電線病闘病記

16/11/16初稿

 たぶん電線病患者です私。“自分では”そんなに重症じゃないと思ってますけれど(苦笑)。

 経験的にケーブル換えれば音は変わると判断しており、「ただの電線」ではなく「コンポーネント」と考えればその変化具合はコストパフォーマンス的にアリかな、と。
 といっても理屈は思いつかなかったので、あまり考えず気に入ったメーカのそれなりに高価なケーブルを買ったり(型落ち処分や中古が多いですが)自作したりしてました。

 が、先日UD-503にヘッドホン「T1 2nd」を導入したら全然マトモな音が出ず電源ケーブルをとっかえひっかえしているうちに、ケーブルの「アース線有無」「シールド有無」という違いをちゃんとケアしなきゃマズイ気がしてきました。

 機器のアースやGNDについては一度かなり考えて、用いるケーブルをケアしていたのですが、そもそも「アース無意な機器(インレットにアースピンがない・あっても浮いてる)」に用いるACケーブル内のアース線やシールドについては無視というか先送りしてたんですよね…

 電線病治療(笑)も兼ねて、改めて考えてみることに。

 ↓アースピンがあっても浮いてる機器。
ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B
ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B


■ACケーブルで音は変わるか

 変わって聴こえるんですよねぇ(念のためですが「高い方がいい」という意味ではありません)。
 具体的理屈は解りませんが、100Vもある交流の電送路に明らかな物理的変化があるので何かあるんじゃないかと。
 ちなみに、電磁誘導などの理屈がありそうだとしても、計算値や測定値で音質への影響を証明しない限り「~だからである」などと言い切るのはマズイと思っています(ACケーブルに限ったハナシではありませんが)。

・ラスト数メートルの世界
 「長い宅内配線の末の数メートルを変えても~」とよく言われます。
 これは「“壁の中”と“壁とAV機器の間”の環境の違いは無視できる」という前提の説と言えますよね。実際どうなんでしょう?
 壁の中や天井裏には電気製品はまずありません。別のケーブルが併走することもあまりないでしょう。
 一方、壁コンからラックまでの間にはACやスピーカなど複数のケーブルがのたくっています。そしてそのすぐ先には多くのAV機器が存在します。
 個人的には、この差は無視しきれないのではと感じています。もちろん客観的なハナシではありませんけれど。

 ただし、壁の中の柱で併走したり照明器具直近を走ったりするケースもあり得ますから、干渉要素が全くないとは言い切れません。100V電源自体の“質”も様々でしょう。
 ですので、ACケーブルでの変化は、あるとしても「電源の質や宅内配線状況に影響され、一般論にはなり得ない」のではないかと思っています。

・それはシールド(アース)ではないか
 ラスト数メートルの空間においてACケーブルに何らかの影響力があるとしても、確かに「抵抗値」「表皮効果」「撚り方による振動」などの線材に依存するような特性値によるものとはあまり思えません。
 あるとすると「ノイズを出す・受ける特性」ではないかと感じています。もちろん個人的には、ですが。

 とするなら、ケーブルの「シールド有無・処理の違い」が音質差になる可能性はあるかも知れません。
 ていうか、シールド以前にそもそも「アース線の有無」という違いもあります。

 そして、アース線が有るケーブルでは、それが「結線してある場合」と「結線しておらず浮いてる場合」があります。2pinプラグ品は明らかに浮きですね。3pinの場合は、モールド一体型のプラグやコネクタでは未接続はまず無いでしょうけれど、アクセサリメーカのモジュール型プラグ・コンセントを使った製品では実際にありました。それって「アース線は浮かせる」のが製品仕様ということです。「機器インレット側でのアース接地」を前提とするのは仕様としてヘンですから、プラグ側を結線していない製品はコネクタ側も結線してはいないでしょう。

 ということで、プラグ側が2pinか3pinかでケーブル事情は違うワケです。以下に書き出してみます(インレット側コネクタは3pin限定で)。

 ・2pin:シールド無:本件に無関係
 ・2pin:シールド有:どこにも落とせない  →シールド浮き
 ・3pin:シールド無:本件に無関係
 ・3pin:シールド有:アース兼用
 ・3pin:シールド有:プラグ側オープン:コネクタ側オープン  →シールド浮き
 ・3pin:シールド有:プラグ側ショート:コネクタ側ショート  →アース線もアリだとアースラインが複数あることに
 ・3pin:シールド有:プラグ側ショート:コネクタ側オープン
 ・3pin:シールド有:プラグ側オープン:コネクタ側ショート  →上述の通りたぶん存在しない(保証はないが)

 さらに、上記可能性をケーブル断面で図示してみます。
 赤がHOT、黒がCOLD、緑がアース、白が浮き、点線は「シールドなし」です。
 アース線とシールドの「プラグ内・インレット側コネクタ内での結線状態違い」については、キリがないので無視します。

ACケーブル構造

 結構バリエーションありますよね。以下、ERIで所有している完成品ケーブルの実例です。

 ・S/A LAB製HIGH END HOSE PROFESSIONAL・・・アースピンなし アース線なし シールドあり(浮き)
 ・S/A LAB製HIGH END HOSE 3.5・・・アースピンあり アース線あり(浮き) シールドあり(浮き)
 ・AET製HIN AC EVD・・・アースピンあり アース線=ドレイン線あり シールドあり
 ・AudioTechnica製AT-PC600・・・アースピンなし アース線なし シールドなし
 ・AudioTechnica製AT-PC1000・・・アースピンなし アース線なし シールドなし
 ・AudioTechnica製AT-PC1500・・・アースピンあり アース線あり シールドなし

        AT-PC1500は販売終了    

 こういった構造違いに頓着せず使うと、システムのアースや浮き導体が知らず知らず好ましくない状態になっちゃうかも知れません。アースとGNDがショートしている機器があるとGND状態にも影響しますね。

 また、浮いてないアース線やシールドがある場合、コンセントでアースピンが接地するか否かでも状態は変化することになります。例えば、
 「3pinインレットだけどアースピンがない機器」を
 「アース線を有するACケーブル」で
 「アース穴があっても接地していないコンセント」に
繋ぐと、ACケーブル内のアース線が“浮き”導体として存在する状態になります。
 2個口のコンセント内ではアース穴どうしはショートしていますから、同壁コンに同様のケーブルをもう1本挿した場合は、壁コンを介して“ACに隣接した”数mの浮き導体がシステム背面に出現します。あまり好ましくない気がします。

 実際、ORB製プラグ・コネクタによる自作の際、同じプラグ・コネクタでも「アース線なし/シールドなし」ケーブルと「アース線あり(ピン結線)/シールドあり(浮き)」ケーブルで音質変化を感じたことがあります。
 コンセントは3pinですがアース接地していませんでしたので、後者はアース線もシールドも浮いてたことになります。うろ覚えですが、前者が「もっさり」後者は「キンキン」だったような(どっちもダメで不採用)。
 後者のようなケーブルで、アースやシールドを繋いだりハズしたりして音質差を確認してみるのもアリかも知れませんね。

 「3pin→2pin変換アダプタ使うと音が変わる」という話もあると思いますが、アダプタ自体のせいではなくシステム内のアースやシールドの状態が変わるからかも知れません。


■ACケーブルを測る

 このような「ケーブル構造」と「コンセントのアース状態」「それらによるシールドやアース導体の状態」は結構影響ある気がしてきました。
 ある程度認識はありましたし、個人的原則的な価値観では「浮き導体があるといいことない」のですが、アース・グランド・ノイズ関連の考え方や実践は非常に難しいと思っており、聴感に任せてたんですよね…

・誘導・被誘導を見る
 意図的に浮かせている商品については、「浮きでもシールド効果がある」と考えるか「浮き導体はノイズの受発信アンテナになる」と考えるかによって価値判断は大きく違ってきますよね。メーカは当然「効果あり」という立場でしょうけれど。
 ということで、ちょっとでも「シールド有無」「浮きシールド」の影響に関する知見を得たいと思い、何か情報をとる方法はないか試行錯誤した結果、以下のような実験してみました。

 「AC100Vが誘導するか・AC100Vに誘導されるか」です。

ACケーブル誘導


 割とオモシロイ数字になったのではないかと(笑)。

 ただし、周波数でシールド効果は変わりますし、接地抵抗数ohmのアースでもありませんし、キチンと治具で固定したりもしていませんし、外来の影響もあり得ますし、フツーのテスタで測っただけですし、などなどあくまでも「とある適当な実験の結果」に過ぎません(本来“実験”や“測定”と呼ぶべきものでもないですがご了承ください)。もちろん、数値に絶対的意味はありませんし、そもそも音質に影響あるか否かも全く解りません。
 が、この結果から「個人的にはこう思うことにする」というACケーブルリングチューンの“めやす”を考えました。

・線材太さ・構造材厚さ
 同じ構造・同じ線材だが太さやシース厚みが違うと推定されるPC600とPC1000を比較。
 誘導・被誘導ともPC1000の方がやや優秀なことから、太く厚い方が有利なのではないか。

・アース線有無
 アース線有無が大きな違いと推定されるPC1000とPC1500を比較。
 PC1500の方が優秀なことから、アース線だけでもシールドに準じた効果があるのではないか(もちろん接地した状態なら)。

・アース線接地処理
 AT-PC1500の「浮き」「接地」を比較。
 アース線を有するケーブルはそれを接地すると誘導・被誘導低減に効果があるのではないか。

・シールド接地処理
 HIN AC EVDの「浮き」「接地」を比較。
 シールドを有するケーブルはそれを接地すると誘導・被誘導低減に絶大な効果を発揮するが、接地しないと逆に悪影響が絶大となるのではないか。
 これは誤差レベルではないのでは。やっぱり「浮き導体」あっちゃダメなんじゃないかと。

・シールド効果
 アース線やシールドを有するケーブルでは、それらがフェライトコアのようなノイズ減衰効果を持つ可能性もあるのではないか。

・ケーブル長
 HIN AC EVDの1.2mと1.8mを比較。
 アース線やシールドにノイズ低減効果があるとすると、長い方(物量が多い方)が効果があるのではないか。

・2芯でもシールドを有するケーブル(本実験には直接関係ないが)
 アースの概念がないのだから、シールドは何処にも落ちておらず浮き導体にするのが仕様ということ(3芯でも2pinプラグだったりアースピンに配線していない場合は同じ)。流石にCOLDでシールドってのはないハズ(2pinプラグはどっちがCOLDになるか規定できないので)。
 当該ケーブルは「浮き導体を許容する。それによる変化は音質調整に意味あり」と判断する場合に使用すべきではないか。


 繰り返しますが、上記を客観的事実だと思っているワケではありません。闇雲にとっかひっかえしても組み合わせ多すぎてキリがありませんから、「何か理由を付けて良かれと思って試して良好だったらそれで納得する」ためのものです。


