「有難き幸せ」

17/04/14初稿

 真央が現役選手を終えました。

 決して悲しいことではないです。
 もともと真央は“選手としての浅田真央”にけじめを付けるために(これ以上できないと思うために)戻ってきました。その真央が「悔いはない」という以上、何も足りなくないし何も望むことはないのですから。

 記者会見、密着取材特番を観た後、感じていることを“記録”しておこうと思います。
 「=フィギュアを透して浅田真央に感じ入る=」などと掲げてることですし。

浅田真央報道写真集
浅田真央報道写真集

 もちろん平静ではいられません。
 でもそれは、
「勝手に思い描いてた引退の風景」と現実のそれがちょっと違ったことに戸惑っているだけ。
「10年以上続いた日常」の急変への適応に時間がかかっているだけ。
「真央が目指した至高の演技」が叶わなくなった残念感を受け止めきれていないだけ。
と、必死に言い聞かせてます(笑)。

 至高の演技。それは現役中に一度あるかないか、奇跡への挑戦だと分かってはいましたが、「ものすごいものが観られるかもしれない」と夢見させてくれました。フリップループやルッツエッジの認定までこぎつけていましたし。
 終わってみると、フィギュア選手としての足跡そのものが、真央の魅力の根源だと思っている「美しき不完全性」だったなと。それは間違っても「悲劇性」などではありません。

 久美子先生も仰ってましたが「2枠になったから」は決断要因にないと思っていました。真央はそんなに小さくない!(自分に対しても枠を競う相手に対しても)。
 実際、決めたのは2月とのこと。発表がこのタイミングになったのは「世界選手権前、直後、国別対抗直前は避けた」「GP派遣調整などが始まるので4月中旬がギリギリ」「密着取材の舞とのスケジュール調整」などの単なる事務的な事情でしょう。

 真央は「やりきった」と思うことはないのではないかと思っていました。何かを達成しても、体ができるなら、さらに高みを目指す人ですから。
 もはや自分がやりたいフィギュアはできないと判断したのだと思います。それも、主に“気持ち”の問題として。
 真央は一人称によく「真央」を使います。自分のことなのに「~じゃないかと思う」といった言い回しをすることもあります。どこか自分を客観視しているところがある気がするんですよね。「浅田真央から逃れることはできない」といった発言もありました。
 全日本が終わりひとしきりリフレッシュした後、“来期の目標とそれを成し遂げんとする気力”が沸いてくるか否かで決めたのではないかと。
 それは遂に無かったわけですが、それほどに膝も腰も限界だったのでしょう。が、それは気力が戻らなかった要因のひとつであって先んじた原因とは思っていません。

 真央らしい記者会見でした。
 フィギュアとは何かと問われ、困りながら「人生」と答えてました。私には「生き様」と聞こえました。
 本当は「つらいことはなかった」わけはありません。最後まで弱音は吐きませんでしたね。
 涙見せまいとくるりと後ろ向いちゃう姿がたまらなくキュートで泣き笑いしました。絶対泣かない、笑顔で終わるって決めていたのでしょう。最後まで頑固でしたね。


 ただ一言、ありがとうしか言葉はありません。同時代に生き、ファンになれて応援できた幸せ。
 まさに「有難き幸せ」。
 そしてお疲れさま。真央に、真央に幸あらんことを願っています。

ありがとう浅田真央 2017年 5/13号 [雑誌]: サンデー毎日 増刊
ありがとう浅田真央 2017年 5/13号 [雑誌]: サンデー毎日 増刊


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テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

周回遅れのZ170 (しかも2枚)

17/04/08初稿

 久しぶりにメインマシン用M/B買いました。ASUS製Z170-Aです。
ASUSTeK Intel Z170搭載 マザーボード LGA1151対応 Z170-A 【ATX】
ASUSTeK Intel Z170搭載 マザーボード LGA1151対応 Z170-A 【ATX】

 6年ぶりにM/Bを買っちゃった以上、もちろん他にもいろいろ揃えなければなりません。ていうかその前に知識のギャップを埋める勉強も必要でしょう。以下、その顛末を少々。

 チップセット世代はそれぞれを代表する品名で記させていただきます(例えば100シリーズはZ170)。
 また、本稿の内容はベンダや専門家に裏を取ったワケではありませんから間違いあるかも知れません。その点ご承知おきください。


■マザーボード

 Skylake+100シリーズは「DMI帯域拡張」「PCH側PCIeのGen3化」「PCIe Storageサポート」となったことで、“ある種ジャンプアップした世代”だと思います。

 ので、発売当時、メインPC新調候補として選んだのがZ170-Aだったんですよね。

https://ark.intel.com/ja/products/82012/Intel-Z97-Chipset
http://ark.intel.com/ja/products/81761

・選択理由
 お値段がリーズナブルであることは当然として。

・DMI3必須
 M/Bとしての確実な実装への保険として一応Z170に

・DisplayPort必須
 ゲームやらないのでそろそろCPU内蔵Gfxでもいいかなと思うが、DPがないと2560x1600の3008WFPに表示できない。HDMIだと内蔵Gfx側は対応しているが3008WFP側は当時の規格でFHDまで。DualLinkなDVI-Dなら3008WFPは受けられるけど内蔵Gfx側が非対応

・PCIがあった方がいい

・ATXフルサイズが好き
 メモリ脱着時にスタッドの支えがないのは不安

・USB3.1 Gen2(10Gbps対応)があった方がいい
 Type-Cもあった方がいい

・PS/2やRGBもあった方がいい
 いざという時に頼りになるレガシーなので

 ずっと購入タイミングとキモチの盛り上がり(現役のZ68+2600Kで不満がないので)を待ってたらZ270世代に切り替わり、そのスペックを見てZ270でなくてもいいやと思って処分特価を狙っていたら売り切れちゃいました(笑)。
 そこで、とある展示品が処分されないかな~とwatchしていたら遭遇してしまいました。
 絶対Z170で組みなおすと決めていたワケではありませんでしたが、こうなるとこれも定めと買わざるを得ない(笑)。

 新型Z270-Aと比べると、Z170-Aには以下のようなメリットがあります。

・背面USB2.0がある
・RGBがある
・PCIがある

 どれも無くても致命的ではありませんが、例えばPCIeスロットが足りない状況でもないので、PCIが1本くらいはあった方がオトク。
 一方、以下の点では劣っています。

・Kabylakeを使いたいならUEFIをバージョンアップする必要がある
・PCHのPCIeが4レーン少ない
・M.2が1スロット(Z270-Aは2スロット:PCIeのレーン数増分により実現していると推定)
・Optane対応ではない

 SkylakeじゃなくてKabylakeじゃなきゃヤダという欲求は特にありません。
 レーン数もZ170で致命的な不足は感じません。
 M.2も、2枚以上使いたくなったらPCIe変換アダプタを使う手があります。
 Optaneは無視していいでしょう。

 ということで合理化。

https://www.asus.com/jp/Motherboards/Z170-A/
https://www.asus.com/jp/Motherboards/PRIME-Z270-A/

・PCI-Expressレーンの使い道
 Z170はZ97の8から20に増えたのことですが、12レーン分も機能が増えたようには見えません。
 実はSATA 6portをマルチプレクスできるようにうなった分を含むので、単純に12レーン増ではないんですね。
Z170HSIO.png
出典:http://www.intel.com/content/www/us/en/chipsets/100-series-chipset-datasheet-vol-1.html

 Z97はマルチプレクスなしで8レーン(厳密には2レーンはUSB3.0と排他)。
http://www.intel.com/content/www/us/en/chipsets/9-series-chipset-pch-datasheet.html

 Z270はさらに24に増えてるとのことですが、こちらは純粋に4レーン増のようです。
http://www.intel.com/content/www/us/en/chipsets/200-series-chipset-pch-datasheet-vol-1.html

 PCIeストレージが「Intel RST for PCIe Storage Device」として3セットサポートされていますが、「特定の4レーンまたは2レーン」を束ねる必要があるようです。
 ということから、

・PCIe X16第3スロット
   「PCIe X16第3スロットとM.2でRAIDが組める」
   「SATA_5,6と排他でX4にできる」
   ⇒ PCIe#17~20セットと推定

・M.2
   「SATA-Expressと排他」 ⇒ PCIe#9~12セットと推定

・SATA-Express
   「M.2と排他」 ⇒ PCIe#13,14と推定
      ・SATA-Expressとして使う場合
          PCIe#13,14はPCIeに割り当て
          (M.2のPCIe#9,10はSATA #0,1=SATAモードに)
      ・SATAとして使う場合
          PCIe#13,14はSATA #0,1に割り当て
          (M.2のPCIe#9,10はPCIe=NVMeモードに)
          2ポートセットで移動する必要がある模様
          実際、SATAをM.2側にするとSATAポートが2個使えなくなる

ではないかと思っています。
 そして、以上から推定したPCIeレーンの使い方は以下の通りです。

・X1スロット・・・3レーン
・PCI(変換)スロット・・・1レーン
・GbEコントローラ・・・1レーン
・USB3.1コントローラ・・・1レーン
・M.2スロット・・・4レーン(IRSTセット)
・SATA-Express・・・2レーン(IRSTセット:SATA 2portと排他)
・X2(X4)スロット・・・4レーン(IRSTセット:うち2レーンはSATA 2portと排他)
・常設SATA3に割り当て・・・2レーン
・未使用?・・・2レーン

 これだと2レーン余ることになりますが、その実態はワカリマセン。何か独自機能に使っているかも知れません。
 以上、独自推定ですのでもちろん合ってる保証はない点、よろしくお願いします。

・USB3.1 Gen2の帯域
 もしかしたらUSB3.1コントローラのASMedia製ASM1142は、Gen3 X1ではなくGen2 X2で使っているかも知れません。
 USB3.1 Gen2は「bit転送レート10GT/s」で「128b132bエンコード」なので実効データ転送レートは約1.12GB/sとのことですから、PCIe Gen3 X1やGen2 X2の帯域を超えています。つまり、それらの接続ではUSB3.1 Gen2の最高性能は出せないということです(もちろん単純な規格上の話としてですが)。
 厳密に言えば「Gen3 X1 < Gen2 X2」ですから、少しでも近づけようとしたらGen2 X2接続の方がいいのかも知れません。
 素人の思い付きレベルの話ですけれど。
http://ascii.jp/elem/000/000/816/816743/index-2.html

 なお、IntelのUSB3.1コントローラDSL6540はGen3 X2かX4接続だそうです。
http://blog.livedoor.jp/ocworks/archives/52018473.html


■Z170-Aのアレコレ

・UEFIバージョン
 購入時は0502でした。ASUSサイトのoldestは0504。早々にEZ Flash3で最新の3301にUpdateしました。
 再起動で画面出ず。何回かFANが回転・停止を繰り返して先に進みません。
 一応「Update成功」と出たのを確認した後のRebootなので、大丈夫と判断して何回か電源OFF/ONしたら正常になりました。

