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真央VS真央!ソチに紡いだ悪夢と奇跡

14/03/02初稿

 ふぅ。やっと落ち着いてきた。全世界の真央ファンの皆様お疲れさまでした(笑)。

 そしてアデリナ優勝おめでとう!
 カロも五輪メダルおめでとう!

 アデリナはもうとにかく溌剌・爽快。音楽表現ナニソレ? よろしくテクニックと迸るエナジーで雑多な悉くを蹴散らしていく。その勇姿はお見事でした。
 できれば3+3最高難度「3Lz+3Lo」(*)を観たかったけど仕方ないかな(真央が刺されたのを見てやめたかな?)。アデリナは3Lzに付けるセカンドに3Loと3Tを跳び分けるワケで、これも大したモンですよね。
 カロは芳醇・豊潤な演技で、これぞ「“Figure Skating Ladies”という競技」だと思いました。本人も喜びに満ちて滑っていたようですが、観ているこちらも幸せな気持ちになりました。
 ただ美しいだけじゃなくSPでは3+3を3Fにするチャレンジ精神も合わせて見せてくれましたしね。

 浅田真央選手、アデリナ・ソトニコワ選手、カロリーナ・コストナー選手、ユリア・リプニツカヤ選手をはじめ、選手みなさまには敬称略で失礼いたします。

*:3A+3Lo除く(笑)。


■確かに「一番強い浅田真央」を見せてもらいました(ただしもれなく「ズンドコな真央」とセット)

 そして真央! なんたってまおおお!!

 悪夢のSP。FSは滑れるのかすら心配しました。もしかしたらズタボロになっちゃうかも。けど、真央は何をしでかすかワカラナイ人だから心の片隅にほんのちょっとの希望を信じて。どうなっても最後まで見届ける。だって大好きだから。
 そしたら…奇跡に立ち会うことになるなんて。真央のスケート人生が悔いで終わらなくて本当によかったです。それどころか、

 本人とファンが切望した「やりきって出し切って喜ぶ」真央を見ることができるなんて!

 なんて幸せ。本当によかった。

 もちろん途中から泣いてましたが、最後は長野ジャンプ団体の原田選手みたいに壊れました。
 しばらく「なんて人なんだ…よかったよぉ…なんて人なんだ…」って呻いてましたがな(整氷時間でよかった)。

   ←「笑顔がみたい」という励ましを思い出して泣きながら笑顔をくれた真央。ホントいいコだなぁ。ありがとう。ありがとう。この笑顔がエキシ「Smile」のメッセージに繋がっていくんですよね。破壊的説得力で(笑)。

 3Aにこだわり続け時に頑迷とまで言われてなお、五輪の舞台で8Tripleとして昇華させ全てをねじ伏せてしまった真央。形容する言葉が見当たりません。

 私にとっては「ISUジャッジングシステム」を無力化する演技でした。

 書いてると止まらなくなっちゃいますけど、多くの真央ファンと想いは同じですのでポエムはこれくらいで自重して(笑)、いろいろ気ままに記してみようと思います。


・はじめに。
 「いい演技したらもう点数や順位は関係ない」っていうのは、ある意味真だけど競技である以上ある意味違う。
 あの奇跡の演技の価値が、安っぽい美談や観る側の勝手な満足にすり替わらないようにしなきゃという漫然とした想いがあります。うまく言えないんだけど。
 「大切にしたい」が近いかな。

・現地に応援に行かれた皆さん、乙でした。ありがとうございました。

・祝い酒を奮発しようと新潟の銘酒「八海山」にしました。
 買ってから気づいたのですが「八回3」とはなんて縁起のいい。

・3Ax2ではなく8Triple構成でしたね。
 真央の決断ならどちらでもいいと思っていましたが、実を言うと個人的にはできれば8Tripleの方がいいナ~とは思っていました(爆)。
 団体戦で1本跳ぶので「計3回」ってことでダメ? なんて。真央の挑戦対象が「計4回のオリンピック新記録」にならなくてよかった(笑)。

・認定こそされませんでしたけど、ソチでセカンド3Loを跳んだのは男子を含めても実は真央だけです。
 3F+3Lo、3Aに匹敵する挑戦だったんですね(今更でゴメンナサイ)。とてもキレイなコンビネーションでした。
 ちなみに刺されたけどGOEは0.00。つまりマイナスされてない。もうひとつ刺された2A+3TもGOEは+0.14。
 今期のURにおけるGOE減点目安は「-1か-2。最終GOEはマイナスでなくてよい」ですので、減点を上回るプラス要素があったということですね。
 ソチで加点付きURジャンプ跳んだのは男子も含めて真央だけですが、ジャッジ(演技審判)は文字通り“回転の不足以外”はとてもいいジャンプ、と判断した“珍しいUR判定”だったと言うことでしょう(笑)。
 ちなみに“URなのに不可解な加点”じゃないのは実際のジャンプを観れば明らかです(お手つきしたワケでもないですし)。

・確かに「エイト・トリプル成功」は不正確。「今期初めて3A認定」も間違い。
 でも、なんて言っていいのか難しいですよね。「エイト・トリプル着氷」「今期初めて出来栄え点付の3A認定」ってのもねぇ。
 ちなみに「着氷という言い方はスケートにはない」というような記事があるようですが、「テクニカルパネルハンドブック」や「価値尺度(SOV),難度レベル(LOD),GOE 採点のガイドライン」など見ても何度も「着氷」って単語が使われています。確かに成功失敗に関係ない用法ですので「“転ばなかったが認定されていない”という意味で使われることはない」と言いたいのかな?
 でも、“着氷しないジャンプ”はあり得ないので、「トリプルなんちゃら着氷」と言ったら「ISU的成功ではないけど転倒はしなかったんだな」的なイメージ持つのは普通の感性ではないかと。
 いずれにしろ何かいい用語ないですかね?

・冒頭ポエム部(笑)の「8Tripleとして昇華」は、記事リンク先に記した“8Triple構成”のことを指しており、また“昇華”はISU的に成功したという意味ではもちろんありません。
 単純なTES的価値だけで見ると、ソチ8位入賞までの選手中、アデリナ、カロ、GG、リプちん、アシュリーの5選手は「5種7回のトリプル」を跳んでいます(認定はさておき)。カロ以外は「5種7回のトリプル+2A」構成でした。つまりアクセルがダブルなことだけが「6種8回」じゃないワケです。
 しかしおそらく「3A」と「3+3(しかも3T+3Tとかじゃなく)」両方を組み込むこと…この時の2Aと3Aの差、またはセカンドのダブルとトリプルの差はとてつもなく大きな1回転なのでしょう。
 この価値は私自身言葉にできないものなのですが(無理にする必要もないと思いますけど)、事実ベースだけで言うなら「自分にしかできない高みに挑戦」し「ISU的には成功ではないかも知れないが真央の目標としては達成」したということかな。
 真央の歓喜は紛れもなく本物ですし、真央は自分の演技に対する自分の評価を偽れる人じゃないですから。
 真の価値はさらに深いものがあると感じています。たぶん「フィギュアスケート」を超えたところにそれはある。

・真央が「記録よりも記憶に残る選手」というのは不正確。「記録にも残る以上に記憶に残る選手」です(笑)。

・「たられば」はないから、SPが成功してたら・最終グループだったらあの滑りだったかどうかは判りません。
 確かにその通り。
 もしかしたらSP成功で勢いに乗り、最終グループの緊張感をパワーに変えてもっと凄い演技したかもしれませんもんね(爆)。

・たまにプロサッカーやプロ野球などと同じ観点でのご意見を見かけますが、プロとアマは区別して語るべきでしょう。ISUフィギュアはアマチュア競技です。
 ジャッジもですね。フィギュアのジャッジ(演技審判)はプロじゃないですから。また、テクニカルパネルとジャッジも区別して考えないとダメですよね。

・「順位の妥当性」と「採点の妥当性」は区別して語るべきです。
 例え順位が妥当でも、どんな点差だったのかは無視できるものではありません。特にPCSは事実上、その選手の固定的評価になりますので。どうせ順位は変わらないからいいじゃんかとは言えません。

・真央がメダルのことを言い出したのは代表になってから。代表になったから、です。
 そもそもメディアが「悲願の金」というのは不正確だと思います。「バンクーバーでは演技よりメダルだったけど今はメダルより自分の演技」ってずっと言ってますもんね。代表になったからその責任においてメダルのことも語り出したのだと思います。それでも「一番いい色」と表現して、メダルを第一義にしないようにしてたのだと思っています。

・「戦略ミス」とかって趣旨の記事もたまにありますが、意味不明です。
 短期的なハナシなら、今更3Aを2Aにしても勝てるワケではありませんし。長期的にも、リスキーな3Aを早くにやめてればなんてクソくらえな論でしょう。
 そもそも以下に添付した今期グランプリシリーズ戦績表を見ても、例え3AのURなどを取られたりしても勝てるプログラムですし実行力でした(VSヨナ想定は除く。詳細は上記リンク「やりきって~」記事参照)。五輪ではライバルたちがグイッと上がってくる可能性はありましたが、それは真央だって同じ条件のハズでした(以下バンクーバー参照)。
 「戦略的」にも決して無茶無謀な挑戦だったとは思えません。

 プロかアマかにも関係すると思いますが、真央は自分の演技をソチの舞台で完成させることがメダルよりやりたかったことなのです。そしてそれは勝利を目指すこととイコールですから何も問題ないでしょう。
 問題があるとするならそのリスクレベルの是非ですが、無難に銅狙い? 勝負して金狙い? 真央に前者はなかった(技術的にもこころざし的にも)ワケですが、それはアスリートに対して非難すべき点なのでしょうか。
 アマ競技ですから、勝つことが全てかも知れないプロとは価値観違っていいでしょう。逆にアマでも「自分のやりたいことよりも勝つことを優先する」という価値観があってもいいでしょう。さらに逆に例えプロでも、敬遠するときに泣いてた投手いましたよね。
 少なくとも第三者がどうこう言えることではないと思います。

 「公費を使ってるんだから個人の価値観よりメダルだ」なんてのは屁理屈でしょう。公費を使う五輪運営システムは選手が望んで決まったものではないですし、“五輪だけ”が競技生活じゃありませんし。
 ていうか、少なくとも真央については、公費を払った国民の多くが喜ぶ結果を残してくれたんだから何も問題ないっしょ(当然不満な人もいるでしょうけど公的なものは何にしても100%じゃないのは仕方ないことです)。

・次の目玉選手がいないってJSFの育成のせいにするのはどうかと。
 この数年間が凄すぎたと考えるべきではないでしょうか。
 そもそも、「強い選手」ではなく「目玉選手=スター」はJSFが育成できるものじゃないですよね。