■RCAケーブルのシールド

 ACケーブルだけでなく、インタコやスピーカケーブルやDC電源ケーブルなどのアナログケーブルにも「シールド」が有るものと無いものがあります。これらについても実態を知っておく必要があるでしょう。

 シールドが有ってもACのアースのような“専用の落とし先”はありませんから、先はGNDしかありません。
 落とし方としては4通り考えられます。

 ・両端に落とす・・・シールドをGND線に兼用する場合もあり得る?
 ・両端とも落とさない・・・浮いてることになる
 ・上流端(例えばプレーヤ側)だけ落とす・・・方向性になる
 ・下流端(例えばアンプ側)だけ落とす・・・方向性になる

 「上流下流どちらかでしか落とさない」場合は方向性になるワケですが、銅箔やアルミ箔などを巻いたシールドの場合、「重ねて巻いている」とこれも方向性になります(ラケットやバットのグリップテープのイメージ)。
 つまり、分子結晶など持ち出さなくても、「シールドの施し方」の点で物理的仕様としての違いとそれによる“方向性”は存在し得ることになります。実際に方向性指定要因がそれであることを多数確認したワケではありませんが、これが音質差になるのかも知れません(ならないかも知れません)。「科学的に方向性(による音質変化)などあり得ない」という場合、このような「構造違いによるGND接続状態の違い」も科学的検証する必要があるでしょう。

 以下、RCAケーブルの実例です。独立シールドあり品については、近くにACケーブルを併走させた時の被誘導がどう変化するかも参考程度にみています。

・AET製HIN LINE QUAD:方向性指定アリ
 シールドなし。

・AudioQuest製CORAL:方向性指定アリ
 独立シールドあり。プラグ内を確認すると、下流はシールドのドレインワイヤを半円筒形のプラグGNDパーツとショート(ハンダ付け),GNDはもう一方のGND半円筒パーツとショート(ハンダ付け)。半円筒パーツどうしはショートしていないが、プラグシェルのネジ止めを介して導通する。上流はGNDのみ半円筒パーツに接続されている。
 つまり独立シールドを下流のみでGNDに落としてる。どんな理屈でどんな効果があるのかは不明なれど、確かに方向性はあると言える。
 実際、CORALは方向性で違和感感じたことがあった。

・AudioQuest製CopperHead:方向性指定アリ
 シールド=ドレインワイヤ=GND。プラグ内を確認すると、上流はシールドとドレインワイヤをプラグGNDとショート(ハンダ付け),下流はシールドのみショート。
 ドレインワイヤのみ処理を変えるとどんな理屈でどんな効果があるのかは不明なれど、確かに方向性はあると言える。

・AudioQuest製Panther:方向性指定アリ
 シールドあり。プラグ内でどうなっているかは未確認だが、DBSの電極接続は片端なのでそれが方向性とは言える。
 DBSのON/OFFでACケーブルからの誘導は特に変化なかったのでDBS機能にシールド効果はなさそう。
 DBSプラグのプラス側(プラグのTop側)をアース接地すると非常に高いシールド効果が出る。マイナス側はやや効果? くらい。
 DBS+(Anode)はシールドではなく真ん中のワイヤらしいが…?

・AudioQuest製Sub-1(スーパーウーファ用):方向性指定ナシ
 独立シールドあり(両端に外だしドレイン線アリ)。ドレイン線をアース接地するとAC誘導はかなり減少する。

・AudioTechnica製AT6A48/0.7:方向性指定アリ
 パッケージに構造図解あり。独立シールドありで、それをGNDに落としてる方が上流で落としていない方が下流との説明あり。
 確かに方向性はあると言える。

 いずれにしてもシールド=GNDなので上流下流の違いが音質差になる理屈と効果はとっても難しいですが、とりあえず指定通りに使うのがよいでしょう。逆に使うのもひとつの“チューニング手法”になるかも知れませんが。


■USBケーブルのシールド

 シールド事情はデジタルケーブルにもあります。ここではUSBケーブルについて見てみます。

・AcousitcRevive製USB-1.0SPS
 Vbus用Aとデータ用AとBプラグのシールドはすべてショート。
 データ用AとBの間でVbus5VとGNDは繋がっていない。データ線はもちろん繋がってる。
 Vbus用AとBの間でデータ線はもちろん繋がっていない。Vbus5VとGNDは繋がってる。
 シールドとVbusGNDはオープン。

・WIREWORLD製SilverStarLight USB2.0
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはショート。

・WIREWORLD製UltraViolet5-2 USB2.0
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはオープン。

・PC用:バッファローコクヨ製AU2SF07BK
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはオープン。

 SilverStarLightは、シールドとVbusGNDがショートしてるのがUSBケーブルとしては特徴的(規格外?)ですね。
 USB-1.0SPSは、データ用ケーブルにはVbusGNDも通してないんですね。

 線材がどうかという以前に構造違いがあるワケです。
 特にSilverStarLightの「シールドとVbusGNDがショート」というのは影響ありそうな気がします。「DNA Helix Design」という構造ですが、図を見ると、どうもVbusGNDは独立した線材になっておらずシールドが兼任していると思われます。

http://www.wireworldcable.com/hi-res-digital-audio-cables.html

    


■電線病の処方箋

 改めて調べてみると、導体の結晶構造とか以前にケーブルの物理的構造として結構違いありますねぇ。

 今回、上記で考えた“めやす”などを前提にアースとGNDの接続に着目してUD-503のチューニングしたのですが、結構変化あったと思います。一時ツジツマが合わなくなるようなこともありましたが、結果的には「そういうこともあるのかな」というカンジになりました。

 電線病は治療が難しい病だと思いますが、考えたことと結果が結構合致したことで症状が軽くなった気がします。
 真実じゃなくてもいいんです。“そう思える”ことが大事。これがホントのプラシーボ(笑)。

 また症状がぶり返しそうになったら次のようなことを思い出して癒そうと思っています。
 と言っても、もちろん万人に効くワケではなく“個人専用処方薬”ですけれど(笑)。

・浮いてる
 シールドやアース線を浮かせている商品がありますが、測定結果から効果アリと判断して商品化してるのかなぁ?
 浮かすことによって音質変化するのは「味付けのひとつ」ってことですかね? そういう説明みたことないですけれど.…

・壊れる
 ケーブルメーカの製品って結構壊れやすいんですよね。「工業製品としてどうなの?」と思ってしまいます。
 以下経験したことを列記します。

 ・AudioQuest製Panther:RCA:新品:数年使用後:DBSを固定するゴムバンドが切れた(4本中1本)
 ・AudioQuest製CopperHead:RCA:新品:数年使用後:GND側が断線。LR2本とも
 ・AudioQuest製DiamondBack:RCA:新品:数年使用後:プラス側断線。1本
 ・AudioQuest製Rockfeller:SP:現品処分:バイワイヤのHighとLow、長さが入れ替わっていた
                 (故障ではなく製造不良)
 ・WireWorld製EQUINOXⅢ+:SP:中古:購入直後:一カ所Yラグのカシメが緩んでいた
 ・AET製HIN LINE QUAD:RCA:アウトレット:ケーブル固定イモネジが斜めに入っていた
                GND線固定イモネジがなかった
 ・AET製HIN AC EVD:AC:新品:4年使用後:インレット側コネクタとメッシュを固定する熱収縮チューブが
                緩んでがばがば
 ・S/A LAB製HIGH END HOSE 3.5:AC:在庫処分:数年使用後:プラグ側HOTのスリーブカシメが緩んだ
 ・AcousticRevive製USB-1.0SPS:USB:新品:5ヶ月使用後:ケーブル固定イモネジがゆるゆる
            て言うか設計的に固定しきれないんじゃなイカ?
 ・SAEC製SH-1010:HDMI:新品:数年使用後:断線

 ただし、AudioQuestが特に壊れやすいという意味ではありません。高級品はほとんどクエしか買ったことないってだけです。

・教えない
 ケーブルメーカの高価な商品は「電線の材質や太さ」「構造」「メッキ種類」あたりがアピールされますが、プラグやコネクタ内でシールドがどうなっているかは明示されていない場合が多い気がします。RCAケーブルのシールドは上流下流どちらで(どちらでも)GNDに落としてるのかなど。影響はメッキなどよりはるかに大きいのではと思うのですけれど。
 その点、上記AudioTechnicaの例は好感が持てますね。

・消える
 ケーブルとかタップとかのメーカって、販売終了商品のwebページ消しちゃうことが多いように思えるんですけれど。
 家電もワリと消えるような気がしますが、こういう商品って家電と違って仕様が記載された取説が付いてるケースは少ないのでスペックがワカラナクなっちゃうんですよね。
 「過去の口上書きを消したいの?」とか疑っちゃいますよ~?


■ちなみに

 もしかすると、「プラグ・コネクタやケーブルのメカ的違いによるオーディオ機器の振動変化」って要素もあるかも知れませんが、アースやシールドの違いに比して影響は小さいと仮定し、本稿では無視しています。

 また、「メッキ種類やシース材質の違いによる影響」についても、アースやシールド違いや太さなどの線材違いによる影響に比して無視できると仮定しています(その他が全く同じだった場合は違いが出るかも知れませんが)。


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BDZ-EW1200はじめました。

16/06/04草稿
16/10/15初稿

 本稿、実は6月ごろの内容です。Windows10記事などを優先してたら遅くなっちゃいました。


■BDレコーダ買い換え

 07年暮れからがんばってくれてたSONY製BDレコーダ、BDZ-V9がビミョ~におかしくなってきました。

・予約録画してない?
・光デジタル音声は出てるのにHDMIに出画しない
・放送にブロックノイズが出る(録画再生時にも音声が途切れる)
・ずっと「LOAD」表示のままになってディスクの出し入れができない(ディスクが入ってても入ってなくても発生)
・フロントカバーを閉めても開いてしまう
・リモコンに反応しない?