・TPUスイッチ
 ⅠにしたらEZ-XMPスイッチで設定したXMPモードは無視されて2400MHz設定になってました。TPUスイッチの方が上位権限らしいです。

・DIMMスロット
 やっぱ片ラッチは好かんなぁ。組み易いとは思えない。

・システム時刻
 購入時のシステム時刻が半年くらい過去だったのは何故? 普通台湾との時差くらいしかズレてないけど…

・USB BIOS FlashBack
 残念ながらオプションなので「SkylakeなしでKabylake対応へのUpdate」はできません。
 付属マニュアル(第1刷)では拡張カードは「近日発売」になってましたが、webのマニュアル第3刷では「カードは近日発売」が消えて「保守用ヘッダ」になってました(苦笑)。
 まあ、もしオプションにするとしても、対応CPU持ってない場合が一番のメリットだと思うので、最廉価CPU(の購入・売却価格差)よりかなり安くないと意味がないですよね。対応CPUがあるなら「Crush Free」機能があるので、USB BIOS FlashBackなんて一度やるかやらないかでしょうし。無料貸し出しサービスとかやればいいのに。

・SecureErase
 UEFIにツールがあります。これは便利そう。
 1年ほどシステムとして使った256GBのSSD(CFD製CSSD-S6T256NHG6Q:ベンダはTOSHIBA)にSecureEraseかけてみました。
 「Frozen」だったのでそのまま再起動したら自動的にToolが立ち上がり「Reset」状態になっていました。SEかけると一瞬で終了。
 SE前後でベンチとってみましたが差はありませんでした。

・CPU側PCIe
 メモ。「CPU側PCIEX16にNVMe-SSD(X4),同PCIEX8にSATAコントローラカード(X1),CPU内蔵Gfx」で使える。


■CPU

 普段やってることでは特に高速CPU要らないけど、もしかしてエンコードしたくなるかも知れない。
 スレッド数やCPU性能の実験したくなってもAudio用の3930Kがあるからi5でもいいけど、現行のi7-2600Kよりスペック下げるってのは買い替える意味ないような。

 UHD-BD再生にはKabylakeが必要みたいだけど、CPU以外のハードルもえらく高いし、そもそもメインPCで観なきゃならなくなること、まずないし。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/4kshugyousou/1048284.html

 そこまで速さにこだわってるワケでもないし。
 ていうかそもそもZ170-AではUEFIをUpdateしないと使えないし。
 KabylakeはWindows10以前のOSは非サポート(どんな風に「非サポート」するのかは定かではないけれど)だし。より古いOSを常用する予定はないけど、実験することはあるかも知れない。
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1703/24/news035.html

 などなどいろいろ考えたのですが、別の用事で出向いた街の中古ショップで見つけてしまったのでこれも定めと6700Kに。
https://ark.intel.com/ja/products/88195/Intel-Core-i7-6700K-Processor-8M-Cache-up-to-4_20-GHz

 Kなしもあったのですが新品と違って\2,000しか差がない。OCしなくてもKの方がクロック高いです。どうせCPUクーラーは別途買うつもりなのでKで付属しないのも問題なし。
 中古としてはコストよりOCリスクを考えてしまいます。しかし、シリコンにダメージ食わすような無茶なOCされてる可能性はそれほど高くないでしょうし、そこは中古専門店の買い取りチェックを信頼することにしました。微妙なダメージ(普通には動くが特定の負荷をかけると落ちるとか)ってのも可能性は非常に低いでしょうし。

 中古なので何かあったら1week以内に連絡しなくちゃなりません。
 マージンみるためのOCとしてスイッチでTPU-Ⅰに設定。そこから「All Coreを44倍」「メモリをXMP」に手動変更し、≪CINEBENCH R15≫や≪CPU-Z 1.78≫のBENCHで落ちないことを確認しました。問題なさそうです。よかったよかった。
 ちょっとカット&トライが必要だった点は以下メモリ項に記します。

 sSpecはSR2L0でした。発売直後はSR2BRみたいですね。その後SGX対応したものらしいです。
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/processors/000005554.html


■CPUクーラー

 6年弱使ったのでクーラーは交換します。
 PWBに負荷をかけるプッシュピン型は嫌いなのでバックプレート型にしたいです。
 プッシュピンではないけれど裏からナットで止めるだけのタイプは結局PWBに負荷がかかるので除外です。
 本来、CPU周辺の電源回路の冷却も兼ねてるハズなのでトップフロー型が欲しいと思ってました。OCする予定はありませんし。
 しかし、狙ってたCoolerMaster製はTDP81Wまでとあります。

CoolerMaster Intel CPU専用 トップフロー型CPUクーラー X Dream P115 (型番:RR-X115-40PK-R1)
CoolerMaster Intel CPU専用 トップフロー型CPUクーラー X Dream P115 (型番:RR-X115-40PK-R1)

 6700Kは91Wなので非対応ということに。実使用上問題ない気はしますがうるさいのもヤです。
 他によさげなトップフロータイプが見当たらないのでやむなくサイドフローも選択肢にしました。イマドキはM/Bの冷却上の設計としてもサイドフローは想定内であろうと割り切り(水冷を想定した機能まで載ってるワケですし)。
 でも、メモリスロットの上に被って抜き差しできなくなるタイプはイヤです(FAN外せば大丈夫でもダメ)。
 となると90mmFAN品しかない。でもバックプレートタイプがない。
 仕方ないので、6年前に買ったAINEX製BS-1156(おそらく初代)を使いまわして改造することにしてプッシュピンタイプも候補に。BS-1156はIntelリテールCPU付属クーラー用でしょうから、それ以外のクーラーへの適用はやや冒険ですがやむを得ず。

AINEX LGA1156用 ヒートシンクバックプレート BS-1156A
AINEX LGA1156用 ヒートシンクバックプレート BS-1156A

 ということで、サイズ製SCBYK-1000I「白虎」にしました。もちろんC/Pも重視した結果です。
http://www.gdm.or.jp/review/2016/0902/172150

サイズ オリジナル設計 92mmサイドフロー型CPUクーラー 白虎 SCBYK-1000I
サイズ オリジナル設計 92mmサイドフロー型CPUクーラー 白虎 SCBYK-1000I

 BS-1156バネ&ネジへの交換・互換性やM/B面のとのクリアランスやバネ強さ、バックパネルの干渉など問題ありませんでした。
 定格で≪CINEBENCH R15≫してる分には加速してもまるで静かです。


■メモリ

 メモリは半年ほど前、値上がり兆候が出てきた時点で買っておいたんですよね。いずれにしろいつかは使うだろうということで。
 Corsair製CMK8GX4M2A2666C16。XMPプロファイルで動かすいわゆるOCメモリです。
 Audio-PCでも使えるように、X79構築した時の知見に基づいて選択。8層PWB,ヒートスプレッダ付き,低電圧化のマージンに使えるようにOCメモリ。
 パッケージにはXMPってどこにも書いてないけど(苦笑)。
https://www.links.co.jp/item/cmk8gx4m2a2666c16/

CORSAIR DDR4 メモリモジュール VENGEANCE LPX Series 4GB×2枚キット CMK8GX4M2A2666C16
CORSAIR DDR4 メモリモジュール VENGEANCE LPX Series 4GB×2枚キット CMK8GX4M2A2666C16

 在庫の関係で4GB2枚パックを2個購入。
 デュアルアクセス対応は必須ですが、クワドアクセスも視野に入れて同型DIMMを4枚にしました。8GBずつで2台分賄うこともできますし。

 4枚一気に投入し、とりあえず何も設定せずデフォルト認識するSPDプロファイル(2133MHz)で≪CINEBENCH R15≫かけたら2回に1回くらいしか完走しません。ま、まさかハズレの中古CPU…?
 とちょっとビビりましたが、≪CPU-Z 1.78≫のBENCHでは落ちないこと、ブルースクリーンやハングではなく必ず「Apprication Error!」と出ることから、なんだかメモリアクセスに失敗してるっぽいと思い、メモリ1枚だけ、2枚だけにしてみたら大丈夫っぽい。
 はてなと、XMPにしてみたら4枚でも大丈夫になりました。
 試しにSPDでCLだけ16にしてみたら、頻度は減りましたがやっぱり落ちます(5回に1回くらい)。

 「SPD=DRAMチップ定格」だと思うのですが、DIMMモジュールとしては「XMP=モジュール定格」で、XMPメモリの場合はチップ定格駆動だと不安定になる場合もあるってことですかね? まあ、仕様がXMPですのでそれで正常なのかもしれませんけれど、メモリコントローラの方は定格外ですよね(苦笑)。

 でも、そうだとすると、もしSPDだとちゃんと起動せずUEFIにも入れない場合は袋小路? と思ったらZ170-AはM/B上のハードウェアスイッチでXMPモードとSPDモードを切り替えられます(Men OK!でもイケるのかな?)。なるほど、いい機能ですね。


■マザーボードその2

 Z170-Aを買ったハズなのに、今ケースに収まってるのは何故かZ170 PRO GAMINGです。
ASUSTeK Intel Z170搭載 ゲーミングマザーボード LGA1151対応 Z170-PRO GAMING 【ATX】
ASUSTeK Intel Z170搭載 ゲーミングマザーボード LGA1151対応 Z170-PRO GAMING 【ATX】

 同じくASUS製。

 とあるミスでZ170-A壊しちゃいまして。念のためCPUかM/Bかの切り分けで別M/B(またはCPU)が必要になったのと、修理するなら代替M/Bが必要だったので。壊した2日後に現役Z68マシンが昇天(UEFI更新で)して新環境構築待ったなしになるという絶妙なめぐり合わせもあり(苦笑)。

 処分価格になってきたGIGABYTE製GA-Z170X-Gaming5あたり買っちゃおうかなどと悩みながらショップを覗いたら、また展示品処分に遭遇してしまったので。-Aに比すとPCIがありませんがこの際割り切り。長いこと悩んでいても精神衛生上よくないと合理化(笑)。


■Z170-Aとの違い

・I/Oシールド
 「Q-Shield」なる、板バネではなく導電性があるクッション素材でコネクタに密着させる仕様になっています。
 ASUS自身が板バネのことを「バリ」と言ってるようですが、電波・静電気シールドとしてコネクタと電気的に密着させるために必要なものです。
 板バネなしだと組み込み易さは段違いですし、見た目も高級感あります。コネクタ群もステンレス製だそうでキレイですね。