・帰国直後の外国特派員協会での会見(*)にて。
 日韓関係のことなんて聞くなよ。政治とスポーツを絡めちゃダメでしょ。

・同会見にて。森氏が五輪会長なのがどうとか聞くなよ。
 そもそも断片的な情報しか持ってなかっただろうから正確な返事できるハズがありません。「必ず転ぶ」は失言ですが、一応真央を気遣った内容のようであることなど(すごく解りにくいですが)、正確な発言内容知っていればまた答えは違ったと思います。
 ちなみに、森発言の真の問題は真央に関する配慮を欠いた言い回しよりも、団体戦に関する「最初から負けると判っていたのだから真央を出す必要はなかった(つまりチームとして手を抜け)」という論調と、リード兄弟について「オリンピックに出る力量ではなかったが日本に帰化させた」という点でしょう(フィギュア以外でもかなり疑問な発言してるみたいですが)。
 団体戦は、今回のルールにおいて日本チームの全力を尽くすならあの人選しかなかったと思っています。予選を突破するためには男女シングルはSPにエース投入しかないでしょう。
 念のためですが、今回の団体戦を肯定しているワケではありません。ルールも日程もまるで気に入りませんが(最初っから)。やっぱり個人戦に影響しちゃったと思いますし。

・同会見にて。「ハーフハーフ」はわざとじゃないかナ。
 しつこく「パーセンテージで」と問われて「50パ…」と言いかけて言い直した回答ですから。よりボカしたかったのでしょう。“くらい”も付けてますし。ビールだってきっちり半分じゃないですよね。「50:50が正しいのに」とかって言うのは当たっていないと思います。

*:http://blogos.com/article/81092/

   ←上記記者会見の内容だそうな。こんな商品あるんですね。


 ということで。以下、野暮なオマケです。



■「ISUジャッジングシステム」の摩訶不思議

 しかし女子は、上位がこぞって「ほえ~」っていう点でした。ハッキリ言って違和感ありまくりです。
 ぶっちゃけ女子でヨナ以外の採点結果にこれだけ違和感感じたのはほとんど初めてです。
 ユーロ結果と団体戦リプちん(とプルプル)の得点を見て予想していた以上の結果となりました(苦笑)。

金 :アデリナ SP74.64 FS149.95 Total224.59
銀 :ヨナ    SP74.92 FS144.19 Total219.11
銅 :カロ    SP74.12 FS142.61 Total216.73
4位:GG    SP68.63 FS136.90 Total205.53
5位:リプちん SP65.23 FS135.34 Total200.57
6位:真央   SP55.51 FS142.71 Total198.22

 もちろん違和感はあくまでも個人の主観として、です。ISUも主観で付けてますから仕方ないですよね(笑)。

 4年前、バンクーバー結果トリノ結果のモンモンに耐えられずいろいろ考えて記しました。ソチ結果についても違和感あるのですから同じような観点で記しておかないとズルい気がするので一応書いてみます。
 ただし、今回の違和感は真央の順位に関係ないので若干モヤモヤはしますがモンモンとはしてません(笑)。ゲンキンですが仕方ない。
 ですのでカンタンに。

 念のためですが、あくまでも「その演技に対する採点結果=絶対的得点の妥当性」の話であって選手がどうこうではありません。相対的な順位としては、アデリナとカロのメダルに文句はないですし、真央がメダル獲れなかったのも文句ないです。
 そもそもアデリナもカロもリプちんもGGもアシュリーも好きですもん。

・男子なみ?
 実効的な意味がある比較なワケではありませんが、例によってアデリナのPCS係数を変更すると

 SP:39.09+(35.55/0.8x1.0)=83.53
 FS:75.54+(74.41/1.6x2.0)=168.55

 合計252.08。要素がひとつ少ないことを勘案すると銅のテンちゃんの255.10とほぼ匹敵するかな。銀のPチャンは275.62なのでそれ以上は無理でしょう。現在、ゆづるんとPチャンは男子の中でも得点的には飛び抜けてるのでさすがに届きませんが、4Tも決めているテンちゃんに匹敵するとなると、やっぱり出し過ぎだと思います。
 まあ、ヨナが“優勝しちゃったバンクーバーよりはマシ”かな。
 「男女別?」についての見解はこちら

 ちなみに今回はSSのPチャン超えは誰もできませんでした。

・GOEランキング(FSにて)
 バンクーバーではヨナが男女合わせても2位以下を寄せ付けず(17.40。2位はライサの9.64)ぶっちぎった件です。
 今回のGOEの男女混成ランキングを以下に記します(有力選手を中心にざっと見たのでもしかしたらモレあるかも知れませんが)。

 1位 アデリナ   14.11
 2位 ヨナ      12.20
 3位 カロ      10.39
 4位 アボ      10.24
 5位 ナンデスくん 10.12
 6位 GG       8.93
 7位 ハンヤンくん  8.89
 8位 テンちゃん   8.30
 9位 大輔       6.92
 10位 真央      6.69
 11位 ゆづるん   6.19
 12位 Pチャン    5.82
 13位 リプちん    5.28

 少なくともアデリナがひとりでぶっちぎってる状態ではないので、これも“バンクーバーよりはマシ”と言えるでしょうか。
 しかし、女子の方が要素が少ないのですから、やっぱり女子の上位はGOE出し過ぎと言っていいのでは。ただ、今回は男子が崩れてしまったのでヨクワカラナクなっちゃってますが。

・PCS暴発
 一方、やっぱりPCSは暴発したような。
 「若手がベテラン実力者と同等どころか上回るなんて」という意見があります。確かに、真央が70弱でアデリナが74.4、リプちんが70っていうのはどうなんでしょうと思ってしまいますね。
 そこで、当の真央がデビューした時はどうだったのかを表にしてみました。真央がシニアデビューした05-06シーズンの真央とスルツカヤと荒川さんのFSです。

05-06シーズン変遷

*:念のためですが、Deductionは無視していますのでTESとPCSを合計しても得点にならない場合があります。
  TESとその内訳としてのB.V.とGOEは、演技のデキの参考情報として付けています。
  以下の表も同じ。

 これを見ると、ジュニア上がりがいきなりシニアトップ級に肉薄するPCSを出すことはあるようです。ただ、真央事例では“超えた”というレベルではないと思いますが。真央のPCSはデビュー戦から順調に上がり、ついに強烈なTESと相まってGPFで優勝しちゃったワケですね。が、それでも上昇したのは“シーズン通して段階的に5.5点ほど”です。

 さて、ソチ上位陣の今シーズンの変遷はどうでしょう。
13-14シーズン変遷(団体戦付き)

 やっぱねぇ… アデリナとリプちん、カロのユーロ以降(ソチ結果はユーロとセットで見るべきだと思っています)の急上昇はちょっと… カロはベテラン実力者ですから上昇幅も絶対値もまぁ「あるかも?」なカンジですけど、アデリナとリプちんはそこまで“PCS的に”良くなったのかと言われると困ります。ユーロはTES的にも“カンペキ”だったワケでもないですし(*)。

*:http://www.isuresults.com/results/ec2014/ec2014_Ladies_FS_Scores.pdf

 ただ、カロにはプログラム変わってる影響も考えられますね。参考までですが、同じ「ボレロ」だった12-13シーズンのユーロでは70.28&世界選手権では70.69ですから、「プログラム自体の実力」とみることは可能かも知れません。
 8年前の真央の場合は「デビュー直後の様子見もあり、段階的に認められた」とみることもできますが、アデリナもリプちんも実績十分(シニア初シーズンではない)ですから、今回そのロジック適用は無理でしょう。

 「ニカゲツクライデイキナリジョウズニナレルモノナノデスカふぃぎゅあすけーとッテ」

 …あ、なんかヘンになっちゃった(苦笑)。だって「絶対評価」なんですよねぇ? 「絶対評価」なら、ある選手の得点経緯は相対比較できるハズです。“整合”もしてるんでしょうし。PCSって不思議ダナー

 「そうだよ、いきなりすげー上手くなったんだよ。伸び盛りの選手にはそういうこともあるんだよ。30~40年もジャッジやってると判るんだよね。素人にはワカンナイだろうけど」とかISU会長に言われちゃったみたい(*)なのでそれまでですけどね(爆)。

*:http://www.nikkansports.com/sochi2014/figureskate/news/p-sochi-tp0-20140224-1261961.html

 …気を取り直して。では前回オリンピックシーズンにおけるメダリストの変遷はどうでしょう。

09-10シーズン変遷

 五輪だけみんなシーズンベストより5~6点お祭りになってたカンジですかね?
 PCSについてだけ、かつ、このシーズンに限ってのハナシですが。

・ミッシング・リンク
 以上、女子上位のGOEとPCSは今期の得点状況と実際の演技からして“出し過ぎ”と感じます。

 だってグランプリシリーズとユーロ以降が繋がってないんだもん。

 URやエッジエラーといったテクニカル判定についてはパスです。これらもテクニカルパネル個々の裁量(非公開)ですから、辛い甘いを語ってもあんまり意味ないので。
 ていうか、今回は特に“無粋”な気がしちゃって。

 バンクーバー結果を見ても、上位選手には「五輪ボーナス」みたいなのがある気がします(でもアシュリーは仲間ハズレ?)。カロの上昇分はその範囲に収まってる気がしますが、アデリナはさらにホームアドバンテージを加えてもちょっと出し過ぎじゃないかと(冒頭に書いた通り演技の素晴らしさには全く異論ありません)。
 ということで、個人的には、今回ISUは、

・アデリナFSはTESとPCSで5点づつくらい出し過ぎ
・ヨナFSはTESとPCSで7点づつくらい出し過ぎ(今期の参考戦績はありませんが)
・カロはSPもFSも変えちゃったからシーズン変遷が参考にならないけど… 若干出し過ぎ?
・GGのFSもちょっとどうかな。確かに良かったけど… 五輪ボーナスの範囲かナ?
・同じアメリカ勢でもアシュリーには出さねー ていうか何故か一人だけ非五輪モード?
・ミスして沈んだのであまり目立たないけどリプちんFSも若干出し過ぎ
・SPも、ヨナは出し過ぎ、アデリナはちょっと出し過ぎ、カロは出し過ぎかも?(微妙…)

じゃないの? と感じています。だって「絶対評価」なんでしょう?(あ、繰り返しちゃった)

 残念ながら、最終グループ(のユーロ組)だけは絶対評価じゃなくてヨナをベンチマークとして相対値出したって見ると一番シックリきちゃって悲しい。もちろん確証なんかありませんけど。

 逆に、真央については少なくともFSのPCSが2点は低いんじゃないかナ~ TESも微妙ですが、特にPCSは他選手と比較するとそう感じます。素人ですけど。ていうか今回は玄人の方も多くが低いと仰ってますよね。ただし「滑走順が~」なんて理由にならないのは言うまでもありません。「今のジャッジングとはそういうもの。最終グループに入れなかったのが悪い」と言われればそれまでですけど、納得できる言われ方じゃないですね。

 結局、iISUジャッジングシステムについて考えた記事に記した通り
「採点は主観」
であって原則
「ウツクシサや感動は点にならない」

「SP失敗の印象あったり滑走順が早いと抑えられることもある(抑えられないこともある)」
んだけど逆に
「勢いとかホームアドバンテージとか最終グループのプレッシャーの中よく頑張ったご褒美とか謎な要素がドバッと点になることもある(ならないこともある)」
ということで、
「充分に正当とは思えない」
理由となりえる明確な事例を増やしたに過ぎないのかな。


 以上、ISUの価値観に対する個人的な主観のおハナシでした。
 ISUも、やましいところがないなら試合後採点総括くらいのコメント出すべきじゃないのかと思います。
 なんで今回はこんなにPCSが上がったのかとか、何故GOEがこれだけ付いたのかとか、本当に知りたいよ。

 そういうのがないなら、やっぱ見切りたくもなるわなこれ。ホントは見切っちゃダメなんだろうけど…選手のこと考えたら。
 この「選手を質に取られてる」ような感覚、なんとかしてくれませんかISUさん。

 ああもう。
 でも、ホントにありがとうございました。真央、そして全力で五輪に挑戦して素晴らしい演技を観せてくれた選手の皆さん!