 すべて“~ことがある”という発生頻度なのでやっかいです。

 そこで久しぶりにSONY製BDレコーダどうなってるのかみてみると、5月に新型Z系にモデルチェンジされていて、プラットフォーム刷新らしくいろいろ変わっているようでした。差分を調べたみたところ私にとってはどう見てもZよりEの方がいい。
 V9が不調になったのと歩調を合わせたように旧型E系の購入ラストチャンスが来たということで、5年ぶりに新顔導入となりました。V9と入れ替えてAT700と併用します。

 1TBのBDZ-EW1200にしました。
 絶賛量産中だったら500GBのEW520でもよかったのですが、在庫処分状態における選択肢のC/Pから。外付けHDDでいくらでも容量増やせるとは言え、できれば内蔵HDDで完結させた方が手間かかりませんし。
 「観て消す」と決めたコンテンツ録画は極力EW1200に任せてAT700の負荷を減らそうと思っています。




■ZじゃなくてEにしたワケ

・ソフトウェア
 E系に限っても3世代目ですから充分こなれてるでしょう。一方Z系は新プラットフォームらしいのでこなれるにはまだ暫くかかるのではと。

・光デジタル出力
 Z系では出力はHDMIしかなくなったとのこと。
 光デジタル音声出力がなくなったので、「映像はHDMIでテレビへ/音声は光デジタルでAVアンプへ」接続しているERI的には致命的です。
 これが“駆け込み購入”最大の動機です。

・XMB
 Z系ではXMB廃止とのこと。
 実はXMB好きなんですよね。“理に適ってる”カンジがして使いやすいです。PCのフォルダ構造や右クリック操作に似てるからでしょうか。
 XMBが不得手なのは録画番組の一覧性や検索性だけではないかと思いますが、これまでそれが不便だと思ったことはあまりないので。
 併用するAT700ともUI統一しておきたいですしね。

・レビュー記事

・ET2200記事
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20141210_679551.html

・ZT2000記事
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20160413_752916.html


■XMB

 いろいろ便利になってると思います。さすがXMB完成形ってところ?

・操作感はあっけないほどにAT系と同じ。もちろん「機能の在処」など変わってるところもありますが。4年間ほぼ進化してないのはいいのか悪いのか…
 そもそもV系ともほぼ同じですけれど。

・背景はAT系の黒系から青系に。色の雰囲気はV系に似てます。

・XMBの動作はAT系とほぼ同じか微妙に速くなった? いずれにしてもストレスはないですね。V系のヌルヌルには全く敵いませんけれど。

・選択して1秒くらいすると番組タイトル(放送でも録画でも)が自動的にスクロールして全部表示するのはすごく便利。「これこれ!」ってカンジです。

・観てないコンテンツには「NEW」マークが付きますが再生すると当然消えます。が、確認のために冒頭再生しただけ、といった場合はNEWのままにしたいなと思っていました。
 本機ではNEWに戻すことができるようになっています。メールを未読に戻すようなイメージですね。「これこれ!」ってカンジです。

・ダビング10で9回コピーできると言っても、保存用BDに焼いたら消すのが普通ですから「ムーブ」できれば消す手間が省けていいですよね(貴重なコンテンツはBDから再生できることを確認してから消しますけれど)。本機では焼くとき「ダビング10でのコピー」か「ムーブ」か選べるようになっています。「これこれ!」ってカンジです。


■USB-HDD

 背面USBは外付けHDD専用です。延長ケーブルで前からアクセスできるようにしておきました。
 Z系はUSB3.0になりストリーム同時2本保証できるようになったようで、USB-HDD関連の制約が減ったみたいですね。まあ、基本的に使うとしたら内蔵HDD容量が危なくなった時の避難用などとしてでしょうから、制約があってもあまり問題ないです。

 内蔵-外付け間で双方にダビング・ムーブできます。BD-REディスクと同じ扱いで書き出しはダビング10ですが書き戻しはムーブです。

 登録したHDDのファイルシステムはWindowsからは見えず初期化されてないHDD扱いになります。「コンピューターの管理」から領域確保してフォーマットすれば使えるようになりました。
 USB2.0ですが、供給電流値はコネクタ下部印字に800mAとありますので2.5inch系なら充分賄えるでしょう。なら内蔵デバイスと同じ感覚で使えてベストです。

 たいへん有益な機能ですので、PC自作で余ったHDDの有効活用など、純正じゃなくても使えるかどうか気になりますよね。

・USB-HDD:とっても古い場合
 ということで、「余ってる状態」として、まずとっても古い場合どうなるか見てみました。玄人志向のUSB-PATA変換ケースGW2.5AI-U2に古い30GBの2.5inch-HDDの組み合わせです。
 本体は「低消費待機」設定にて。自動電源OFFは設定していません。USB-HDDへの録画予約はしていません。

 スタンバイにしてもHDDは回ったままでしたが、70分くらいしたら停止しました。本体起動したら回転始めました。
 起動したまま放置していたら停止してましたが、XMB上のアイコンが消えるといったことはなく、USB-HDD上のコンテンツを選択して再生もできます。プレイ押したら回転始めました。
 スタンバイ状態で停止しているのを確認して就寝、朝見たら回ってて、夜に見たら回ってたことがありました(昼間にどうなってたかは不明です)。

 HDDケースのI/F部やHDD自体に省電力のためにスピンオフする機能はないハズですから、レコーダ側がそのように操作しているのだと思います。どういうルール・トリガなのかはよく解りませんが。
 なお、どんな状態でもHDDアクセスランプは点灯したままですので通電は続けているようです。電流値の変動有無は測ってませんけれど。

 流石に古いのは謎な動きするようです。古すぎ?(笑)。
 PATAだと(古いと)HDDに対するコマンドが誤解されたり通じないで返答がなかったりして、スタンバイに入る時にUSB5V切っていい判断できず入れっぱなしになったり途中で回転したり止まったりするのかも知れません。

・USB-HDD:一応新しい場合
 では、もうちょっとイマドキのHDDシステムではどうでしょう? 玄人志向のUSB-SATA変換ケースGW2.5AI-SU2にWD製2.5inch、WD5000BEVT(500GB,非AFT)でやってみました。

 GPTのNTFSフォーマット状態で接続してみましたが、問題なく登録できて使えるようになりました。
 未登録状態や登録直後は本体の起動・スタンバイに連動してUSB電源がON/OFF(変換アダプタのアクセスランプがON/OFF)していました。このランプはHDD接続してなくてもUSB5V入れば点灯しますので、消灯していれば5Vは切れてると判断していいでしょう。消灯中は回転もしていませんし。
 しかし、本体を暫く使った後(当該HDDは登録状態でコンテンツもコピーしたが使った間にはアクセスしていない)はスタンバイにしてもすぐにはUSB5V切れませんでした。20分後くらいに切れたのを確認したことはありますが、どんなルールなのか定かではありません。
 また、スタンバイして切れた後、何もしていないのにON~OFFしていたこともありました。内蔵HDDも録画中でなくても回転してることありますから、同じような扱いになるってことですかね。
 
 起動中は電源切れないっぽい&回転停止しないっぽいです。何もせず6時間以上放置でそのままでしたので。

 USB-SATA変換部分はそのままでTOSHIBA製MK6459GSXP(640GB,AF)に付け替えてみましたが、別HDDとして認識され「使える」と診断されました。


■AACS

 F/Wバージョン28.3.016にて。

・なんとV18でした。AT700はV16ですから、4年でふたつしか進めてなかったんですね。意外。

・P-MKBを書きません。

・V16のディスク、再生しただけならAACSはV16のまま。書き込み(ダビング)すると当然V18に。

・タイトルすべて削除するとMKB_RW.infも削除。

・フォーマットするとフォルダ構造は構築されるがMKB_RW.infはなし。そのディスクにV16のBDZ-V9で書き込みするとV16。

 などなど、挙動はAT700と同じみたいです(BD-RE→HDDへのムーブ、HDD→BD-REへの書き込みで確認)。


■本体

・シール
 前面には「型番」「1TB」「2番組同時録画」「外付けHDD」「WiFi」と記されたシールが貼ってありました。ダークな色じゃないので目立ちます。微妙に斜めってるし(苦笑)。
 店頭サンプル向けなんですかね? コストダウンになるんだから貼らなきゃいいのに。剥がしました。

・筐体素材
 前面はプラですが天板・側面は板金です。AT700との比較で言えばそんなにチープなカンジではありません。ていうか、SONYの普及機はずっとこんなレベルだったと思います。V系だけは高級AV機器の風格ありましたけれど(特にV9)。新型Z系はプラになったみたいですね。
 前身機はいろんなところが斜めになってましたが本機はほぼ真四角で、“デザイン”はありません。AV機器はヘンテコな形よりその方が好みです。

・ファン
 やっぱりファン付きですが、吸気口は右側面のAT系と異なり底面でした。
 AT系よりゴム足の高さがあるのはそのためかと思われます。

・スイッチ
 電源SWとトレイ開閉SWが「上面」ってのはイカガナモノカ(Z系では前に戻りました)。
 フタを開ければ前面からも押せなくはないですけれど(笑)。まあ、電源ON/OFFもトレイ開閉もリモコンで出来ますし。V系ではリセットは電源SW長押しですが、本機は別途SWありますし。
 スタックする使い方を想定してないってことですよね。奥行き短いので最上段にすることが多いかもしれませんけれど。
 あ、もしかすると、後述するWi-Fiアンテナの周辺空間が結果的に確保されるように、敢えてスタックしにくくしてるのかも知れません。
 今のところ、さらに奥行き短いBDプレーヤBDP-S470を上に置いてます。スイッチの後まで下げてちょうどいいカンジです。見た目はやや変ですけど。

 本体の再生/停止などのボタンも無くなっています。まあ、どうせ使わないですけど…

・液晶ウィンドウ(カウンタ)
 ありません。前身機と後継機にはありますけど(笑)。
 一見すごく不便そうに見えますけれど、実際どうでしょう?
 ウチでカウンタをいつ見ていたか、具体的に思い出してみると

・BDへのダビング(ムーブ)時、テレビは消しておくのでいつ終わったか判別するため「HDDBD」表示しておく

・再生開始し番組冒頭に向けてチャプター飛ばしたけれど行き過ぎてないかアヤシイ時に、再生時間カウンタでアタリを付ける

くらいですかね。
 原則、コンテンツ視聴中はテレビ画面見てるワケですからそこに情報出せるワケです。また、必ず液晶表示がハッキリ見えるほど近くに設置しているとも限らないでしょう。ですので、本体表示は無くてもあまり問題ないハズです。例えば再生時間カウンタは当然再生中なので「画面表示」すれば確認できます。まあ、ボタン押す手間は増えますけれど。
 と考えると、液晶ウィンドウが有意なのは「視聴していない時に必要な情報表示」だけと言っていいでしょう。録画中かなどは別途インジケータがありますので、ウチとしては上記の「ダビング(ムーブ)進捗具合」だけです。それも、書き込み中はディスクランプが点灯するので代替えできます(ディスクマウントしただけでは点灯しませんので)。“進捗度”は判りませんけれど。
 時計代わりに使ってもいませんしね。

 ということでほぼ実害はないと思うのですが、「いかにも安っぽく見える」「なんとなく不便そう」だからでしょうか、新型Z系では復活したみたいですね。まあ、あるに越したことはないです。


■もろもろ

・生産地
 箱や本体定格銘板に「Made in Malaysia」とあります。

・発売日
 14年11月みたいですね。1年半現役だったと。
 ちなみにAT700は10年10月発売のようです。ウチでは11年6月購入。V9は07年12月購入です。

http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201410/14-1029/
https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201008/10-0826/