・CPU裏
 BS-1156のバックプレート部分にリード部品の足が出てますが、干渉しませんでした。

・物理スイッチ・ヘッダ・スロット
 MemOK!,TPU,EZ-XMP,PowerSWといった物理スイッチがありません。
 S/PDIFヘッダもありません。HDMI音声用が主目的だと思いますが、ゲーム環境では必要性が低いからでしょう。
 ThunderboltやFLASHBACK用ヘッダもありません。どうせGfxカードに埋もれてしまうであろう位置の拡張スロットもありません。
 これらは、「ゲーム用途としては不要な機能は落とすことでレイアウト自由度を上げ、信号品質を優先したため」と思いたいです。1スロット無い&PCIが無いのも、変換チップも含めてCPU-PCIEX8間の配線品質向上が狙いかも。
 OC性能向上が主目的かもしれませんが、定格動作での安定性にも寄与するのではと思います。
 PowerSWはちょっと欲しかったけど(笑)。

・USB3.0のありか
 静電気保護など他にも違いはありますが、普段の使い勝手における最大の違いは「PCHのUSB3.0の内部/外部の振り分け」かもしれません。
 GAMINGでは「外部4+内部ヘッダ2」、-Aは「外部2+内部ヘッダ4」です。結果GAMINGの背面USB3.0は-Aより2port多くなっています。
 背面には他にASMedia製USB3.1の2portありますが互換性が気になる(そもそもひとつはType-Cですし)ので特別用途として除き、2portあるUSB2.0はK/BとMouseで消費すると想定すると、残りはUSB3.0の4と2。据え置きマシンとしていろいろ周辺機器を常時接続する想定だと、-Aの2はちょっと心もとないカンジです。
 なお、PCHで実装できるUSB3.0は最大10portですが、うち4portはPCIeと排他ですのでPCIeを減らさない限り最大6portとなります。

・LED
 にょろにょろ光ります。GAMINGなので。イヤならUEFI設定で消せます。

・PCI-Expressレーンの使い道
 同じようなスロットに見えますが、PCH側PCIEX4スロットは-Aとはだいぶ異なるようです。

 ・「X2+SATA 2portまたはSATAと排他でX4」の設定なくX4固定
 ・X4固定でもSATAは6port使える
 ・マニュアルに「当該スロットでならM.2とRAID組める」と記されていない

 よって、当該スロットはIRSTセットではないPCIeレーンで構成していると推定されます。Gfxカード3枚挿しを想定して信号品質向上を優先し、PCHからの出力をPCIeスロットとSATAポート両方に配線することを避けたのでしょう。GAMINGなので。
 M.2とのIRST-RAIDが組めなくなりますが、以下の点から実利を優先したのでしょう。

 ・IRSTセットでX4にするとSATAが2port使えなくなる
 ・どうせPCHでNVMeをストライピングしてもDMI3帯域止まり
 ・起動ディスクにしないならIRSTじゃなくてもRAIDできる

 以上から推定した使い方は以下の通りです。合ってる保証はありませんけれど。

・X1スロット・・・3レーン
・GbEコントローラ・・・1レーン
・USB3.1コントローラ・・・1レーン
・M.2スロット・・・4レーン(IRSTセット)
・SATA-Express・・・2レーン(IRSTセット:SATA 2portと排他)
・X4スロット・・・4レーン
・常設SATA3に割り当て・・・4レーン
・未使用?・・・1レーン

 してみると、M/Bの仕様って一見違いが解りませんが実は(商品コンセプトに基づき)いろいろ考えられてるんですねぇ。なるほど、お疲れ様です。

https://www.asus.com/jp/Motherboards/Z170-A/
https://www.asus.com/jp/Motherboards/Z170-PRO-GAMING/


■GAMINGのトラブル

 UEFIは購入時版、ドライバ類は付属DVD版、M/Bセット以外はZ68マシンからまるごと移設状態にて。OSはWindows10Pro(64bit)です。

・ブルースクリーン発生
 エラー情報収集していると出て100%になったら再起動(ハングはしていないということ)。webブラウズ中が多いような…
 Skylake+100系はDDR4初物世代ということもありメモリっぽい? ならUEFIアップデートで出なくなるかも。
 とりあえずASUSサイトの≪Intel Chipset Driver 10.1.1.38 16/12/14版≫を入れて様子見。当日は一度もブルースクリーンにはならなかったが、2日めにはやっぱり発生。頻度は減った気もするけれど。なのでUEFIを3202に更新したら発生しなくなった。

・SATAカード認識せず
 玄人志向製SATA2I2-PCIe(Gen1 X1)を認識せず。
 CPU側PCIEX16でもPCH側PCIEX1でもダメ。クリーンインストール環境でもダメ。UEFIレベルでダメっぽい。H67MのPCH側PCIEX1では認識したので壊れているワケではない。USB3.0カードは認識した(CPU側PCIEX16スロットで)。
 UEFI最新状態の-Aをシステム使いまわしで起動した時はSiliconImageのドライバが入った記憶があるので、UEFIっぽい気はする。3202に更新したら認識した。

・UEFIをMouse(USB2.0接続)操作するとハング
 違うMouseだったけど-Aもハングしていた。接続していてもK/B操作で動かさなければハングしない。3202に更新したらハングしなくなったかも。もしかしてこれもメモリ回り? 


■GAMINGのアレコレ

・UEFIアップデート
 購入時UEFIバージョンは0231(15/07/17付け)でした。ASUSサイトのoldestは0603。古すぎ?(笑)
 04/01に最新3202にUpdate。慎重を期してデフォルトロードしてK/BとDPだけ繋いで4GBのUSBメモリを2.0ポートに繋いでEZ Flash3で。
 成功し、Resetしろと出て自動で再起動。が、画面出ずFAN制御しません。暫く待ちましたが変化しないので電源SW長押しで切って再度ON。テキストで「シャットダウンに失敗した~」的なメッセージが出て再起動。AMIのテキスト画面になり、F1押して設定しろとなりました。
 いろいろ変わってるようですが、0231には無かったSecureEraseが出現。RAIDの名称も「Intel RST Premium (RAID)」とかいう豪勢なものに変わってた。

・USB3.0からのUSBメモリboot
 PCHポート、ASMediaポートともにブートデバイスとしてUEFIに出現しました。PCHの方は実際起動するのを確認。

・USB3.0対応USBメモリの効果
 Windowsインストール用に買ったBuffalo製RUF3-K8GA(MSページに5GBとあったので念のため8GBに)でちょっと実験してみました。

BUFFALO USB3.0対応 USBメモリ バリューモデル 8GB ホワイト RUF3-K8GA-WH
BUFFALO USB3.0対応 USBメモリ バリューモデル 8GB ホワイト RUF3-K8GA-WH

 現物のラベルにはAがありません。色違いの2個買いましたが両方ともなので不良品ではないでしょう。おそらく現物変更なしでのパッケージ変更(対応OS表記追加など)または添付ソフト変更によるものと思われます。
 ちなみにアクセスランプ付いてます。

 Windows10Pro CreatorsUpdate(x64)インストール時の「Windowsをインストールしています」画面(Windwosファイルのコピー中~処理が完了します)の時間を測ってみたところ、「USB3.0ポート:5m07s」「USB2.0ポート:6m10s」でした。ターゲットはM.2(SM961-128GB)、他のストレージや拡張カードはナシです。
 1回しかやってませんので確定的なことは言えませんが、一応効果あるように見えます。所要時間の大半は「ファイルのコピー中」ですからそこで差が付いてるワケで、Window10インストーラはUSB3.0モードでアクセスできてるってことですかね。

 ちなみに、USB3.0接続で同USBメモリにインストールUSBの中身をコピーしてみたところ、デカいファイルは平均5MB/s・最大10MB/sくらいだったでしょうか。細かいのだと1KB/sくらいまで落ちてました。
 コピーしただけでインストールUSBとしてbootしました。ホントだったんですね。

・PCHのGen設定
 メモ。AUTOにしておけば、Gen1対応のSATAコントローラはデバマネで認識されているしNVMeはGen3であることを≪Cristal Disk Info 7.0.5 x64≫で確認。
 Gen3やGen2にしてもSATAカードが見える。NVMeは設定したGenになっている。つまり固定ではない。下位Genはサポートしているので当然か。

・起動時ビープ音
 「-・・・」って鳴ります。ロゴや数珠は出ませんが起動します。シャットダウン直後に起動すると鳴りません。
 グラフィック未検出? PCの電源に連動させてるディスプレイ(DP接続)の起動が間に合ってなくて鳴るのかな?


 Z68+2600K+HD5750からZ170+6700Kに移行したワケですが、キビキビ動くようになったのが体感できます。webページの描画とか。メモリはDDR4になり容量も8GB→16GBに増やしましたが、それ以外は再インストールもせずにまるごと入れた状態で、です。6年も経ってますからねぇ。
 結果的には、いろいろ調べた結果“質実剛健”とも思えるGAMINGにして(なって?)よかったかも知れません。リアI/Oの配置もとても合理的でウツクシク見えます(PS/2が一番はしっこにあるところとか(笑))。
 試しにDMI設定をAutoからGen2に変えてみたら遅くなった気が。いわゆる“足回り”強化は結構効いてるのかも知れません。


■帯域の意味(である調にて)

 T/sとは「Transfer per sec」のこと。Encodeやオーバーヘッドなどは考慮せず、単純に「1秒間に何bit送れるか」という意味。
 PCIe Gen1は転送クロック2.5GHzでbit転送するので2.5GT/sだが、8bit(1Byte)のデータは10bitにEncodeされている。のでデータとしての実効レートは250MB/s。
 Gen2は単純に2倍の5GT/sで500MB/sの実効レート。
 Gen3は8GT/sだが、128bitを130bitにするEncode方式に変更してリカバーし“おおよそ”1GB/sの実効レートとした(厳密には128/130=985MB/s)。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0310/interface01.htm

 なので、Gen3 X4は4GB/sの実効速度を持つと表記される。
 DMI3も同等。Intel資料には8GT/sとあるが、単純に「シリアルバス(1本)の性能」を表記しているだけと思われる。


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ジャンル : コンピュータ

Optimized Girls

17/01/29初稿

 邦題“最適化された少女たち”。

 フィギュアスケートグランプリファイナル2016・女子シングル放送(テレビ朝日系)で、荒川静香さんがエフゲニア・メドベデワ(メドベージェワ)選手のSP(歴代最高得点)を次のように評されてました。

アナ:ホントに隙がないなーというカンジですね。
荒川さん:そうですね、跳ぶ前に手を上げたり足を上げたりという、そういった工夫が自然にできあがってますから、この新採点法でやはり育ってきたという強さかも知れませんね。