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がんばれ 真央ファン

14/02/17初稿

 もちろん自戒を込めて。


 団体戦で不安になったかも知れない。
 真央の不安はファンに伝染したかも知れない。

 でも、ここで応援しなくてどうする。
 ここで真央を信じなくてどうする。
 応援だって集大成なのだから。

 リプちんのPCSもヨナのGOEも関係ない。
 願うは真央大満足の演技のみ。

 真央に幸あれ。
 真央に幸あれ。

 真央ならできる。
 真央ならできる。

 そして、ソチのリンクで思う存分、至福のぴょんぴょんを。


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「ISUジャッジングシステム」をデコードする

14/01/25初稿
(14/01/01にロンドン記事に追記した内容を増補改訂して独立させました)

 謎のヴェールに包まれた(笑)フィギュアスケート採点法「ISUジャッジングシステム」。
 通称「新採点法」…もう“新”というには違和感ありますね。
 「Code of Points」と呼ばれることもあるようです。

 ソチを控えて最近またちょっと考えたことがあるので以下に記してみます。CodeならDECODEしましょうということで。


■ISUジャッジングシステム資料

 まず、前提となる公開資料の在処(今回使った資料)です。

・TES
・テクニカルパネルハンドブック13-14(JSF和訳版)
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/2013-14_TPHandbook_single_J_ver1.pdf
・Communication No.1790(13-14シーズンのGOEの付け方など:JSF和訳版)
 http://www.skatingjapan.or.jp/image_data/fck/file/Figure_ISU_Communication/comm1790J.pdf

・PCS
・OverView  *05/05/18付けバージョン
 http://www.usfsa.org/content/JS08-progcompoverview.pdf
・Explan  *04/07/31付けバージョン
 http://www.usfsa.org/content/JS08A-Programcompexplan.pdf

*:14/06/16追記:本日ISUトップページからPCS文書へのリンクを発見しました。初稿書いたころには無かったと思うんだけど…
 ということでISU正式版はこちら。

・OverView  *13/10/23付けバージョン 点数の意味づけが違いますが、本考察には影響ないと思います
 http://static.isu.org/media/139116/program-components-overview-2014.pdf
・Explan  *04/07/31付けなので、USFSAの文書と同じバージョンのハズです
 http://static.isu.org/media/104183/program-component-explanations.pdf

・Deduction
・S&P Deductions 2012-06-29(JSF和訳版)
 http://www.jsfresults.com/data/fs/pdfs/comm/2012sp_whois_j.pdf

・PCS和訳
 PCSについては日本語版が見つかりませんでした。本稿考えるにあたり、英語のままだとイマイチ理解が進みません。
 そこで、無謀ながら自らPCS和訳を試みました。英語は宿敵なので全く合ってる保証はありませんが、PCSを自分なりに理解するためにはやむなしと言うことで。


■ISUジャッジングシステムの正体

 さて、上記で(日本語で:PCSは激アヤシイですが)資料は一応揃いました。これをベースにちょっと考えたことを。
 バンクーバー・トリノをうけてルール・ガイドラインについて考えたことの続編、になるでしょうか。そちらに書いた通り「ジャッジは主観」「テクニカルパネルも実は主観」「充分正当とは思えない」がベースになります。

・そもそもISUジャッジングシステムは「芸術性」を評価しているのか
 6点法では

「技術点=TECHNICAL MERIT」と
「芸術点=ARTISTIC IMPRESSION」

でした。
 ISUジャッジングシステムでは

「技術点=TECHNICAL ELEMENT SCORE(TES)」と
「演技構成点=PROGRAM COMPORNENT SCORE(PCS)」

になっており、少なくとも名目上は「芸術(ART)」という観点は無くなっています。 
 また、上記PCSの内容を見るとズバリ「芸術性」や「表現力」などに直結しているとは言い難い気がします。
 煩雑になることもあり、本Blogでは「PCSは一応芸術点の後身」としていますが、「PCS=芸術性・表現力」と短絡すべきではないのではないかと感じています。
 素人にはヨクワカラナイのですが。
 以下その前提で。

・スポーツか芸術か 客観か主観か
 「フィギュアはスポーツか芸術か」なんて話題がよくあります。
 オリンピック種目にまでなってるのですから、スポーツじゃないワケはありません。
 でも、大変芸術性も兼ね備えたスポーツ…確かな技術が無ければ芸術性は醸せないでしょう。

 以下素人ですので間違いあるかも知れません。その点ご容赦ください。

 私は6点法、いわゆる旧採点法の時代からのファンではありません。ので詳しくは語れませんが、ざっくり言うと「技術点」「芸術点」を6点満点で採点するものですよね。その点数の付け方ですが“その時点・その大会における最高峰の選手を満点のイメージ”に置いて選手を点数付けし、それに基づきランキングする「相対評価」だと理解しています。そして、その評価基準は個人の主観と裁量によるものが大きかったということです。
 そのためどうしても曖昧さが残りますが「ジャッジへの信頼」の上に成立していたハズです。
 が、しかし「ソルトレイク・スキャンダル」が起こってしまった。
 そこで「客観的でわかりやすく(実態はさておき)」するために開発されたのがいわゆる新採点法、正式名称「ISUジャッジングシステム」。

 もともと「スポーツ」としての部分はある程度客観的な判断ができるでしょう。しかし「芸術」についての客観的判断は原則的に無理です。個人の趣味の問題ですから。
 6点法ではある種それを割り切っていたように思います。その分技術評価もやや曖昧になっていたかも知れません。
 が、ISUジャッジングシステムでは、技術点の後身たるTESを非常に厳格に規定してある程度の客観性と絶対性を確保(実態はさておき)したと同時に、芸術点の後身PCSの判定にもある程度の客観性と絶対性を盛り込んでいるような気がします。

 ジャッジミーティングやセミナーでGOE付け方は整合されているようです。裁量権を認めておきながら一方では整合するのですから、そのバランスをどうとるのかがとても重要な課題だと思います。
 TES(技術判定とGOE)の整合はまだ理解できます(ていうか回転不足やエッジエラーなどの技術判定の裁量範囲は可能な限り小さくするべき)。が、「裁量という名で主観としての評価が許されている」ハズのPCSも整合されているようです。
 例えば、田村明子氏著「銀盤の軌跡」に、「ジャッジミーティングで自分のSSは9点台でもいいのではないかという話が出たと聞いて嬉しかった」というこづのエピソードが載っています。
 また、ソチ団体戦プルシェンコSPの採点について以下のような岡部由起子さんインタビュー記事があります。

岡部 ~前略 ただし彼への採点は、非常にジャッジによって点が割れました。特にトランジション(つなぎ)は、ジャッジによって4.5~9.25と点差が出ました。
-- これはジャッジミーティングでも話題になったのでは?
岡部 点差が開いたということは、ジャッジによって見る部分の違いが大きかったということです。プルシェンコ選手の名前を挙げて指摘することは有りませんが、フリーの直前ミーティングではレフェリーから「全てのムーブメントにおいて、どのような身体の動かし方をしているかしっかり見て欲しい」という注意喚起がありました。どの試合でも色々な確認がありますが、やはり点数が割れたことが話題にはなったと思います。

出典:「ワールド・フィギュアスケート別冊 ソチ総特集」 P.72



*関連性はもちろん不明ですが、FSでは6.25~9.25と「バラツキ」は縮小しています。

 PCSも整合されているのです。しかし、です。
 SSやTRの整合はまだ解ります。が、INなんてどうやって整合しているのでしょう?
 と思っていたのですが、それについての貴重な情報がありました。
 J-SPORTS世界選手権2014エキシビション放送アボ演技中の“女子会”において、男子FSでレフェリーを務めた岡部さんが試合後のジャッジの「ラウンドテーブルディスカッション」のお話をされています(岡部さん毎度情報ありがとうございます!)。
 それによると、ジャッジにファイブコンポーネンツそれぞれ良かった選手を挙げてもらい、じゃあ良いと思ったにふさわしい点を出したのか質問し、「今思うともっと出すべきだった」というような想いを引き出し、それを次回に繋げていくようです。まさにINについて例に引かれていました。

・裁量か整合か
 「PCSにも整合がある」ということは、ISUとしてのマスな芸術的審美眼=「組織としての主観」を画一化することも可能、と言えるのではないかと思います。
 もしそうだとするなら、その“審美眼の絶対基準”は一体誰がどう決めているというのでしょうか。

 突き詰めて言うと、テクニカルパネルも演技審判も(TESもPCSも)「長年の経験やトレーニングに基づいて認められた裁量という名の主観で責任を持って判定している(ハズ。個人的にはテクニカル判定に裁量は不可だと思うけど)」と理解しています。芸術性を含む“採点競技”であるがゆえに複数の人間の異なる価値観に基づく判定結果の平均をとっているのですから、「価値観の差違」は認められているハズです。
 しかし、ジャッジミーティングやトレーニングによる整合は、「裁量という名の主観」という個性と独立性を充分に担保しているのでしょうか。