・ソフトウェアバージョン
 購入時28.1.012でした。
 04/26付けでバージョンアップされ、28.3.016になってました。「アクトビラ サービスの仕様変更への対応」だそうな。

・B-CASカード
 NHK-BSの登録があるのでV9で使ってたのを差し替えて付属カードはそのまま保管。どんどん貯まってく。もう別売にした方がいいんでない? まあ、どうせどっかの規定で「付属必須」になってる気がしますけれど(苦笑)。

・リモコン
 なんだか変わったデザインですね。Z系では先祖返りしたようですので不評だったのでしょう。
 どうせ付属リモコンは使うつもりなかったので気にしませんでした。
 じゃあリモコンどうしているかと言うと、SONY製学習リモコンRM-PLZ430DにBD1,2,3を割り当てて1台で3台を操作できるようにしています。歴代BDZ付属リモコンとニアリーなレイアウトですので違和感なく使えます(そもそも学習リモコンですが)。

 この学習リモコンには「プログラムマクロ」ボタンが4個あるので、そこにAVアンプの音声切り替えとTV映像切り替えをセットで登録し、ボタン一発で目的のデッキが使えるようにしています。
 もちろんボリュームボタンはAVアンプ信号に変更。学習させなくても設定で「ボリュームはAVアンプモードの信号に入れ替える」ことができるという、よく考えられた仕様になってます。
 また、もともと登録されているBDZ用信号も、いくつかは利便性向上のため割り当てられていたボタンではなく別ボタンに学習させています。例えば「削除」は「リンクメニュー」ボタンに割り当て、要らないコンテンツは親指の移動だけで消せるようにしました。

 このリモコンすっごく便利です。売り文句通り赤外線範囲も広いですし。使い始めた時は感動しちゃいました。



・リモコンコード
 BD4,5,6が増えてて驚きました。
 残念ながら上記RM-PLZ430Dは対応してませんけど。
 ちなみに、当然ながらBD1,2,3コードは共通ですので、V9用リモコンRMT-B002Jなどでも問題なく操作できます。

・画質設定
 「プラズマ」が無くなっちゃいました(苦笑)。自発光ということで有機ELにしとくのがいいかなぁ?

・Wi-Fi
 11bg/nだけでなく11a/nにも対応してます。AVストリームを扱うのですから5GHz対応はGJですね。
 有線とは排他とのこと。
 外部アンテナありませんけど、どこに内蔵してるんでしょう? お、だからフロント部が大きくプラなのかな?

・ルームリンク
 著作権保護のかかったコンテンツ(デジタル放送のライブ映像やその録画)はDTCP-IP対応クライアントじゃないと再生できません。ので、WindowsMediaPlayerなどでは一覧は見えるのですが再生はできません。PCやスマホで視聴したい場合は有料ソフト必須みたいですね。
 おそらく敢えて説明していないのだと思いますが、解りにくいですねぇ。

https://www.sony.jp/support/dlna/server/bdz-ew1200.html


 半年ほど使ってますが問題ありません。安定してると思います。ほとんどディスクは操作していませんが。
 1TBは余裕感じますね。


■ディスク容量

 本項15/01/11初稿。AACS記事から移動しました。

 思うところあって初めてBD-R購入しました。BD-RとBD-REって容量同じなんでしょうか?
 Panasonic日本製BD-R(上)とSONY多賀城製BD-RE(下)、まずはまっさらの新品ブランクディスク。
 Power2Go V6にて。

BD-Rブランク:P2G
BD-REブランク:P2G

 続いてAT700 2号機でフォーマット直後。

BD-R:P2G
BD-RE:P2G

 Windows8.1update1のエクスプローラで見ると…

BD-R:AT701
BD-RE:AT701

 BD-Rにフォーマットで作られたフォルダは見えますので、UDF2.6は書けないけれど読めはするんですね。
 V9でフォーマットしたBD-REもエクスプローラでは同じ容量でした。BD-Rもたぶん機種依存性はないのではないかと。

 BD-Rはマルチトラックになるんですね。知らなかった… レコーダにおける管理上の理由(ライトワンスの容量管理?)らしいですが、エクスプローラから見える容量が異なってるのはそのためでしょうか。機種やメーカによって管理方法が異なるなら容量も統一されてないかも知れませんね。

 ディスク総容量はおそらく同じっぽい気がしますが、マルチトラックになる分だけBD-Rの方がやや小さくなるのかも知れません。

 ちなみにPanasonic製BD-RにもP-MKBは無いようです。

 16/05/07追記:ちなみにBD-RE DL(Verbatim製)のフォーマット状態(コンテンツなし)です。

BD-RE DL:P2G

 容量は1層の23097.8MBに対し46195.8MBと表示されました。2倍ちょっと、ですね。


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Windows10の「記憶域」を試す

16/09/11初稿

 Windows10インストール記事に記していましたが、これだけインストール関連じゃないのでやっぱり分離しました。


■Windows10の「記憶域」を調べる

 メインマシンとして使っているZ68マシン、データドライブは「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」でRAID1にしています。
 でも、システムをRAIDに入れてるワケじゃないのでBIOSレベルでRAID組む必要はありません。また、Windows10化する際にUEFIブートにしちゃったこともあり、そろそろレガシィROMは起動したくないんですよね。
 しかし、信頼性があって使い勝手がよくて障害発生時に明確に通知してくれるソリューションが見当たらなくて。

 代替え候補としてはOS標準装備の「記憶域(Storage Space)」機能があり、その「双方向ミラー」がRAID1に相当します。
 Win10化に伴い、改めて評価してみたいと思います。

・通知方法を考える
 実はWin8時代にちょっと試したのですが、SATAケーブル抜いたりすると、アクションセンターにメッセージは出ますがポップアップなどはしなかったため、障害発生を見逃しちゃう心配があったので見送った経緯があります。
 Win10でも、1台切断するとアクションセンターにメッセージが来ますがやっぱり原則一度だけの模様。警告はせめて起動するたびに出して欲しいです。

 改めて何かいい手はないか考えたところ、「コントロールパネル」の「記憶域」を見ればプール状態は一目瞭然ですから、それを起動時に自動表示しちゃえば見逃す心配はないのではと。
 単純に「記憶域」のショートカットをスタートアップフォルダに登録するだけです。毎回起動時に「×」しなくちゃなりませんが、Intel-RAIDツールも毎回アクションセンターにメッセージ送ってくるので(念のため)見に行く手間ありましたからおんなじじゃないかと。

・挙動を確認する
 やや強引ですが障害通知問題は解決できそうです。ということで、採用に向けて“前向きに”、理解を深めるため改めていろいろ試してみました。Win10では機能性能強化されてるらしいですし。
 以下、記憶域はすべて2台による「双方向ミラー」です。ほとんどNTFSですが一部ReFSもあり。GUI操作しかしない前提で。Z68はずっとRAIDモードです。


・「設定の変更」をアクティブにしないといじれない。

・まずはディスクをプールメンバにする。メンバにする時点でデータは消える。
 なのでデータを保持したまま双方向ミラー化はできない。
 プールメンバディスクで記憶域を作成する。ひとつのプール(グループ)の中には複数の記憶域を作ることができる。
 以下「プールの中の記憶域は双方向ミラーひとつだけ」の場合を記す。

・メンバになっただけのディスクは≪ディスクの管理≫からは見えない。記憶域を作ればそれは見える。

・ディスクを切り離したい場合はプールメンバから削除するのだが、記憶域を削除(解除)しないとそれはできない。記憶域を削除するとデータ消える。
 つまりデータを保持したまま普通のディスクに戻すことはできない。
 当然だが記憶域を削除してもプールは削除されない。記憶域がない状態のプールなら1台づつメンバディスクを削除できる。
 プール自体を削除するとメンバディスクすべてが一気に解放される。

・削除した(解放された)ディスクは普通のディスクに戻る。ただし元MBRだったディスクもGPTになって戻ってくる。

・双方向ミラー化した後はかなり自由自在。作成したZ68からMarvellやSiliconImageにつなぎ替えてみたが認識した。組み合わせても可。ていうか変換アダプタでUSBにつなぎ替えても大丈夫(HotPlugでも)。ただし認識しない変換アダプタもあった。

・普通にUSBやSATAケーブルを抜いて切断したくらいなら、繋ぎ直せば自動で修復する。
 RAID1と同じく切断している間もアクセス可能。繋ぎ直したら生きてた方のディスク内容に自動的に同期する。

・万一ひとつが「警告 プールから分離;ドライブをリセットしてください」「警告 アクセス不可;ドライブを再接続してください」といった状態になったら、リセットすることで生きてるディスク内容で修復される。
 ちなみに修復中に切断したら「警告 プールから分離;ドライブをリセットしてください」になった。

・2台とも別のWin10PCに移植すると、何も設定しなくてもそのPCで双方向ミラーになる。元PCに戻しても問題なし。
 つまり、万一PC本体に障害発生しても、他のPCでデータ読めそう。
 SATAでもUSBでも大丈夫っぽいが、「SATAで繋いでたディスクを移動先ではUSBで(それもHotPlugで)」といったことはしない方がよさそう。極力SATAで運用すべし。
 なお、別PCに1台だけ繋いでもやはり双方向ミラーと認識され、警告になるが2台目も型番などが表示される。
 つまり、普通に1台外れた状態になる(ディスク上に記憶域構成の管理情報持ってるということ)。

・修復時間は書いてあるファイル容量には関係なさそう。プール容量に依存?