 私も最近の若手には“そういった強さ”を感じていたので、非常に共感するところがありました。

 新採点が施行されたのは2004-05シーズンからです。その後2006~10年くらいに基本的攻略法が概ね確立されたとすると、そのころ技術の基礎を教えられた世代は最初から「新採点法に最適化した跳び方・回り方」で習得しているのではないかと思われ、そういう意味なのではないかと。
 以前から気になっていたことでもあるので、同大会FSにて「新採点法で育ってきた世代の最適化戦略」を見える化してみようと思い立ちました。
 といってもまあ、あくまでも「いち素人の個人的な主観的感想」に過ぎませんのでその辺はご了承ください。そして、感想は静止画だけではなく動画で抱くものだと思いますので、もしご関心持たれた場合は必ずご自身でビデオ映像をご確認ください。
 対象は女子シングルのみです。

 なお、本稿はISUジャッジングシステムは

 ウツクシサは点にならないしウツクシクなくても減点されない
 PCSもGOEも、はてはテクニカル判定も、「裁量」という名の主観

という認識が前提です。

 選手みなさまには敬称略で失礼させていただきます。


■ジャンプのテクニカル判定とGOE

 まず、2016-17の表題資料を示しておきます。
 この内容に対して「どのような最適化されているか」を見ていくことになります。
 なお、2016-2017の採点方法公開資料としてはこれになると思いますので、本稿で採点と言えば以下に依るものとします。「実は別の基準があるのだ」と言われてもワカンナイ(成す術ない)ですから。

・テクニカルハンドブック
テクニカルHB2016-17:ジャンプ明確化
出典:2016hb_single_0810.pdf

・GOEプラス
SoV16-17:ジャンプGOE+
出典:comm2000j.pdf

 最終的には「ジャッジの裁量による」ので、あんまり考えても無駄っちゃ無駄ですけど(笑)。

・GOEマイナス
SoV16-17:ジャンプGOE-
出典:comm2000j.pdf

 最終GOEを必ずマイナスにしなければならないのはSPで1項目だけなところもポイントですかね。


■ISU史上最高チームの戦略

 「新採点法で育ってきた世代」「育ててきたコーチ」の代表として、メドべぇチームの演技を調べてみることにします。
 “新採点法へ最適化”しているのは、やり方や程度の差こそあれメドべぇチームだけではありません(逆に若手は全員そうだという意味でもありません)が、メドべぇは現時点で「ISU史上最高の女子シングル選手」と言っていいでしょうから、最も最適化に成功している可能性が高いという意味でサンプルとして最適でしょう。アゲサゲの意図はありません。

 「チーム」と記しているのは、“そういう戦略による技術(ジャンプの跳び方など)”はコーチから指導された結果として身に着けたものだと理解しているためです(一般的にはジュニア時代からずっと同じコーチに師事してきた若手について)。場合によっては振付師も協力しているかも知れません。
 新採点法世代の選手は「新採点法に最適化された」のであって「最適化したのはコーチ」なのだろうと思っています。

 とりあえず最大の得点源であるジャンプについて見ます。ていうかスピンやステップは難しくて語れませんし(苦笑)。
 画像出典はテレビ朝日系放送(地上波・BS)です。

 なお、GPFでは最初の3Fでコンボに失敗したため2個めの3Fをコンボにしましたが、今季(16-17)のジャンプ構成はスケカナからすると以下だと思います(ボールドはタノ(片手)付き)。

  3F+3T  3Lz  3Lo  3F  2A+2T+2T  3S+3T  2A

・ジャンプは捻ってから跳ぶ
 メドべぇは、体をかなり回転と逆方向(時計回り)にひねって反動をつけてジャンプ跳んでますよね。
 その代表例として、3S+3Tのセカンド3Tを見てみます。

(3S_)3T 合成 2

 体だけでなく右手を一旦背中まで“おおきく振りかぶって”から、斜め下を経由して左側から振り上げているのが解ると思います。腕の慣性力をジャンプ力&回転力に加えているようです。

 同様の“振りかぶり”は3Lzや3Fでも見られ、こちらでは振り上げた腕をそのままタノにもっていっています。高さと回転力とGOEが同時に得られるまさに一石三鳥の妙案です。
 もちろん簡単にできることではないと思いますが、上述の通り最初からそのように習得したのではないかと。
 また、メドべぇは離氷動作中手をぎゅっと握っているのも特徴的ですが、回転力&ジャンプ力にするための“腕の振り”なのでどうしても力が入って「グー」になってしまうのではと推察しています。

☆ここが最適化!
 テクニカルハンドブック・GOE目安共に振りかぶっても捻ってもマイナスする項目はありませんから、プラスの効果のみ期待できるでしょう。
 唯一、「無駄な力が全く無い」というプラス項目に当てはまるかどうか素人的には微妙ですが、「無駄じゃない。役に立ってる」って言われればそれまでですし、もし当てはまらなくてもそのバーターとして例えば「高さおよび距離が十分」に該当するなら差し引きゼロですし。

・ジャンプは回ってから跳ぶ
 上記3T、「左足トウを突く位置もかなり特徴的」だと思います(左から2番目の体勢)。滑走軌道のベクトル線上からはかなり右側に突いています。
 左右の足の関係が“舵を切った”ような事態になっていますから、突いた時点でブレードは必然的にかなり回転した状態になっています。ほぼ1/4は回っているのではないでしょうか。そして、そこから体を左足に引きつける動作によってさらに1/2ほど氷上で回ってから離氷しています(左から4番目の体勢)。
 トウを突いた時点での滑走軌道のベクトル線上に対して見るなら、3/4近く回ってから離氷していると言えます。

☆ここが最適化!
 テクニカルハンドブックでは、離氷までに半回転以上回ると「ごまかした踏み切り(Cheated take-Off)」としてDGされることになっています。
 しかし、これが適用されることはまずないようです。少なくともA級大会でトップクラスの選手にこれが適用された明確な事例を私は知りません。
 そういう採点傾向ですから、判定する側としてもこれを適用するには勇気がいるでしょうし、実績がないのでどのレベルで適用するか難しいでしょう。レビューも「通常速度のみ」となっていますから、判定は難しく慎重になるでしょう。
 また、GOEプラス項目「3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ」のディレイド回転は満たせませんが、タノることで姿勢変形の方を満たせるのでは(「4) 高さおよび距離が十分」項と異なり“および”とは記してないので、どちらかに合致すればいいのだと理解しています)。
 この状況を鑑みての「できる限り氷上で回っておく」跳び方なのだと思います。

・ジャンプの種類は減らす
 この項は素人の思い付きレベルですが…

 「ジャンプの跳び方・カタチ」についてはJSFのページが最もオフィシャル(日本語としては)だと思いますので、以下から引用させていただきました。
http://www.skatingjapan.or.jp/figure/trick.html

 まず、ジャンプの種類を整理しておきます。
 6種ありますが、それらは「左足踏み切り(トウループ,サルコウ)、右足踏み切り(ルッツ,フリップ,ループ)、前向き踏み切り(アクセル)」の3種に大別できるのではと思います。そしてさらにトウジャンプとエッジジャンプという決定的違いがあるワケです(トウでは跳べないアクセル除く)。

・ジャンプの種類は減らす:3S≒3T?
 上記3T、さらに、「離氷時に左足ブレードがほとんど氷に着いている」のも特徴的ではないでしょうか(真ん中の体勢)。これにも何か“最適化のヒミツ”が隠されている気がします。
 トウループはトウのまま踏み切るジャンプであって、本来「左足ブレードが氷面に着いたジャンプ」はサルコウだと思ってるのですが。そして、そのサルコウはあんまり「ハの字」を作らず跳んるように見えます。

トウループジャンプ:右足外側のエッジに乗り、左足のトウをついて踏み切ります。
サルコウジャンプ:左足内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、瞬間、内股が「ハ」の字になります。


 ということから3S+3Tのファースト3Sを以下に示し、セカンド3Tと比較してみます。

3S合成 2

 3Sは「左足内側のエッジで滑ってる」というより「右側外側のエッジに乗ってる」ように見える点など、メドべぇは3Tとかなり似た跳び方しているように見えます。
 トウループでどこまでブレードを着けることが許されてるのかは知りませんが、これを見るとISU的には“ほぼほぼおっけー”なようです。

・ジャンプの種類は減らす:3Lo≒3F?
 とすると、「右足踏み切り」のジャンプもそういう傾向あるのでは? ということで、次に3F+3Tのファースト3Fを見てみます。

3F(_3T) 合成 2

 やはり、右足ブレードがほぼ全面氷面に着いています。
 本来「右足ブレードが氷面に着いたジャンプ」はループで、フリップはトウで踏み切るジャンプだと思ってるんですけれど。

フリップ:ジャンプする直前に左足内側のエッジに乗り、右のトウをついて跳びます。
ループ:右足踏み切りで、トウを使わないジャンプがループジャンプです。右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。


 ということで単独3Loを以下に示し、3Fと比較してみます。

3Lo合成 2

 3Lo、「左足を少し前」ではなく「かなり前」に出している点や入りの時点では「腰掛けた」ようには見えない点など、他選手とはけっこう異なる跳び方しているように見えます。
 フリップでどこまでブレードを着けることが許されてるのかは知りませんが、これを見ると“ほぼほぼおっけー”なようですね。

 以上見ると、トウを突いた後離氷時までにほぼフルブレードにしてしまうことで、本来トウジャンプであるトウループとフリップをエッジジャンプに近い跳び方にし、「サルコウをトウループの」「ループをフリップの」バリエーションで跳んでいるのでは?

