フィギュアのもろもろ

14/06/28初稿

 特定の話題だけの情報ではない件は、このページにまとめておこうかと思います。


■言葉の意味

・「恣意的」と「意図的」
 かくいう私も暫く前まで誤用していたのですが、「恣意的」とは、“論理的でなく、確たる意図なく、思いつきや気分で”という意味だそうです。「意図的」とは真逆ですね。
 一応意識しておこうと思っています。

・フリーの略称
 ショートの略は“SP”だけみたいですが、フリーの略し方はいくつかあるようですね。
 本Blogでは、テクニカルハンドブックに競技名として「ショート・プログラム」「フリー・スケーティング」とあることや、Resultスコア文書名がFS(例えば「wc2014_Ladies_FS_Scores.pdf」)であることなどことから「FreeSkating」の“FS”を使っています。

・ルール「改定」と「改訂」
 「改訂」や「改正」は正しく変更するという意味がありますので、ニュートラルな見方として「改定」を使っています。

・「ルール」と「ガイドライン」
 GOEの付け方などは実は厳格な決まり=「ルール」ではなくジャッジの裁量なので、「ガイドライン」と呼ばれているようです。一方、シニア女子FSのジャンプは7回まで、といった決まりは「ルール」と言えましょう。詳細はルール・ガイドラインについて考えた記事をご覧ください。
 本Blogでは両者は意識して使い分けたいと思っていますが、妥協して「ルール」とくくっているところもあります。難しいっす。

・「ジャッジ」と「ジャッジする」
 フィギュアにおける「ジャッジ」は演技審判のことですよね。テクニカルパネルは含まないと思います。
 が、「ジャッジする」はどうしても採点全体のことを指す動詞として使った方が自然だと感じています。
 採点方式自体の名称も「ISUジャッジングシステム」ですもんね。
 テクニカルパネルの“ジャッジ”はなるべく「技術判定」って記すようにしているのですが、正確に使い分けるのは難しいですね。

・「テクニカルパネル」
 技術審判3名は「テクニカルオフィシャル」と呼ばれるようですが、技術審判用の文書名が「テクニカルパネルハンドブック」であることやResultページに「Panel of Judges」とあることなどから、審判として機能する集団としては「テクニカルパネル」と呼ぶことにしています。「パネルディスカッション」「パネリスト」などの用法ですね。演技審判“団”も正確には「ジャッジパネル」みたいですし。
 そもそも、「テクニカルパネルハンドブック」の記述自体が、技術審判(団)を「テクニカルパネル」、演技審判を「ジャッジ」と呼んでますし。なんでジャッジにはパネルが付かないかというと、個々の判断を行う存在だからでしょうね。対して技術審判は3名でひとつの判断する存在ですから「パネル」とまとめられているのでしょう。

・「プロトコル」と「リザルト」と「スコア」
 普通に「protocol」を引くと「通信手順」とか「議定書」「外交儀礼」といった和訳が出てきて、「採点結果」という意味ではどうにも馴染めず使っていませんでした。
 先日、コトバンクの「スポーツ用語がわかる辞典」で「競技会の最終結果」という解説を見つけてやっと納得しました。「議定書」転じてそういう意味なのかなぁとは思ってましたので。
 つまり「プロトコル」とは、採点結果はもとより、開催日時やスケジュール、審判名などすべて記された「大会終了後に発行される結果まとめ」ということです。ちなみにラウンドテーブルディスカッションのスケジュールまで載ってます(*)。

*:例えば世界選手権2014の“PROTOCOL” http://www.isuresults.com/results/wc2014/wc2014_protocol.pdf
 文書のタイトルは「Protocol of the ISU World Figure Skating Chanmpionships 2014」です。pdfファイル名もそのまんまです。対して各競技ごとに終了後すぐ公開されるpdf名は例えば「wc2014_Ladies_SP_Scores.pdf」で、中身は文字通りスコアのみですね。

 ISUの現在のレギュレーション文書「SPECIAL REGULATIONS & TECHNICAL RULES 2012版(以下資料参照)」のP.24に「Rule 366 Protocol」という項目があり、そこに詳しく規定されているようです。
 それによると、どうもISU大会で必須とされている文書のようで、非ISU大会では存在しない可能性があるようです。例えばJSFのページには存在しません(*1)。つまり例えば「全日本選手権のプロトコル」はないようです。
 ISUのResultページ、世界選手権やGPシリーズなどには大会Protocol文書(へのリンク)がありますが、ソチにはありません(*2)。ISU公認大会ですがISU主催ではないからでしょうか。
 さらに、ISUのResultページにProtocol文書へのリンクがあるのは10-11シーズン以降のようです。存在はするのかも知れませんが所在は不明です。

*1:http://www.jsfresults.com/
*2:http://www.isuresults.com/results/owg2014/

 よって、ちょっと揚げ足取りのようになりますが、例えば「SPの採点結果を当日プロトコルで確認」することはできないハズです。
 やっぱり、採点結果という意味でも、ジャッジやテクニカルのメンバを確認するという意味でも、「Protocol」と呼ぶのは避けようと思っています。本Blogでは「誰が採点したかも合わせて採点結果を見る」という意味で、「Score」ではなくISUやJSFの大会結果資料ページタイトルにもなってる「Result」を使っています。こちらは大会中にも更新されてますので(決してそれが正しいという意味ではありません。個人的な趣味性のハナシです)。

 ところで、どうにも「スポーツ競技会結果」を「Protocol」と呼ぶのはなじみがありません。そこで同じく「採点競技」であるシンクロナイズドスイミングってどうなんだろうとweb検索してみたところ、結果を記す文書名はどうも単純に「Result」のようです。最終順位しか乗っていない文書は「Final Result」でした。以下一例です。

http://swim.seiko.co.jp/synchro/2013/01/jp/pdf/duet_fr_result.pdf

 体操でもProtocolという用例は見当たりませんでした。
 「スポーツ競技会の最終結果」という意味で使われている事例はフィギュア以外に発見できていません。
 そこで、レギュレーション文書をひもとくと、「4. A protocol must be signed by the Referee and the Technical Controller.」という規定があります。「サイン必須」というあたりが、いかにも“議定書”っぽいと思えます。
 そもそも「議定書」とは、「外交交渉・国際会議の議事録で関係国が署名したもの(出典:コトバンク 大辞林)」といった意味ですので、もしかしたら「各国の審判が協議して決めた結果に署名したもの」というイメージで古くから使われている歴史があるのかも知れません。


■回転不足に関するアレコレ

・いわゆる「プレロテ」でUR?
 「テクニカルパネルハンドブック13-14」のURとDGに関する記述を添付します。
13-14テクニカルガイドUR定義
13-14テクニアルガイドDG&ごまかし定義
出典:2013-14_TPHandbook_single_J_ver1.pdf

 これを見ると、“明かに後ろ向き踏み切り”の判断でUR判定が出ることはないのは明らかです。だったらDGになるハズですから。
 離氷時のデキに問題がある場合、現行採点法ではGOEで評価するものと理解しています(マイナスGOEガイドの「拙劣な踏み切り」かな?)。

 ちなみに、昨シーズン用のハンドブック12-13には、ごまかし踏み切り項の冒頭に「ジャンプの踏み切りでごまかした場合も同じ基準が適用される」という一文がありました。

12-13テクニアルガイドDG&ごまかし定義
出典:2012-13_TPHandbook_single_J_ver2.pdf

 「ダウングレード判定」について記している文章なのですから、普通に読めば「同じ基準」とは前項の「ダウングレード基準」を指しているとしか理解できません。が、その前の「アンダーローテ基準」との関係が若干微妙と言えば言えるかも知れません。
 曖昧になるだけで意味がないと気付いたのでしょう(笑)、13-14版で削除したようですね。
 この改訂からも踏み切りとURは無関係であることが解ります。

 なお、テイクオフ前に回っちゃうことは、本当は「プレロテ」とは呼ばないらしいですね。「チート」と呼ぶとのこと。確かにハンドブックではそう呼ばれています。
 まったくの余談ですが、「ごまかしジャンプ」「cheated jump」って呼び方って、もうちょっといい表現ないもんですかね。技術的に未熟であったり失敗したりと「ズル」は違うでしょう、ISUさん。

・どのジャンプをレビューしているのか
 本項14/04/02初出。
 ちなみに。
 私、「回転不足判定」について無意識に誤解してた気がするので記しておきます。
 ナントナク「全ジャンプを専用カメラ映像のリプレイでチェック」しているので素人の肉眼より正確なのかと思っていたのですが、田村明子著「銀盤の軌跡」P.186の「ジャンプの回転認定プロセスとは」項によると、テクニカルスペシャリストの判定に対してアシスタントがレビューかけない限りビデオ判定は行わないと読めます。レビューが多い場合は得点が出るまで時間がかかるという記述もありますし、考えてみればそもそもそんな時間ないですよね。

 また、J-SPORTSで岡部由起子さんがテクニカルスペシャリストのコールを再現していた(私は観ていないのですが13年11月の放送かな?)そうですが、それによるとスペシャリストが「レビュー」のコールをしているようです。
 だとすると「レビュー」はスペシャリスト自身が「見直したい」と判断した場合も含まれるようですね(番組ではアシスタント役も兼ねていたのかも知れませんが)。逆に言うと、スペシャリスト及びアシスタントどちらからもレビューかからなかった要素については、やはりビデオ判定はされないと理解してよさそうです。

 つまり、スペシャリストとアシスタントが同意見だった場合はビデオ判定はされないということです。
 たまたま生では二人が同じように感じちゃったけど、あとでビデオ見たら「あちゃ…」って判定もあり得るのでは。
 たまたま見つけられたり見逃されたり、結構“運”があるような気がします。

 ひとつのUR判定は3~4点下げることになり勝負を分けますから、野球というより、サッカーのオフサイド(によるノーゴール判定)やペナルティキック判定などと同種の感覚で捉えないといけないのかも知れません。
 ええ~ってカンジですけれど(苦笑)。

・レビューは何回までできるのか
 以下、世界選手権2014の真央採点について考察した時の感想です。
 選手に関係なく、なんでこれがUR? あれがURならなんでこれがOK? これでOKならなんであれがUR? っていう例が結構ありました。もはや「微妙な角度の問題」とは言えないのもあったと思います。
 今回の42ジャンプでは、なんだかトゥループとループは激甘に見えました。3A、3Lz、3Fあたりの難度の高いジャンプをガン見するのに手一杯?
 それから、転倒ジャンプの回転判定は解らないですねぇ。甘すぎ辛すぎが激しいように思います。転倒はあまりレビューかけないのかな?

 もしかして時短(*)のために「レビューは3回まで」とかって目安があったりして???

 転倒ジャンプやトゥループやループといった比較的難度が低いとされているジャンプにはモッタイナイので「レビュー権」使わず、リアルタイム目視判定で済ませているように見えました。
 ルール・ガイドラインについて考えた記事に記しましたが、審判団は「公式練習」で選手の状態や技をチェックしているようですので、そこで「厳しく見るアタリ」を付けている(レビューする候補を決めている)のかも知れません。

*:ISUは時短にご執心っぽいので。14-15年度から、コールされてから演技開始までが1分から30秒に短縮されたように。否決されたようですがシニア男子の演技時間短縮案も出てましたね。あまつさえSP廃止論もあったりして。

・回転(コマ数)不足?
 世界選手権2014の真央採点について考察した時、真央の3Aはおよそ40コマで3.5回転してました。「サンプリング定理」から、1/4回転を表現するにはその倍の解像度=1回転に8コマ以上が必要になります。ので、3.5x8=28コマ以上必要ということです。テレビフォーマットの30fpsで40コマということは、通常撮影ではなんとか足りてるけれど充分とは言えないのでは。男子のクワドなんてもっと回転速いでしょうし。
 15fpsの動画とかではアウトですし、30fpsでも決定的コマが撮れてない可能性があるのではないでしょうか。スロー再生しても元々撮れてない画は見られません(笑)。60fpsとかハイスピード(スーパースロー)撮影しないとダメでしょう。
 つまりテレビ放送映像では限界がある(*)ってことですが、ISUさん大丈夫かな。当然スーパースロー再生使ってますよね?(是非見たいですよね!)