・16/08/20追記:Win10システムSSDだけ別PCのものに入れ替えて立ち上げたら認識した。そのSSDにWin10をクリーンインストールしても認識した。

・17/03/30追記:GIGABYTE製GA-Z68X-UD3H-B3からASUS製Z170 PRO GAMINGに“M/Bだけ”入れ替えたらWindows10もそのまま動作し、記憶域も同じドライブで認識した。

 以上より、2台とも一番無難なIntelチップセットに繋いでヘンに弄らずおとなしく使っていれば、

 「1台壊れても2台めを巻き込むことはまずなく、データ救助が難しくなることもない」
 「PCが壊れても他のPCで読める=M/B交換したりOS再インストールした時も引き続き読める」

と言えそうですので、冗長ストレージとしてIntel-RAID1の代替えにできそうです。
 データを保持したまま双方向ミラー化したり解除したりは出来ませんが、個人的には特にデメリットには感じていません。もし1台故障した場合は新品2台で新たな双方向ミラードライブを作成すると思いますので。

・速度を測る
 Crucial製BX200(480GB)を2台使う予定です。
 が、Z68にはSATA3ポートが2個しかなく1ポートはシステムSSDに使っているので、SATA2接続することになります。
 そのデメリットはどれほどか、何か異常な性能値はないかなどを確認しておきたいのでベンチとってみます。

    F/W:MU02にて

・普通に(SATA2)
BX200ベンチ:シングル:Z68sata2

・双方向ミラー(SATA2)
BX200ベンチ:ミラーNTFS:Z68sata2

 お、双方向ミラーにするとI/F速度を超えちゃう?
 以下の通り、東芝SSDへのコピーでも400MB/s超えますので実際速いような(キャッシュされてないハズの起動直後。東芝SSDのシーケンシャルWrite性能でサチっていると推定)。

BX200ベンチ:ミラーReFS:Z68sata2:Cへコピー

 SATA2でもあまり実使用上は問題なさそうです。が、SATA3でドライブしたくなったとも言えます(笑)。
 ということで、SATA3につなぎ替えてベンチ(システムSSDはSATA2に)。

・普通に(SATA3)
BX200ベンチ:シングル:Z68sata3

・双方向ミラー(SATA3)
BX200ベンチ:ミラーNTFS:Z68sata3

 はや(爆)。分散読み出ししてるからですよね。
 登場当時(Win8)のレビューでは「単体より遅くなる」とあるようですが、かなりブラッシュアップしたってことでしょうか。
 あぁ、遂にZ68のSATA3が足りない日=Z68では物足りない日が来てしまった(笑)。
 BX200、最新プラットフォームだともっと速いみたいだし(*)。DMI帯域が広くなったからかな?

*:http://www.gdm.or.jp/review/2016/0110/147155/4

 なお、上記はNTFSでの結果ですが、ReFSでも有意差はなさそうです。


 実は「記憶域」って面白いカモ。


 3ヶ月ほど常用していますが問題ありません。


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ルッツふるっつフリップりっぷ

16/08/13初稿

 ザ・アイスの真央は今年も美しかったです。おまけに超きゃわわでした。しかもメチャカッコよかったです~
 という話ではなく(笑)。
 ボストンで行われたフィギュア世界選手権2016女子FSにおける「ルッツ・フリップのエッジ判定」を見てみました。

 前から疑問はあったのですが、この大会は「なんか思惑あるんじゃないの?」と言いたくなるような状態でしたので遂に。明らかなリップやフルッツの認定があったのではと。タイミング逃して今更になっちゃいましたけれど。

 ただし、「ISUテクニカル判定の精度はいかほどか」を個人的に納得することだけが目的です。選手個人に対し思うところは全くありません。

 選手皆様には敬称略で失礼します。


■やったこと

 上位8位までの8選手のルッツ・フリップ全24ジャンプをBDレコーダのコマ送り再生(フレーム単位の静止画。つまり1/30秒)で確認し、個人的にエッジがアヤシイと判断したものを抽出。
 それをISU(テクニカルパネル)がどう判定したのかをまとめました。

 離氷時のエッジ角度はもちろんですが、離氷に至る軌道も見ながら判断したつもりです。ISUの判断を確認するという目的から、若干厳しめに判断しています。

 全員が何らかのカタチで3回組み込んでたワケですが、4回じゃないということはルッツ・フリップどちらかを2回、どちらかを1回にしているワケです。ざっくりですが、1回にしている方がその選手の苦手だと推察されます。

・メドべぇ   3F+3T,3Lz,3F  SPはFのみ
・アシュリー 3F+3T,3F,3Lz!  SPはFのみ
・宮原さん  3Lz+2T+2Lo,3F,3Lz
・ゴリさん  3Lz+3T,3Lz,3F!  SPはFのみ
・ラジ子   3Lz+3T,3F,3Lz
・GG     3Lz+3T,3F!+2T,2Lz
・真央    3F+3Lo,2Lze,3F+2Lo+2Lo  SPはFのみ
・理華っち  3F+3T,3Lz,3F  SPはFのみ

 個人的に?と思ったジャンプをボールドしてみましたが、概ねそういうカンジではないでしょうか(御覧の通り、個人的に?ではなかったのにISUが何か付けてた例はありません)。
 やっぱり女子にとってはどちらかはできても両方の“跳び分け”はとてもムズカシイように見えます。
 唯一ラジ子には「?」に至るジャンプがありませんでしたが、その実情は稿末にて。

 ちなみに、個人的にはルッツって変態ジャンプだと思ってます(苦笑)。「一瞬にしてスケーティング軌道と逆回転する」なんて。ルッツさんが跳んだころはトリプルじゃないですし。
 スケーティング軌道のエネルギーを使えないどころかそれを打ち消してさらに3回転分のエネルギーを一気に得なければならないワケですから、そりゃ“リアルルッツ”は女子には酷ってモンでしょう。3Lz跳ぶ筋力やタイミングを鍛えたら3Fが苦手になる、なんて有りそうな気がします。

 考察資料の出典はすべてフジテレビ「世界フィギュアスケート選手権2016女子フリー」(16/04/03地デジ放送)です。
 以下に示すのは離氷より3~5コマ(0.1~0.2秒分)くらい前の画です。離氷の瞬間は逆に解りにくいケースが多かったので(動きが速くなってるのでスローで捉えきれずブレブレになる場合が多い)。スーパースロー撮影じゃない限りテクニカルパネルも同条件のハズです。
 このあと離氷までの間に、明らかにエッジが正しい方向に(いい例ではエラーの方向に)変化していた例はありません。

 ルッツがアウトエッジ踏み切りになるのはカウンターカーブ軌道のまま跳ぶ結果ゆえ、だから正しいルッツ判定の“代表特性として”踏み切り時のエッジを規定しているのだと理解しています。アウトエッジで順カーブ軌道を描くのは無理(*)ですから、踏み切り時を見れば軌道も見たことになる、と(フリップも考え方は同じ)。
 ですから、たとえ、もし「トウを突いた時は逆だったが0.1~0.2秒後の踏み切りの瞬間には正しいエッジにもどった」としても(肉体的にできそうにありませんが)、そんな“あっちいったりこっちいったり”するエッジワークは「クリーンなエッジ」とは認定されませんよね、ISUさん?

*:たとえ出来たとしてもフィギュアスケートとして間違いでしょう(もはやアクロバット)。


■フリップ

 まずはいい例からいきましょう。我らが真央の3Fです。
 2本目なのは、この放送ではカメラアングルがこちらの方が好ましかったからです。

真央F2:よい例(靴底が見える)2

 靴底見えてます(ブレードの留め金が判るくらい)。靴を斜め上から撮ったカメラ画像で靴底がアウトから見えてるってことは明らかにエッジはインってことですよね。軌道もキレイにフリップです。

 次に、個人的にアヤシイと思ってISUも「!」を付けているゴリさんの3F。

ゴリF1:これで!で済むの?(ブレード光ってるぞ)2

 真央の例とは逆にインサイドから靴底が見えてます。フリップの軌道で入ってきましたがコマ送りしているウチにアウトに変化したものです。その過程のこのコマでブレードがキラリと光りましたから(会場の照明を反射してるということ)、エッジは明らかにアウトでしょう。

 次は個人的には「e」だと思ったけれどISUは「!」にとどめたGGの3F。

GGF1:これで!で済むの?2

 これ、先入観なく見たらルッツの離氷前にしか見えなくないですか? 離氷までの軌道もばっちりカウンターですし。
 素人目にはどう見てもエッジエラーですけど…
 今大会だけならたまたまかとも思いますけれど、15-16シーズンはシーズン通してずっと大甘だったと思います。今大会のこれはマシな方で、もっとアウトなのに認定された例もありました。
 「ジャッジ席から見にくいから」なんて言い訳にならないのは記すまでもありません。
 「e」だと基礎点下がりますが「!」ならそのままですしエッジによるGOE減点幅も小さくなります。実際プラス付いてますから得点への影響は大きいですよね。


■ルッツ

 こちらもいい例から。GGの鉄板3Lz。

GGLz1:よい例2

 カンペキなアウトエッジ、軌道もバッチリです。直前の3Fと比べちゃダメです(笑)。

 続いて、「完全にクリーンとは思えなかったけれど不明確とまで言えるか微妙」だと思った宮原さんの3Lz。アテンションは付きませんでした。

知子Lz1:ギリ?2

 同じく微妙だと思ったアシュリーの3Lzは「!」判定でした。

ワグLz1:これで!なら…2

 アシュリーはいわゆる逆回転なので、失礼ながら左右反転した画も参考として付記しておきます。

ワグLz1:これで!なら…2反転

 軌道は最後までカウンターで、エッジもギリギリアウトに踏みとどまってるように見えますが、確かに微妙。エッジが“不明確”な場合「!」になるのですから、まあ仕方ないかなと。
 微妙な時にアテンション付けるか否か、素人とプロの判断が異なるのはアタリマエでしょう。しかし、アシュリーのレベルで「!」なのですからこれ以上インに傾いてたら「!以上は確実」、ということですよね。
 しかし、だとするならこの認定はどうなんでしょう?


メドLz1:これで認定?2

 素人目には、エッジは“明確にイン”に見えます。カウンターカーブで入ってきた後トウを突く際に体重がイン側に移動したところのコマですので、この後アウトに“揺り戻し”てはいません。少なくとも“不明確”だと思います。
 なのになんで「!」すら付かないのでしょう? プロの目にはこれが「クリーンなバックワード・アウトサイド・エッジからの踏み切り」に見えるということです。軌道や体重移動の流れを加味するともはや見る角度の問題とは思えません。不思議です。
 認定ですからGOEもたっぷり。もしこれが「e」判定だったら、基礎点は6.0→4.2、GOEも「e」の場合は-2~-3がガイドですから、少なく見積もっても2~3点は下がってたことになります。

 なお、メドべぇのエッジは今シーズン(GPシリーズ・ユーロ・世界選手権)GPFのFSで3Lzに「!」が一度付いただけです。ていうか回転不足も含めてミソついたジャンプはこれだけ。すげ~

 もうひとつ、個人的には「e」だと思ったけれどISU的には認定の理華っちの3Lz。

理華Lz1:これで認定?2

 申し訳ないですけど、ほぼ真後ろから見た左足はイン側に傾いてますよね。これも数コマ前まではアウトだったものが離氷動作でインに変化したもので、この後の揺り戻しはありません。でも、「e」でも「!」でもなく認定。

 ISUテクニカルハンドブックの記述からは、素人には全く理解不能です。

間違ったエッジでの踏み切り(フリップ / ルッツ)
フリップはバックワード・インサイド・エッジからの踏み切りである。ルッツはバックワード・アウトサイド・エッジからの踏み切りである。踏み切りエッジがクリーンでなく正しくなければ、テクニカル・パネルは、記号“e”(エッジ)および記号“!”(アテンション)を用いてジャッ ジにエラーを示す。テクニカル・パネルはスロー・モーションの再生を見てもよい。テクニ カル・パネルは踏み切りがはっきりと間違っている場合に記号“e”を用いる。記号“e”が 付いたジャンプの基礎値は、SOV 表の V の欄に記載されたとおりとなる。テクニカル・パネルは踏み切りが明確ではない場合に記号“!”を用いる。この場合、そのジャンプの基礎値は減点されない。両方の間違いともジャッジの GOE に反映される。

出典:2015hb_single_08-16j.pdf

 ルッツは「バックワード・アウトサイド・エッジからの踏みきり」なんですよね?
 JSFの説明を見るとますますワカラナクなります。

ルッツは、少し長めに左足の外側エッジに乗って後ろ向きに滑走し、左肩をぐっと入れて右のトウをついて跳びます。滑走で描いてきた軌跡と反対の回転をかけながら踏み切るので難しいとされるジャンプです。「左足外側エッジ」というのが重要なポイントで、これが「左足内側エッジ」に体重を乗せてしまうと、正しくないエッジと判定されて減点対象となります。
出典:http://skatingjapan.or.jp/figure/trick.html

 「滑走軌跡(ISU言うところのバックワード・アウトサイド・エッジでの滑走)と反対の回転をかけながら」「左足内側エッジに体重乗せるとダメ」なんですよねぇ?