・ジャンプの種類は減らす:3Lz≒3F?
 続いてルッツとフリップを見てみます。以下に、左に3Lz(単独)+右に3F(リカバーで3Tを付けたコンボのファースト)の画像を並べます。ニアリーな位置で跳んでおり、当然同じカメラからの画像です。

3Lz エッジエラー 3f(_3T)と合成

 素人目にはかなり似て見えます。

 さらに、3ショットの3F画像でジャンプ前軌道をみると、一瞬カウンター気味になっているのが解ります。うっすらと氷上の軌跡にも残ってますよね。
 たとえ一瞬でもカウンター=アウトエッジ気味になるのはフリップとしていいのかなと思いますが、これも“ほぼほぼおっけー”なようです。

 つまり、カウンター軌道のサイズは極端に変えているものの離氷動作はフリップとニアリーにすることで、「ルッツをフリップのバリエーション」で跳んでいるのでは。


 以上より、6種のジャンプのうち3種をベースジャンプとし、他3種類をそのバリエーションのカタチで跳んでいるように見えます。

  アクセル・・・前向き踏み切りのベースジャンプ
  トウループ・・・左足踏み切りのベースジャンプ
    サルコウ・・・トウループのバリエーション
  フリップ・・・右足踏み切りのベースジャンプ
    ループ・・・フリップのバリエーション
    ルッツ・・・フリップのバリエーション

☆ここが最適化!
 「トウジャンプはブレードの1/3以上氷面に着けてはいけない」といったエラー判定や減点要素はありません。「ループやサルコウのジャンプの形が“腰掛”や“ハの字”になってないと減点」という規定も見当たりませんから、それらに拘っても点数的には意味はないということです。リスクがあるとすると「拙劣な踏み切り」への抵触くらいですが、実績的にみて適用されてはいないでしょう。
 だったら効率的に練習できる方がよいという戦略ではないでしょうか。自動車メーカが同じシャシをベースに複数の車種を開発するようなカンジですかね(ビジネス的にはアタリマエっすね)。

・カメラ映りも大事にする
 といっても、ルッツをフリップのバリエーションとして跳ぶとエッジエラーを取られるリスクがありますよね。
 が、おそらくそれも当然対策されており、そのミソは「跳ぶ位置」にあるようです。

 エッジを判定するのはテクニカルパネルですが、彼らはリンクのど真ん中から見ているワケではありません。ジャッジパネルの右手側にいます。ロングサイドの真ん中ではなく片側に寄っているワケで、つまり、「見られ方はリンク内の位置によってだいぶ異なる」のです。
 単純に考えてテクニカルパネルから遠い方が判断しにくいでしょう。また、エッジ傾きはブレードの前後からよりも横から見た方が判りにくいのは道理でしょう。
 エッジエラーはレビュー対象ですが、カメラはテクニカルパネルの右横に設置されているので角度は肉眼とほぼ同じです。
 ということから、次図の滑走地点・方向での離氷が一番エッジ判定しにくいと思われます。

カメラ角度(改)

 最も遠いのは左上コーナーあたりですが、流石に上手くジャンプコースがとれないでしょうから、ここがベストなのでは。

 実際、そこで跳んでますね。やはり“レビューカメラの角度を考慮して”ジャンプ位置を構成しているのではないでしょうか。

 もちろん何も確証はありませんから偶然かもしれませんが(余談ですが2015-16シーズンのGGの3Fもココでした)。

 どんな見え方の差になるのか、同じ3Lzを横から見た画像(採点待ち時の演技振り返りで放送)があったので並べてみます。ショートサイドの真ん中あたりのカメラだと思われます。完全一致ではありませんが、ジャッジカメラの逆側相当の画にかなり近いハズだと思います。

3Lz エッジエラー合成 2

 やはり、角度は前後より横からの方が明らかに判りにくいのではないでしょうか。
 まあ、所詮素人考えなので、プロにはそんなの関係ないのかも知れませんけれど…

 実際には、素人目には明らかにインエッジに見えますがアテンションどまりでGOEも+0.60得ています。

☆ここが最適化!
 テクニカルパネルやレビューカメラからどう見えるかを計算してジャンプ位置を決めた方が有利です。
 それは時には音楽表現やコレオの必然性と相容れないこともあるかもしれませんが、それらを優先してもPCSが微妙に上がるか否かですから、点を積み上げるにはカメラ対策を優先した方が圧倒的に有効でしょう。
 「PCSを上げるためにジャッジ席の前で大きくアピール」などのテクニックはよく言われており実際あるようですから、同カテゴリのテクと言えるかもしれませんね。

・回転力をトランジションに使用する
 回転を止めずに降りて、その回転力を利用してミニイーグルなどの「出の工夫」にしているようです。これもGOEアップとの一石二鳥。
 ちゃんと着氷しないとできないことですから、それを組み込んで確実に実行できるのは凄いことですね。

☆ここが最適化!
 「空中で回転を止めて降りてくるのがいいジャンプ」と聞きます(うろ覚えですが、ジャンプは実は回転を止めるのが難しいと無良かコヅが言っていたような)。
 が、採点上はそれが点になるところはありません。止めなくても減点される規定も見当たりません。であれば、頑張って回転力を相殺せず、そのまま「出の工夫」につなげた方が点数的には有利でしょう。
 それが出来るのはもちろん練習の賜物でしょうから、そのように練習してきた(させてきた?)という戦略の成果ですね。

・“いい予断”を得る
 それさえあれば、多少回転が足りなくてもエッジが怪しくても見逃されるようです(どうせ大丈夫でしょとレビューされない)。
 例えば上で挙げた3S+3Tのセカンド3T画像。一番右側が着氷時ですが、一番左側のジャンプ直前の軌道ベクトルからは1/4以上横、かつ前向きになっています。少なくともURだと思いますが取られていません。
 予断も、「実績を積み上げてきたゆえ」と言えるかもしれませんが…

 これって最適化とは言えないですかねスイマセン(爆)。


■新採点法「傾向と対策」

 という状況を踏まえた一般的な傾向と対策を独断と偏見でまとめてみました。
 あくまでも一般論であり、特定の選手(やコーチ)とは全く関係ありません。
 なお、TES的な対象はやっぱりジャンプだけです(他はワカリマセンので(笑))。

・ジャンプにウツクシサは求めない
 音楽との調和(表現)を大切にして入りと出に目立ったステップは入れずタノもせず、特に大きくはないがキレイな姿勢で流れるようなジャンプを跳んでも、特にGOEの項目にヒットしません。4項目以上満たさないでしょうから、GOEは1付くかどうかでしょう。
 そして、着氷時にトウを突いたところが“1/4以上”、ブレードを着いたところが1/4以内だとみなされUR判定だったとしましょう。
 とても流麗なジャンプに見えますが、基礎点は30%減でGOEはマイナスになる可能性が高いです。

 一方、“手を上げたり足を上げたり”して入り、大きな構えからほぼ1/2回ってから大きなジャンプを跳び、空中では手を上げ、ギリギリ1/4未満で着氷し、回転の勢いを利用してステップを踏んだ場合は、基礎点満額+GOE2~3を得るでしょう。
 素人にはキレイに見えなくてもジャンプの形がそれっぽく見えなくても、減点項目には引っかかりませんから。

・スローでレビューされるポイントを最優先で押さえる
 スローでレビューしていいのは着氷時のみです。離氷時は「通常速度」と規定されています。つまり一番厳しく見られるのは着氷時の足元(による回転不足とエッジ判定)ということです。そして、URやエッジエラーになると基礎点30%減、GOE減点も大きいです。
 しかし、逆に「1/4までは足りなくてもよい」と考えることもできます。
 また、離氷時の「Cheated take-off」は上述の通り規定はありますがまず取られないので、離氷時にはなるべく回っておくほうが得策です。

 よって、限りある練習時間は、
 「離氷時にかなり回ってもいい」ので、
 「とにかく着氷時に1/4以上の不足がないこと」
 「ただし完璧に3回転回りきることを目指す必要はない」
ジャンプを体得することを目標に使うのが効果的でしょう。

・一方が苦手なら敢えて「アテンション加点」を狙う
 エッジ判定記事で見た通り、3Lzと3Fをクリーンに跳び分けるのは女子にとっては大変難しいことのようです。
 しかし、エラー(e)ではなくアテンション(!)でとどめられれば基礎点減りません。アテンションでのGOEはマイナス固定ではないので、GOEプラス項目に多く適合すれば最終的にGOEプラスも可能です。
 ですので「どちらかに注力して練習し、得意にした方を2本入れて加点を稼ぎ、なんちゃってエッジの方は1本だけ上記地点で跳んでアテンションレベルでとどめられれば御の字、認定されたらラッキー」という戦略もあり得るでしょう。
 「苦手な方を必死にリアルエッジに矯正しなくても戦える」ということです。エラー取られたり転倒したりするとPCSも伸び悩むみたいですし(苦笑)。矯正には得意だった方が崩れるリスクもありそうですし。
 “選択と集中”といえるかもしれませんね。まさに戦略(笑)。

・3Aやクワドは無視する
 3A以上のいジャンプをギャンブルじゃないまでに安定させるためにはかなりの練習が必要でしょう。一方、それができる女子選手はいないので習得しないと勝てない状況ではありません(少なくとも現時点では)。
 なので、同じ時間をかけるなら、3回転以下のジャンプ・その他エレメンツで「いかに失敗しないか」「いかに回転不足を取られないか」「いかにGOEを稼ぐか」「レベルを取りこぼさないか」に注力した方が有意義と言えます。
 また、省力化した3Tでコンボを増やし、かつ後半に跳んだ方がオトクです。それができるのは若さゆえの体力と小柄な体格があるからだと思いますが、その優位さが活かせるウチは最大限活用しない手はありません。

・セカンドに3Loは跳ばない
 ほとんど認定されないのでセカンドは3Tに“選択と集中”して練習した方がいいでしょう。
 非常に難しいと思われますが普通の基礎点しか付かない(逆にGOEプラスは難しい)セカンド3Loを習得するより、“いつでもどこでも何回でも”3Tを付けられるように練習した方が高得点のためには有効でしょう。
 3Tを3回セカンドに跳ぶワケにはいきませんが、あと1回のコンボはダブルを2回にするかハーフループから3S付ける構成が可能だと思いますので、セカンド3Loは出来なくても問題ない、と。実際、認定される技として標準装備している女子選手はほとんどいませんから、習得しないと勝てない状況でもないですし。

・タノる
 俗っぽい話ですが。
 タノると即GOEが上がるような気がしますよね。
 実際にはGOE項目「空中での姿勢変形」にしかヒットしませんので、タノったからといってGOEが+1されるワケではありませんが、観る側への印象付けとしては効果的でしょう。分かりやすいですし。
 放送でも「加点される要素になります」などと解説されますし。決して間違いではありませんが、もうちょっと正確に説明してもらえたらなぁと思います。

・「PCSのための練習」はしない
 極論ですけれど(笑)。
 PCSはしょせん主観ですし、どうも「URやエッジエラーを取られずGOEてんこ盛りでレベルをとって」高いTESを得るとつられて上がる(オーサー理論)ようですから、PCSを上げることを目的とした練習するくらいならTESを上げることに注力した方が戦略的でしょう。


 以上、気になっていたことがおよそまとめられたかなと思います。
 そして、「ISUが示すフィギュアスケートの方向性」が解ったかなと(苦笑)。

 ただし、素人なのでいろいろ間違ってるかも知れません。その場合は申し訳ありません。
 また、念のためですが、エッジ判定精度の調査などと違って本稿は個人的思い付きですから客観性があるとは言えません。ただの素人の戯言、個人的感想です。

 最後に繰り返しますが、本稿で記したような最適化はメドべぇチームだけに見られるものではありません。また、それは選手が発案したものではなくコーチが戦略的に考案し子供のころから教えているのだと想像しています。


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テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

グランドチューンを考える

16/12/17初稿

 「電線病治療」によって、ケーブル事情からのチューニングの“めやす”というか“よりどころ”というか、はある程度得ることができました。
 それに基づき以下のようなコンセプトを想定して、「UD-503にT1 2ndを投入して発覚した“セッティングのダメさ加減”」の改善を試みました。