*:撮影ごとにサンプリングタイミングが異なりますので、テレビ映像でも複数見ればそれなりの判断は可能かとは思いますが。

 なお、通常のテレビ放送はインターレース方式ですので、1枚の静止画(フレーム画像)を得るためにはODDとEVENのフィールド画像を合成する必要があります。ジャンプ中は当然猛スピードで動いていますので2枚のフィールド画像は違った画になります。よって、それを合成した静止画(コマ送り画像)はブレてしまいますが、合成の仕方は再生機器によって異なる可能性があります。
 また、あまり詳しく知らないのですが、機器やソフトによっては「フィールド単位」でコマ送りできるものもあるようです。走査線は半分しかありませんので補間しているのでしょうね。
 「着氷の瞬間」の静止画像は、同じ放送録画ソースでも、例えば「あるレコーダ」と「あるPC」では同じではない可能性がある、ということです。


■評価基準は男女で同じか異なるか

 レベル判定やGOEなどTESについてはハンドブックなどの文書があり、そこには男女別評価に触れた記載はありません。「女子はコレオにスパイラルを入れろ」といった“ルール”は男女で異なりますが、ルールが異なるからGOEの付け方も異なるとは言えないでしょう。
 一方、PCSに関するISUの公開資料(URLは以下資料参照)にも男女別に関する記述は一切ありません(私が行ったアヤシイ参考和訳はこちら)。

 つまり、「“男女別”であるという根拠はTESとPCSの採点方法を記した公開資料にはない」のが事実かと思います(別の公開文書になってるとはちょっと考えにくい)。もし男女別なら常識的に考えてGOE獲得項目数が異なっていたり「男女で演技時間が異なることを裁量せよ」といった記述が絶対あると思いますが、それらは見当たりません。

 まあ、回転不足判定と同じように非公開の何かがある可能性は高いでしょうけれど(苦)、内部事情を知らない我々にとっては、

「男女別に関して公開資料に記載がないことから判断すると、採点結果を比べる意味はあるハズ」

という考え方と

「演技内容と採点結果から判断すると、公開されていないが男女で違うハズ」

という考え方は、いいとこ“どっちもどっち”ではないかと思っています。

 そもそも、PCSについてはファイブコンポーネンツのうち「振り付け」や「音楽解釈」なんて男女別基準にしようがないですよね。「実行力」もかな。
 もし「スケーティングスキル」と「つなぎ」だけは男女別だと言うなら、なんて中途半端なことかと思います。


■エトセトラ

・審判の「主観」とは何か
 GOEは、「ガイドラインの項目いくつに該当するか」に基づき、どれに該当するかの判断、および、いくつ該当するからGOEレベルXである、という判断はジャッジの“裁量”に任されています。

 PCSは、「Explan(説明書)」に基づきジャッジが判断することになっていますが、実運用としては各選手について「整合」されたレベルからの±が“裁量”として許容されているのではないかと推察しています。

 技術判定は、「テクニカルパネルハンドブック(ルールブックではない)」に基づき、実運用としては詳細な判定要素に関する整合を経てテクニカルパネルの“裁量”に任されていると推察しています。

 当Blogでは、これら“裁量”を「審判の主観」と呼んでいます。つまり「フィギュアスケート演技に関する価値観」という意味での主観のことです。それを逸脱する主観(人として国としての好悪感情など)は含みません。含んではなりません。
 もし含んでいるならそれは不当採点です。

・ISUの「主観」とは何か
 さらに、「整合」は“ISUの価値観によって行われている”と言っていいでしょう。これはISUの「主観」だと思っています。
 いろいろ調べた結果、つまるところ、PCSやGOEにつきISUから「客観的な評価基準」は提示されていないからです。逆に、審判の判断は「裁量による」と明示されています。ベースとなる整合についても含め、誰が見てもそうなる、という基準はないのです。

・ISUジャッジングシステムによる採点の正当性を論じるということ
 客観的な基準がない事象の正否を論じても答えを出すのは不可能です。例えば、どんなにGOEが付いても、PCSが前例のない急上昇しても、何か起こっても「そんなことあり得ない」という証明はできません。
 もちろん、証明できないから正当であるということにもなりません。
 結果について「このように判断した」という公式な情報があればそれを検証することは出来るかも知れません。が、ご存じの通りそれに類する公開情報は全くありません。

・解説者の立場・メディアの中立性
 少なくとも日本の解説者やアナウンサー、関係者は「採点がおかしい」という趣旨の発言は絶対しないでしょう。採点システムの改善点という意味での指摘はあるかも知れませんが、ISUを信じない=不正があるという立場はとらない、と言うかとれないでしょうから。少なくとも表向きには。
 本音はさておき。
 逆に、解説者やアナウンサーが言ったからといってそれが真実とも限らないでしょう。特に海外メディアはいろんな思惑ありそうです。実際、北米では「採点に疑惑を言い立てること」「メディアが介入して圧力かけること」に違和感ないようですから。ソルトレイクのように。

 日本ではすべてのスポーツは“道”になってしまう傾向がありますが(選手だけでなく周辺やメディアもそのように扱う)、欧米、特に北米では「ショービズ」としての扱いが強いのでは。

・ジャッジパネルの匿名制は正当性にとって害悪か
 ジャッジパネルの匿名制は、少なくとも名目的には「メディアや所属連盟による圧力からの解放」を目的としているようです。が、ISU内には「ジャッジの能力向上のために」匿名制を廃止すべきという意見もあるようです。
 一方、一般ファンの多数意見としては「誰が何点付けたか判るようにしていかがわしい採点できないようにする」ために廃止、でしょうか。
 しかし、実名制にして「心置きなく不正な採点」できなくなったとしても、逆に「圧力を気にして日和る」可能性が出てきます。実際にどうかは別として、結局、実名制にしてもそういう疑惑は出てきちゃう(持てちゃう)のではないかと思っています。

・PCSに関するアレコレ
 web記事を読んでいると「SSを基準として他4項目は採点されている」的な記述を見ることがあります。しかし、そのようなISUの公式見解を私は見たことがありません。
 ネット検索で調べてみると、ファンが想定したそういう“仮説”はあるようですね。

・「浅田真央」というブランド
 当Blogではソチ記事をはじめ、「真央が満足ならいい」というような意味のことを記しています。
 誤解なきよう書き添えますが、これは「真央は信頼のブランド」だという事実を大前提にしている記述です。
 非常に単純化すると

  a.真央が満足・実際良い演技
  b.真央が満足・実際悪い演技
  c.真央が不満・実際良い演技
  d.真央が不満・実際悪い演技

のうち、「“bはあり得ない”という信頼感」のことです。「真央が満足」は「実際良い演技」と等価だと思っている、ということですね。
 なお、「実際良い演技」は「得点や順位や勝敗」に直接リンクしていないのが現実、とも思っています。

・休養宣言直後のテレビ出演を観てて改めて思ったこと
 やっぱりすんごくかわいくて美しいけど、真央の魅力は「飾らない」ことじゃなくて「飾れない」ことじゃないのかな。
 いつまでたってもテレビ慣れしてないみたいなところとか。
 高純度の鉄は錆びない、みたいな。
 真央は「お雛様」というより「五月人形」の方がイメージでしょ。テリー解ってないなぁ(笑)。そりゃ本人にそうは言えないでしょうけどね。

  ←「休養声明記者会見全文」だそうな。

・スピードがあればいいのか
 言うまでもないことですが、多くの難しいことを流れに乗って実行する時に、スピードがある方がいい評価されるワケです。スピードだけあればいいワケではありません。

・ノーミスならいいのか
 言うまでもないことですが、高難度の演技をノーミスで演じることが評価されるワケです。「パーフェクト」も同じです。

・アウェーとは何か
 フィギュアに限ったことではありませんが、「アウェーゆえの不利」とは決して妨害や嫌がらせを受けることではありません。観客の応援が全くなかったり(逆にヤジられたり)、移動や、食事や住環境や気候風土などのやむを得ない違いによるコンディション調整の難しさのことを言うハズです。
 ホスト国はそれら違いが極力発生しないように取りはからう義務があるハズです。というか常識でしょう。逆にホスト側に妨害されるなど、「アウェーの洗礼」というようなものでは断じてありません。


■資料

・ISUレギュレーション
 http://static.isu.org/media/79153/2012_constitution_and_general_regulations.pdf
 14/06/16現在。ISUのサイトは文書の置き場所などコロコロ変わっちゃうのでいつまであるか解りませんが。
 昔はこっちにあったみたい。
 http://www.isu.org/vsite/vfile/page/fileurl/0,11040,4844-206192-223415-177357-0-file,00.pdf

 これが13-14シーズンまでの「ルールの大本締め」のハズ。ちなみに、14/06/28現在、第55回Ordinary Congress(2年ごとの大きなルール改定が協議される)をDublinで開催中で、その結果をもって2014版が発行されるってことですね。


■ISUジャッジングシステム

 点数高すぎ低すぎを言う場合はざっとでも目を通すべきだと思います。

・ジャッジングシステム:TES

・ISU資料(JSFまとめページ)
 http://www.skatingjapan.or.jp/whatsnew/detail.php?id=1695

・ISU資料(ISU Q&Aページ)
 http://www.isu.org/en/single-and-pair-skating-and-ice-dance/isu-judging-system/single-and-pair-skating

・テクニカルパネルハンドブック12-13 (日本語)
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/2012-13_TPHandbook_single_J_ver2.pdf

・Communication No.1724(日本語)
 12-13シーズンに適用されるISU点数表。レベルやGOEの付け方記載もあり
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/comm1724J-3.pdf

・テクニカルパネルハンドブック13-14(日本語)
 http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2013-14hb_single_ver_1j.pdf

・Communication No.1790(日本語)
 13-14シーズンに適用されるNo.1724改定版。
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/comm1790J.pdf

・ISUジャッジングシステム:PCS
*両方ともずいぶん古いUSFSA(米国スケート連盟?)サイト版 (最初ISUサイトで発見できなかったので)

・OverView  *05/05/18付けバージョン
 http://www.usfsa.org/content/JS08-progcompoverview.pdf

・Explan  *04/07/31付けバージョン 
 http://www.usfsa.org/content/JS08A-Programcompexplan.pdf

 14/06/16時点で発見したISU正式版はこちら。

・OverView  *13/10/23付けバージョン
 http://static.isu.org/media/139116/program-components-overview-2014.pdf

・Explan  *04/07/31付けなので、USFSAの文書と同じバージョンのハズ
 http://static.isu.org/media/104183/program-component-explanations.pdf

・ISUジャッジングシステム:Deduction

・原文
 http://isuprod.blob.core.windows.net/media/104211/sandp-deductions-deductions-who-is-responsible.pdf

・日本語
 http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2012sp_whois_j.pdf


■13-14シーズンResult

・2013アメリカ
 http://www.isuresults.com/results/gpusa2013/

・2013カナダ
 http://www.isuresults.com/results/gpcan2013/

・2013中国
 http://www.isuresults.com/results/gpchn2013/

・2013日本
 http://www.isuresults.com/results/gpjpn2013/

・2013フランス
 http://www.isuresults.com/results/gpfra2013/

・2013ロシア
 http://www.isuresults.com/results/gprus2013/

・2013ファイナル
 http://www.isuresults.com/results/gpf1314/

・2014欧州
 http://www.isuresults.com/results/ec2014/

・2014四大陸
 http://www.isuresults.com/results/fc2014/

・2014世界選手権
 http://www.isuresults.com/results/wc2014/

*原則、年次を書き換えれば2012など他のシーズンのURLになる。ただし、GPFはたまに2011といった4桁表記になっていたりする模様
*Protocol文書もこのページからDLできる


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「フィギュア世界選手権2014」にTESメーターの意味を探る

14/06/07初稿

 14/05/24初稿のたまアリISUジャッジング記事がチマチマ追記で肥大化(苦笑)してきたのでまた分割しました。

 さて、EUROSPORTS系(?)の映像では今期から(のハズですよね)最終TESに至るまでのリアルタイム増減(CURRENT)が公開されています。
 通称“TESメーター”。“TESカウンター”とも?