 上述の通り「バックワード・アウトサイド・エッジ=カウンターカーブを描きながら踏み切る跳び方の結果として」アウトエッジで離氷するのがルッツだと理解しているのですが、今回スローで見てみると、突いたトウ側に重心乗せて左足は氷に“添えるだけ”状態にしてアウトエッジを保ち摺り足のように抜いていく、というような跳び方もありますね。
 ISU的には認定のようです。

 そしてさあ、堂々唯一の「e」判定、我らが真央のルッツ(鬼門)。

真央Lz1:軌道が明らかにインなので確かにeかも…2

 残念ながら明らかにインでしょう。豪快なカウンターカーブで入ってくるのですが、最後はハッキリと“~”を描いてましたし(画像でもうっすら判ります)。
 「インサイド・エッジで踏み切ったらダメ」「左足内側エッジに体重を乗せてしまうとダメ」だというのですから、「e」なのは仕方ありません。
 しかし、だとするとメドべぇや理華っちのルッツが「!」も付かず認定なのは全く仕方なくないです。


■結果

 判定の甘辛や精度を語る場合、テクニカルパネルが変われば変わってしまう可能性があるため、同試合で見る必要があるでしょう。
 加えて、特定選手だけでなく複数選手の判定結果から傾向をみる必要があるでしょう。
 今回そのように見た結果、素人な個人的には、ISUテクニカルパネルのエッジ判定精度は「かなり低い」と思いました。
 2014たまアリ世界選手権記事でジャンプの回転不足判定を調べた時の感想と同じですね。ただ、この時はエッジに関しては明らかな違和感は感じていないので、やっぱり今回は特に私とISUの乖離は激しかったようです。

 こういう精度で何点も違っちゃうのですから選手はたまらないと思います。選手と同列に語るつもりは毛頭ありませんが、観てる方もタマンナイです。解説者もタイヘンですね。表情のことしか言えなくなるワケです(苦笑)。
 繰り返しますが、あくまでも素人な個人的判断としては、ですが。

 精度が低い理由、それを改善しない理由は不明です。当然「ISUとしては精度は問題ないと判断している」からでしょうけれど、私にはそう見えず(そう見えてない方は結構いらっしゃると思います)、さらに言うとかなり“レッテル貼り”があるように思えてなりません。

 もっと言うと、メドべぇ(理華っちは言うに及ばず)にしても、そのシーズンに「!」が付いた事例があるのですから「普段問題ないから今回も大丈夫でしょ」などと思って見逃したハズはありません。なのにあのエッジでノーエラー。レビューすらしていないとすると不自然です。
 レビューしての判定だったらより不自然だと思いますけど(爆)。

 もちろん真実は解りませんが、少なくとも「観ている側(ファン)との乖離」が無視できない状態になっているのは間違いないのではないでしょうか。ですので、それを解消する努力はすべきだと思います。
 まずは「どれをレビューしたか」と「その映像」の公開くらいはしてほしいです(できれば3対0だったのか2対1だったのかも)。Resultにひとつマーク追加するだけですから出来ないハズありません。
 ていうか公開しない理由を思いつきません(Resultは通信簿だって仰ってるくらいですから、どう評価したか公開するのはアタリマエでしょう)。ファンにとっても選手にとってもメリットだと思いますけれど。
 精度に問題ないと思ってるなら問題ないですよね。

 ジャッジ匿名制廃止より何倍も意味があると思っています。

 仕組み的には、レビューカメラを少なくともあと1台増やすべきでしょう。現在はおそらくジャッジ席の右手側に1台のみですので、左側にも1台入れて45度角度の違う映像で判定すべきでは。そもそも、テクニカルパネル席はリンクの真ん中ではなくジャッジの右手側にあるのでリンク右半分と左半分では見え方が変わります。カメラはさらにその右側に置いてるので「レビュー画像も同じ角度」になってしまいますよね。
 経費などの都合で増やせないのなら、1台の設置位置を試合ごとにランダムに変えるのもいいかも知れません。
 まあ、「レビュー要否判断」の精度が低いままなら意味ないですけど(苦笑)。


■おまけ

 いわゆる「捻挫ルッツ」。

ラジLz1:捻挫系の例:激しく捻挫。確かにアウトか…2

 ラジ子の左足すごいことになってる。アウトに傾きすぎてもはやブレードが見えません。
 なんて器用な…


■番外編

 本項17/01/02追記。
 16/11/19にテレビ朝日で放送された「フィギュア グランプリシリーズ2016 中国大会 女子ショート」では採点待ち時間にジャンプのスローレビュー映像が流れており、大変興味深いものでした。
 中でも3Lzのエッジ軌跡(と判定の乖離?)がかなりハッキリ判る画がありましたので追記しておきます。

ケイトりん3LZ:中国2016SP(2) 2

 最後に枝毛みたいになっているのは離氷直前に横向きになったブレードでひっかいたためです。
 念のためですが、ケイトりんのジャンプはアシュリーと同じく時計回りです。
 さらに念のためですが、もちろん、ケイトりんをサゲる意図など全くありません。むしろ好きな選手です。


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リッピング・ゴースト

16/07/16初稿

 やっぱり気になるリッピング(笑)。もう考え尽くしたと思っていたのですが、BDR-S09J導入をきっかけにまたぶり返しちゃいました。

 本稿、ファイルはすべてオプション付いてないプレーンWAV、排他WASAPIまたはASIO再生、余計なエフェクトや変換はない前提です。
 また、リッピング結果の「エラー」とは、特記なきはC2エラー=補間発生のこととしています。


■経緯

 リッピングと音質に関してはかなり昔からいろいろ考えています。もしやり方が違うと音質違っちゃうなら、やり直しなんて大変ですから本格的にファイルオーディオ始める時に考えたんですね。
 その経緯を簡単にまとめると次のようになります。

・CDのエラー訂正とは何かを理解しておく
・C2エラー発生はPCやリッパーや振動などで変化しない

 ということで、エラー量はリッピング環境を変えても(ドライブの光学性能差は除く)フツウは変化しないと考えています。ていうか健常なディスクではほとんど発生しないようですから、万一発生した場合にそれを認識できる仕組みがあればいいと判断しました。

 さらに、

・WAVフォーマットを(とってもシンプルであることを)理解しておく
・ドライブにはオフセットがあり、それが違うことでリッピング位置が変わり、それでWAVファイル中のtrackデータ位置が変わり、前後の「ゼロサンプル」状態が変わる
・ヘッダフッタにオプションを付けるリッパーがあるので、リッパーを変えると再生動作が変わる可能性がある

 ということを考えました。
 リッピング環境が変わると曲間分割位置が変わる可能性があるので「ゼロサンプル」状態が変化します。が、その違いは音質に影響していないと判断しました(ちなみに、ゼロサンプルと呼称していますが曲間に相当するデータであってゼロとは限らず、一般的には“ゼロ近傍”です)。
 一方、ヘッダフッタが変われば(プレーヤによっては)再生動作が変化しますから、それによる音質変化は否定できません。なので余計なヘッダフッタは付けないことを原則にしています。

 そして、念押しにネット上で見かける「バイナリ違いが発生していなくてもリッピングの仕方で音質が変わる(もちろん再生環境は同一(*)でも)」ことがあるのか、“ビット品質”という概念で考えてみました。同じ0や1にも音質差がある、という考え方です。
 しかし、PCMデータをCD-DAとして焼いたCD-R/RWをエラーなしリッピングすれば元のPCMデータそのものが得られます。ドライブの電源を良質にすると抽出できる量が増えるような情報は“もともとどこにも無い”と思っているので、私はその考え方ではありません。

*:同一ストレージでも記録場所までは同時に一致させられませんので、普通これだけは違いとなりますが。

 ちなみに、「楽曲ファイルはコピーによって音質変化しない」とも考えており、本件はそれが前提となっています。

・リッピングソフトを変えると“ビット品質”が変わって音質が変わるのか

 理屈も思いつきませんでしたし、念のため試聴しても変わって聴こえませんでした。

 ということで、PureReadのパーフェクトモードで補間発生だけモニタしつつiTunesでリッピングしています。

 ところで、上記ビット品質記事に「やっぱり気になるので、リッパーだけでなくハードウェアも含めて差をつけても変わらないか」を追記していたのですが、本来は「リッピングソフトでの違い」がお題目の記事なのでちょっと違和感はありました。
 今回、ハードウェア条件違いのサンプルを追加して再試聴してみましたので、ハード違いに関してはこちらに記載し直すことにしました。
 ということで、以下「■フツウの試聴テスト」項は、13/11/02追記としてリッパー比較記事に初出のものです。大変勝手ながら、以下はその比較記事に続けて読んでいただいた方が解りやすいかと思います。

 さて、リッピングの仕方を変えてファイル生成すると、楽曲部のバイナリも再生環境も完全一致しているのに音質が違うことはあるのでしょうか?