■グランドチューン・コンセプト

・シールドやアース線が浮いてるケーブルは使わない(浮いてしまうように使わない)
 なので、アースがないコンセントにはアース線もシールドもないケーブルを用いる。
 自作の場合はそれを意識して組み立て、使用する。

・アース有意な機器のアースをどうするかは熟考必要
 アース有意な機器では、アースは信号GND(デジタル音声信号GND・アナログ音声GND)とショートする(のが一般的だと思う)ので万全の注意が必要。
 例えばATX電源のPCではアースとUSBのGND(ケーブルのシールドも)はショートしているので、それらと完全アイソレートでない限り、USB接続した時点で「USB-DACユニット内の信号GNDはアースとショート」する。
 さらに、ATX電源のインレット内にはノイズフィルタとしてYコン(ACラインとアース間のコンデンサ)が入っている。
 なので、アース有意な機器でも接地せずデジタル音声信号GND・アナログ音声GNDを保護した方がよい場合もある。

・電源系機器でアースピンやアース穴が筐体とショートしている場合は留意する
 例えば、CSE製電源レギュレータRG-50は入力側は2pin直出しケーブルなのでアースピンがないが、出力側にはアース穴があり筐体とショートしている。そのアースを接地するか否か。
 例えば、CSE製アイソレーショントランスTX-200はトランスにアース線が引き込まれている。詳細不明だが、トランス内の1次と2次を絶縁するシールドに接続されていると推定される。そのアースを接地するか否か。「アースセレクタ」などの機能とも関連する。

・システム内にアース有意な機器が2台以上ある場合はアースループに留意する
 上述の通りアース有意な機器では信号GNDとアースはショートしているハズなので、接地した当該機器をインタコで接続するとループが形成される。ただし即NGとは限らない。
 国産メーカ品で組むオーディオシステムにアース有意な機器が含まれるケースは稀だと思われるので問題になるケースは少ないハズ。
 それでもループになる例としては、ATX電源のPCからUSBでDACユニットに繋ぎ、「DACユニット」と「アース有意なTV」がアナログ音声ケーブルで同じアンプに接続されているケースなど。

・グランドとアースを区別して考える(AC-COLDも)
 媒体によって定義が異なることがあるので、どっちの意味で記されているのか注意する必要がある。

・グランドループとアースループを区別して考える
 本Blogでは以下のように使い分けている。

 ・アースループ
   上記の通り。
 ・グランドループ
   AC側(1次側)とDC側(2次側)のアイソレーションが緩いため
   AC-COLDと信号GND(FG)を経由してループすること。

・アース無意な機器でも、アース線やシールドありケーブルを接地して使うと「ノイズ誘導・被誘導低減効果」がある可能性がある
 電線病記事記載の通り。あくまで可能性があるかも? レベル。
 これを期待する場合はケーブルは長めの方がよいかも知れない。

・アース線・シールド有無ケーブルの場合の構造を考慮する
 シールドありなら、太めのドレイン線とシールドがアース線を兼ねるケーブルが望ましい。
 同じくアース線有意なケーブルでもシールド有無によっても差違がある可能性があるので使い分けを考慮する。


 繰り返しになりますが、「アースの質」「電源の質」にも依存するでしょうから絶対的なハナシではないのは言うまでもありません。


■グランドチューン・実践

 とりあえずケースを「フルアルミ・内装塗装なし」な星野金属製に換えました。

・ACケーブル適材適所
 上記コンセプトに基づき既存品の使用箇所を入れ替え。アース線のない2pinタイプを追加投入。
 直接関係ないですけどアースが関係するプラズマテレビも対象にとっかえひっかえ(笑)。

・USBケーブルのGND構造
 WireWorld製USBケーブルSilverStarLight(以下SSLと略)は、シールドとVbusGNDがショートしてるのが特徴的です。
 アコリバ製USB-1.0SPSは、データ用ケーブルにはVbusGNDも通していませんでした。

 実は、今回のチューニングで何をやっても違和感とれずメゲそうになった時、USB-1.0SPSからSSLに換えただけでウソのようにそれが無くなったんです。SSLからUSB-1.0SPSに入れ換えた時はほとんど違い感じなかったのですが。その後ヘッドホンとPC筐体とACケーブル換えてるワケですが、この変化はちょっとビックリです。

 その後以下の展開を経てUSB-1.0SPSに戻していますが、善し悪しではなく“変化”はかなり大きかったことを記録しておきたくて。

・アナログGNDとデジタルGNDを分離
 UD-503はデジタル電源・GND(VbusGND)のアイソレーションを謳っていますので、「USBケーブルのシールド在りよう」がかなり影響する機体なのかも知れません。

 ただ、このアイソレーション疑問があるんですよね。

 UD-503のUSBコネクタ部のシールドはFG(=アナログGND)とショートしています。
 PC側では、ふつうUSBシールド=FG=デジタルGND=VbusGNDです。自作デスクトップはもちろん、ノートPC(もちろんメーカ製)でもこうなっています。手持ちのVersaPro、Thinkpad X220で確認しました(VersaProではUSB3.0と2.0両方、電源ON/OFF状態両方にて)。

 ということは、UD-503の内部でVbusGNDをアナログGNDとアイソレーションしても、USBケーブルを介して結局PCのGNDとショートしてしまうのでは?
 UD-503のアナログGND(=FG)をデジタルGNDから守るためには、BコネクタのシールドをFGに接続せずアイソレートするか未接続にする必要がある気がするのですが…

 ということに気づいてしまったので、ならばとSSLのBプラグのシールドシェルにセロテープを巻いてUD-503のBコネクタシールドと絶縁してみました。これでPCのデジタルGND(VbusGND&シールド)とUD-503のアナログGNDはアイソレートされるハズです。

 激変は感じませんでしたが、これで運用してみようかと思います。

・ATX系PCのアイソレーション
 ATX系PCを使ったPC-Audioのアース・FG・GNDについて改めて整理してみます(ATX電源ではなくACアダプタ電源などのシステムでは別事情となります)。ただしあくまでも一般的事情として、です(例外もあるかも知れません)。

 ・ATX系のPC・・・信号GNDとFGはショート、FGはアースとショート
 ・ATX電源・・・COLD(HOTも)はインレットフィルタのYコン経由でアースと接続
 ・PC・・・GNDはUSBのVbusGNDやシールドを介してDACユニットのGNDとショート

 つまり、ATX系PCでは信号GNDはYコンを介してCOLDと容量接続していることになります。「スイッチング電源はAC側と機器内DC側のアイソレーションが甘くなりがち」どころではなく、意図的に容量もって繋がってるワケです。
 PCとしては問題ないのでしょうけれど、オーディオプレーヤとして組み込むと、USB-DACのGNDもAC-COLDと容量接続していることになりますよね。

 DACユニットはオーディオ機器ですから電源部におけるAC側COLDとDC側GNDのアイソレーションはそれなりに強力だと思います。
 しかし、PC側で“明らかに緩んでる(敢えてYコン入れてる)”状態なワケですから、通常のオーディオシステムよりグランドループ条件は悪いのかも知れません。

 じゃあ、どうすればいいんでしょう?

 PC電源をコンセントACとアイソレーションすればよいハズです。アイソレーショントランスを入れればよいってことですね。「PCのGNDとの絶縁が緩くなったCOLD」と「コンセント側COLD=DACユニットに入るCOLD」がアイソレートできるワケですから、DC側GNDで繋がってもAC側で切断できます。
 元々「PCの電源はスイッチングだから」という理由でトランス入れてたのですが、「ATX電源は信号GNDとアースの絶縁が緩いから」というより重大な効果があったということですかね。

 しかし、考えているうちにちょっと気になることが…

・アイソレーショントランスの功罪
 もしかして今回の一番のトピックはこれかも。

 アイソレーショントランスTX-200の内部トランスにはアース線が接続されています。正確には解りませんが、トランス内シールドがアースに落ちていると推察されます。少なくとも、「トランス内でアースが何らかの役目を担っている」とは言えると思います。
 ATX系PCのアースはGNDとショートしています。
 ATX系PCのアースはCOLDとYコンで容量接続しています。つまりGNDとCOLDが容量接続しています。

 この理解が正しければ、「アイソレートすべき入力側と出力側の間にCOLDに容量接続した信号GND(=アース)がある」ということになります。
 う~ん、なんだかあまりヨロシクナイ気がしてきました。
 といって、TX-200を外すと決して良くはなりません。PCのアースを浮かせても良くはなりませんでした。PCアースはATX電源の中でGNDとショートしYコンでCOLDと繋がってますから、やっぱり放置はできないと思えます。

 この状態の概念を図示してみます(Bコネクタはセロテープシールド状態)。繋いだり外したりのバリエーションは脳内シミュレーションで(笑)。

ATXとアースとGND

 さてどうしましょう?

 現在はPCとUD-503だけ使っておりUD-503から他機器への接続はありません。ですのでPCとUD-503という2機の間だけアイソレートすればよいワケで、よってアイソレーショントランスはどちらに入れてもいいハズです。シールドにアースが接続されている状態は変わりませんが、信号GNDの在処が1次側2次側逆になることで変化するかも知れません。
 ということで、PC側ではなくUD-503側のACをTX-200から取るようにしてみましたら明らかに良くなりました。やっと金脈掘り当てた感あり(笑)。

 しかし、さらにいろいろ試してみたら、UD-503電源をレギュレータから取るだけでも(TX-200を外しても)同じ傾向でした。まあ、レギュレータですからね。
 UD-503側に何も入れないとやっぱりダメなのですが、PC電源を接続先を「UD-503接続先コンセントとは別の、離れた壁にあるコンセント」に変えてみたらそれでも同じ傾向の効果がありました。

 つまり、ATX電源入力にアース有意なトランスを置かず、かつ、何らかの方法で「PCが宅内電源へ与える悪影響」を減少させればよい(というか必須)、というような結果になりました。
 室内配線の長いACケーブルで隔てられているだけでも効果あり、ということですかね。定かではありませんが。

 ということでこんなカンジになりました(CSE製ノイズフィルタNFW-30は無視してもいいと思います)。

ATXとアースとGND2

 どうも、「ATX系PCの信号GNDはアースとショートしておりアース経由でAC-COLDと緩い関係にもなる」ので、内部シールドがアースになっているトランス経由したりするとハナシがヤヤコシクなるようです。

 なお、上記は、「USB-VbusGNDをアイソレーションしているUD-503」に「USBシールドを“セロテープアイソレーション”して接続」している環境条件と相まっての結果かも知れません。


■顛末

 これらに基づいてAC環境再構築した結果、やっとマトモにT1 2ndが聴けるようになりました。同時にMDR-Z7やHD700もそれぞれの特徴が出た好ましい音になりましたので、おそらく正しい方向の調整だったのだと思います。
 DACユニットたるUD-503ではなくプレーヤPCの電源環境(筐体,ACケーブル,アイソレーショントランス,ノイズフィルタ)が主たる調整対象になりましたが、変わるもんです。

