか唸りながら(笑)。
 TESで見ると3AはUR&GOE-1.00で5.0ですから認定基礎点8.5から3.5点失っています。ざっくりPCSを芸術性と見なすと、それってSPだと0.8倍になっちゃうので、「ウツクシサ」でぐいっと得点伸ばすのはムズカシイですね。
 たらればで言えば、GOEもらえる認定3A跳んでいればPCSの伸びもついてきたでしょうから凄い点出たろうと思います。

 「アッコちゃんはFSに3+3がないのに」って言う疑問もヘンテコだなぁと思います。3+3(か3A)やらないと低難度みたいな論がありますが、例えば3F+2T+2Loの基礎点は3T+3Tの8.2より高い8.4です。3+3なら高難度・高得点ってワケではないです(ちなみに3+3最高難度は3Lz+3Lo(*)の11.1。跳べ、アデリナ!)。そもそも、現在の採点システムには「高難度ジャンプ跳んだらボーナス」という概念はなく、単なる点数の積み上げでしかないですし。たぶん高難度とPCSのSSもあまり関係ないと思います。
 そもそもアッコちゃんが獲得した60.01というBaseValueはNo.1です。ちなみにGPFでの真央は61.76(ちなみに世界選手権2013のヨナは58.22)。アッコちゃんも充分高い技術点構成だと思います。

*:3A+3Lo除く(笑)。

 絶対的得点ではなく「3+3も跳んでない選手が全日本女王なんて相応しくない」と言うことだと、昨年の全日本の真央は3Aも3+3も跳ばずに優勝してますけど、これもダメ?

 ちなみに真央の必殺技になるハズの3A+2Tは9.8ですが、今回のFSはこれがほとんど0点です(シークェンス扱いの1A0.88からGOE-0.60で0.28)。1発目もURのGOE-2.40で3.6点しか取れてません。認定基礎点は8.5+9.8=18.3ですからその差は合計14.42です。3連続ジャンプが入らなかったなどのミスはそのままの単純計算でも126.49+14.42=140.91ですので、違和感ある点数ではないと思います。
 ああ、3A決まってくれ~


http://www.jsfresults.com/


■備忘録

 遥ちゃんの好演が嬉しかったな。
 宮原さんの“気合いの入った”FSも凄かった。
 雅ちゃんの3Aは凄く期待して見てたらいきなりしゅぱっと跳んでビックリ。
 アッコちゃんのFSは目頭が熱くなりました。
 真央はSP演技前からなんか今シーズンこれまでと雰囲気違いました。不調なのか闘志を制御できているのか? そしたらこれまで観たことない憂いのある「ノクターン」で感動したんですけど、後に佐藤コーチが語ったところによるとGPF後コンディション良くなったようですね。それでああいう演技になったのかな。


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