■フツウの試聴テスト

・光学ドライブのエラーなく(補間発生なく)読める性能とビット品質は無関係
 ちなみに、光学ドライブにもし「音質のよいビット品質でストレージに記録できる性能」差が存在するとしても、「補間発生少なく読める性能」と関係あるとは言えないでしょう。例えば、低消費電力なスリムポータブルの方が低ノイズなので「ビット品質」にはいいかも知れませんよね。ダメージディスクでもない限り、普通の補間はパラパラとランダムに発生するだけで「全体的な音質差」にはなりえませんし(局所的な音質差としても聴き取れませんけど)。
 ということは前提として。

・異なる環境でバイナリ一致のファイルを作る
 一応、「電気的にノイジーだったりソフトが忙しく動いてる方が不利」じゃないかと仮定して進めます。
 以下、それに基づき、前者が無理矢理作った悪条件、後者が好条件です。それなりに工夫(笑)してかなり差を付けたつもりですので、“サイテー”と“サイコー”ではないにしても何か違いは出るだろうと。

 ・CPU:3.4GHz  ⇒  BIOSで1.6GHzに固定(スレッド数は8のまま)
 ・HDD:システムSSD+RAID1 HDD2機+2TBのデータHDD2機  ⇒  データ用HDDを取り外し
 ・光学ドライブ:内蔵BDドライブ2機+外付けFX48  ⇒  BDR-S05Jのみ
 ・光学ドライブI/F:PATA→USB変換→USBハブ経由で接続  ⇒  チップセットのSATA直結 
 ・リッパー:iTunes11.0.5.5(エラー訂正あり)  ⇒  dBpoweramp R14.4(BurstMode タグ書き込みなし)
 ・CPU負荷:TMPGEnc4.0Xpressによるmpeg2→mpeg4エンコードでほぼ100%負荷  ⇒  リッピングのみ
 ・ドライブ負荷:2機のBDドライブからRAID1 HDDにファイルコピー  ⇒  リップ以外何もできず
 ・アース:部屋のアース端子からアース線を抜く  ⇒  接続

 リッピング対象はリッパー左右比較と同じCDのtrack01です。本当は外周の方が倍速上がるので悪環境になるのですが、CDによって“最外周”って異なりますから、とりあえず最内周にしました。

 iTunesを「エラー訂正なし」にしているのは、2度読みさせて負荷をかけるためです。

 dBpowerampは逆に「BurstMode」で負荷を減らしています(C2エラー発生はないtrackなのでBurstModeで問題ないハズ)。
 また、デフォルトではなく「Disable Tag Writing」に設定しているのは、「極力余計なことしない好条件」を作るためです。

 FX48はリッピング光学性能が低そうなのでセレクト。上述の通りビット品質との関連があると思ってるワケではありませんがこれくらいしかパラメータがないので(苦笑)。電源はPCと同じタップから供給(もちろんACアダプタ)。机の引き出しの上にグラグラするように設置。

 BDR-S05Jは…まあ一応メインドライブなので。ただしPureReadはOff。FX48と同じ理由で、逆に負荷を下げるためです。対象trackはPureRead使わなくても補間エラーは発生しませんので問題ないでしょう。
 が、BDR-S05JはdBpowerampで倍速設定が「Maxかx40」しか選べません。ので、純正ユーティリティで「常時静音モード」にしました。こうするとtrack01は4倍速で読みます(dBpoweramp表示にて)。FX48は約9倍くらいでした(iTunes表示にて)。2度読みした結果なので物理的な速度は18倍くらいだと思います。
 PCの外に出し、コーリアンボードで上下をサンドイッチ(ベゼル部のみ若干上下に大きいのではみ出し)。その上に鉛の円柱を置きました。

 ちなみに、好条件=低速にしたのは、セキュアリッパーやPureReadがリトライリードする際には「シフトダウン」するからです。エラーなく読もうとする時には速度を下げてるんですから、その方がビット品質にも“好条件”かなと。イメージ的には低速の方が電気的ノイズもメカ的ノイズも少なそうですし(空気抵抗がある以上、あんまり高速回転だと振動なんかも不利でしょう)。

 リッピング結果はもちろんWaveCompare一致。楽曲部のバイナリは同じということです。ファイルコンペアでは不一致でした(ドライブもリッパーも異なるのでオフセットズレは仕方ないでしょう)。
 リッピング先はUSB2.0接続の外付け2.5inch-HDDです。別名のフォルダにファイル生成。フォルダ階層は同じです。

・試聴
 リッピングするPCと再生するPCを兼用している場合は、リッピング環境を変えたら再生環境も変わってしまいますが、今回は上記HDDをリッピングしたPCから“再生専用PC”に移動し外付けしてそのファイルを直接再生しています。
 つまり再生環境は全く同一(HDD上のファイル位置は違うけど。仕方なし)、さらにストレージ間コピーはしてない“生”ファイルってことですね。

 さあ、いよいよ試聴です。どきどき。

 まずはPlayPcmWinにて。

 …やっぱり違い判りません。

 メモリ全展開型だと判りにくいのかも知れませんので、気を取り直してuLilithにて。

 …やっぱり判りません。

 ということで、本編での結論を覆す結果にはなりませんでした。


■バイナリ一致サンプル追加

 さて、ここからは再び本稿での新しい記載となります。

 上記の「ハード違い」による差分はZ68システムの設定によって作り出したものでした。ですが、PC自体にもっと差を付けた方がよかったかも知れません。
 そこで、「ノートPCによる完全バッテリ駆動(*)でのリッピング」のファイル追加してみようと思い立ちました。
 再生システムも当時よりかなり進化してると思いますし(以下再生システム参照)。

*:ただし、ノートPCのバッテリ駆動は音質に良いと判断しているワケではありません。バッテリと言ってもPC内部で必要な複数電圧をすべて化学変化による発電で賄ってるワケでもないので。「デスクトップのATX電源との対比として」という意味です。

 上記2サンプル「とりあえずサイコー」「とりあえずサイテー」もHDD(比較試聴したHDDではありませんが)に保存してありますので、それらとの比較を行います。もちろん物理的に同じCDで。

・リッピング環境
 バッテリ駆動しますので、ドライブはスリムドライブをUSB2.0で外付けします(スリムが好条件なのかについては上述の通り)。
 その他、ERI手持ち機材で可能な限り“ビット品質によさそうな”対策してみました。どんなもんでしょう?

 ・PC:ThinkPad X220 Windows10Pro 64bit バッテリ駆動(LCD輝度最低) 常駐系アプリインストールなし
    しまった、メモリはシングルアクセスに戻せばよかった…デュアルでやっちゃいました
 ・PC状態:BIOS(UEFI)でLANを始め内蔵カメラなど切れるものは全てdisable
       CPUはシングルコアに設定、THもdisable。シングルスレッドであることをタスクマネージャで確認
 ・ドライブ:スリムDVD-ROM NEC製PC-VP-BU47(ドライブ本体はTEAC製DV-28S-Y)
       コーリアンボードで上下を挟み鉛円柱を載せて制振
 ・USBケーブル:Stereo誌付録のUSBフィルタボード:エミライ製ES-OT4経由でアコリバ製USB-1.0SPS
          電源側はモバイルバッテリSONY製CP-F10LSAVPに接続
          eneloop4本直列直結では駆動できませんでした
 ・リッパー:≪dBpoweramp R16.0 Trial≫ BurstMode(リッピング時に負荷をかけない) 
       AccurateRip Off(オフセット補正しない) Disable Tag Writingチェック(余計なヘッダフッタを付けない)
       ドライブ速度x4に設定(リップ時x4と表示されていた)
 ・リッピング先:X220の内蔵SSD(CFD製CSSD-S6T128NHG5Q:ベンダはTOSHIBA) GPTのUEFIブート設定
          パーティション分割したDドライブ NTFS

 リッピング後、X220からSSDを取り出してZ68メインPCにUSB2.0接続、今回リッピングしたフォルダに3年前の「とりあえずサイコー」と「とりあえずサイテー」ファイルをコピーしてみっつのサンプルを揃えました。中身以外にファイル名とSSD上の記録場所が異なるワケですが、どうしようもないので無視します。リッパーや光学ドライブで制御できることでもありませんし。
 このストレージを再生PCに接続してそのまま再生します。
 今回の「スペシャルベスト」はコピーなしの第一世代となります。それもUSB接続などではなく、SATA3でノートPC基板に直接接続されたストレージです。純度高いですよね?
 対する過去の2ファイルはコピーであることに加え、変換を入れることでさらに不利にするため敢えてUSB接続にしてみたものです。

・みっつのサンプル
 これで3種のサンプルが揃いました。

 ・とりあえずサイテー:Z68フル稼働+グラグラFX48+iTunes
 ・とりあえずサイコー:Z68最低限稼働+制振BDR-S05J+dBpoweramp
 ・スペシャルベスト:X220シングルスレッド+制振スリムドライブ+dBpoweramp+フルバッテリ駆動

 三すくみで≪WaveCompare 1.32≫した結果を提示しておきます。音質を確認するワケではないのでコピーしたファイルを使用。

BDR VS FX48

X220 VS FX48

BDR VS X220

 ファイルの仕様を明示しておきます。

・ゼロサンプル数(曲間サンプル)と楽曲部バイナリ:ドライブ違い=オフセット違いのため先頭ゼロサンプル数がすべて異なりますが楽曲部バイナリは一致です。

・補間有無:3サンプルとも、PureReadパーフェクトモードでのリップデータと≪WaveCompare≫で一致するので補間は発生していません。

・サンプル数:すべて同じ12,491,472サンプルになっています。

・ファイルサイズ:プロパティで見るとすべて49,965,932Byteで一致します。

・ヘッダ:バイナリエディタで全く同じであることを確認しました。容量はオプションもなく一番ベーシックな44Byteです。

・オプションフッタ:ファイルサイズが同じでヘッダが同じでサンプル数も同じということは、フッタはないということです。
 実際、バイナリエディタでファイルの末尾を見てもほぼ無音レベルのデータが並んでいるだけです。
 ちなみに、「12,491,472サンプル×4バイト+ヘッダ44バイト=ファイルサイズ49,965,932バイト」です。フッタ(オプションメタデータなど)が存在する余地はありません。

・再生環境
 その時点での環境は使用機材履歴に記録していますが、今回はここに明記しておきます。

 ・PC:X79システム 再生専用
 ・PC電源:CSE製TX-200(アイソレーショントランス) アース接続
 ・PC電源ケーブル:AET製HIN AC EVD
 ・TX-200電源ケーブル:同上
 ・プレーヤソフト:≪foobar2000 1.3.8≫ PortableMode
           Resampler-V(SoX)で32倍アップサンプリング後DSD256変換(FP64 TypeD)再生
 ・ファイル在処:X220ストレージをX79のチップセットSATA2にミヨシ製SATA-272(20cm)で接続
          電源はシステムSSDの枝分かれ
 ・DAC:TEAC製UD-503 DSD256モードになっています DSDデジタルフィルタは150kHz設定
 ・DAC電源:CSE製RG-50(クリーン電源レギュレータ)
 ・DAC電源ケーブル:同上
 ・USBケーブル:アコリバ製USB-1.0SPS
 ・ヘッドホン:UD-503のアクティブGND駆動にて、SONY製MDR-Z7とSENNHEISER製HD700