 リサンプラ設定に続き、UD-503のDSDフィルタの違いも感じられるようになりました。50kHz(AK4490のデフォルト)にした方がエネルギッシュですね。特に中低域。高域は抑制されるため(ホントかな?)でしょうか、キツさは取れますが空間は若干狭くなるような。
 ちなみにT1 2ndのスペックは5~50kHzとなっています。

 いや~しかし、これだけ条件付けて組み合わせ制限しても「とっかえひっかえ試聴」は途中でメゲそうになりました(苦笑)。なんとか落ち着いてよかったっス。


 余談ですが。
 なんだか5~6時間チューニングして鳴らしてると、最後にヘンな音質になることがある気がするんですよね。
 悪化したと言うより“聴くに堪えない”というカンジ。で、切り上げて翌日聴くと何も変えてないのにいい音に聴こえる。
 数時間鳴らしたまま放置後聴いてみると印象が全く違うこともあります。
 耳とか頭のせいですかねぇ? それとも変更したケーブリング環境に“馴染ませる”時間が必要なんでしょうか?
 前者なら、あまり長時間連続でやらないようにする必要ありますね。後者だとすると時間かかって仕方ないですねぇ。


 以上、とあるグランド・アース系チューニングの顛末でした。決して一般論ではありません。個人的感想です(笑)。


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電線病闘病記

16/11/16初稿

 たぶん電線病患者です私。“自分では”そんなに重症じゃないと思ってますけれど(苦笑)。

 経験的にケーブル換えれば音は変わると判断しており、「ただの電線」ではなく「コンポーネント」と考えればその変化具合はコストパフォーマンス的にアリかな、と。
 といっても理屈は思いつかなかったので、あまり考えず気に入ったメーカのそれなりに高価なケーブルを買ったり(型落ち処分や中古が多いですが)自作したりしてました。

 が、先日UD-503にヘッドホン「T1 2nd」を導入したら全然マトモな音が出ず電源ケーブルをとっかえひっかえしているうちに、ケーブルの「アース線有無」「シールド有無」という違いをちゃんとケアしなきゃマズイ気がしてきました。

 機器のアースやGNDについては一度かなり考えて、用いるケーブルをケアしていたのですが、そもそも「アース無意な機器(インレットにアースピンがない・あっても浮いてる)」に用いるACケーブル内のアース線やシールドについては無視というか先送りしてたんですよね…

 電線病治療(笑)も兼ねて、改めて考えてみることに。

 ↓アースピンがあっても浮いてる機器。
ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B
ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B


■ACケーブルで音は変わるか

 変わって聴こえるんですよねぇ(念のためですが「高い方がいい」という意味ではありません)。
 具体的理屈は解りませんが、100Vもある交流の電送路に明らかな物理的変化があるので何かあるんじゃないかと。
 ちなみに、電磁誘導などの理屈がありそうだとしても、計算値や測定値で音質への影響を証明しない限り「~だからである」などと言い切るのはマズイと思っています(ACケーブルに限ったハナシではありませんが)。

・ラスト数メートルの世界
 「長い宅内配線の末の数メートルを変えても~」とよく言われます。
 これは「“壁の中”と“壁とAV機器の間”の環境の違いは無視できる」という前提の説と言えますよね。実際どうなんでしょう?
 壁の中や天井裏には電気製品はまずありません。別のケーブルが併走することもあまりないでしょう。
 一方、壁コンからラックまでの間にはACやスピーカなど複数のケーブルがのたくっています。そしてそのすぐ先には多くのAV機器が存在します。
 個人的には、この差は無視しきれないのではと感じています。もちろん客観的なハナシではありませんけれど。

 ただし、壁の中の柱で併走したり照明器具直近を走ったりするケースもあり得ますから、干渉要素が全くないとは言い切れません。100V電源自体の“質”も様々でしょう。
 ですので、ACケーブルでの変化は、あるとしても「電源の質や宅内配線状況に影響され、一般論にはなり得ない」のではないかと思っています。

・それはシールド(アース)ではないか
 ラスト数メートルの空間においてACケーブルに何らかの影響力があるとしても、確かに「抵抗値」「表皮効果」「撚り方による振動」などの線材に依存するような特性値によるものとはあまり思えません。
 あるとすると「ノイズを出す・受ける特性」ではないかと感じています。もちろん個人的には、ですが。

 とするなら、ケーブルの「シールド有無・処理の違い」が音質差になる可能性はあるかも知れません。
 ていうか、シールド以前にそもそも「アース線の有無」という違いもあります。

 そして、アース線が有るケーブルでは、それが「結線してある場合」と「結線しておらず浮いてる場合」があります。2pinプラグ品は明らかに浮きですね。3pinの場合は、モールド一体型のプラグやコネクタでは未接続はまず無いでしょうけれど、アクセサリメーカのモジュール型プラグ・コンセントを使った製品では実際にありました。それって「アース線は浮かせる」のが製品仕様ということです。
 「機器インレット側でのアース接地」を前提とするのは仕様としてヘンですから、プラグ側を結線していない製品はコネクタ側も結線してはいないでしょう(保証はできませんが)。

 ということで、プラグ側が2pinか3pinかでケーブル事情は違うワケです。以下に書き出してみます(インレット側コネクタは3pin限定で)。

 ・2pin:シールド無:本件に無関係
 ・2pin:シールド有:どこにも落とせない(*1)
 ・3pin:シールド無:本件に無関係
 ・3pin:シールド有:アース兼用
 ・3pin:シールド有:プラグ側オープン:コネクタ側オープン(*1)
 ・3pin:シールド有:プラグ側ショート:コネクタ側ショート(*2)
 ・3pin:シールド有:プラグ側ショート:コネクタ側オープン
 ・3pin:シールド有:プラグ側オープン:コネクタ側ショート(*3)

*1:シールドは浮いていることになる
*2:アース線アリだとアースラインが複数あることになる
*3:上述の通りたぶん存在しない

 さらに、上記可能性をケーブル断面で図示してみます。
 赤がHOT、黒がCOLD、緑がアース、白が浮き、点線は「シールドなし」です。
 アース線とシールドの「プラグ内・インレット側コネクタ内での結線状態違い」については、キリがないので無視します。

ACケーブル構造

 結構バリエーションありますよね。以下、ERIで所有している完成品ケーブルの実例です。

 ・S/A LAB製HIGH END HOSE PROFESSIONAL
    アースピンなし アース線なし シールドあり(浮き)
 ・S/A LAB製HIGH END HOSE 3.5
    アースピンあり アース線あり(浮き) シールドあり(浮き)
 ・AET製HIN AC EVD
    アースピンあり アース線=ドレイン線あり シールドあり
 ・AudioTechnica製AT-PC600
    アースピンなし アース線なし シールドなし
 ・AudioTechnica製AT-PC1000
    アースピンなし アース線なし シールドなし
 ・AudioTechnica製AT-PC1500
    アースピンあり アース線あり シールドなし

        AT-PC1500は販売終了

 こういった構造違いに頓着せず使うと、システムのアースや浮き導体が知らず知らず好ましくない状態になっちゃうかも知れません。アースとGNDがショートしている機器があるとGND状態にも影響しますね。

 また、浮いてないアース線やシールドがある場合、コンセントでアースピンが接地するか否かでも状態は変化することになります。例えば、
 「3pinインレットだけどアースピンがない機器」を
 「アース線を有するACケーブル」で
 「アース穴があっても接地していないコンセント」に
繋ぐと、ACケーブル内のアース線が“浮き”導体として存在する状態になります。
 2個口のコンセント内ではアース穴どうしはショートしていますから、同壁コンに同様のケーブルをもう1本挿した場合は、壁コンを介して“ACに隣接した”数mの浮き導体がシステム背面に出現します。あまり好ましくない気がします。

 実際、ORB製プラグ・コネクタによる自作の際、同じプラグ・コネクタでも「アース線なし/シールドなし」ケーブルと「アース線あり(ピン結線)/シールドあり(浮き)」ケーブルで音質変化を感じたことがあります。
 コンセントは3pinですがアース接地していませんでしたので、後者はアース線もシールドも浮いてたことになります。うろ覚えですが、前者が「もっさり」後者は「キンキン」だったような(どっちもダメで不採用)。
 後者のようなケーブルで、アースやシールドを繋いだりハズしたりして音質差を確認してみるのもアリかも知れませんね。

 「3pin→2pin変換アダプタ使うと音が変わる」という話もあると思いますが、アダプタ自体のせいではなくシステム内のアースやシールドの状態が変わるからかも知れません。


■ACケーブルを測る

 このような「ケーブル構造」と「コンセントのアース状態」「それらによるシールドやアース導体の状態」は結構影響ある気がしてきました。
 ある程度認識はありましたし、個人的原則的な価値観では「浮き導体があるといいことない」のですが、アース・グランド・ノイズ関連の考え方や実践は非常に難しいと思っており、聴感に任せてたんですよね…

・誘導・被誘導を見る
 意図的に浮かせている商品については、「浮きでもシールド効果がある」と考えるか「浮き導体はノイズの受発信アンテナになる」と考えるかによって価値判断は大きく違ってきますよね。メーカは当然「効果あり」という立場でしょうけれど。
 ということで、ちょっとでも「シールド有無」「浮きシールド」の影響に関する知見を得たいと思い、何か情報をとる方法はないか試行錯誤した結果、以下のような実験してみました。

 「AC100Vが誘導するか・AC100Vに誘導されるか」です。

ACケーブル誘導


 割とオモシロイ数字になったのではないかと(笑)。

 ただし、周波数でシールド効果は変わりますし、接地抵抗数ohmのアースでもありませんし、キチンと治具で固定したりもしていませんし、外来の影響もあり得ますし、フツーのテスタで測っただけですし、などなどあくまでも「とある適当な実験の結果」に過ぎません(本来“実験”や“測定”と呼ぶべきものでもないですがご了承ください)。もちろん、数値に絶対的意味はありませんし、そもそも音質に影響あるか否かも全く解りません。
 が、この結果から「個人的にはこう思うことにする」というACケーブルリングチューンの“めやす”を考えました。

・線材太さ・構造材厚さ
 同じ構造・同じ線材だが太さやシース厚みが違うと推定されるPC600とPC1000を比較。
 誘導・被誘導ともPC1000の方がやや優秀なことから、太く厚い方が有利なのではないか。

・アース線有無
 アース線有無が大きな違いと推定されるPC1000とPC1500を比較。
 PC1500の方が優秀なことから、アース線だけでもシールドに準じた効果があるのではないか(もちろん接地した状態なら)。