 変化の意味に興味はあったのですが、「判定と表示変化にはタイムラグがあってズバリ点数変遷は解らないだろう」と思って放置してました(無粋ですし(苦笑))。何よりメンドクサイですしね。
 しかし、今回の世界選手権2014にて上記リンク先記事でいろいろ考えた流れで「やる気」出たので追っかけてみました。

 選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■得点確定プロセスをひもとく

 対象TESメーターはもちろんというか何というか、真央です。大好きですから(笑)。
 それはさておき、SPで歴代世界最高を出してますし、FSではTES変動がかなり大きかったですので、サンプルとしても適切だと思います。
 今回の検討で技術判定とGOEの付け方の実態がおおよそ解ったかなと思いますので、やってみてよかったです。結構ためになりました。

 ていうか、放送の表示見てるだけだとTES増減の絶対値だけしか解らないので誤解しそうですね、これ(苦笑)。

・「リーダー」は誰だ
 分析する前に見方についてひとつ。
 表示される「LEADER」とはその時点でのトップTESだと思っていたのですが、そうではなくPCS合計得点のリーダーのTESらしいですね。道理でTES更新してもLEADERの値が変わらないことがあるワケだ。
 念のため、今回のFSで確認してみました。
 まず、暫くはソヨンのTES64.09(PCS合計119.39でFS暫定1位)がLEADER値でした。
 ポリーナちゃん(合計126.91でFS暫定1位)でLEADER値が66.39に変わりました。彼女のTES値です。
 アシュリーが合計129.52でFS暫定1位になった時にアシュリーのTES63.64に変わりました(下がっている)。
 カロが126.59で総合暫定1位になったけどFS暫定1位はアシュリーのままだった時には、カロのTES53.81にはなりませんでした。
 よって、LEADER値とは、「SPとFS合わせた総合順位暫定トップ」ではなく「SPとFSそれぞれの暫定トップ」のTESということですね。

 あんまり意味ないような(苦笑)。「CURRENT」を「BaseValue」と「GOE」に分離して表示した方が有意義じゃないかナ。

・フリー
 まずはいろいろヤヤコシイFSから。
 原則として、「エレメンツ終了して数秒経過してから、次のエレメンツが終了する前までに変化した数字」がそのエレメンツのTESと判断しています。そして、その値から実行された要素のBaseValueを引いた値がGOEであるハズです。
 URは演技中にはコールされず、結果的にURになったジャンプもBaseValueは予定構成のまま入っている想定です。一方、ミスした2A+3Tは2AのBaseValueが入っていると見なさないと矛盾するのでそのように判断しました。
 スピン・ステップの予定は「当然レベル4獲るつもり」としており、レベル判定は演技中と演技後で変更なし、と想定しています。
 「GOEはどうなったか」で、演技後のGOE変更によって発生した「カレントGOEと最終GOEの差」を示しています。

世界選手権2014:真央FSのTESプロセス

*4:CCoSpと5:FCSpの間に33.39→33.31と2回変化している。タイムラグと考え、33.39は無視
*9:3Loと10:FCCoSpの間に58.82になっているが、これを3Loの得点とすると2.45しかないことになり不自然。一方、10:FCCoSpと11:StSqの間に63.15→67.22と2回変化している。これらから、58.82をタイムラグと判断して無視し、変化タイミングとエレメンツの関係を1段繰り上げ

 そして、演技後のTES修正は以下のように推移しました。

世界選手権2014:真央FSのTESプロセス演技後

 ここから読み取れたことを記していきます。ただし、タイムラグの修正などは私の判断ですので真実と異なる可能性もあります。ご承知置きください。
 もちろんISUの公式見解じゃないです、念のため。

・技術判定のコール
 最終的にURされたジャンプもカレント段階ではURされてない点数で積み上がっていると仮定して計算しましたが、問題ないようですね。でないとGOEがオーバーフローしますので。
 URはコールされていないことが確認できました。

 一方、3Tが消えた2A+3Tはカレント段階から2Aの点数であると仮定しましたが、それでOKのようです。どう見ても2A+3Tの得点じゃないですもんね。
 予定構成にならなかった明らかなミスはカレント段階からミス結果としてコールされた点数になることが確認できました。

 さて、エッジエラーはどうでしょう。
 J-SPORTSの番組「フィギュアスケートラボ 技術編」によると、エッジ判定もレビューかけることがあるようです。以下の理由から、確かに3Lzのエッジエラーのコールは演技後だったと推定されます。
 GOEガイドラインでは「e」が示された場合、「重度と判断したら-2か-3して必ずマイナス、不明確と判断したら-1か-2するが最終GOEはマイナスにしなくてもよい」です。3LzのカレントGOEは+0.93ついておりますので、カレント段階でeがコールされて重度と判定された可能性はありません。
 「不明確」の判断があったかどうかは明らかにできませんが、演技終了後の修正でマイナスに落ちてることからも、コールは演技後だったと考えていいと思います。

・技術判定以外のGOE修正
 まず基礎点データを記しておきます。後半は差分も1.1倍です。

 ・3A:8.5 URで6.0 その差2.5
 ・3F:5.3 URで3.7 その差1.6
 ・2Lo:1.8 URで1.3 その差0.5

 さて、TESは合計で11.52マイナスされています。このうち

 テクニカルによるB.V.ダウン ⇒ 3A<:-2.5 3F<:-1.6 3連(2Lo<:-0.55x2):-1.10 計:-5.20
 エラーコールを受けてジャッジが下げたGOE ⇒ 3A<:-1.86 3F<:-1.20 3Lz e:-1.23 3連:-1.52 計:-5.81
 合計:-11.01

 残り-0.51はテクニカルパネル(技術審判団)のコールと関係なくジャッジ(演技審判)が独自に演技終了後に増減させた結果ということです。スピン&ステップ&コレオ、エラー判定のなかったジャンプのGOEを変更したということになります。実際上記FSプロセス表を見れば一目瞭然ですね。
 以下SPの例をみても、最後の修正No.4→5でスピンのGOEをかなり増やしているようです。エラーがないのにジャンプのGOEも変動してますしね。

 つまり「ジャッジ(演技審判)は演技終了後にテクニカルのエラーコールによる修正以外にもGOEをいじっている」のです。

 スピンやステップはすべてレベル4なので、演技終了後にレベルが「上がった可能性はあっても下がった可能性はない」ですから、CCoSpのGOEが下がる理由は私にはワカリマセン。ていうかレベルとGOE採点ガイドラインはリンクしてないハズですよね。
 ChSqも下がってるようですが、そもそもコレオはレベル固定ですからレベル判定が原因である可能性はありません(ちなみにステップだけは同じGOE値でもレベルによってGOE点が異なる)。
 はて。

 例えばジャンプのURコールがあるとコレオのGOEにも影響することがあるのでしょうか?
 しかし、以下のように「テクニカルのエラーコールに引きずられた可能性はない事例」がありますので、それもないでしょう。
 3AのURがコールされると一気に2.5点以上の減点が発生しますので、それはNo.4→5の変化点しかあり得ないハズです。そして続くNo.5→8が3AのURコールを受けたGOE減点と考えてよいと思います。そして3Aは最初のテクニカルエレメンツです。つまり、No.1→4の変動は「テクニカルコールと無関係にジャッジが独自判断したもの」としか考えられません。
 「実は3FのURコールが3Aより前のここに入っていてそのGOE減点が始まっている」といった可能性はまずないでしょうから。

 終了後に何を何故修正しているのでしょう? TES増減を公開してもその中身が解らないんじゃ不審のネタを増やしてるだけのような気が(苦笑)。公開するならそこまでして欲しいですよねぇ。
 しかし、演技終了後「やっぱりあのスピンは+2じゃなくて+1だったかな」なんて修正判断できるとは、エレメンツの出来をよく覚えていられるなと思います。まさか会場内のビデオ映像見て、なんてことはないでしょうし(全エレメンツリプレイしてるワケじゃないですもんね)。PCSも判断しているハズですから、その過程で何か思い当たっちゃうことでもあるのでしょうか?

 ただ、誤解なきよう改めて念のため記しますが、真央FSにおけるTES大量減少の95.6%分は上記の通りテクニカルパネルの技術判定による基礎点変更とそれに伴うGOE修正(ガイドラインに基づく)によるものです。

・URやDGとGOE
 演技中はジャッジに示さないことになってますが、演技終了後のコールによって「必ずマイナス」とか「-1か-2」といったガイドに基づいてGOEは修正されています。結局「二重減点」ですよねぇ。
 GOEガイド13-14版から、ジャンプ技術判定とGOEに関する記述を含む部分を抜粋付記しておきます。
GOEマイナスガイド
出典:comm1790j.pdf P.14

 ご参考まで。

・eとGOE
 上記の通り、エッジ判定についてもレビューはあるようです。よって、演技後にGOE修正されることがあるのですね。
 ところで、URやDG判定はレビューの有無と関係なく演技中にはジャッジに知らされないことになっていますが、レビュー不要でエッジエラーの有無が判断された場合はリアルタイムでジャッジに知らされることがあるのかどうかは不勉強でよく判っていません。

・ショート
 クリーンなSPのプロセスも見てみます。
世界選手権2014:真央SPのTESプロセス

*1:3Aと2:3Fの間に10.30→10.21と変化しているので、3Aの結果は後者と推定、タイムラグとして前者を無視
*5:3Lo+2Loと6:StSpの間に33.80→33.73と2回変化している。確定結果と等しいので3Lo+2Loの結果は後者と推定、タイムラグとして前者を無視

世界選手権2014:真央SPのTESプロセス演技後

・GOEは技術判定次第
 FSでは技術判定でエラーが出たエレメンツ以外もチマチマと削られたようですが、SPでは逆に演技後にGOE上がっています。
 してみると、技術判定でエラーがあるとGOEをマイナスせざるを得ないだけでなく、さらに総合的な印象(?)にも影響してトータルで伸び悩むということでしょうか?

 「流れのあるキレイなジャンプでジャッジもカレントではGOEたくさん付けたけど、演技後URがコールされて基礎点は下がるはGOEはごっそり減るわ」

だと、観客の印象と得点が乖離しちゃうワケですね。実は不本意なジャッジもいるかも知れません。
 逆に

 「難度は低めだけどURやエラー判定なくすべてクリーンに決めてプラスGOEだけが付いた」

ような場合は、観客が感じたインパクトのワリには得点出ることもあるでしょう。

 改めて、得点はテクニカルパネル次第だなぁと。
 例えば、真央FSでもし3Aが認定されていてGOEがカレントのままだったら4.36アップして142.39。3Tを失っていながらソチFSに匹敵する得点を得ていたことになります。

 そういう意味では、FSトップでやや話題のソヨンのGOEですが、エラー判定がなかったことからプラスのGOEだけが活きたということで、特に不審なところはないのでは。マイナスがなくプラスの積み上げだけであることを考えると7.49って絶対値も劇的に高いワケじゃありませんし。確かに現地で得点見た時は「へぇ、こんなに出るんだ」という印象でしたが、そういうルール・ガイドラインということなのですよね。
 やっぱり技術判定次第ってことなのですが、それ自体の正当性はどうなのかって言われたら素人にはワカリマセンけれど。現地で観た印象では回転・エッジともクリーンでしたが。


■TESメーターに意図的点数操作の“痕跡”を探る

 ネット上には、真央サゲ、反対に真央アゲがあったという意見も見かけます。個人的にはそうは見えなかったのですが、どうしても気になっちゃいます。気持ちよく納得したいです。
 そこで、自分なりに納得するため、上記検討で採点プロセスについての知見が増えたことを利用し、「動機」を仮定して考えてみました。
 対象は今大会だけ、ですけれど。

・SPをアゲて歴代最高を獲らせた?
 演技終了後のGOE操作の最後で0.30アップしています。今回、それまでの記録を0.16上回ったワケですから、この最後のアップがなければ世界歴代記録更新は成っていません。ISUがコンマいくつ単位で意図的に点数操作していると仮定するなら、真央に「歴代最高を獲らせた」ように見えます。
 つまりアゲられたとなりますが、コンマいくつの上乗せなんて、やるなら変遷を公開しちゃってるTESじゃなくてPCSでやるのが自然でしょう(PCSは大して高くなかったですから怪しまれずに盛る余地はあったハズ)。そもそもジャッジング記事の通り妥当な得点でしたし、続くFSではBaseValueを容赦なく削られGOEも連動して下がっていることからも、アゲがあったとは思えません。
 「それはFSでは世界最高を獲らせないため」という見方もあるかも知れませんが、SPでは獲らせてFSでは獲らせないっていう意図の想定は中途半端でちょっと厳しいと思います。

・FSはサゲて歴代最高を獲らせなかった?
 そもそも上述の通り不自然な想定だと思いますが、技術判定やGOEでそのための操作を“する必要があったか”見てみます。
 8Tripleを神演技した場合の想定得点は元旦にソチ構成を考えた記事で約151点ほどだと考えました。PCSやGOEの想定は現実的なセンだと思っていますが、もっと出てもいいと考えても155点くらいが限界でしょう。
 実際には2A+3Tをミスして単独2A(ステップアウト)になってしまいました。3T消滅だけでも4.51の基礎点が消えますしGOEもコンボじゃなくてソロの2Aが対象になり、さらに2Aのデキとして減りますので、少なくとも6点くらいは神演技得点より(誰にも怪しまれず)減る計算です。