 それがうまく機能していないように感じることが「ISUジャッジングシステム」による採点結果の違和感の正体ではないかと思っています。

 ちなみに、感性の違いを認めるなら、理想的には「地域」や「世代」もバラけさせるべきでしょうね。現実的には難しいのでしょうけれど。

 なお、「整合」とは表だったものだけではないでしょう。町内会のドンの意見には逆らえない…みたいなこともあると思います。

・ISUジャッジングシステムは「芸術性重視」?
 女子FSを例に見てみたいと思います。
 ざっくりTESを技術点・PCSを芸術点(正確には不正確ですが)とみなすと、トップレベル選手のBaseValueは約60。GOEはミスなくいい演技すると約10(要素は12なので1要素平均0.8程度ですから矛盾はないでしょう)。PCSは10点満点の9.0弱程度を出すようになってきていますので5項目とファクター1.6で約70。

 (BaseValue60+GOE10)+PCS70=140

 例:全日本2013のアッコちゃん(非ISU大会ですが得点構成の例なので。ヨナは別格すぎて使えない(笑))
 (BaseValue60.01+GOE12.10)+PCS72.88=144.99

 TESとPCSでおおよそ半分ずつくらいの配分でしょうか。結構上手いこと考えてると言えるのかも知れません。

 が、TESはミスの有無で大幅に変動します。例えば

  成功:3Lz+3T:10.1+GOE1.9=12.0   ⇒  失敗:すっぽ抜け単独3Lz:6.0-GOE2.1=3.9

ひとつのミスだけで実に8.1の変動があるワケです。後半の技ならさらにBaseValueは1.1倍効いてきます。

 一方、PCSはもし大技をミスしても大きく変動しません。

 ですので、PCSで高評価を獲得済みの選手は基本的に有利になります。実際、かなり気のない演技(「ミスした演技」と同義ではありません)してもPCSは10%も下がりませんから。
 逆に、素晴らしい演技してもドッカンと上がるものでもないようです(上がることもあるようなので困るのですが(苦笑))。

 例:ヨナのバンクーバーFS→トリノFS TES:78.30→66.45で84.9% PCS:71.76→65.04で90.6%
 例:真央のGPF福岡SP→ソチSP TES:37.45→22.63で60.43% PCS:34.91→33.88で97.05%
 例:真央のソチSP→たまアリSP TES:22.63→42.81で189.17% PCS:33.88→35.85で105.81%
 例:カロのソチFS→たまアリFS TES:68.84→53.81で78.17% PCS:73.77→73.78で100.01%

*例は同シーズンの連続したISU大会でデキが極端に違った演技を抽出したものです。

・ISUジャッジングシステムは「スポーツ性重視」?
 素人考えかも知れませんが、実は、TESってレベル規定にもGOE要素にも、それを満たすには“必然的にウツクシク”なってしまいそうな部分がほとんど見当たらないんですよね…

 例えば、スピンのGOE判断には「姿勢が良い(原文"good position")」なんて項目がありますがMust項目というワケではなく、8項目中6項目満たせば(裁量に依れば6未満もアリ)GOE3ですから、
 極論すると「姿勢が悪くてもGOE3は可能」
なんですよね。
 逆に
 つま先から指先(時にはアホ毛の先まで(笑))まで神経の行き届いた繊細な所作や力強い躍動しても、GOEは上がるとは限らない
のです。そういうGOE評価項目ありませんので。

 でも、私たちはウツクシイ演技やカッコイイ演技に感動しますよね。それは選手の努力の積み重ねとフィギュアというスポーツに向かう真摯な姿勢から醸されるものでしょう。しかし、そういう「所作やポジションのウツクシさ(敢えて言うなら真摯な姿勢も含め)などから醸される芸術的価値」はTESの点にはならないようです。
 一方、それを点にするハズのPCSは「どうしてその選手はそういう評価なのか」は全くのブラックボックスな上、上述の通り演技ごとにはあまり変動しません。
 ので、「美しかった」「かっこよかった」「感動した」と思った場合にも、我々が感じた価値ほどはTESにもPCSにも反映されないのです。「キレイに見えなかった」「雑だった」場合もまた真です(ここワリと重要)。

 つまり、観る側が感じるそういった「“Emotionalな価値”に見合った点数反映はない」のが「ISUジャッジングシステムの現実」と言えるのでは。

 非常にもどかしいですが、そもそも「“スピンで姿勢が良い”は当然ではなくGOE要素」ということ自体が意外というか驚きです。

 「フィギュアは美しくあるべき」と語るフランク・キャロル氏は現採点法に納得いかないことが多いそうです。
 名コーチの言葉です。

美しいスピンとは、どのようなスピンだと思いますか? 背中で美しいアーチを保った姿勢で、ほとんど摩擦がない軽やかなレイバックスピンを30回転回ったとする。それは見ていて豪華なものです。でもこの採点方式では、まったくポイントにならないんですよ。ゼロです。
出典:田村明子著「銀盤の軌跡」P.145

   ←田村さんが多用するフレーズ「ご祝儀」「ご褒美」「気前よく」「ジャッジも人間」って具体的にどういう原因と結果のことなのでショね? やっぱり「察してちょうだいね」って意訳すべきなのかな?(爆)

 採点のうち、TESは、“技術点”ですからそれも仕方ないのかも知れません。しかし、TESには「ウツクシサは関係ない。純粋に技術的評価」という傾向があるにも関わらず、「女子も技の点数が男子と同じ=女子における難度に相応する点数(技術の評価)になっていない」という矛盾が。
 4年前にも指摘されていたこと(藤森さんの記事参照)です。

・高難度か完成度か
 男子の4回転がいい例ですが、選手サイドが「跳ばずに勝てる」と思うなら(そこまで3A以下の完成度を高められるなら)そういう戦略でいいと思います。しかし、スポーツな以上「“跳ばない方が勝てる”というルールはよろしくない」でしょう。なのでバンクーバー後大きな改定が行われ、3Aや4回転などの基礎点が上がりアンダーローテという考え方が導入されました。しかし男女で基礎点が変わることはありませんでした。
 そして。
 男子は4回転を「跳ばないと勝てない」になり、4回転時代が復活しました。
 女子にはドラスティックな変化は起こりませんでした。

 男女で基礎点は同じなのに、FSでは男子はジャンプ要素8個、女子は7個という違いがあります。そのため男子では、いわゆるザヤックルールに引っかからないように勝てる構成にするには4回転が必須になっています。一方女子はジャンプ要素がひとつ少ないため、「3Lzより高得点のジャンプを組み込まないと圧倒的に劣る」という状況にはなっていないでしょう。基礎点からすると女子にとっての3Aは「ハイリスクローリターン」ですし。
 そのあたりにISUの明確なビジョンが読めないところが違和感あります。

 女子にとっては、敢えて言えばSPの必須エレメンツが「2A」から「2Aまたは3A」に改定(*)されたのは高難度挑戦を促すものだったと言えるかもしれません。しかしSPはひとつのミスが命取りになるからでしょう、真央以外に挑戦する選手は現れませんでした。

*:バンクーバー後の改定内容に関する記事
 http://www.nikkei.com/article/DGXZZO10361220S0A700C1000000/
 「ジャンプに質を求める」というISUのコンセプトは理解できますが、スピンやステップ…ひいては「演技全体の質」向上はどうなっているのでしょうね。

・ここでちょっと「SPルール改定」について
 上記の通り4年前アクセルについては改定されましたが、改めて現在のルールを見ると、シニア女子の「ステップからのソロジャンプ」はトリプルに限定されており、かつての「アクセルジャンプ」と同じ状態なのですね。「女子クワドジャンパー」が出てきてアタフタする前に改定しといた方がいいんじゃないですかね?

 ていうか、逆にこういうルールがあるからクワドに挑戦する女子が出てこないのでは?

 「SPは規定要素の出来栄えを競うもの」だとしても、スポーツであるなら高難度を制限するのは解せません。また、本当にそれが目的だと言うなら規定要素は同じ技(というか同じ回転数)に限定してしまうべきで、アクセルを「ダブルまたはトリプル」へ変更したのは間違いでしょう。が、そもそも男子のソロジャンプは以前より「トリプルまたはクワド」であり“限定”はありませんから、ずっと間違っていることになります。
 男子でクワドが許可されたのは88-89シーズンだったそうで、すでにクワドジャンパーが多く存在した状態だった、という点で女子アクセル改定とは背景事情が違うようですね。しかし、事情の違いとしてはもっと抜本的に6点法とCoP法という違いがあります。現在は「絶対評価」で得たSPとFSの合計点で順位が決まり、コンマなん点の絶対的点数が勝負を分けます。競技スポーツである以上、より高得点を狙うことを禁止すべきではないと思います。
 その意味では、そもそも回転数を指定するのをやめて「ダブルアクセル以上」とかにしておけばいいと思うのですが。ゆずるんに「クワドアクセル」跳んでもらうためにもね!

 あくまでも「ショートは規定要素のデキを競うものなんだってば!」というのなら、フリーとは演技の目的・価値が大幅に違うということですから、採点方法はそれぞれに最適化すべきじゃないかと思ったり。実施要素をこれって決めちゃった上で、例えば基礎点なんて無くしてGOEのグレードを±6にするとか?

 もし、ジャンプ難度を制限しているのは「ケガのリスク低減というコンセプト」に基づくと言うのなら、他に優先してやることある気がします。例えばビールマンスピンに何らかの規制いれた方がいいんじゃないでしょうか。私は素人ですが、荒川静香さんが「誰も語らなかった知って感じるフィギュアスケート観戦術」P.31でビールマンスピンによる負傷の危険性についてISUの課題だと書いてらっしゃいます。が、現実には規制どころか女子スピンのレベル要件になってますよね。「ジャンプ制限はケガリスクを考えてるから説」は成立しえないと思えます。

 やっぱりISUは「女子には高難度ジャンプで勝負して欲しくない」のだと思わざるを得ないです。

・意外な正体

 TESには「高い芸術性を生み出すためにも高い技術を求める」という方向性が抜けている気がします(*)。

 といって、

 PCSには上記の通りGOEみたいな変動要素がない。そもそもなぜそういう評価なのか完全秘匿(集団表層主観?)。


*:荒川さんの著書「知って感じるフィギュアスケート観戦術」P.38に「バックインサイドスパイラルのように、どう見ても美しくないものも、レベルのためにはやらなくてはならなかった」といった記述があります。当件は現在は変更されているとはいえ、ISUジャッジングシステムの根本価値観を見る気がします。

 以前調べた時は
「実はPCSだけでなくTES(テクニカル判定もGOEも)も裁量という名の主観」(敢えて極端に言えばですが)
だと気づいてビックリしたものですが、今回は
「主観は裁量という名で認められている一方で整合されてるっぽい」
「実はフィギュアってウツクシサは点にならない」
(なってるかも知れないが完全非公開なので観る側には全くワカラナイ)
「逆に言うとウツクシクなくても減点されるワケじゃない」
と気づいてまたビックリです。