・アース線接地処理
 AT-PC1500の「浮き」「接地」を比較。
 アース線を有するケーブルはそれを接地すると誘導・被誘導低減に効果があるのではないか。

・シールド接地処理
 HIN AC EVDの「浮き」「接地」を比較。
 シールドを有するケーブルはそれを接地すると誘導・被誘導低減に絶大な効果を発揮するが、接地しないと逆に悪影響が絶大となるのではないか。
 これは誤差レベルではないのでは。やっぱり「浮き導体」あっちゃダメなんじゃないかと。

・シールド効果
 アース線やシールドを有するケーブルでは、それらがフェライトコアのようなノイズ減衰効果を持つ可能性もあるのではないか。

・ケーブル長
 HIN AC EVDの1.2mと1.8mを比較。
 アース線やシールドにノイズ低減効果があるとすると、長い方(物量が多い方)が効果があるのではないか。

・2芯でもシールドを有するケーブル(本実験には直接関係ないが)
 アースの概念がないのだから、シールドは何処にも落ちておらず浮き導体にするのが仕様ということ(3芯でも2pinプラグだったりアースピンに配線していない場合は同じ)。流石にCOLDでシールドってのはないハズ(2pinプラグはどっちがCOLDになるか規定できないので)。
 当該ケーブルは「浮き導体を許容する。それによる変化は音質調整に意味あり」と判断する場合に使用すべきではないか。


 繰り返しますが、上記を客観的事実だと思っているワケではありません。闇雲にとっかひっかえしても組み合わせ多すぎてキリがありませんから、「何か理由を付けて良かれと思って試して良好だったらそれで納得する」ためのものです。


■RCAケーブルのシールド

 ACケーブルだけでなく、インタコやスピーカケーブルやDC電源ケーブルなどのアナログケーブルにも「シールド」が有るものと無いものがあります。これらについても実態を知っておく必要があるでしょう。

 シールドが有ってもACのアースのような“専用の落とし先”はありませんから、先はGNDしかありません。
 落とし方としては4通り考えられます。

 ・両端に落とす・・・シールドをGND線に兼用する場合もあり得る?
 ・両端とも落とさない・・・浮いてることになる
 ・上流端(例えばプレーヤ側)だけ落とす・・・方向性になる
 ・下流端(例えばアンプ側)だけ落とす・・・方向性になる

 「上流下流どちらかでしか落とさない」場合は方向性になるワケですが、銅箔やアルミ箔などを巻いたシールドの場合、「重ねて巻いている」とこれも方向性になります(ラケットやバットのグリップテープのイメージ)。
 つまり、分子結晶など持ち出さなくても、「シールドの施し方」の点で物理的仕様としての違いとそれによる“方向性”は存在し得ることになります。実際に方向性指定要因がそれであることを多数確認したワケではありませんが、これが音質差になるのかも知れません(ならないかも知れません)。「科学的に方向性(による音質変化)などあり得ない」という場合、このような「構造違いによるGND接続状態の違い」も科学的検証する必要があるでしょう。

 以下、RCAケーブルの実例です。独立シールドあり品については、近くにACケーブルを併走させた時の被誘導がどう変化するかも参考程度にみています。

・AET製HIN LINE QUAD:方向性指定アリ
 シールドなし。

・AudioQuest製CORAL:方向性指定アリ
 独立シールドあり。プラグ内を確認すると、下流はシールドのドレインワイヤを半円筒形のプラグGNDパーツとショート(ハンダ付け),GNDはもう一方のGND半円筒パーツとショート(ハンダ付け)。半円筒パーツどうしはショートしていないが、プラグシェルのネジ止めを介して導通する。上流はGNDのみ半円筒パーツに接続されている。
 つまり独立シールドを下流のみでGNDに落としてる。どんな理屈でどんな効果があるのかは不明なれど、確かに方向性はあると言える。
 実際、CORALは方向性で違和感感じたことがあった。

・AudioQuest製CopperHead:方向性指定アリ
 シールド=ドレインワイヤ=GND。プラグ内を確認すると、上流はシールドとドレインワイヤをプラグGNDとショート(ハンダ付け),下流はシールドのみショート。
 ドレインワイヤのみ処理を変えるとどんな理屈でどんな効果があるのかは不明なれど、確かに方向性はあると言える。

・AudioQuest製Panther:方向性指定アリ
 シールドあり。プラグ内でどうなっているかは未確認だが、DBSの電極接続は片端なのでそれが方向性とは言える。
 DBSのON/OFFでACケーブルからの誘導は特に変化なかったのでDBS機能にシールド効果はなさそう。
 DBSプラグのプラス側(プラグのTop側)をアース接地すると非常に高いシールド効果が出る。マイナス側はやや効果? くらい。
 DBS+(Anode)はシールドではなく真ん中のワイヤらしいが…?

・AudioQuest製Sub-1(スーパーウーファ用):方向性指定ナシ
 独立シールドあり(両端に外だしドレイン線アリ)。ドレイン線をアース接地するとAC誘導はかなり減少する。

・AudioTechnica製AT6A48/0.7:方向性指定アリ
 パッケージに構造図解あり。独立シールドありで、それをGNDに落としてる方が上流で落としていない方が下流との説明あり。
 確かに方向性はあると言える。

 いずれにしてもシールド=GNDなので上流下流の違いが音質差になる理屈と効果はとっても難しいですが、とりあえず指定通りに使うのがよいでしょう。逆に使うのもひとつの“チューニング手法”になるかも知れませんが。


■USBケーブルのシールド

 シールド事情はデジタルケーブルにもあります。ここではUSBケーブルについて見てみます。

・AcousitcRevive製USB-1.0SPS
 Vbus用Aとデータ用AとBプラグのシールドはすべてショート。
 データ用AとBの間でVbus5VとGNDは繋がっていない。データ線はもちろん繋がってる。
 Vbus用AとBの間でデータ線はもちろん繋がっていない。Vbus5VとGNDは繋がってる。
 シールドとVbusGNDはオープン。

・WIREWORLD製SilverStarLight USB2.0
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはショート。

・WIREWORLD製UltraViolet5-2 USB2.0
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはオープン。

・PC用:バッファローコクヨ製AU2SF07BK
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはオープン。

 SilverStarLightは、シールドとVbusGNDがショートしてるのがUSBケーブルとしては特徴的(規格外?)ですね。
 USB-1.0SPSは、データ用ケーブルにはVbusGNDも通してないんですね。

 線材がどうかという以前に構造違いがあるワケです。
 特にSilverStarLightの「シールドとVbusGNDがショート」というのは影響ありそうな気がします。「DNA Helix Design」という構造ですが、図を見ると、どうもVbusGNDは独立した線材になっておらずシールドが兼任していると思われます。

http://www.wireworldcable.com/hi-res-digital-audio-cables.html

    


■電線病の処方箋

 改めて調べてみると、導体の結晶構造とか以前にケーブルの物理的構造として結構違いありますねぇ。

 今回、上記で考えた“めやす”などを前提にアースとGNDの接続に着目してUD-503のチューニングしたのですが、結構変化あったと思います。一時ツジツマが合わなくなるようなこともありましたが、結果的には「そういうこともあるのかな」というカンジになりました。

 電線病は治療が難しい病だと思いますが、考えたことと結果が結構合致したことで症状が軽くなった気がします。
 真実じゃなくてもいいんです。“そう思える”ことが大事。これがホントのプラシーボ(笑)。

 また症状がぶり返しそうになったら次のようなことを思い出して癒そうと思っています。
 と言っても、もちろん万人に効くワケではなく“個人専用処方薬”ですけれど(笑)。

・浮いてる
 シールドやアース線を浮かせている商品がありますが、測定結果から効果アリと判断して商品化してるのかなぁ?
 浮かすことによって音質変化するのは「味付けのひとつ」ってことですかね? そういう説明みたことないですけれど.…

・壊れる
 ケーブルメーカの製品って結構壊れやすいんですよね。「工業製品としてどうなの?」と思ってしまいます。
 以下経験したことを列記します。

 ・AudioQuest製Panther:RCA:新品:数年使用後
   DBSを固定するゴムバンドが切れた(4本中1本)
 ・AudioQuest製CopperHead:RCA:新品:数年使用後
   GND側が断線。LR2本とも
 ・AudioQuest製DiamondBack:RCA:新品:数年使用後
   プラス側断線。1本
 ・AudioQuest製Rockfeller:SP:現品処分
   バイワイヤのHighとLow、長さが入れ替わっていた(故障ではなく製造不良)
 ・WireWorld製EQUINOXⅢ+:SP:中古:購入直後
   一カ所Yラグのカシメが緩んでいた
 ・AET製HIN LINE QUAD:RCA:アウトレット
   ケーブル固定イモネジが斜めに入っていた。GND線固定イモネジがなかった
 ・AET製HIN AC EVD:AC:新品:4年使用後
   インレット側コネクタとメッシュを固定する熱収縮チューブが緩んでガバガバ
 ・S/A LAB製HIGH END HOSE 3.5:AC:在庫処分:数年使用後
   プラグ側HOTのスリーブカシメが緩んだ
 ・AcousticRevive製USB-1.0SPS:USB:新品:5ヶ月使用後
   ケーブル固定イモネジがゆるゆる…て言うか設計的に無理があるのでは?
 ・SAEC製SH-1010:HDMI:新品:数年使用後
   断線

 ただし、AudioQuestが特に壊れやすいという意味ではありません。高級品はほとんどクエしか買ったことないってだけです。

・教えない
 ケーブルメーカの高価な商品は「電線の材質や太さ」「構造」「メッキ種類」あたりがアピールされますが、プラグやコネクタ内でシールドがどうなっているかは明示されていない場合が多い気がします。RCAケーブルのシールドは上流下流どちらで(どちらでも)GNDに落としてるのかなど。影響はメッキなどよりはるかに大きいのではと思うのですけれど。
 その点、上記AudioTechnicaの例は好感が持てますね。

・消える
 ケーブルとかタップとかのメーカって、販売終了商品のwebページ消しちゃうことが多いように思えるんですけれど。
 家電もワリと消えるような気がしますが、こういう商品って家電と違って仕様が記載された取説が付いてるケースは少ないのでスペックがワカラナクなっちゃうんですよね。
 「過去の口上書きを消したいの?」とか疑っちゃいますよ~?


■ちなみに

 もしかすると、「プラグ・コネクタやケーブルのメカ的違いによるオーディオ機器の振動変化」って要素もあるかも知れませんが、アースやシールドの違いに比して影響は小さいと仮定し、本稿では無視しています。

 また、「メッキ種類やシース材質の違いによる影響」についても、アースやシールド違いや太さなどの線材違いによる影響に比して無視できると仮定しています(その他が全く同じだった場合は違いが出るかも知れませんが)。


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