 よって、別段操作しなくても世界最高得点を更新することはなかったと推定されます。つまり、ことさら「世界最高を更新させないためにURしたりGOEを下げたりする必要(理由)はない」ということです。
 実際、テクニカルコールが入る前のカレント状態では、3Tが消える前の「サゲなきゃ」という意識があったことになる3A、3F+3Lo、3Lzに結構いいGOE付けてますから、少なくともジャッジにはそういう意図は見えません。そしてその状態で積み上がったTESそのままだったとしても、トータルは149.55でした。届いていません。
 72.76を得たPCSが「サゲられた結果」という想定は私にはちょっとできません。

・8Triple完遂を阻止したかった?
 TESメーターを見るまでもなく、3Tが入らなかったのですから阻止するもなにもないです。

・FSはサゲて優勝させないようにした?
 優勝者を操作しようとした可能性はどうでしょう。
 FS最終グループ滑走順はカロ、アッコちゃん、真央、リプちん、ゴリさん、GGでした。このうち、もし「真央をサゲて優勝させよう」という意図があったとしたらその対象は74.54でSP3位のリプちんでしょう。カロは真央が滑る前に轟沈してますし、SP70.31のGGや66.26のゴリさんではちょっと苦しいですから(そもそも意図があったならSPでもっと盛ってるハズ)。

 しかし、そういう意図があったとするなら、真央をもっとサゲとかないとSPでの4.12差を逆転するのは難しいと思います。具体的には、真央のFSに138.03出しているのですから、リプちんはあのソチ団体戦FSの141.51を上回る142.15を出さないと勝てない状況を作ったことになります。いわゆる「ホームアドバンテージ」ナシで、です。
 黒い意図があったとするならやはり真央サゲが足りないでしょう。特に一番“便利”なPCSを絞らないどころか上げているのは解せません。

・リプちんをアゲて優勝させようとした?
 合わせて、リプちんはアゲられているのかを見ておきます。
 リプちんはいい演技して132.96をマークしましたが、3Lzふたつともエッジエラーを食らい、たまアリISUジャッジング記事の通りPCSもソチより下がっています。3Sで転倒したとはいえGOEも6.66止まりですし、ここに優勝させるためのアゲは感じられません。
 「いや、3Sのミスが出たから演技中にアゲを諦めたのであり、リプちんが“あわよくば”(見た目)ノーミス演技した場合はアゲようと狙っていた」ということはあるでしょうか。
 リプちんFSのTESカレント変遷を見てみましょう。

世界選手権2014:リプFSのTESプロセス

*ソチと構成変わっている。J-SPORTSの女子FS公式練習によると、2番エレメンツに2A+3T+2T、6番に2A+2Tを入れる予定だった模様。2本目の3Tの使いどころを逆にしているということ。表では、演技中に変更した通りということで「予定」は「結果」と同じとした
*3Sで逆にGOEが上がっているのは、演技中は「GOE-3の3S」として積み上がっていたものが演技後DGコールされ「GOE-3の2S」となったから。2Sの基礎点は1.3(今回は後半なので1.43)、GOE値-3は-0.6点。ちなみに3SのGOE値-3は-2.1点なのでツジツマは合っている。どちらもGOE値がマイナスマックスの-3なのは転倒のマイナスガイドラインによる

 “あわよくば”という意図があったとするなら、3S転倒という明らかなミスして“操作を断念する”以前のエレメンツにはカレント段階ではどっさりGOE盛っているハズだと思いますが、どうでしょう?
 人それぞれでしょうけれど、私にはそのようには見えません。例えば、意図があるなら冒頭の3Lz+3Tなんてエラー見逃し前提でGOE付けると思いますが、実際には0.90にとどまっています(ちなみにソチ団体戦では1.40。エッジエラーなし)。

 まあ、そもそも真央にSPで歴代最高を出しちゃったのですから、「FSだけで調整して優勝者を操作しようとした」とは考えにくいです。


 以上、
 「SP世界最高更新」
 「FS歴代最高更新阻止(自動的に総合最高も含む)」
 「8Triple阻止」
 「優勝者操作」
という動機に限れば、意図的で露骨なアゲサゲはその対象になるであろう選手誰にもないように思います。

 「3A認定はSPとFS合わせて1回まで」
 「反逆児真央への嫌がらせ」
 「敢えてサゲにしては不自然にして隠蔽している」
 「“うっかり”SPで歴代最高獲らせちゃったので、FSでは獲らせない気満々だった。総合得点も歴代最高になっちゃうし、それは許されない」
 「SPとFS、かたっぽだけ世界最高獲らせてファンのご機嫌とった」
といった動機では考えないことにします。キリないですから(笑)。

 もちろん今大会に限ったハナシですし、そもそも個人的見解ですし、UR判定やGOEなどが妥当かどうか(ISUが健全かどうか)とは全く関係ないハナシです。また、本稿に登場する選手みなさんに対して何も思うところはありません。念のため。


 いろいろ記しましたが、何か間違いありましたら申し訳ありません。


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「フィギュア世界選手権2014」をISUはどうジャッジしたか

14/05/24初稿

 14/04/20に初稿を上げた世界選手権観戦記事にチマチマと追記してた内容がずいぶん大量になってしまいました。
 ので、上記記事を選手と観客についての「演技・応援」編とし、ISUについては「採点」編としてこちらに分離しました。
 「女子シングル」だけしか取り上げていないので、ちょっとタイトルには語弊あるかも知れませんね(笑)。
 なお、タイトルの「ジャッジ」はもちろん採点行為のことで「演技審判」のことではありません。

 念のためですが、本稿に登場する選手みなさんに対して何も思うところはありません。みんな好きですし。真央は大好きですけど(笑)。

 浅田真央選手、カロリーナ・コストナー選手、ユリア・リプニツカヤ選手をはじめ、選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■たまアリに「ホームアドバンテージ」はあったか

 ソチ以降話題の本件、無粋ですけどちょっと書いてみます。
 ルール・ガイドラインについて考えた記事を前提として。

・ショート
 「日本人選手の高得点」という意味で、真央のSPをみてみます。“それ”がないハズのGPアメリカ大会2013のSPと比較してみましょう。
 アメリカでは、3Aが認定されていることをはじめスピンステップも取りこぼしなしの演技で73.18を得てます。今回78.66を獲得したワケですが、その差はホームアドバンテージなんて考える必要なく納得できるものです。
 例えば3AのGOEだけみても、GPアメリカでの-1.43が+1.86になっています。これだけで3.29アップ。あの3AですからGOEはホームアドバンテージとか関係なく妥当でしょう。
 PCSは34.33→35.85で1.52アップ。あの演技内容なら全く妥当だと思います。アメリカはシリーズ初戦ですしね。ていうかファンとしてはもっと出てもいいと思うくらい(笑)。だってSP2位のカロは37.46ですから。
 73.18にこのふたつを足すだけで77.99。その他エレメンツの出来も素晴らしかったですからさらに0.67上がって78
.66になっても何の不思議もない。
 ええと、ホームアドバンテージってどこにあるんでしたっけ?

・フリー
 さて、FSもやはり「日本人として優勝」ということで真央の例を見てみます。敢えて「ホームアドバンテージ」「最終グループボーナス」の可能性が“両方無いソチFS”と比較してみましょう。今回は逆に“両方あり得る”ワケですね。
 言うまでもなく両方とも素晴らしい演技でしたので、ホームアドバンテージが定常的にあるなら、今回はドバドバ盛られているハズです。
 「ドバドバ」のイメージとして、ソチ金メダリスト・アデリナのGPF2013(福岡:非ホーム)とソチでのSPを比較しておきます。共に2位と好演していますね(間に入ってるユーロ2014は“準ホーム”と見なしてカットです(笑))。
 SPで見ているのは「メダル争いのプレッシャーに耐えたご褒美(FS最終グループボーナス)」はないハズだからです。

  TES:37.53 → 39.09
  GOE: 7.10 → 8.66
  PCS:30.85 → 35.55  0.8倍する前の素のPCS:38.56 → 44.43 115.2%

 PCSには確かに“ホームアドバンテージ”感じますね。もちろん100%実際に上達した分かも知れません。が、真実は解りませんので、あくまでも「ありそうに感じるか」という意味です(上記リンク先記事に記した通り、関係者も「ある。程度問題」って前提でハナシしてるみたいですし)。

 ということで、これを参考にすると真央のFS(ソチVS世戦)はドバドバしてるように感じるでしょうか?

  TES:73.03 → 65.27
  GOE: 6.69 → 5.82
  PCS:69.68 → 72.76  1.6倍する前の素のPCS:43.55 → 45.47 104.4%

 …感じないです(苦笑)。念のためですがTES的デキとPCSはダイレクトに連動しないことになっているハズですよね。
 真央のPCSはソチより3点上がっていますが、ホームアドバンテージで出過ぎだなんてことは全くなく、「やっとマトモな点が出た」だけでしょう(ソチFSは少なくとも2点は低いと感じてましたので)。
 以下「FS変遷表」でもイメージできると思いますが、玄人もこぞって「ソチでは抑えられた」と言ってますから、「今回は抑えられなかった」だけだと思います。

 なお、TESではかなり厳しく(*)UR取られましたよね。真央だけでなくアッコちゃんも佳菜子も。あれが「ホームアドバンテージで甘かった」と言う人はいないんじゃないでしょうか。

*:http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/figureskate/all/1314/columndtl/201403300003-spnavi

 ということで、たまアリでは日本に「採点上の」ホームアドバンテージはなかったと思います。
 ていうか、本来あっちゃダメなんだからそれが正しいんですけど。
 ソチの時は「あったでしょ。でも許容範囲内じゃない? たまアリでもあるだろうし」というご意見もあったようですけれど。

 地元日本で大好物のあったかいご飯食べ放題だったから調子良かった、というような「コンディション面」ではもちろん色々あるでしょう。けど、それは当たり前のことですしどうしようもないですよね。


 以下オマケ。FS変遷シーズン完結編です。
13-14シーズン変遷(世戦まで)

*:念のためですが、Deductionは無視していますのでTESとPCSを合計しても得点にならない場合があります。
  TESとその内訳としてのB.V.とGOEは、演技のデキの参考情報として付けています。
  以下の表も同じ。

 PCS、真央が3点上がってリプちんがやや下がりアデリナがパスした(*)ことで、“最低限”帳尻が合ったところで今シーズンはオシマイ、しゃんしゃん感満載(爆)。
 リプちんはソチよりよかったと思いましたけどPCS下がっちゃった。一方ゴリさんは急上昇。確かにGPシリーズと比べると格段に上手くなったと思いましたが、「継続的にいい演技しないと上がらない」とかなんとか言われることもありますよね。PCSってやっぱ不思議だナ~

*:確かソチ直後には絶対出るって言ってくれてたと思うので(当初補欠という不可思議なエントリーでしたよね)、欠場は残念でした。


■真央は「抑えられた」のか

 上記の通り「アゲられた」とは思えませんが、逆に「サゲられた」ということはあるのでしょうか。

 真央は魅力的すぎます。演技も本人も。もちろんファンにとっては、ですが(笑)。
 ので、採点結果を見る時など、どうしてもファンの想いが強くなってしまうところがあるなぁと思います。でも、ISUのジャッジングは真央ファン目線で行ってるワケではありませんよね。加えてISUジャッジングシステムでは「たぶんウツクシサや感動は点にならない」ところが違和感に輪をかけてるような。
 ネット上では「アゲ」とか「サゲ」についていろいろ言われており、ワケワカラナクなることがあります。
 つい感情的に思い込んでしまいそうになることもあるのですが、ポジティブ面もネガティブ面もネット情報には“ファンの想いフィルタ”や“アンチフィルタ”がかかっている部分があると思いますので、以下「サゲ」について「自分なりに納得するため自分なりに」考えてみました(「アゲ」については前述した内容でいいでしょう)。
 これも無粋ですけど、モンモンしたり悲しくなるのヤですもん。

 なお、「ISUの採点」と、いわゆるマスコミやネット上の印象操作による「点数以外のアゲ・サゲ」は、一緒くたに考えない方がよいと思っています。

 まず、採点内容は以下の4種類に分解できる(今回はDeductionは無視します)かと思いますので、それぞれについて見てみます。

 テクニカルパネル(技術審判団)のお仕事
   ・ジャンプの技術判定(URとかDGとかeとかの判断)
   ・スピン・ステップの技術判定(レベル判断)
 ジャッジパネル(演技審判団)のお仕事
   ・GOE
   ・PCS

・ショート
 SPは世界歴代最高得点、シーズンベストを4点近く更新、もちろん真央パーソナルベストなワケですが「もっと出てもいいのでは」というご感想もあるようですね。

 ジャンプの技術判定エラーなし
 スピン・ステップの技術判定オールレベル4
 GOE:8.12  (トップはカロの8.65)
 PCS:35.85 (トップはカロの37.46)