 リンク先に記した通りアップサンプリングやDSD変換はPCでやらない場合はDACチップで実施されますので、「余計な変換」とは考えていません。

・試聴
 オフセットが異なっているので前後の曲間サンプル数が異なっていますが、楽曲部バイナリは一致です。オプショナルなヘッダフッタもないので再生時の動作が異なることはありえません。
 ファイル自体はそういうものですが、それを生成したリッピング環境“だけ”はかなり違うと思います。
 猛烈に念のためですが、猛烈に特殊な運用でない限りファイル生成してから再生するまでにストレージ電源は切れることがある前提です。

 リッピング時にフラッシュメモリセルに宿り、無通電でも存在し続け、再生時にはバッファやレジスタを幾重にも伝播していく、0/1を超越する音質差要因「GHOST IN THE CELL」は存在するのでしょうか…

 …ふたつのヘッドホンでブラインドで3サンプルをランダムに聴きましたが、違いは感じませんでした。
 少なくとも「こりゃヤバイ」とは思いませんでしたので何よりです(笑)。

 もちろん、個人的主観的判断なのは言うまでもありません。冒頭に記した通り「変わると思ってない」って“プラシーボ”効果もあるかも知れませんしね(苦笑)。


■仮想ドライブ幻想

 「ドライブ直ではなく、一旦イメージとして読んだファイルで作る仮想ドライブからリッピングした方がよい」という説もありますよね。
 しかし、音楽CDは音楽CDとしてしか読めないと理解しているので、ウチではリッピングに採用していません。

 が、今回「ビット品質のスペシャルベスト環境」として導入するかどうか判断するため、それなりに調べてみました。

・仮想ドライブからのリッピングとは何か
 始めに。そもそも音楽CD(CD-DA)はCD-ROMではありません(CD-ROM規格は音楽CD規格を利用して作られたもの)。データディスクではありませんから、いわゆるISO化はできません。
 ですので、音楽CDをイメージ化できるソフトウェアがあっても、それはISOイメージ生成ではないハズです。ここはCD-ROMやDVD以降(映像メディアだがファイルシステムに則ったデータディスク)と決定的に異なる点です。

 それを踏まえた上で、以下プロセスを踏んでリッピングしてみました。音質比較するワケではないのでフツウにZ68メインマシンにて。

 ・イメージ化:≪ImgBurn 2.5.8.0≫で「BIN+CUE」化 (ISO化は選択できない)
 ・仮想ドライブ化:≪DAEMON Tools Lite 10.4≫
 ・リッパー:≪iTunes12.4.1.6 x64≫ エラー訂正なし
 ・イメージ化に使ったドライブ:BDR-S05J マスターモード
 ・CD:PureRead対決で使った傷ありCD
 ・リッピング対象:S05Jのパーフェクトモードで停止するtrack10

 結果、10個のエラーがあるファイルができました。
 続いて、PureRead3+をテストした時に使った3回のS05Jマスターモード結果のうちのひとつとの比較を示します。

S05Jm 補間 imgbrn比較

 比較対象のエラー数は9でした。上図の通り相違は1サンプルしかありませんから、10個のうちの9個まで補間結果も共通だということでしょう。
 このことから、仮想ドライブリップはフツウに“マスターモードでの直接リップ4回目”に見えます。

 なお、イメージ化する際、S05Jはシフトダウンしてリトライやってました。
 そもそも、上述の通り音楽CDは音楽CDとしてしか読めないハズです。

 やはり、音楽CDのイメージ化とはリッピングのことではないでしょうか(そもそもCUEファイルとセットだし…)。

・BINとWAVの違いとは何か
 でも、できあがるファイルは「.bin」ですよね。そこで、表題の比較してみます。
 同じタイトルですが買い直した傷なしディスク(こちらは補間発生はありません)からBINとWAVを生成します。傷ありと同じタイトルである意味はありませんが、流れとして(笑)。

 ・BIN・・・≪ImgBurn≫で「BIN+CUE」化
 ・WAV・・・≪EAC V1.1 from 23.June 2015≫で全トラックをひとつのWAVにリッピングした「WAV+CUE」化
       ≪ImgBurn≫と合わせるためオフセットズレ補正なし。フッタなしを確認

 プロパティで「サイズ」を見ると、BINが477,056,160Byte、WAVが477,056,204Byte。その差44ByteはバッチリWAVファイルのヘッダバイト数です。
 そこで、WAVファイルのヘッダをバイナリエディタでカットしてファイルコンペアしてみると、ファイル内容一致。
 逆に、BINファイルの先頭にWAVファイルのヘッダを追加し、拡張子を.wavにし、CUEファイル冒頭の対象ファイル記述を対応させると、そのCUEファイルで曲ごとに分割表示されて再生できちゃいます。

 つまり、≪ImgBurn≫でイメージ化されたBINファイルはWAVファイルの音声データ部そのもの、ということです。そしてそれは、「音楽CDのイメージ化とはリッピングに他ならない」ことを示しているとみていいでしょう。
 ちなみに、IMGで吸い上げてもBINとファイルコンペア一致の全く同じものができます。CUEファイルも冒頭以外は同じ。

 中身が同じになるのですから、仮想ドライブからのリッピングとは「わざわざファイルを仮想ドライブ化してリッピングという形式にしてるけど、ファイルコピーするのとほぼ同義」ということです。

 イメージ化は実はリッピングだとすると、エラーはその時点で補間済みですから、得られたファイルを仮想ドライブ化してリップするとエラーしようがありません。ノーエラーで「補間済み」のデータが読み出されることになります。
 つまり、イメージファイルからリッピングするとエラーがなくなりますがエラー訂正が強力になったからではありません。「イメージ化する際に補間済みなだけ」ということです。

 ということで、エラー発生低減方法としては意味がないと判断しました。
 そして、ビット品質(それがあるならですが)的にも「コピー世代を重ねるだけなので逆に不利」と考えて採用しませんでした。


 なお、少なくとも≪ImgBurn≫によると上記の通りですが、ISO化できない以上他ソフトでも同じだろうと考えています。


■さてどうする?

・変わるという体験談をどうとらえるか
 ということで、ERI的にはいくら考えてみても試してみても「楽曲部バイナリが同じなら差はない(余計なヘッダフッタがないのは前提)」という結論になっちゃうのですが、世の中には変わるという体験談も結構ありますよね。

 それら主観評価は全くもって個人の自由の領域ですけれど、もし参考にする場合は

・ファイルのヘッダフッタも同じか。でないと、プレーヤソフトの動作が変わる可能性があるので
・それはバイナリレベルで確認されているか
・最低でも、楽曲部バイナリは一致か(≪WaveCompare≫で一致か)
・FLACとWAVEで比較したりしていないか(可逆でも。ファイルバイナリ違っちゃいますけど)
エンファシスCDを対応非対応のリッパーソフトで比較していないか(音声バイナリが違っちゃいますけど)
・本当に再生環境は同一か
*リッピング環境と完全分離していない場合、リッピング条件を変えたら再生環境も変わったことになる


といった客観的条件がどうなっているか考慮した方がよいと思っています。

 やや余談になりますが、補間って普通はパラパラ離散的に発生するので楽曲全体への“ヴェールの枚数”的音質差にはならないハズ(大量に連続的に発生すると局所的なノイズになるかマウント不可になる)なので、実は、補間有無的には「楽曲部バイナリ一致」は客観的条件にしなくていいと思っているのですが、話がヤヤコシクなるので敢えて挙げています。
 シャレにならないくらいまんべんなく大量に発生してたらヴェールの枚数的音質差になるかも知れませんが…
 ていうか、こういう試聴する時にそんなディスク使っちゃダメっす(苦笑)。

・「プロ」の発言をどうとらえるか
 コピー劣化について考えた時にも記しましたが、「音楽制作のエンジニア=必ずデジタル信号処理やコンピュータシステムについても詳しい」とは限らないのではないかと思えますので、発言者のスキルや発言の正確な意味や“意図(目的)”など、よく吟味した方がよいと考えています。
 特に「そういうことにしておいた方が儲かる」立場の方の場合は、“営業トーク”の可能性も考えた方がよいでしょう。

 加えて、マスタークロックを使う目的は録音・編集と再生では異なるであろう点など、「プロ製作現場の事情とコンスーマ再生事情は異なる」ことも念頭に置くべきでしょう。
 ちなみに、プロ用ツール(ソフト・ハード)が高価なのは「数売れないから」「高信頼性や長期安定供給が求められるのでメンテナンスコストがかかるから」といった理由が大きいと思っています。特にソフトは「ビット品質的に高音質だから」じゃないでしょう。

・リッピング速度
 「ビット品質に関するハードウェア条件としてはドライブの読み取り倍速性能がかなり支配的なのだ」という説もあるかも知れません。
 だとすると、普通のリッピング動作はCAVでしょうから同じCDでも内周と外周で読み取り速度が異なり「1曲目は音がいいのだが15曲目は悪い」なんてことが起こっていることになります。内周と外周で同じ曲が入っていることはないので気付かないのかも知れませんが、CD-Rでそういうディスクを作って確認してみることはできそうですね(記録時の速度とかいろいろめんどくさそうですが)。
 あ、カラオケがオマケについてるCDだと、もしかして「同一CDの別track」に同じ音声データ入ってるかも知れませんね。前奏部分とか。

 この影響があるとすると、「低速CLV読み取り」が可能なドライブ&それを設定可能なリッパーの組み合わせで使うしかありません。もちろんリッピング前にスピンアップ完了しないなんてもってのほかです(笑)。ドライブとリッパーの選定自由度がすごく狭まりそうです。実際に組み合わせてみないと判んないでしょうし(例えばS05Jは選びでありませんでしたがiHES208は結構選べるみたいです)。

・CD状態
 リッピング条件で音質変わるとすると、同じCDでもプレス(*)状態によっても読み出し波形が変わってリップファイルの音質変わりそうです。
 「初回プレスが一番いい」とか「いや、数回後の方がスタンパがエージング(爆)されてきて良くなる」とか、いろんな説がありそうです。ドライブ制振するより影響デカイ気がしますが、ユーザにはどうしようもないですよね。

*:http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0707/25/news001.html

 もっと遡ると、マスタリングスタジオがデータ入稿に使っている「生ディスクのブランド」「焼きドライブ」などによっても、スタンパの状態が変わってプレスされたCDの音質は激変しそうです。
 いわんやディスク入稿とネット入稿をや。

・配信ファイル
 リッピング条件違いによる「ビット品質差」があるとすると、配信ファイルのダウンロード条件違いでもそれは発生しそうですよね。DL時、ネットワーク機器も制振した方がビット品質は良くなるのでしょうか? 落とすソフトもブラウザと専用ダウンローダでは違うとか。
 もしかしてインターネット接続環境にも依存? ADSLより光ファイバの方がいいとか、光でもギガより100Mの方がいいとか、NTTよりKDDIの方がいいとか、DLは真夜中に限るとか?
 配信サイトのサーバにも依存?


 …やっぱり考えないことにしようっと(笑)。


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