 ああ、驚いた。
 本稿書いてるウチに、そのヘンが「素人たる観戦者と玄人のISU」間にある違和感の根本原因なのかもと思えてきました。

 「フィギュアはウツクシク・カッコよくあるべきっしょ~! TESもPCSもそういう出し方しろやコラ(ウツクシクなかったら出すなコラ)」 ←心の叫び

 例えば「ポジションが美しいこと」は必須要件にするか、ちゃんと点にすべきじゃないのかなぁ。

 個人的には、フィギュアスケートというスポーツにおいては、

 「高い技術は必然として高い芸術性を有すもの」であって、
 「高い芸術性を伴わない高い技術」は本当の意味で求められる技術ではなく、
 「技術なく芸術性を醸すことはできず」ゆえに
 「高い芸術性がない=高い技術はない」

だと思ってます。
 ISUさんはどう思ってらっしゃるのでしょう(そう思ってらっしゃらないようですけど(苦笑))。

 「アスリート兼アーティスト」まっちーの弁です。

--質の良い4回転が決まると会場の空気が一変しますものね。プログラムの完成度が一気に上がります。
「そう。極めれば『技』も芸術なんです。ただ跳ぶだけのジャンプは『技術』に留まるけれど、美しくやり切ることによって『芸術』になりますから」

出典:「フィギュアスケートDays Vol.18」P.15



 キャッチコピーみたいな書き方すると「PCSにもGOE…“Grade Of Emotion”を」てなカンジでしょうか。
 難しいですね。芸術性をどうやって客観的に数字で評価するかというまさに永遠の課題、かな。

 しかし、10.00が出るようになったらPCSもオシマイですね。バンクーバー後にはTESには結構手が入りましたが、ソチ後はPCSが改定されそうな気がします。
 最後の採点基準となるなら、ソチの採点は暴発するかも知れませんね。


■「充分正当性があるとは思えない」について

 本項14/02/13追記:本Blogでは標題の考え方していますが、一応説明しておこうかと思います。
 「充分正当性があるとは思えない」とは「不正である」という意味ではありません。文字通りの意味で使っています。

 「上下カットした平均値を使っているのだから、ジャッジ(正確にはテクニカルパネルも)全員を買収しないと意図的点数は出せない。そんなことは現実的ではない」だから正当である、という論を見ます。私も「全員買収」など非現実的だと思っています。
 がしかし、そのことは「充分に正当である」保証にはなり得ないとも思っています。

 本稿で前述したように、GOEやPCSはジャッジミーティングで整合されているようです。おそらくテクニカルパネルの判定についても整合はあると推察します。
 TESについては極力客観的であるべきですのでそれはいいでしょう。
 一方PCSは、シニア参戦直後や復帰明けの選手、“ものすごく6点法時代っぽい演技をする選手のトランジション”などにはバラつきが見られますが、実績を確定させた選手のそれはその時々のデキにあまり左右されませんしバラつきも少なくなっています。それは、本来ジャッジの裁量によって付けていいハズのPCSにも「TES並みの整合」があるからではないかと思えます。

 ジャッジには監査があり能力に疑問ありとされるとジャッジできなくなるそうです。ジャッジ能力の確保のためとされていますが、逆に異端分子の排除にも利用できます。
 また、テクニカルパネルの判定は傍聴されているそうです。不正監視のためとされていますが、逆に意図に沿うよう監視することも可能です。

 よって、もしISUの意向というものがあるなら、それを具現化する“重鎮”数名の見解をとりまとめさえすればある程度意図的点数を出すことは可能と考えられます。
 少なくとも「ジャッジ全員を買収~」なんて必要ない、とは言えるでしょう。

 いずれも“ISU内部で閉じている”から正当性を保証できないんですね。ジャッジ匿名性に始まり、GOEやPCSの理由も秘密、ジャッジミーティングの内容も秘密、抗議も受け付けないのですから。
 真に正当であらんとするなら、すべてを公開するか外部機関の監査を入れる必要があるでしょう。
 しかし現状、ソルトレイク事件を受けてなお、充分そのような姿勢があるようには見えません。
 ゆえに「充分正当性があるとは思えない」のです(そもそもフィギュアに限らず国際的なスポーツ組織が全くクリーンだとは思えないッス)。
 ただし、あくまでも正当性の担保のことを言っているのであって「不正がある」と言っているワケではありませんので念のため。
 だって何も証拠ありませんから。

 あの人に逆らうと後々メンドクサイからな~って町内会長の意見に迎合したり、職場で意思決定会議の前にすでに結論が決定しているような雰囲気があって仕方なく賛成したりするようなのは不正とは言わないッスもんね(爆)。

 「空気」に逆らって自分の信念を貫いても、テクニカルパネル&ジャッジにはデメリットこそあれメリットありません(本当なら志を貫いたという誇りこそがメリットなハズですけど)。おそらく少数派でしょうからその志ある採点は結局選手の成績に反映されないでしょうし(上下カットで消えていく(爆))。
 逆に、迎合しておけばデメリットはありません。「ちょっと本意じゃない採点しちゃったナ」という気持ちが残るだけです。選手の成績がどうなっても採点する側には自分のプライド以外に不利益はないですから。
 会社で「なんでも自由に意見を言ってくれ」って言われて真に受けたら飛ばされた、なんて話があったとしたら「ありそうな話」と思う方も多いのでは。
 「ISUジャッジングシステムのデキ」や「判定者の技量」がたとえどんなに優れていても、不正監視システムがあっても、“不正はない”ということにはならないでしょう。前述の通り非公開&身内主義である限り。

 システムや個人の技量に問題ないといくら説明されても、本質はそこではないので響いてきません。
 「組織の品性」の問題だと思いますので。

 もう一度念のため記しますが「不正がある」と言っているのではありません。システムや技量のことをいくら言っても不正がない・できない証明にはならない、と思っているということです。


 前述の田村氏の著書からもうひとつ引用を。当採点法の策定にも深く関わったというクリック夫人の言葉です(「その場」とはご自身が講師を務めたジャッジセミナーを指す)。なお、初出は「ワールド・フィギュアスケート No.58」P.42~の記事であり、「夫人ご自身は信念に基づいて採点している」というのが前提でのご発言です。

その場では、多くの人々から良い反応をもらいました。でもそれが現場では必ずしも生かされていない、どうしてなのかわからない。人々が理解するのに時間もかかるし、選手は常に進歩しているのに、心の強いジャッジでなくては過去を振り切れないこともあるのでしょう。
出典:田村明子著「銀盤の軌跡」 P.111


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テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

PCSを訳す

14/01/25初稿
(ISUジャッジングシステム記事に同梱していましたが、資料であることから14/06/21に独立させました)


 TESに関してはシーズンごとに更新されて公開されていますよね。
 が、PCSに関しては不思議なほどに資料がありません。上記くらい(USFSAサイトにうち捨てられたようにあるもの)しか見つからないのに加え、しかも04年のものであり(*)、かつ日本語版も見当たりません。ISUサイトにもJSFサイトにも発見できない…
 TESにはない「ウツクシサ」を採点していると推定されるPCSの内容を知りたいと思ったのですが、これじゃワカンネーヨということで、自分の理解のためここは一発自分で訳してみようかと思い立ちました。


■PCSの正体

 極力客観的で解りやすく…というかPCS理解の“補助資料”となるように、元文書のフォームなども再現し、原文と訳を並記するようにしてみました。
 元文書自体が古いですけど、素人に公開された資料としてはこれしかないんだから今でもこれでやってるんでしょと仮定するしかありません。
 ただし、英語はマジ苦手なので合ってる保証は全くありません! ご了承注意ください。
 もし本稿を参考にされる場合、他にもすでにweb上で和訳されている方がいらっしゃいますので、原文とともに照らしていただくことを強くオススメします。

 特徴的な単語については、JSFの和訳がある文書の原文を参照してなるべくJSFが採用した単語訳を使うようにしました("effortless"=無駄な力がない、など)。
 その方がニュアンスが伝わるのではないかと思った単語はそのままカタカナで採用しました。
 インデントなどはなるべく原典に準じました。
 意訳して日本語として解りやすくするより、極力原文の英文構造に準じることを優先しました(原則、原文理解のための参照資料の位置づけ)。

 さて、どうなることやら。

*:14/06/16追記:本日ISUトップページからPCS文書へのリンクを発見しました。初稿書いたころには無かったと思うんだけど…
 ということでISU正式版はこちら。

・OverView  *13/10/23付けバージョン
 http://static.isu.org/media/139116/program-components-overview-2014.pdf
・Explan  *04/07/31付けなので、USFSAの文書と同じバージョンのハズ
 http://static.isu.org/media/104183/program-component-explanations.pdf

 本文は訳に使ったものとバージョンは同じようですからそのままでいいと思います。

 一方、Overviewにおいては「9点台」の考え方が変わっています。旧版では9点は「Superior=優れた」であり10点は「Outstanding=傑出した」でしたが、新版では9~10点は同一ランクで「Outstanding」になりました。9点台が出しにくくなったというか10点の価値が下がったというか…?
 また、1点未満の考え方が追加されています。「Extremely Poor=極めて貧しい」です。

           旧    新
Outstanding   10    9 -10
Superior       9     -
Very Good     8     8
Good         7     7
Above Average  6     6
Average       5     5
Fair         4     4
Weak        3     3
Poor         2     2
Very Poor     1     1
Extremely Poor  -    <1

 新版では点数は「N点以上N+1点未満」という意味であることが解ります。「Very Good」なら8点以上9点未満でしょう。旧版ではそのあたりが曖昧ですね。

 では。


■Program Components Overview

PCSoverview.png  ←サムネイルっす
出典:program-components-overview-2014.pdf (13/10/23付け)

 本文のOverViewですので、これ自体の訳はなくてもよいかと思います。


■Components with Explanations

出典:0,11040,4844-152086-169302-64121-0-file,00.pdf (04/07/31付け)

Skating Skills

Definition: Over all skating quality: edge control and flow over the ice surface demonstrated by a command of the skating vocabulary (edges, steps, turns, etc), the clarity of technique, and the use of effortless power to accelerate and vary speed.