 う~ん、強いて言うなら「GOEとPCSはカロと同じくらい出るべきだ」ってカンジでしょうか。つまりあと0.53+1.61=2.14くらい足りない?
 私はSPの得点見た時、どうせGOEはあんまり出てないだろうから遂にPCSをカロ並に出したのかと思ったのですが、実際にはどちらかと言うとGOEがよく出ての78.66でした。GOEもPCSもカロに届いてないワケですが、演技・応援編に記した通り生で観た感想としてそれは納得できました。
 誤解なきよう申し添えますが、「私が真央より上だ」と思ったという意味ではありません。「ISUがそう採点することもあり得るデキだ」と思ったという意味です。逆に真央の方がGOE・PCS出ても納得しますし。

 ということで上記メンバでSP編も作って俯瞰してみましたが、個人的には本SP、(ソチFSなどとは違って(苦笑))少なくとも「明らかに低い」という数字ではないのでは、と思っています。

13-14シーズン変遷(世戦まで)SP編

 まぁ、真央ファンとして正直なところでは、「カロのPCSに37点台出すなら真央は36点台に乗せてくれたっていいじゃんか」とか思ったりしますけど(笑)。といっても主観領域のコンマ数点の世界ですから是非は言えないですね。

・フリー
 PCSはいい点出てると思います。
 スピン・ステップの技術判定もすべてレベル4です。
 GOEも、実はジャッジ(演技審判)はいい点出してたと推察しています。
 TESメーターを読み解いた結果、“URやeのコールに関係なくジャッジが付けた時点”では12.14まで積み上がっていたようだからです。2A+3Tを失敗してこの数字ですので、ジャッジの評価に「サゲ」があったとは思えません。

 よって、意図的なサゲがあったとしたらテクニカルパネル(技術審判団)による「ジャンプの技術判定」に絞っていいでしょう(最終GOEはそれ次第で大きく変動しちゃいます)。

 では、「ジャンプの技術判定」の妥当性につき、少なくとも自分が納得するにはどうしたらいいでしょう?
 考えた結果、「最終グループ6選手の全42ジャンプを自分で“判定”」してみることにしました。
 ソースはJ-SPORTSの演技画像のみ(採点待ちのリプレイなどは全ジャンプないので不公平にならないように)。BDレコーダのHDD上のソースを50inchTVでコマ送り再生。もちろんHD画質。演技放送映像なので30コマ/秒(fps)ですね。
 予断状態としては、幸い(笑)真央以外の技術判定結果はほぼ覚えていませんでした。

 当然Resultとの差違がありましたが、他の5選手の差違を踏まえて真央FSをみてみると…

 まずエッジ。3Lzでエラー食らってますが、他選手の例と比べてもまあこれは仕方ないと思いました。潔くインエッジテイクオフですね(苦笑)。
 他の選手でも「フラット気味だよな~」と思う例はありましたが、「絶対eでしょ」「絶対eじゃないでしょ」と言い切れるものはありませんでした。

 次にUR判定。3A<、3F<+3Lo、3F+2Lo<+2Lo<と4つのジャンプでもらってますね。
 3Aはギリギリでしょうか。他のジャンプ(真央のも含め)に比べて厳しいとは感じましたが、逆に「絶対足りてる」とも言えないと思いました。「トゥが着いた時点では1/4以上、エッジが着いた時点では1/4未満」ってカンジでしょうか。もちろん真央ファンとしては「あれがOKならなんでこれがUR?」などとも思いますが、3Aは「唯一無二」なので他選手と比較はできませんからねぇ。
 非常に違和感あったのは3F+3Lo。どう見ても3FはURに見えませんでした。でも、逆に3Loが危ないです。これ、逆じゃないのかなぁ? この判定はまるで解せないです。
 他にも、ヤバく見えましたが刺さってない例もあり、つまり真央のジャンプ判定だけ見ても甘いのと辛いのが混在してると思いました。

 真央以外の選手についても、個々のジャンプに甘辛は感じましたが、「この選手だけ絶対全部厳しめ!」「絶対全部甘め!」って断言できる例はなかったです。
 「刺された」ことの妥当性だけじゃなくて「刺されなかった」妥当性も見ないとダメですよね。

 ということで、ジャンプの技術判定においても、明らかな意図は浮かび上がってきませんでした。

*:余談ですが、上記個人的UR(DG)判定における回転不足0度のラインは「ジャンプの進行方向ベクトル」をイメージしています(離氷状態は考慮していません)。助走ラインからジャンプを挟んで着氷してからの流れは、物体として前に進む運動エネルギーベクトル上にあり、その慣性力には逆らえないので、ブレード方向がベクトル方向に足りない状態で着氷すると必然的にグリってしまうのではないかと思っています。


 以上、「PCS」「GOE」「スピン・ステップの技術判定」、「ジャンプの技術判定」それぞれにおいて、「真央を可能な限り抑える」という意図は感じませんでした。個人的には、です。

・なんちゃってテクニカルパネルの限界
 選手に対する意図は感じませんでしたが、“3AがURであることを基準にすると”「甘いんじゃないの?」と思ったジャンプ(真央の3A以外も含めて)は結構ありましたし、逆に言うと3Aは格別に厳しいとは思いました。つまり「真央を抑えている」とは思いませんでしたが「3Aに厳しい」とは感じました。正直、正直なところ。
 もちろん自分が判定した結果の方が正しいという意味ではありません。あくまでも自分が納得するためですからそれでもいいんです(笑)。

 「3Aに厳しい=真央だけに厳しいってことぢゃん」と言われたらまあ事実上そうでもありますが…(苦笑)

 素人の限界感じますね(笑)。やっぱりもう少し情報出して欲しいです。素人だって“納得したい”ですもん。例えば上記3F+3Loなんて、是非、テクニカルパネルが判断に使った映像で解説して欲しいです。「3Aの厳しさを基準にするなら絶対URに見えるのに刺さってない例」などもお願いしたいですね。
 でないと「見つける見つけないは運なんじゃないの?」とか「目を付けてるジャンプだけガン見してるんぢゃないの?」とか思っちゃいますよISUさん。


 念のためですが、本項、今大会に限ってのお話です。特にPCSなんかはソチ(とユーロ)あたりの数字とダイレクトに比べない方がいいと思います。
 比べちゃうと「たまアリの真央低すぎ」と感じるかもしれませんが、それは「サゲられた」のではなく「アゲられてない」だけだと思いますよっ!(笑)


 「TESメーター」編に続く。


■余談

・大会Result
 http://www.isuresults.com/results/wc2014/

・相変わらず演技中にも関わらずスマホやってる人が前席に。他の人への迷惑を考えて欲しいです。そもそも電源切れって言ってるのに。「スマホは携帯電話じゃない」なんて詭弁はナシですよ。

・首相にハグされる真央
 04/25、真央が安倍総理にハグされた衝撃映像(笑)。大体17分くらいから。
 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg9737.html

・中央日報14/03/28
 相変わらず証拠もないのに「甘い採点」などと報道するメジャー一般紙(スポーツ新聞やゴシップ紙などではないという意味)。
 http://japanese.joins.com/article/459/183459.html?servcode=600§code=600&cloc=jp|article|related


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真央V3おめ!たまアリに満ち充つる愛

14/04/20初稿

 真央3度目の世界女王おめでとう! 過去30年ではクワンの5回、ビットの4回に次ぐ記録のようです。

 フィギュアスケート世界選手権2014、幸いにも女子SPとFSとEXをさいたまスーパーアリーナで現地観戦することができました。なかなかに素晴らしい体験でしたので、現場で感じたことを書き留めておこうかと(断片的な映像は観ましたが大会としてのテレビ放送は観ていない状態で)。

 浅田真央選手、カロリーナ・コストナー選手、ユリア・リプニツカヤ選手をはじめ、選手みなさまには敬称略で失礼いたします。


■演技

・ショート
 「ソチの雪辱をと、真央の想いも強かろう」とみんな思っていて、今大会のショートには独特の期待感(+緊張感)があった気がします。
 そういう気持ちをたっぷり昂ぶらせることができた製氷時間の直後ということもあり、ウォームアップが始まった途端に会場のボルテージは一気に最高潮。待ちに待った時が遂に来た! 来てしまった! とばかりに仕舞っておいた感情を瞬間的に全解放。ちょっとでも真央の力になりたいと必死に拍手、心の中では「神様…真央が満足する演技させてあげて~」がローテーション。心臓バクバク。
 真央はグループ1番滑走でしたから、会場はものすごい高揚感に包まれたまま演技へなだれ込みました。


 完璧な真央の演技の、なんと美しいこと。


 感極まりましたけど泣きませんでした。目頭は熱くなりましたし、無意識のうちに「まおー!!」って叫んじゃいましたけど(初めての“声援”でした)。
 ただただ素晴らしく、ただただ満足という感情。本当に“愛あふれる”満ち足りた2分50秒でした。
 会場18,000人(*)の雰囲気も、真央愛で密密しながらも整然としていて素晴らしかったです。現場で「真央祭り」に参加できた至福の時でした。花束やプレゼント投げ入れの人の移動は魚の群れのよう。
 降り注ぐ花も歓声も拍手もいつまでもやまない、夢のような光景でした。

*:もちろん全観客が真央ファンだとは思っていません。ノリで18,000人って書いてます、お許しを。ちなみに以下「日刊スポーツグラフ」によると03/27の入場者数は17,338人だそうです。

  ←こちら見た通りゆづるんメインですけど、真央も日刊スポーツ当時の記事を振り返るカンジの世界選手権07~13を合わせて16ページ分あります。

 採点待ちの間も途切れることなく続いたシルキーな拍手がすうっと静まってコールされた得点は世界歴代最高更新。なんてキモチイイんでしょう。
 実は会場内では気づいていませんでした。事前にそういうこと考えもしなかったですし。ただ真央のいい演技が観たいだけで、たぶん点数にはあまり興味なかったからだと思います。
 思い返すにバンクーバー直後、「ヨナが引退しても記録は残るのでそれを超えられるようにがんばりたい」と語ってましたね。4年かけてそれを実現したんだね真央(もちろんそれが目標だったワケではありませんが)。正直、当時「あの点を超えるのは無理だよ…」って思ったんですごめんなさい。なのに真っ向勝負で超えちゃった。やっぱ真央は我らのスーパーヒーローだよぉ。

 Result見るまでは「やっとPCS出したか」と思っていたのですが出てなかったですね。技術判定にミソがなくGOEが出たワケですが、それでも3Aに-1付けたジャッジがいる。「URではないが回転足りない」とでもいいたいの?

 カロもよかった~ 冒頭のコンボどうするかなと思っていたらソチと同じく3Fでいきなり「おおっ!」と盛り上がり、これでもかってディープエッジで目前を滑り去るところなんかはド迫力で、照明光に包まれて煌めくスピンはうっとりするウツクシサでした。文句なしのスタオベしながら「これは(点数は)真央の上いったかも」と思ったくらい。

 リプちんはソチより柔らか(柔軟性のことではないです)なカンジで、上手くなったなぁと思いました。フリーもエキシも含めて。特にエキシは内面からにじみ出るもの…今まで無かった何か憂いのようなモノを感じられてよかったです。

  ←“写真家の真央写真”面白かったので買っちゃった。今大会多いですが今期だけじゃないです。「MAO」撮った方なんですね。ノクターンのスピン、力感がいいナ~
 写真については完璧な素人ですが、岩合さんの真央写真観てみたい(笑)。

・フリー
 パーソナルベストはもちろんソチですが得点的にはそれに次ぐ…ていうか真央が「やりきった」と言うフリーが観られてまた幸せ。
 ウォームアップでは3Aも3F+3Loもキレイに決まったので否が応でも盛り上がる盛り上がる。
 SPは没入しきって上ずりながら観てましたが、FSは「8Tripleというドラマ」を固唾をのんで見守るカンジだったでしょうか。ジャンプ降りるごとに安堵しすぐに次のジャンプに息を詰めるの連続。
 でも、会場全体はSPより落ち着いていたような気がします。フリーはソチの奇跡がまだ鮮烈に脳裏に焼き付いているので「あれを超えることはないよね…まさかね? でも真央のことだから…考えても無駄だよねっ!」みたいな雰囲気だったのかも知れません。

 刺されたけどアクセルもサンサンもキレキレでしたよ。ソチの3F+3Loと2A+3Tに続いて「URだけどGOEはマイナスじゃなかった」ですしね。
 SPもですが、スピンがキレイだったナ~ ステップは真央比でちょっとパワー感控えめだったかも。席に依るのかも知れませんが、JOの時と視角的には比較的ニアリーな席だったのですが。やっぱり初演のインパクトが大きかったのかな?
 2A+3Tを失敗したのは惜しかったけれど、不思議と無念感はありませんでした。
 やっとマトモなPCS出ましたね。