Criteria:
Balance, rhythmic knee action, and precision of foot placement
Flow and effortless glide
Rhythm, strength, clean strokes, and an efficient use of lean create a steady run to the blade and an ease of transfer of weight resulting in seemingly effortless power and acceleration.
Cleanness and sureness of deep edges, steps, and turns
The skater should demonstrate clean and controlled curves, deep edges, and steps.
Varied use of power/energy, speed, and acceleration
Variety is the gradation -some of which may be subtle
Multi directional skating
Includes all direction of skating: forward and backward, clockwise and counterclockwise including rotation in both directions.
Mastery of one foot skating
No over use of skating on two feet.
Pair Skating and Ice Dancing: Equal mastery of technique by both partners shown in unison.
Ice Dancing: Compulsory Dance -Ice Coverage


スケーティングスキル

定義: 総合的なスケーティングの質:語彙豊かなスケーティング(エッジ、ステップ、ターン、他)を制御したことによって示された氷面でのエッジコントロールや流れ、技術の明快さ、無駄な力を使わない加速や変化に富んだスピード。

評価基準:
バランス、リズミカルな膝の動き、正確な足裁き
流れ、無駄な力がない滑走
リズム、強さ、クリーンなストローク、 体の傾き(lean)の効率的な利用が、安定したブレードの傾き(run)や一見して無駄のない力や加速の結果としての体重移動のしやすさを生んでいる。
クリーンで疑いのないディープエッジ、ステップ、ターン
スケーターはクリーンでコントロールされたカーブ、ディープエッジ、ステップを示す必要がある。
多様なパワー/エネルギー、スピードや加速の使用
多様とは、段階的に変化すること-それは絶妙なもの
複数の方向へのスケーティング
すべての方向へのスケーティングが含まれている: フォワとバック、時計回りと反時計回り、両方向での回転を含む。
片足スケーティングの熟達度
両足スケーティングを使いすぎないこと。
ペアとアイスダンス: 両方のパートナーがユニゾンで示す同等の技術熟達度。
アイスダンス: コンパルソリーダンス-氷面を十分にカバーしている


Transitions/Linking Footwork & Movement

Definition: The varied and/or intricate footwork, positions, movements, and holds that link all elements. In singles, pairs, and synchronize skating this also includes the entrances and exits of technical elements.

Criteria:
Variety
Difficulty
Intricacy
Quality (including unison in Pair Skating and Ice Dancing)
Balance of workload between partners (Pair Skating and Ice Dancing)
Variety of Dance holds (not excessive side by side and hand in hand . Ice Dancing)
Transitions can be short or long, including the use of blade, body, head, arms, legs as dictated by the music. (Minimum use of cross-cuts)


トランジション/フットワークと動作の連結

定義: すべての要素の繋がりとして、多様かつ/または複雑なフットワーク、ポジション、ムーブメント、ホールド。シングル、ペア、およびシンクロナイズスケーティングでは、これはまたテクニカルエレメンツへの“入り”と“出”を含む。

評価基準:
多様さ
難度
複雑さ
クォリティ(ペアとアイスダンスではユニゾンを含む)
パートナー間における仕事量のバランス(ペアおよびアインスダンス)
多様なダンスホールド(過剰ではないサイドバイサイド、ハンドインハンド-アイスダンス)
トランジションの長短、ブレード、全身、頭、腕、脚の使用を含め、音楽によって決定される(クロスカット使用は最小限に)。


Performance/Execution

Definition: is the involvement of the skater/couple/teams physically, emotionally, and intellectually as they translate the intent of the music and choreography.

Execution: is the quality of movement and precision in delivery. This includes harmony of movement in Pair Skating and Ice Dancing.

Criteria:
Physical, emotional, and intellectual involvement
In all skating disciplines each skater must be physically committed, sincere in emotion, and equal in comprehension of the music and in execution of all movement.
Carriage
Carriage is a trained inner strength of the body that makes possible ease of movement from the center of the body. Alignment is the fluid change from one movement to the next.
Style and individuality/personality
Style is the distinctive use of line and movement as inspired by the music.
Individuality/personality is a combination of personal and artistic preferences that a skater/pair/couple brings to the concept, manner, and content of the program.
Clarity of movement
Clarity is characterized by the refined lines of the body and limbs, as well as the precise execution of any movement.
Variety and contrast
Varied use of tempo, rhythm, force, size, level, movement shapes, angles, and, body parts as well as the use of contrast.
Projection
The skater radiates energy resulting in an invisible connection with the audience.
Unison and "oneness" (Pair Skating and Ice Dancing)
Each skater contributes equally toward achieving all six of the performance criteria.
Balance in performance (Pair Skating and Ice Dancing)
Spatial Awareness between partners-management of the distance between partners and management of changes of hold (Pair Skating and Ice Dancing)
The use of same techniques in edges, jumping, spinning, line, and style are necessary concepts of visual unison; both skaters must move alike in stroke, and movement of all limbs and head with an equal workload in speed and power.(Pair Skating)


パフォーマンス/実行力

定義: 音楽と振り付けの意図の表現としての、スケーター/カップル/チームの肉体的、感情的、知的な関わり。

実行力: 動きの質、デリバリー(?)の正確さ。ペアとアイスダンスでは動きのハーモニーも含む。

評価基準:
肉体的、感情的、そして知的な関わり
すべてのスケート競技において、各スケーターは肉体的には必死に、感情的には心を込め、そして音楽解釈および全動作実行が等しくなければならない。
身のこなし
身のこなしとは、体の中心からの動きを可能な限り容易にする鍛えられた体の内側の強さのこと。アライメントとは、動作の流れるような変化のこと。
スタイルと個性/魅力
スタイルとは、音楽によってインスパイアされたラインと動きの特徴的な使用のこと。
個性/魅力とは、スケーター/ペア/カップルが、コンセプト、作法、そしてプログラムコンテンツにもたらす、個人的パフォーマンスと芸術的なパフォーマンスのコンビネーションのこと。
動きの明確さ
明確さとは、体や手足の洗練されたライン、同様に任意の動作の正確な実行、によって特徴付けられる。
多様さとコントラスト
テンポ、リズム、フォース、サイズ、レベル、図形を描く動き、アングル、そして体のパーツの多様な使用。同様にコントラストの使用。
プロジェクション
スケーターは、観客との目に見えない繋がりの結果、エナジーを放射する。
ユニゾンと“一体感”(ペアおよびアイスダンス)
それぞれのスケーターは、6個のパフォーマンス基準すべての達成に向けて均等に貢献する。
パフォーマンスのバランス(ペアおよびアイスダンス)
パートナーとの間の空間意識-パートナー間の距離とホールドチェンジの管理(ペアおよびイアスダンス)
エッジ、ジャンプ、スピン、ライン、そしてスタイルにおける同質なテクニックの使用は視覚的ユニゾンにおいて必要なコンセプト;両スケーターは、スピードとパワーの中で均等な仕事量を伴ったすべての手足と頭の動きとストロークにおいて、同様に動かなければならない(ペア)。


Choreography / Composition

Definition: An intentional, developed, and/or original arrangement of all movements according to the principles of proportion, unity, space, pattern, structure, and phrasing.

Criteria:
Purpose: (Idea, concept, vision, mood)
To reward the intentional and quality design of a program.
Proportion (equal weight of all parts)
Each part and section has equal weight in achieving the aesthetic pursuit of the composition.
Unity-purposeful threading of all movements
A program achieves unity when: every step, movement, and element is motivated by the music. As well, all its parts, big or small, seem necessary to the whole, and there is an underlying vision or symbolic meaning that threads together the entire composition.
Utilization of Personal and Public Space
Movement phrases are distributed in such a way they communicate from every angle in a 360 degree skater-viewer relationship.
Pattern and Ice Coverage
Movement phrases are designed using an interesting and meaningful variety of patterns and directions of travel.
Phrasing and Form (movement and parts are structured to match the phrasing of the music)
A phrase is a unit of movement marked by an impulse of energy that grows, builds, finds a conclusion, and then flows easily and naturally into the next movement phrase.
Form is the presentation of an idea, the development of the idea, and its conclusion presented in a specific number of parts and a specific order for design.
Originality of Purpose, Movement, and Design
Originality involves an individual perspective of movement and design in pursuit of a creative composition as inspired by the music and the underlying vision.
Shared Responsibility of Purpose (Pair Skating, Ice Dancing, and Synchronized)
Each skater has equal roles in achieving the aesthetic pursuit of the composition with equal steps, movements, and a sense of purpose in unifying the composition.

コレオグラフィ/構成

定義: プロポーション、ユニティ、スペース、パターン、ストラクチャ、およびフレーズの原則による、意図的、新規的、および/またはオリジナルなアレンジ。

評価基準:
目的: (アイディア、コンセプト、ビジョン、ムード)
意図的かつ高質なプログラムのデザインによって成果を得ること。
プロポーション(すべてのパートに均一なウェイト)
美しさの追求を達成するため、各パートとセクションが等しい重要性を持っている構成。
ユニティ-すべての動作の、狙いをもった脈絡のこと
プログラムがユニティを達成する時とは: すべてのステップ、動作、エレメンツが 音楽によって動機つけられている。同様にそれらのすべてのパートは、大きくまたは小さく、全体の中で必要にみえて、そしてそれらは、基になるビジョンまたは全体の構成を伴った脈絡があるシンボリックな意味である。
個人的空間とパブリックな空間の活用
動作のフレーズは、360度すべての角度からスケーターを見る観客との関係とコミュニケーションをとる方法で発散される。
パターンと氷面カバー
動作のフレーズは、興味深く有意で多様なパターンと移動方向を用いてデザインされている。
フレーズとフォーム(動作とパートは音楽のフレーズとマッチするように構築される)
プレーズは、成長、鍛錬、結末を見つけるというエナジーの鼓舞によって作り出される動作のユニットであり、そしてその後、簡単かつ自然に次の動作フレーズに流れていく。
フォームは、アイディアのプレゼンテーション、アイディアの開発であり、そしてその結果は、デザインのための特定のパートの数と特定のオーダーの中でプレゼンされる。
目的、動作、デザインのオリジナリティ
オリジナリティは、動作と、音楽と基になるビジョンにインスパイアされた創造的な構成のデザイン、それぞれへの視点が含まれる。
目的の責任分担(ペア、アイスダンス、およびシンクロナイズド)
両スケーターは、均一なステップ、動作を伴う構成の追求の達成、そして構成の追求に対する共通の目的意識に対し、均等なルールを有する。


Interpretation

Definition: The personal and creative translation of the music to movement on ice.
To reward the skater who through movement creates a personal and creative translation of the music.
As the tempo binds all notes in time, the ability to use the tempos and rhythms of the music in a variety of ways, along with the subtle use of finesse to reflect the nuances of all the fundamentals of music: melody, rhythm, harmony, color, texture, and form creates a mastery of interpretation.