  ←世界選手権関連本としてはこれが本命でしょうか。P.54,55は泣ける。

 表彰式は晴れがましいひととき。たまアリが囁くように君が代歌ってました。
 リプちんにロシア国旗が用意されてなくて、プレミアム席のお客さんが反対側から「ここにあるよー!」って一所懸命アピールして応援用の国旗を渡されてました。ホントGJです。結果的に3人のサイズ(笑)にジャストフィットしてましたね。大きすぎず小さすぎず。こういう意図ではない出来事も含めて全てがキレイな流れになっていた大会でした。

・エキシ
 凄く楽しいエキシでした。さすが世界選手権、エンタメも一流。
 まっちーが凄かった… TV観戦だったSPでも「うおおお」とか叫んでましたが、思わず「すげええっ」て唸っちゃいました。まさに“迫真の演技”。タイプは違いますが大輔に通じる「観る者を引きずり込む力」を実感しました(真央は逆に迸るオーラで会場全体をひとつの世界に染め上げるカンジかな)。COIの時も一番印象に残ったのですが、今期は本当に素晴らしかった!
 んで、大声援もらってて(ちょっと失礼な言い方かも知れませんが)安心しました。ていうか分け隔てなくていいなぁ。いいものはいいもんね。

 と思ったらゆづるんロミジュリかよ! これはすんごく得した気分(笑)。目の前に迫ってくるコンボジャンプの迫力ったらなかったです。ステップ前には「うぉりゃあ~!」って声援送りました。もちろん心の中で。
 みんなマリオとか金パンツとかやってるのに、この二人だけマジ(笑)。
 本エキシ、コミカルとマジのバランスも絶妙だったと思います。

 カロがイマジンやってくれて嬉しかったなぁ。ソチでは“回避”だったから(苦笑)。

 真央のスマイルは本当にただただ美しかった。無重力2Aが目に焼き付いています。密かに「メーヴェ・スパイラル」と呼んでる低速スパイラル好きだなぁ。
 初演(モリコロ初回)観た時すでにうるっときた(*)くらいで、今期最後の競技会でのスマイル観たら絶対泣くと思ってました。チケット獲れた去年の秋ごろ(世戦絶対出てくれると思ってた)は会場で泣くことを覚悟しましたが(本望ですが(笑))そういう感情にはなりませんでした。
 あれだけ充実した姿を見せられたからでしょう、晴れやかな気持ちになっちゃいましたよ。大変上質な充実感・満足感に満ちていて、SPもFSもEXもそして演技していない時も本当に美しい人だなぁ、綺麗な人だなぁと感激することしきり。改めて“衣通姫”ってこんなカンジだったんだろうなと。久々にちびまおの面影がよぎる表情はもちろん“超きゃわわ”(笑)。
 何より、真央が満足そうで嬉しかった。

*:「“集大成”で臨むシーズンのエキシにこれか-! ローリーなんてことすんねん鬼ー!」 と思いました(笑)。演技中は「おお…青空が…青空が見える」状態でしたし。



 アンコール後に今度は意識して声援送りました。応援の集大成として、一番伝えたかった一言。
 「ありがとー!」と。

・去就
 「ハーフハーフ」のままですね。というか、もともと「今シーズンを集大成にする(次シーズン以降のことは考えないでやりきる)」と言ってただけで「引退する」とは言ってません(「引退ということか?」「そのつもり」という意味の問答はあったけど)でしたから、最初っから「シーズン終わって新たな目標が見つかればやるし見つからなければやらない」つもりだったのでしょう。シンプルです。
 願わくは、ファンへの想いも含め余計なことは考えずに決めて欲しいです。
 もちろん、真央は間違わないと信じていますが。

・ギネス
 真央ファンにとってはオマケかな(笑)。でも、フィギュアに限らず「ギネス記録更新の場面」に生で立ち会えるなんて一生一度でしょうねぇ。
 ちなみに「採点競技であるフィギュアの得点がギネス記録」ってどうよ? 的な報道とかあるみたいですが、真央は「すでにあるギネス記録を更新」したので自動的に記録保持者になっちゃっただけですよね(爆)。
 技の得点規定や技術判定基準などが変わったら点数の価値なんて変わっちゃいますから、私も疑問の主旨には同意です。でも、別に真央サイドから申請したワケでもないですから、もし文句があるならギネスまたは「この項目を作らせた人たち」に言うべきでしょう。

・「世界歴代最高得点」と「ルール改定」
 上述の通り、採点ルールが変わっちゃえば(極論すると同じ演技でも)得点は変わってしまいます。
 その点において、「バンクーバーの時より高得点が出にくいルールに改定されている中での世界最高得点更新なのだから、実は凄い偉業」という評があるみたいですね。
 凄いことに異論は全くありませんが、得点とルールについて具体的に確認しておこうと思います。

 確かにSPではSpSqが廃止され要素が8個から7個になっているのを代表に、GOE幅の大幅な縮小などマイナスに働く改定がありました。
 しかし、一方で3Aの基礎点が上がったり後半1.1倍ボーナスが導入されたりといったプラス面もあります。特に、必須ジャンプエレメンツとしての「アクセルジャンプ」から「ダブルアクセル」という限定が外れて「ダブルまたはトリプル」になったのは大きなプラス要素です。
 結果的に3Aを入れたのは真央だけですが、条件は全選手に公平ですし、「アクセルはダブル限定」だったのは(いくらショートとはいえ)スポーツとしてどうかと思いますので違和感はありません。「より高難度(高得点)な技ができる選手だけに有利なルールはおかしい」っておかしいなと。
 
 ということもあり、なんと、真央SP、GOEやPCS以前に「ベースバリュー」において09-10シーズンの34.40より上昇させ、34.69になっているのですね。
 以下、演技順ではなく対応する要素ごとに並べて4年前と比較してみました。

SPルール比較

 スパイラル廃止でごっそり5.40(B.V.で3.40、GOEで2.00)失った一方、アクセルがらみの構成を変更できたことでB.V.で3.09、GOEで0.76上げています。
 ですので、(FSはさておき)少なくともSPについては、ルール改定の影響を見る際は「要素が減っている」以外の事情も考慮する必要があると思います。
 といっても全体的に点が出にくいルールになっているのは間違いないでしょう。そんな中、GOEは改定でシワくなった(例:3FのGOE3は3.0→2.1)にも関わらず、真央は全体的にアップさせています。「3A死守」をはじめとした4年間の努力の成果を見る気がします。

 なお、選手はその時点のルールに則った戦略で戦ってるワケですよね(真央はなんとなく“ルール無用”っぽいですけど(笑))。ルールが変われば構成が変わり、重点的に練習する技だって変わってくるでしょう。例えばバンクのころは「やればできるけどクワドなんか必要ないから跳ばない」と言ってたPチャン、基礎点が上がったらクワドキングになっちゃいました。
 違うルールの元で得た得点を違うルールで換算することにあまり意味はないと思っています。

・あれは「ガチ勝負」ではなかったか
 本項、後日J-SPORTSの放送を観てから追記しています。
 J-SPORTSではFS前の公式練習の放送もあり、そこでは普段は判らない「予定構成」が提示されています。
 今回のカロのFS構成はあのソチ銅メダル演技と異なっています。敢えて変えていると思える内容なのですが、ミスしているため予定がどうだったのか結果だけでは正確には解りませんでした。が、放送によって何をしようとしたか知ることができました。

世界選手権2014:カロFSのTES

 以下はソチFSの結果です。予定構成は不明ですがミスなく滑っているのでおそらく予定通りの結果だったのだと推定しています。

ソチ:カロFSのTES

 ソチと今回の構成を比べてみると、3Fを2回に増やして一方を3F+3Tのコンボにしたり、3連の最後を2Loにしたりしています。なんと、そうすることでBaseValueをソチの58.45から62.00にアップさせていたのです。
 13-14シーズン、カロが3Lzに加えて3Fを2回組み込んだ「ルッツ・フリップ3回構成」にしたのは今回が最初で最後です。過去の世界選手権を見ても、優勝した2012、銀だった2013でも入れていません。
 SPで絶好調とみた真央とガチで勝負するための攻めの構成だったのだと勝手に思っています。
 結果は成功しませんでしたが、カロにとっては取りうる最高難度構成へのチャレンジだったのではないでしょうか。

 また、同じようにFS予定構成を見ていると、リプちんは3Lz+3T以外の3Tの使いどころを本番で後半に変更しています。
 「2A+3T+2Tのセカンドをミスして2Tになったので後半の2A+2Tを3Tに変更してリカバーした」というのが一般的な解釈だと思いますが、カロと真央の得点を見た後の滑走でもあり「1.1倍ボーナスを獲りにいって勝負かけた」と考えたくなります。セカンドは明らかに回転ほどいているように見えますが、3回転は無理と判断してやめたのか最初から2回にするつもりがぎこちなくなったのかは私には判りません。
 こちらも結果としてはその2A+3Tを成功させた直後の3Sで転倒してしまいましたが。
 でも、ミスがあったにも関わらず今まで見たこともない満足そうな笑顔で大会を終えたリプちんを見ていると、そういう想いも強くなります。

 両方とも私の勝手な想像ではありますが、いずれにしろ「高みに挑戦した真剣勝負をありがとう!」です。
 結果が成功か失敗かに関係なく、そういう選手みなさんの真摯な姿勢が感じられたからこそ、観客の応援も最上級になったのだと思っています。


■応援

 真央や日本人選手だけじゃなく、全選手(国籍関係なく)にいつにも増して暖かい応援があったのは会場で本当に実感しています。
 感慨深く誇らしく、かつ興味深いことです。

http://number.bunshun.jp/articles/-/806006
http://web.canon.jp/event/skating/interview/int_fernandez02_1.html
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/figureskate/all/1314/columndtl/201403300006-spnavi
 もちろん選手や関係者のコメントには多少はリップサービスも入っているでしょうけれど、J-SPORTSの生インタビューなど聞いていてもほとんど本音だろうなと思います。

 例えば、SPでは真央の後に滑ったカロにも真央に匹敵するくらいの大声援がありました。言うまでもなくメダル争い最大のライバルに対してです。
 カッペさん(イタリア)のコメントです。

日本の観客は世界一よ! 私はカロリーナの演技を見ていたのだけど、みんながスタンディング・オベーションを贈っていたでしょう? もちろん直前の真央は最高の演技だったけれど、観客はカロリーナの完璧さもきちんと認めて、賞賛してくれていた。その態度には感激したわ。
出典:「ワールド・フィギュアスケート No.63」 P.55

 もちろん私もスタンディング・オベーション。いい子ぶるワケではなく本音で賞賛しました実際。だって「いいものはいい」ですもん。
 「菩薩様VSマリア様」極楽パラダイス対決みられてシアワセ。弥栄弥栄。ハレルヤハレルヤ。

 また、FSで一番応援が盛り上がったはアシュリーだったのではないかと。あの容赦ない盛り上がり方はもしかしたら真央以上だったかも?
 ソチでは何故か得点伸びなかった(けどクサらなかった)アシュリーを、観客みんなが後押ししたいんだってことが体で判る会場の一体感に高揚しましたね~ 最後のステップの手拍子なんて「アシュリーいっけえええ!!!」って観客の心の叫びに聞こえましたよ(笑)。そしてそれに応えてくれたアシュリー最高! パーソナルベストが出てよかったです。

アシュリーツィート
 本人も喜んでくれたみたい。

 あと印象的だったのはマエさんかな。意外といっては失礼ですが、大きな、というより元気な声援でした。人気あるんだなぁと嬉しくなりましたね。カッコイイですもんね。3A跳んでください。

 といって、どんな演技も一律に賛美していたワケでもないところが凄いです。賞賛の拍手は質・量ともにキチンと出来に連動していると感じました。「なんでもスタオベ」でもなかったですし。
 なんと言っても18,000人もの人があれだけ盛り上がりながら度を超さず、熱狂しながらも整然としているんです。ナンデスくんじゃないけど日本人ってヘンだよ!(笑)。拍手や手拍子のタイミングとかもう「あ・うん」の呼吸だし。
 凄いことですが、もしかしたら今大会は日本のフィギュアファンも質・量ともに絶頂だったのかも知れないな、などと思ったり。それほど会場の雰囲気はある意味奇跡的だったと感じています。

USFSA.png
 USFSAも喜んでくれたみたい。

 一方、杞憂でしょうけれど、あまりに意識しすぎて「マナーファッショ」にはならないようにしたいなとも思いました。
 例えば採点待ちの時、次選手の集中のために盛り上がるなと言われても無理でしょう。歓声や派手な手拍子は控えるべきって言うのはまだ解りますけど、拍手もダメって言われたら不自然ですよね。待ち時間に静かにしてても、得点が出れば選手自身が盛り上がりもするし手を振って挨拶したりもするワケですしね。次選手がコールされたらそりゃ切り替えないとダメなのは当たり前としてですし、もちろん程度問題ですが。

 ナンデスくんも「なのにちゃんとみんなが静かになって僕に集中させてくれて」と言ってくれてますが、少なくとも私が観戦した女子SPとFSでは、原則としてコールされた直後から手を上げて挨拶するタイミングで声援送っており、その後ポジションに向かい始めるとしゅううって音が消えていき、始動ポジションに着くころには怖くなるほどの静寂を選手に届けていましたよ。ポジションに着いた後などに一番うるさかったのはスパイダーくん(ケーブルカメラ)の移動音(笑)。
 やや例外的だったかも知れないのは、真央のFS演技前そろそろやめた方がいいかな? ってタイミングでもやまない声援に「しー」っていう“たしなめ”の声が合唱されたことでしょうか。どちらの気持ちも分かるけど、空気がピリピリしちゃうのではないかとちょっと心配しちゃいました。男子SPでの事故があったからでしょう、敏感になってたかも知れませんね。

 たまにヘンなところでの歓声もありましたが、海外のお客さんか観戦する選手団(おおむねカナダかな(笑))でした。

 SP製氷中だったと思いますが、スクリーンに「真央は日本の宝」って書いた日の丸が映されて拍手わいてました。GJです!