Criteria:
Effortless Movements in Time to the Music (Timing) Note: Timing is a separate component in Compulsory Dances.
The ability to translate music through sureness of rhythm, tempo, effective movement, and effortless flow over the ice surface by: rhythmic continuity, awareness of all tempo/rhythm changes in a variety of ways.
Expression of the music's style, character, and rhythm
Maintaining the character and style of the music throughout the entire program by use of body and skating techniques to depict a mood, style, shape, or thematic idea as motivated by the structure of the music: melody, harmony, rhythm, color, texture, and form. The total involvement of the body and being should express the intent of the music.
Use of finesse to reflect the nuances of music.
Finesse is the skater’s refined, artful manipulation of nuances. Nuances are the personal, artistic ways of bringing subtle variations to the intensity, tempo, and dynamics of the music made by the composer and/or the musician.
Relationship between the partners reflecting the character of the music.
Interpretive unison is an equal partnership with the same degree of sensitivity between partners not only to the music, but also to the equal understanding of the music's nuances. There is an intimacy between the partners that is characterized by a feeling of "surrender" to the music and possibly to each other that creates an entity greater than the two of them.
Appropriateness of music (original dance and free dance)


音楽解釈

定義: 氷上での動作による、個性的かつ創造的な音楽の翻訳のこと。
動作を通じて個性的かつ創造的な音楽の翻訳を行うスケーターが成果を得ること。
時間内のテンポがすべての注意を結びつけるように、さまざまな方法で音楽のテンポやリズムを使いこなす能力、そしてまた、音楽のすべての根本的ニュアンスを反映するための技巧を繊細に用いる: メロディー、リズム、ハーモニー、カラー、テクスチャ、そしてフォームは、解釈の熟達を創造する。

評価基準:

音楽(タイミング)に対する時間内の無駄のない動き: 注:タイミングとは、コンパルソーリダンスにおける独立したコンポーネントのこと。
リズム、テンポ、効果的な動作、そして氷面の無駄のない流れを介した音楽翻訳の能力: それは、リズミカルな連続性や、さまざま方法によってすべてのテンポ/リズムを意識することによる。
音楽のスタイル、キャラクター、そしてリズムの発露
体を使うことと、ムード、スタイル、形を表現するためのスケート技術による、プログラム全体を介した音楽のキャラクター性とスタイルの継続 または音楽の構造からのモチベーションによるテーマ性のあるアイディア: メロディー、ハーモニー、リズム、カラー、テクスチャ、およびフォーム。肉体と存在感(being)の総合的な関与は、音楽の意思を表現するべきである。
音楽のニュアンスを反映するための技巧の使用。
技巧は、スケーターの、洗練されて巧みなニュアンスの操作のこと。ニュアンスとは、強度、テンポ、そして指揮者および/または音楽家によって作られた音楽のダイナミズムに、微妙な変化をもたらす個性的で芸術的な方法のこと。
音楽のキャラクター性を反映したパートナーとの関係
インタープリテーション上におけるユニゾンとは、音楽にだけでなくパートナー間に同程度の感受性を伴った対等なパートナーシップのことだが、また、音楽のニュアンスに関する均一な理解のためでもある。
音楽に“身を任せる(surrender)”感覚、もしかすると彼ら二人以上の存在感(entity)をお互いに作り上げる感覚によって特徴付けられるパートナー間には親密さがある。
音楽の妥当性(オリジナルダンスとフリーダンス)




 うう、しんどかった… ちょっとはTOEICスコア上がるかナー

 何の役に立つか解りませんが、少なくとも「両足スケーティングばっかはダメよ」や「クロスカットは少なめに」の在処はヨクワカリマシタ(爆)。
 それから、やっぱり「男女で採点基準を変えろ」という類いの記述はありませんね。


 ライター野口美恵さんのPCS解説を参考まで。どうせなら女子を対象にして欲しかったな(笑)。
http://number.bunshun.jp/articles/-/802055


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ソチ前夜。新たな年に「ヒロイックな美神」を想う

14/01/01初稿

 あるとき唐突に「ラフまおってどう思う?」と聞かれました。アメリカ大会の後でした。
 衣装を思い出しながらちょっと考えて「ヒロイックだと思う」と答えました。



 真央はソチでどんな演技を見せてくれるでしょう。新衣装も楽しみ(やや不安(笑))です。

 本稿は萌え視点で書かせていただきます。ご了承ください。
 浅田真央選手、キム・ヨナ選手には敬称略で失礼いたします。


■真央王道極めヨナ覇道を征す

 やはり気になる…というか、本番で採点結果が出た時に右往左往しないために、真央とヨナのソチオリンピックでの演技構成と得点内容を考えてみました。
 試みに、「ISUジャッジングシステム13-14」に基づく“これ以上は出せない点数”を添えて。

*もちろん他の選手にメダルの可能性はないといった意味ではありません。私の個人的興味でふたりを選んでいるだけですのでご了承ください(本当はアデリナ、アシュリー、カロあたりとのガチ勝負! を心ゆくまで堪能したいです)。

・「究極得点」を見る
 「これ以上出せない」とは、

・予定要素はすべて成功
・スピンステップはもちろんオールレベル4
・GOEはすべて3
・PCSは5項目すべて満点

という条件です。強いて言えば「その構成における最大ポテンシャル」「難易度」と言えるかも知れません。
 「ヨナのLSpはレベル4を狙ってない」という話はさておき(笑)。気になる向きは適宜0.3足し引きお願いします。

ソチ構成

 ヨナの構成はゴールデンスピンでやろうとしたと推定される要素から復元したものですが、リカバーであろうコンボなどを修正した結果世界選手権2013の構成とも一致(SPは演技順も一致。FSは順は違うが入ってる要素は同じ)しましたので、これでいいんじゃないかと(14/01/11追記:韓国ナショナルはこれでしたね)。

 構成を眺めてみると真央のBaseValue(表中ではB.V.と略)の高さは凄いですね。これが決まった時のカタルシスはもの凄いものがあるでしょう。本人はもとよりファンも、です。それが真央ファンとしての醍醐味なんですけど。
 ですが、「どんなにポテンシャルがあろうが高難度だろうが、構成するだけでは意味はない」のはもちろんです。

・「ポテンシャル残量」を見る
 では、どんな意味が見いだせるでしょうか。標題の観点でもう一度見てみると、ヨナのリアルな得点はすでに“ウルティメイテッド・パーフェクト”にかなり近づいていることが判ります。
 ヨナの出すFS150点はその限界まで93.4%のところまで迫っているのです。驚くべきことですね。まさにパーフェクト・クイーンです。しかし、逆に見ればいわゆる伸びしろはかなり少なく、ドラスティックに上積みするのは難しい状態になっていると言えましょう。
 一方の真央。おおよそFS135点という現状はまだ78.0%の地点です。ポテンシャルは充分、です。

 まずはSPの3A、そしてFSの3A1本目が成功すれば乗っていけるのではと思いますが、逆にSPの3AをミスするとPCSの伸びも含めて厳しくなりそうです。


■浅田真央の大冒険

・ふたつの選択肢
 ヨナはおそらくSPもFSもこの構成でくるでしょう。真央のSPもこれになると思います。
 が、真央のFS構成はまだ判りません。今期、大きく2種類の構成があることは周知と思います。

・シーズン当初:3Aは1発で3Lzと3F+3Loの3+3を入れる、いわゆる「エイト・トリプル」構成。
・GPFと全日本:3Lzと3+3を外して3Lz&3F+3Loを3A+2T&3Fにする、いわゆる「トリプルアクセル2発」構成。

 上記ヨナとの比較は「3Ax2構成」ですので、「8Triple構成」も以下に添付します(SPは同じですがセットということで)。

ソチ構成:真央8Triple

 GPFから3Ax2構成に変えたワケですが、「オリンピックで勝つためにより高難度にして高得点を狙えるようにした」みたいに取れる説明は実は不正確なんですよね。上記を見れば一目瞭然ですが。
 変更されている冒頭3本(1本めは変わっていませんが、3A2発というセットで考えています)のジャンプのBaseValueは

・8Triple構成 :(3A8.5)+(3F+3Lo10.4)+(3Lz6.0)=24.9
・3Ax2構成  :(3A8.5)+(3A+2T9.8)+(3F5.3)=23.6

ですので、3Ax2構成の方が1.3低くなっているワケですから(GOEの可能性まで考えれば差は詰まりますがそれは考慮していません)。

 おそらくシーズン序盤(アメリカ大会と日本大会)を戦ってきた中で、現実的にどちらの方がよりノーミス…というか真央大満足演技の可能性が高いかを考えてのことではないでしょうか。
 序盤、3Aもクリーンには成功していませんが(*)、3Lzは2大会ともエッジエラーでGOEは-1.0と-0.6。3+3も残念ながら入っていません。

*SPも含めてシーズン全部でみると認定でも両足着氷や転倒あり。でもGPFのSPのURは…

 このことから、ミスを想定した場合の両構成の得点もシミュレートしてみます。もちろんミス内容はあくまでも仮定です(と言っても8Triple構成の方は結構リアルだと思いますが)。

・8Triple構成で3Lzがe&3F+2Loになった場合  :(3A8.5)+(3F+2Lo7.1)+(3Lz6.0-1.00)=20.6
・3Ax2構成で3A+2Tが不発でSEQになった場合 :(3A8.5)+(3A+SEQ6.8-2.00)+(3F5.3)=18.6
・3Ax2構成で3A+2Tの3AがURの場合       :(3A8.5)+(3A<+2T7.3-1.00)+(3F5.3)=20.1

*3Lzのeはアメリカ大会のGOE実績で-1.00、3A+SEQはコンボ不発時のマイナスGOE規定から-2.00、3AのURはマイナスGOE規定から-1.00と仮定しています。

 この仮定を見るとミスした場合でも8Triple構成の方がまだ得点が高いことが判ります。うう。

 こうなるとあとは「本番での確率」の問題ですね。もちろん演技全体の完成度への影響も大きいと思います。真央の気持ちの入り方も効いてくるでしょうから、そういう要素も考慮されているでしょう。
 採点で言うと、ひとつでもミス(eも)があると全体PCSの伸びにも影響する可能性ありそうですし(PCSはTES的デキとは独立しているというのが定説だとは思いますけれど)。
 アメリカ大会と日本大会の判定結果を見て今シーズンの3Lzはeを覚悟したような気がします。昨シーズンにさかのぼって見ても、中国大会、日本大会、ファイナル、四大陸、世界選手権と出場したISU大会すべて「e」判定。同じく3+3も決まっていません(下に一覧あり)。
 ならば3A2本の方が成功(そしてGOE加点)の可能性あり、と…?