  ←日本の宝。

 選手の演技も観客の応援(声援や拍手だけでなく静寂も含めて)も、なによりその一体感が素晴らしい大会だったと思います。
 「たくさん応援する(気持ちよくいい演技して欲しい)⇒選手がんばる⇒盛り上がってさらに応援する⇒選手いい演技する」の好循環。

 あのとき、たまアリは愛に満ちてました。参加できて幸せでした。


 「採点」編へ続く。


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真央VS真央!ソチに紡いだ悪夢と奇跡

14/03/02初稿

 ふぅ。やっと落ち着いてきた。全世界の真央ファンの皆様お疲れさまでした(笑)。

 そしてアデリナ優勝おめでとう!
 カロも五輪メダルおめでとう!

 アデリナはもうとにかく溌剌・爽快。音楽表現ナニソレ? よろしくテクニックと迸るエナジーで雑多な悉くを蹴散らしていく。その勇姿はお見事でした。
 できれば3+3最高難度「3Lz+3Lo」(*)を観たかったけど仕方ないかな(真央が刺されたのを見てやめたかな?)。アデリナは3Lzに付けるセカンドに3Loと3Tを跳び分けるワケで、これも大したモンですよね。
 カロは芳醇・豊潤な演技で、これぞ「“Figure Skating Ladies”という競技」だと思いました。本人も喜びに満ちて滑っていたようですが、観ているこちらも幸せな気持ちになりました。
 ただ美しいだけじゃなくSPでは3+3を3Fにするチャレンジ精神も合わせて見せてくれましたしね。

 浅田真央選手、アデリナ・ソトニコワ選手、カロリーナ・コストナー選手、ユリア・リプニツカヤ選手をはじめ、選手みなさまには敬称略で失礼いたします。

*:3A+3Lo除く(笑)。


■確かに「一番強い浅田真央」を見せてもらいました(ただしもれなく「ズンドコな真央」とセット)

 そして真央! なんたってまおおお!!

 悪夢のSP。FSは滑れるのかすら心配しました。もしかしたらズタボロになっちゃうかも。けど、真央は何をしでかすかワカラナイ人だから心の片隅にほんのちょっとの希望を信じて。どうなっても最後まで見届ける。だって大好きだから。
 そしたら…奇跡に立ち会うことになるなんて。真央のスケート人生が悔いで終わらなくて本当によかったです。それどころか、

 本人とファンが切望した「やりきって出し切って喜ぶ」真央を見ることができるなんて!

 なんて幸せ。本当によかった。

 もちろん途中から泣いてましたが、最後は長野ジャンプ団体の原田選手みたいに壊れました。
 しばらく「なんて人なんだ…よかったよぉ…なんて人なんだ…」って呻いてましたがな(整氷時間でよかった)。

   ←「笑顔がみたい」という励ましを思い出して泣きながら笑顔をくれた真央。ホントいいコだなぁ。ありがとう。ありがとう。この笑顔がエキシ「Smile」のメッセージに繋がっていくんですよね。破壊的説得力で(笑)。

 3Aにこだわり続け時に頑迷とまで言われてなお、五輪の舞台で8Tripleとして昇華させ全てをねじ伏せてしまった真央。形容する言葉が見当たりません。

 私にとっては「ISUジャッジングシステム」を無力化する演技でした。

 書いてると止まらなくなっちゃいますけど、多くの真央ファンと想いは同じですのでポエムはこれくらいで自重して(笑)、いろいろ気ままに記してみようと思います。


・はじめに。
 「いい演技したらもう点数や順位は関係ない」っていうのは、ある意味真だけど競技である以上ある意味違う。
 あの奇跡の演技の価値が、安っぽい美談や観る側の勝手な満足にすり替わらないようにしなきゃという漫然とした想いがあります。うまく言えないんだけど。
 「大切にしたい」が近いかな。

・現地に応援に行かれた皆さん、乙でした。ありがとうございました。

・祝い酒を奮発しようと新潟の銘酒「八海山」にしました。
 買ってから気づいたのですが「八回3」とはなんて縁起のいい。

・3Ax2ではなく8Triple構成でしたね。
 真央の決断ならどちらでもいいと思っていましたが、実を言うと個人的にはできれば8Tripleの方がいいナ~とは思っていました(爆)。
 団体戦で1本跳ぶので「計3回」ってことでダメ? なんて。真央の挑戦対象が「計4回のオリンピック新記録」にならなくてよかった(笑)。

・認定こそされませんでしたけど、ソチでセカンド3Loを跳んだのは男子を含めても実は真央だけです。
 3F+3Lo、3Aに匹敵する挑戦だったんですね(今更でゴメンナサイ)。とてもキレイなコンビネーションでした。
 ちなみに刺されたけどGOEは0.00。つまりマイナスされてない。もうひとつ刺された2A+3TもGOEは+0.14。
 今期のURにおけるGOE減点目安は「-1か-2。最終GOEはマイナスでなくてよい」ですので、減点を上回るプラス要素があったということですね。
 ソチで加点付きURジャンプ跳んだのは男子も含めて真央だけですが、ジャッジ(演技審判)は文字通り“回転の不足以外”はとてもいいジャンプ、と判断した“珍しいUR判定”だったと言うことでしょう(笑)。
 ちなみに“URなのに不可解な加点”じゃないのは実際のジャンプを観れば明らかです(お手つきしたワケでもないですし)。

・確かに「エイト・トリプル成功」は不正確。「今期初めて3A認定」も間違い。
 でも、なんて言っていいのか難しいですよね。「エイト・トリプル着氷」「今期初めて出来栄え点付の3A認定」ってのもねぇ。
 ちなみに「着氷という言い方はスケートにはない」というような記事があるようですが、「テクニカルパネルハンドブック」や「価値尺度(SOV),難度レベル(LOD),GOE 採点のガイドライン」など見ても何度も「着氷」って単語が使われています。確かに成功失敗に関係ない用法ですので「“転ばなかったが認定されていない”という意味で使われることはない」と言いたいのかな?
 でも、“着氷しないジャンプ”はあり得ないので、「トリプルなんちゃら着氷」と言ったら「ISU的成功ではないけど転倒はしなかったんだな」的なイメージ持つのは普通の感性ではないかと。
 いずれにしろ何かいい用語ないですかね?

・冒頭ポエム部(笑)の「8Tripleとして昇華」は、記事リンク先に記した“8Triple構成”のことを指しており、また“昇華”はISU的に成功したという意味ではもちろんありません。
 単純なTES的価値だけで見ると、ソチ8位入賞までの選手中、アデリナ、カロ、GG、リプちん、アシュリーの5選手は「5種7回のトリプル」を跳んでいます(認定はさておき)。カロ以外は「5種7回のトリプル+2A」構成でした。つまりアクセルがダブルなことだけが「6種8回」じゃないワケです。
 しかしおそらく「3A」と「3+3(しかも3T+3Tとかじゃなく)」両方を組み込むこと…この時の2Aと3Aの差、またはセカンドのダブルとトリプルの差はとてつもなく大きな1回転なのでしょう。
 この価値は私自身言葉にできないものなのですが(無理にする必要もないと思いますけど)、事実ベースだけで言うなら「自分にしかできない高みに挑戦」し「ISU的には成功ではないかも知れないが真央の目標としては達成」したということかな。
 真央の歓喜は紛れもなく本物ですし、真央は自分の演技に対する自分の評価を偽れる人じゃないですから。
 真の価値はさらに深いものがあると感じています。たぶん「フィギュアスケート」を超えたところにそれはある。

・真央が「記録よりも記憶に残る選手」というのは不正確。「記録にも残る以上に記憶に残る選手」です(笑)。

・「たられば」はないから、SPが成功してたら・最終グループだったらあの滑りだったかどうかは判りません。
 確かにその通り。
 もしかしたらSP成功で勢いに乗り、最終グループの緊張感をパワーに変えてもっと凄い演技したかもしれませんもんね(爆)。

・たまにプロサッカーやプロ野球などと同じ観点でのご意見を見かけますが、プロとアマは区別して語るべきでしょう。ISUフィギュアはアマチュア競技です。
 ジャッジもですね。フィギュアのジャッジ(演技審判)はプロじゃないですから。また、テクニカルパネルとジャッジも区別して考えないとダメですよね。

・「順位の妥当性」と「採点の妥当性」は区別して語るべきです。
 例え順位が妥当でも、どんな点差だったのかは無視できるものではありません。特にPCSは事実上、その選手の固定的評価になりますので。どうせ順位は変わらないからいいじゃんかとは言えません。

・真央がメダルのことを言い出したのは代表になってから。代表になったから、です。
 そもそもメディアが「悲願の金」というのは不正確だと思います。「バンクーバーでは演技よりメダルだったけど今はメダルより自分の演技」ってずっと言ってますもんね。代表になったからその責任においてメダルのことも語り出したのだと思います。それでも「一番いい色」と表現して、メダルを第一義にしないようにしてたのだと思っています。

・「戦略ミス」とかって趣旨の記事もたまにありますが、意味不明です。
 短期的なハナシなら、今更3Aを2Aにしても勝てるワケではありませんし。長期的にも、リスキーな3Aを早くにやめてればなんてクソくらえな論でしょう。
 そもそも以下に添付した今期グランプリシリーズ戦績表を見ても、例え3AのURなどを取られたりしても勝てるプログラムですし実行力でした(VSヨナ想定は除く。詳細は上記リンク「やりきって~」記事参照)。五輪ではライバルたちがグイッと上がってくる可能性はありましたが、それは真央だって同じ条件のハズでした(以下バンクーバー参照)。
 「戦略的」にも決して無茶無謀な挑戦だったとは思えません。

 プロかアマかにも関係すると思いますが、真央は自分の演技をソチの舞台で完成させることがメダルよりやりたかったことなのです。そしてそれは勝利を目指すこととイコールですから何も問題ないでしょう。
 問題があるとするならそのリスクレベルの是非ですが、無難に銅狙い? 勝負して金狙い? 真央に前者はなかった(技術的にもこころざし的にも)ワケですが、それはアスリートに対して非難すべき点なのでしょうか。
 アマ競技ですから、勝つことが全てかも知れないプロとは価値観違っていいでしょう。逆にアマでも「自分のやりたいことよりも勝つことを優先する」という価値観があってもいいでしょう。さらに逆に例えプロでも、敬遠するときに泣いてた投手いましたよね。
 少なくとも第三者がどうこう言えることではないと思います。

 「公費を使ってるんだから個人の価値観よりメダルだ」なんてのは屁理屈でしょう。公費を使う五輪運営システムは選手が望んで決まったものではないですし、“五輪だけ”が競技生活じゃありませんし。
 ていうか、少なくとも真央については、公費を払った国民の多くが喜ぶ結果を残してくれたんだから何も問題ないっしょ(当然不満な人もいるでしょうけど公的なものは何にしても100%じゃないのは仕方ないことです)。

・次の目玉選手がいないってJSFの育成のせいにするのはどうかと。
 この数年間が凄すぎたと考えるべきではないでしょうか。
 そもそも、「強い選手」ではなく「目玉選手=スター」はJSFが育成できるものじゃないですよね。