・ルッツも3+3も跳ばないという挑戦
 まあ、そんな皮算用などよりも、きっと真央が
「バンクーバーで3本跳んだのだからそれ以下にはしたくない!」
と思っているためだと勝手に想像しています。「3Aを跳ばないと“やった!”と思えない」と言う言葉が全てを語っているでしょう。ましてや、集大成ですもんね。
 個人的にはそれでいいと思っています。シーズン最初に「エイト・トリプル」と聞いた時、絶対FSで2発やってくると思っていたのでちょっと違和感ありました。なんか真央っぽくないんですよね。佐藤コーチが「エイト・トリプル挑戦だって凄いんだぞ」って真央を誘導していたような気も(笑)。でも真央気が付いちゃった。できそうになってきて(?)、もっとドキドキする挑戦があったんだと。
 もちろん、現実的には「真央陣営としては修正したと判断した3Lz(だからエイト・トリプルに挑戦した)だが、ISUには認定されないことが判ったから」という流れもあるのではと想像しています。

 どんな構成でも真央のやりたいようにやればいいと思っています。いずれにしても充分高得点が狙える本人にとってベストな構成になるでしょうから。日本代表という立場としても応援する側にしても同じ価値観だと思います。

 「真央は3Aと心中する気か」といった見方ありますよね。しかし、上で見てきた通り真央の鬼門は「真央自身の3Aへの拘り」よりも「3Lz」でしょう。エッジエラー判定から逃れられないため3Lzを外して3Aに賭けざるを得ない。加えて3+3のセカンドも認定されないため、さらに3Aに(エラーや回転不足判定の内容については調べていないので差し控えます)。
 確かに構成表を眺めるだけなら3Lzと3+3をハズした3Ax2構成は頂点を狙うには変則的に見えるかも知れません。3Lzや3+3跳ばずに3Aかよ、と。普通に考えたら確かにヘンでしょう。
 でも、それが真央なんです。そして私はそういう真央が大好きです。

 ルッツって体の外側に中心点がある弧を描いて滑走して跳ぶからアウトエッジになるんですよね。でも、個人的には、特に女子では“ほぼストレートに滑走してきて跳ぶ瞬間だけ足首から下だけアウトエッジ”みたいなのって結構あるように見えます。素人ですけど。
 さらに個人的趣味で言わせていただければ、そういうジャンプは真央には似合わない(爆)。ので苦手でも仕方ない。あくまで個人的趣味ですよ(笑)。

       ←連作文庫本。真央の底抜けっぷりが楽しい


■俗っぽく「真央VSヨナ」

・フリー
 ヨナはきっと上記構成を“いわゆるノーミス”で滑るでしょう。
 するとGOEとPCSは世界選手権2013程度は出るでしょう。それぞれ16.51、73.61です。オリンピックではさらに上がるでしょうから、17.0と74.0(平均PCS9.25)と仮定します。

 BaseValue58.39+GOE17.00+PCS74.0=149.39

 バンクーバーでは150.06ですからやや下がってしまいますが、基礎点やGOE幅の見直しなどありましたので。
 例えば3LzのGOE3は3.0から2.1に引き下げられています。得意の2Aも3.5→3.3だったり。逆に3Tのように上がってるものもありますが。
 この状態でバンクーバーを超えるFS得点(特にGOE)出したらイナズマギンガーだよ(意味不明)。

 一方、真央はどこまで出せるでしょうか。

 今シーズンベストGOEは日本大会の6.43。3A<などがあっての値です。
 一方、最近の各選手のResultをざくっと眺めると、トップクラスの選手が予定要素をクリーン(<やeなく)に決めるとGOEはざっくり10くらい出てもおかしくないようです。ので、真央もクリーンな演技をした場合は10程度は期待できると思います(配点が変わっていますがバンクーバーFSでは8.82)。8Triple構成と3Ax2構成では後者の方がGOEポテンシャルは高いので、エイヤでそれぞれ10と11としてみます。
 PCSも今シーズン一番はやはり日本大会の70.23。集大成の演技で72.0(平均PCS9.0)を獲得するとしましょう。

 ですので、

・8Triple構成をパーフェクトに決めた場合(3Lzがeなしという非常に難しいケース)
 BaseValue69.16+GOE10.00+PCS72.0=151.16 ヨナとの差+1.77


・3Ax2構成をパーフェクトに決めた場合(集大成として決めるか大技!?)
 BaseValue67.86+GOE11.00+PCS72.0=150.86 ヨナとの差+1.47


 真央が神演技してほぼ同レベルというところでしょうか。
 あまり見たくない数字ですが(心中フザケンナーとか叫んでますけど(笑))、予想されるヨナのGOEとPCSが桁ハズレなのでこういう結果になってしまいます。特に破壊的GOEがいかんともしがたい。GOE差だけでトリプルジャンプ1本分以上の基礎点もってかれちゃう威力ですから。
 もちろん、GOEやPCSは「オリンピックのジャッジ」次第なので全く判りません。バンクーバーの時の出し方を見ても、何が起こるか。やはりヨナのGOE次第、でしょうか。

 「これが現行ISUジャッジングシステムの現実」=ISUの価値観、なんですよね…



 …総合得点ではどうなるでしょう。

・総合得点
 SPは両者ミスしなければ、構成と直近の評価から考えるとバンクーバー(78.50 VS 73.78)の再来になる可能性が高いと思っています。といっても真央が差を詰めてきていますので、何点出るかはさておき、おそらく真央が

・基礎点で+2
・GOEでは-4~-3
・PCSで-1 よくてほぼ同じ

計2点ほど離されるのではないかと予想しています。80対78くらいでしょうか。

「SPはよくてほぼ同点か2点ほどビハインドを食らい、FSでそれをひっくり返すべく3A2発に挑む」

ってことになりそうです。どこかで見たような展開ですが、バンクーバーの時は逆転するために必要な“FS155点”なんて絶対出なかったでしょうから、よくぞここまで詰めてきたと思います。
 もしかしたらエッジ&3+3認定を賭けてエイト・トリプルもアリ?

 ただ、真央はヨナに勝つための算数などに興味はないでしょう。相手がどうであれ、集大成の演技をすることしか考えていないと思います。本稿などは金メダル獲って欲しくて点数積み上げてどうこう書いてるワケですが、真央が満足する演技してくれたらそれでいいです。そうしたら絶対結果(点数)も付いてきますからバーターなことを言ってるワケではないですし。

 なお、文中やむを得ず「差」といった単語を使っていますが、あくまでISUジャッジングシステム上のハナシです。実力どうこうのハナシではありません。ましてや私の望みなんかじゃありませんので念のため。

・バンクーバーで銀だったのは2回ジャンプミスしたからではない
 参考までにバンクーバーの得点内容を貼っておきます。

バンクーバー結果

 よく「3Aは決めたがふたつジャンプミスが出たので銀だった」と説明されますが、全くの的外れだと思っています。
 FSで154.78を出さないと金は獲れていません。が、3Tが成功しコンボのDGがないだけでは、GOEやPCSの上昇を勘案しても23.06も積み増しできるハズはないからです。
 具体的には、

・予定の3F+2Lo+2Lo:5.5+1.5+1.5=8.5 x1.1で9.35
 ⇒結果は3F<+2Lo+2Lo:1.7+1.5+1.5=4.7 x1.1で5.17 GOE-0.48

・予定の3T:4.0 x1.1で4.4
 ⇒結果は1T:0.4 x1.1で0.44 GOE0.00

 両エレメンツの実際の得点は5.13。両方成功していれば13.75なのでBaseValueは8.62増える計算です。
PCSやGOEで上乗せがあったとしても+10点がいいところでしょう。ふたつのミスが無くたって23.06には遠く及ばなかったのです(SPがたとえ同点でも結論は変わりませんので、煩雑さを避けるため敢えて考慮していません)。
 ふたつミスしていながらGOEは8.82もらっていますので、成功したエレメンツのデキが凄く悪かったワケでもありません。
 荒川さんが「知って感じる観戦術」P.160でヨナの凄さについて(大舞台がぶっつけ本番でも大丈夫なことについて)“普通ではない”と書いていらっしゃいますが、この時もまさに“普通ではない”と思わせる点差でした。それだけの点差が付いた理由こそが敗因なのです。それを専門家がキチンと説明しないのは何故なのでしょう。
 「メンタル」「スピード」だけでは理解できないのです。

 ところで、ヨナは「パーフェクト・クィーン」的なキャッチコピー付きで呼ばれることもありますが、そうなった09-10シーズン以降のFSに限ってみても、毎回ノーミスで滑っているワケではありません。
 フランス大会2009、アメリカ大会2009、世界選手権2010、世界選手権2011ではすっぽ抜けや転倒など明らかなミスしています。GPF2009ではひとつURついてますね(四大陸2010は不参加)。
 バンクーバーと世界選手権2013ではクリーンに決めました。
 出場大会7回中ISUスコアとして“パーフェクト”なのは2回ということです。ただ、本格的にそう呼ばれだしたのはバンクーバー以降だと記憶していますので、そこからに限定すれば4回中2回ということになります。
 大舞台で決めているのですから実際大したモンだとは思いますが、確定的に“パーフェクト”と言うにはサンプル数が少な過ぎるかな(笑)。印象と事実は切り離して理解した方がいいですね。

 ちなみに、本人も世界選手権2013の試合後インタビューでこんなコメントしています。

シニアになってから、あまりフリーをノーミスで滑りきったことがなかったのですが、今シーズンは韓国選手権とこの世界選手権でできて嬉しく思っています。
出典:「ワールド・フィギュアスケート No.58」 P.27


■まだ見ぬ「やりきって出し切って喜ぶ」真央へ

 「いちから見直した成果」が出始めたのは12-13シーズンからでしょうから、それ以降現在までの真央FSにおける要素成功状況を纏めてみました(原則ISU大会)。
 判りやすくするため“成功ではない要素”をボールドにしています。エラーがなくても本来ならやりたかったレベルから落としたと勝手に推察した要素(2A+2Tなど)もボールド。スピンステップのレベル3以下はミスと定義しています(つまりISU的ミスと真央的ミスの両方含んでいます)。逆に、認定ジャンプでもGOEマイナスや転倒がありますがそれは無視しています。

真央FS変遷

 FS完成形の真央はまだ誰も見たことがないということです。逆に言うとこれで先シーズンは世界選手権以外は優勝、今季もここまでのISU大会は全制覇ですから大したものです。そういうところも規格外というか何というか(笑)。
 福岡ファイナルが3A以外はかなり完成形に近かったと言えるでしょうか。この大会ではSPで「自分としては完成形」の3Aを跳んでますよね。

 真央が「出し切った」と満足する演技をしたら10を超えるGOE、72以上のPCSが出るでしょう。難しい挑戦ですが、そういう姿がファンを魅了するのですよね(逆に、こういう表を見ると「出来もしないくせに」と思う方がいらっしゃるであろうことも理解できます)。
 「真央大満足!」の演技ができることを願ってやみません。


 ソチでは何が起こるか判りません。

 真央は予定調和なんて「知ったこっちゃないです!」って蹴散らす我らのスーパーヒーローですから。

      ←「真央全集」とか出して欲しい(笑)。

 現実にこんなドラマをリアルタイムで体験できるなんて、なんて素晴らしくありがたいことでしょう。


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Author:らかせ
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