・帰国直後の外国特派員協会での会見(*)にて。
 日韓関係のことなんて聞くなよ。政治とスポーツを絡めちゃダメでしょ。

・同会見にて。森氏が五輪会長なのがどうとか聞くなよ。
 そもそも断片的な情報しか持ってなかっただろうから正確な返事できるハズがありません。「必ず転ぶ」は失言ですが、一応真央を気遣った内容のようであることなど(すごく解りにくいですが)、正確な発言内容知っていればまた答えは違ったと思います。
 ちなみに、森発言の真の問題は真央に関する配慮を欠いた言い回しよりも、団体戦に関する「最初から負けると判っていたのだから真央を出す必要はなかった(つまりチームとして手を抜け)」という論調と、リード兄弟について「オリンピックに出る力量ではなかったが日本に帰化させた」という点でしょう(フィギュア以外でもかなり疑問な発言してるみたいですが)。
 団体戦は、今回のルールにおいて日本チームの全力を尽くすならあの人選しかなかったと思っています。予選を突破するためには男女シングルはSPにエース投入しかないでしょう。
 念のためですが、今回の団体戦を肯定しているワケではありません。ルールも日程もまるで気に入りませんが(最初っから)。やっぱり個人戦に影響しちゃったと思いますし。

・同会見にて。「ハーフハーフ」はわざとじゃないかナ。
 しつこく「パーセンテージで」と問われて「50パ…」と言いかけて言い直した回答ですから。よりボカしたかったのでしょう。“くらい”も付けてますし。ビールだってきっちり半分じゃないですよね。「50:50が正しいのに」とかって言うのは当たっていないと思います。

*:http://blogos.com/article/81092/

   ←上記記者会見の内容だそうな。こんな商品あるんですね。


 ということで。以下、野暮なオマケです。



■「ISUジャッジングシステム」の摩訶不思議

 しかし女子は、上位がこぞって「ほえ~」っていう点でした。ハッキリ言って違和感ありまくりです。
 ぶっちゃけ女子でヨナ以外の採点結果にこれだけ違和感感じたのはほとんど初めてです。
 ユーロ結果と団体戦リプちん(とプルプル)の得点を見て予想していた以上の結果となりました(苦笑)。

金 :アデリナ SP74.64 FS149.95 Total224.59
銀 :ヨナ    SP74.92 FS144.19 Total219.11
銅 :カロ    SP74.12 FS142.61 Total216.73
4位:GG    SP68.63 FS136.90 Total205.53
5位:リプちん SP65.23 FS135.34 Total200.57
6位:真央   SP55.51 FS142.71 Total198.22

 もちろん違和感はあくまでも個人の主観として、です。ISUも主観で付けてますから仕方ないですよね(笑)。

 4年前、バンクーバー結果トリノ結果のモンモンに耐えられずいろいろ考えて記しました。ソチ結果についても違和感あるのですから同じような観点で記しておかないとズルい気がするので一応書いてみます。
 ただし、今回の違和感は真央の順位に関係ないので若干モヤモヤはしますがモンモンとはしてません(笑)。ゲンキンですが仕方ない。
 ですのでカンタンに。

 念のためですが、あくまでも「その演技に対する採点結果=絶対的得点の妥当性」の話であって選手がどうこうではありません。相対的な順位としては、アデリナとカロのメダルに文句はないですし、真央がメダル獲れなかったのも文句ないです。
 そもそもアデリナもカロもリプちんもGGもアシュリーも好きですもん。

・男子なみ?
 実効的な意味がある比較なワケではありませんが、例によってアデリナのPCS係数を変更すると

 SP:39.09+(35.55/0.8x1.0)=83.53
 FS:75.54+(74.41/1.6x2.0)=168.55

 合計252.08。要素がひとつ少ないことを勘案すると銅のテンちゃんの255.10とほぼ匹敵するかな。銀のPチャンは275.62なのでそれ以上は無理でしょう。現在、ゆづるんとPチャンは男子の中でも得点的には飛び抜けてるのでさすがに届きませんが、4Tも決めているテンちゃんに匹敵するとなると、やっぱり出し過ぎだと思います。
 まあ、ヨナが“優勝しちゃったバンクーバーよりはマシ”かな。
 「男女別?」についての見解はこちら

 ちなみに今回は“SSのPチャン超え”は誰もできませんでした。

・GOEランキング(FSにて)
 バンクーバーではヨナが男女合わせても2位以下を寄せ付けず(17.40。2位はライサの9.64)ぶっちぎった件です。
 今回のGOEの男女混成ランキングを以下に記します(有力選手を中心にざっと見たのでもしかしたらモレあるかも知れませんが)。

 1位 アデリナ   14.11
 2位 ヨナ      12.20
 3位 カロ      10.39
 4位 アボ      10.24
 5位 ナンデスくん 10.12
 6位 GG       8.93
 7位 ハンヤンくん  8.89
 8位 テンちゃん   8.30
 9位 大輔       6.92
 10位 真央      6.69
 11位 ゆづるん   6.19
 12位 Pチャン    5.82
 13位 リプちん    5.28

 少なくともアデリナがひとりでぶっちぎってる状態ではないので、これも“バンクーバーよりはマシ”と言えるでしょうか。
 しかし、女子の方が要素が少ないのですから、やっぱり女子の上位はGOE出し過ぎと言っていいのでは。ただ、今回は男子が崩れてしまったのでヨクワカラナクなっちゃってますが。

・PCS暴発
 一方、やっぱりPCSは暴発したような。
 「若手がベテラン実力者と同等どころか上回るなんて」という意見があります。確かに、真央が70弱でアデリナが74.4、リプちんが70っていうのはどうなんでしょうと思ってしまいますね。
 そこで、当の真央がデビューした時はどうだったのかを表にしてみました。真央がシニアデビューした05-06シーズンの真央とスルツカヤと荒川さんのFSです。

05-06シーズン変遷

*:念のためですが、Deductionは無視していますのでTESとPCSを合計しても得点にならない場合があります。
  TESとその内訳としてのB.V.とGOEは、演技のデキの参考情報として付けています。
  以下の表も同じ。

 これを見ると、ジュニア上がりがいきなりシニアトップ級に肉薄するPCSを出すことはあるようです。ただ、真央事例では“超えた”というレベルではないと思いますが。真央のPCSはデビュー戦から順調に上がり、ついに強烈なTESと相まってGPFで優勝しちゃったワケですね。が、それでも上昇したのは“シーズン通して段階的に5.5点ほど”です。

 さて、ソチ上位陣の今シーズンの変遷はどうでしょう。
13-14シーズン変遷(団体戦付き)

 やっぱねぇ… アデリナとリプちん、カロのユーロ以降(ソチ結果はユーロとセットで見るべきだと思っています)の急上昇はちょっと… カロはベテラン実力者ですから上昇幅も絶対値もまぁ「あるかも?」なカンジですけど、アデリナとリプちんはそこまで“PCS的に”良くなったのかと言われると困ります。ユーロはTES的にも“カンペキ”だったワケでもないですし(*)。

*:http://www.isuresults.com/results/ec2014/ec2014_Ladies_FS_Scores.pdf

 ただ、カロにはプログラム変わってる影響も考えられますね。参考までですが、同じ「ボレロ」だった12-13シーズンのユーロでは70.28&世界選手権では70.69ですから、「プログラム自体の実力」とみることは可能かも知れません。
 8年前の真央の場合は「デビュー直後の様子見もあり、段階的に認められた」とみることもできますが、アデリナもリプちんも実績十分(シニア初シーズンではない)ですから、今回そのロジック適用は無理でしょう。

 「ニカゲツクライデイキナリジョウズニナレルモノナノデスカふぃぎゅあすけーとッテ」

 …あ、なんかヘンになっちゃった(苦笑)。だって「絶対評価」なんですよねぇ? 「絶対評価」なら、ある選手の得点経緯は(同シーズンなら)相対比較できるハズです(*)。“整合”もしてるんでしょうし。PCSって不思議ダナー

*:逆かな? 「少なくとも同シーズンなら相対比較できないとおかしい。少なくとも比較に意味はあるハズ。もし出来ない・意味がないならそれはシステム瑕疵」と言った方がいいかな。

 「そうだよ、いきなりすげー上手くなったんだよ。伸び盛りの選手にはそういうこともあるんだよ。30~40年もジャッジやってると判るんだよね。素人にはワカンナイだろうけど」とかISU会長に言われちゃったみたい(*)なのでそれまでですけどね(爆)。
 ちなみにこの解説(?)も絶対評価であることに基づくものだと思います。大会ごとに違うなら「今大会はそういう基準だっただけだ」と言えばいいだけのことですから。

*:http://www.nikkansports.com/sochi2014/figureskate/news/p-sochi-tp0-20140224-1261961.html

 …気を取り直して。では前回オリンピックシーズンにおけるメダリストの変遷はどうでしょう。

09-10シーズン変遷

 五輪だけみんなシーズンベストより5~6点お祭りになってたカンジですかね?
 PCSについてだけ、かつ、このシーズンに限ってのハナシですが。

・ミッシング・リンク
 以上、女子上位のGOEとPCSは今期の得点状況と実際の演技からして“出し過ぎ”と感じます。

 だってグランプリシリーズとユーロ以降が繋がってないんだもん。

 URやエッジエラーといったテクニカル判定についてはパスです。これらもテクニカルパネル個々の裁量(非公開)ですから、辛い甘いを語ってもあんまり意味ないので。
 ていうか、今回は特に“無粋”な気がしちゃって。

 バンクーバー結果を見ても、上位選手には「五輪ボーナス」みたいなのがある気がします(でもアシュリーは仲間ハズレ?)。カロの上昇分はその範囲に収まってる気がしますが、アデリナはさらにホームアドバンテージを加えてもちょっと出し過ぎじゃないかと(冒頭に書いた通り演技の素晴らしさには全く異論ありません)。
 ということで、個人的には、今回ISUは、

・アデリナFSはTESとPCSで5点づつくらい出し過ぎ
・ヨナFSはTESとPCSで7点づつくらい出し過ぎ(今期の参考戦績はありませんが)
・カロはSPもFSも変えちゃったからシーズン変遷が参考にならないけど… 若干出し過ぎ?
・GGのFSもちょっとどうかな。確かに良かったけど… 五輪ボーナスの範囲かナ?
・同じアメリカ勢でもアシュリーには出さねー ていうか何故か一人だけ非五輪モード?
・ミスして沈んだのであまり目立たないけどリプちんFSも若干出し過ぎ
・SPも、ヨナは出し過ぎ、アデリナはちょっと出し過ぎ、カロは出し過ぎかも?(微妙…)

じゃないの? と感じています。だって「絶対評価」なんでしょう?(あ、繰り返しちゃった)

 残念ながら、最終グループ(のユーロ組)だけは絶対評価じゃなくてヨナをベンチマークとして相対値出したって見ると一番シックリきちゃって悲しい。もちろん確証なんかありませんけど。

 逆に、真央については少なくともFSのPCSが2点は低いんじゃないかナ~ TESも微妙ですが、特にPCSは他選手と比較するとそう感じます。素人ですけど。ていうか今回は玄人の方も多くが低いと仰ってますよね。ただし「滑走順が~」なんて理由にならないのは言うまでもありません。「今のジャッジングとはそういうもの。最終グループに入れなかったのが悪い」と言われればそれまでですけど、納得できる言われ方じゃないですね。

 結局、iISUジャッジングシステムについて考えた記事に記した通り
「採点は(整合された上での)主観」
であって原則
「ウツクシサや感動は点にならない」

「SP失敗の印象あったり滑走順が早いと抑えられることもある(抑えられないこともある)」
んだけど逆に
「勢いとかホームアドバンテージとか最終グループのプレッシャーの中よく頑張ったご褒美とか謎な要素がドバッと点になることもある(ならないこともある)」
ということで、
「充分に正当とは思えない」
理由となりえる明確な事例を増やしたに過ぎないのかな。


 以上、ISUの価値観に対する個人的な主観のおハナシでした。
 ISUも、やましいところがないなら試合後採点総括くらいのコメント出すべきじゃないのかと思います。
 なんで今回はこんなにPCSが上がったのかとか、何故GOEがこれだけ付いたのかとか、本当に知りたいよ。

 そういうのがないなら、やっぱ見切りたくもなるわなこれ。ホントは見切っちゃダメなんだろうけど…選手のこと考えたら。
 この「選手を質に取られてる」ような感覚、なんとかしてくれませんかISUさん。

 ああもう。
 でも、ホントにありがとうございました。真央、そして全力で五輪に挑戦して素晴らしい演技を観せてくれた選手の皆さん!


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Author:らかせ
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