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Optimized Girls

17/01/29初稿

 邦題“最適化された少女たち”。

 フィギュアスケートグランプリファイナル2016・女子シングル放送(テレビ朝日系)で、荒川静香さんがエフゲニア・メドベデワ(メドベージェワ)選手のSP(歴代最高得点)を次のように評されてました。

アナ:ホントに隙がないなーというカンジですね。
荒川さん:そうですね、跳ぶ前に手を上げたり足を上げたりという、そういった工夫が自然にできあがってますから、この新採点法でやはり育ってきたという強さかも知れませんね。


 私も最近の若手には“そういった強さ”を感じていたので、非常に共感するところがありました。

 新採点が施行されたのは2004-05シーズンからです。その後2006~10年くらいに基本的攻略法が概ね確立されたとすると、そのころ技術の基礎を教えられた世代は最初から「新採点法に最適化した跳び方・回り方」で習得しているのではないかと思われ、そういう意味なのではないかと。
 以前から気になっていたことでもあるので、同大会FSにて「新採点法で育ってきた世代の最適化戦略」を見える化してみようと思い立ちました。
 といってもまあ、あくまでも「いち素人の個人的な主観的感想」に過ぎませんのでその辺はご了承ください。そして、感想は静止画だけではなく動画で抱くものだと思いますので、もしご関心持たれた場合は必ずご自身でビデオ映像をご確認ください。
 対象は女子シングルのみです。

 なお、本稿はISUジャッジングシステムは

 ウツクシサは点にならないしウツクシクなくても減点されない
 PCSもGOEも、はてはテクニカル判定も、「裁量」という名の主観

という認識が前提です。

 選手みなさまには敬称略で失礼させていただきます。


■ジャンプのテクニカル判定とGOE

 まず、2016-17の表題資料を示しておきます。
 この内容に対して「どのような最適化されているか」を見ていくことになります。
 なお、2016-2017の採点方法公開資料としてはこれになると思いますので、本稿で採点と言えば以下に依るものとします。「実は別の基準があるのだ」と言われてもワカンナイ(成す術ない)ですから。

・テクニカルハンドブック
テクニカルHB2016-17:ジャンプ明確化
出典:2016hb_single_0810.pdf

・GOEプラス
SoV16-17:ジャンプGOE+
出典:comm2000j.pdf

 最終的には「ジャッジの裁量による」ので、あんまり考えても無駄っちゃ無駄ですけど(笑)。

・GOEマイナス
SoV16-17:ジャンプGOE-
出典:comm2000j.pdf

 最終GOEを必ずマイナスにしなければならないのはSPで1項目だけなところもポイントですかね。


■ISU史上最高チームの戦略

 「新採点法で育ってきた世代」「育ててきたコーチ」の代表として、メドべぇチームの演技を調べてみることにします。
 “新採点法へ最適化”しているのは、やり方や程度の差こそあれメドべぇチームだけではありません(逆に若手は全員そうだという意味でもありません)が、メドべぇは現時点で「ISU史上最高の女子シングル選手」と言っていいでしょうから、最も最適化に成功している可能性が高いという意味でサンプルとして最適でしょう。アゲサゲの意図はありません。

 「チーム」と記しているのは、“そういう戦略による技術(ジャンプの跳び方など)”はコーチから指導された結果として身に着けたものだと理解しているためです(一般的にはジュニア時代からずっと同じコーチに師事してきた若手について)。場合によっては振付師も協力しているかも知れません。
 新採点法世代の選手は「新採点法に最適化された」のであって「最適化したのはコーチ」なのだろうと思っています。

 とりあえず最大の得点源であるジャンプについて見ます。ていうかスピンやステップは難しくて語れませんし(苦笑)。
 画像出典はテレビ朝日系放送(地上波・BS)です。

 なお、GPFでは最初の3Fでコンボに失敗したため2個めの3Fをコンボにしましたが、今季(16-17)のジャンプ構成はスケカナからすると以下だと思います(ボールドはタノ(片手)付き)。

  3F+3T  3Lz  3Lo  3F  2A+2T+2T  3S+3T  2A

・ジャンプは捻ってから跳ぶ
 メドべぇは、体をかなり回転と逆方向(時計回り)にひねって反動をつけてジャンプ跳んでますよね。
 その代表例として、3S+3Tのセカンド3Tを見てみます。

(3S_)3T 合成 2

 体だけでなく右手を一旦背中まで“おおきく振りかぶって”から、斜め下を経由して左側から振り上げているのが解ると思います。腕の慣性力をジャンプ力&回転力に加えているようです。

 同様の“振りかぶり”は3Lzや3Fでも見られ、こちらでは振り上げた腕をそのままタノにもっていっています。高さと回転力とGOEが同時に得られるまさに一石三鳥の妙案です。
 もちろん簡単にできることではないと思いますが、上述の通り最初からそのように習得したのではないかと。
 また、メドべぇは離氷動作中手をぎゅっと握っているのも特徴的ですが、回転力&ジャンプ力にするための“腕の振り”なのでどうしても力が入って「グー」になってしまうのではと推察しています。

☆ここが最適化!
 テクニカルハンドブック・GOE目安共に振りかぶっても捻ってもマイナスする項目はありませんから、プラスの効果のみ期待できるでしょう。
 唯一、「無駄な力が全く無い」というプラス項目に当てはまるかどうか素人的には微妙ですが、「無駄じゃない。役に立ってる」って言われればそれまでですし、もし当てはまらなくてもそのバーターとして例えば「高さおよび距離が十分」に該当するなら差し引きゼロですし。

・ジャンプは回ってから跳ぶ
 上記3T、「左足トウを突く位置もかなり特徴的」だと思います(左から2番目の体勢)。滑走軌道のベクトル線上からはかなり右側に突いています。
 左右の足の関係が“舵を切った”ような事態になっていますから、突いた時点でブレードは必然的にかなり回転した状態になっています。ほぼ1/4は回っているのではないでしょうか。そして、そこから体を左足に引きつける動作によってさらに1/2ほど氷上で回ってから離氷しています(左から4番目の体勢)。
 トウを突いた時点での滑走軌道のベクトル線上に対して見るなら、3/4近く回ってから離氷していると言えます。

☆ここが最適化!
 テクニカルハンドブックでは、離氷までに半回転以上回ると「ごまかした踏み切り(Cheated take-Off)」としてDGされることになっています。
 しかし、これが適用されることはまずないようです。少なくともA級大会でトップクラスの選手にこれが適用された明確な事例を私は知りません。
 そういう採点傾向ですから、判定する側としてもこれを適用するには勇気がいるでしょうし、実績がないのでどのレベルで適用するか難しいでしょう。レビューも「通常速度のみ」となっていますから、判定は難しく慎重になるでしょう。
 また、GOEプラス項目「3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ」のディレイド回転は満たせませんが、タノることで姿勢変形の方を満たせるのでは(「4) 高さおよび距離が十分」項と異なり“および”とは記してないので、どちらかに合致すればいいのだと理解しています)。
 この状況を鑑みての「できる限り氷上で回っておく」跳び方なのだと思います。

・ジャンプの種類は減らす
 この項は素人の思い付きレベルですが…

 「ジャンプの跳び方・カタチ」についてはJSFのページが最もオフィシャル(日本語としては)だと思いますので、以下から引用させていただきました。
http://www.skatingjapan.or.jp/figure/trick.html

 まず、ジャンプの種類を整理しておきます。
 6種ありますが、それらは「左足踏み切り(トウループ,サルコウ)、右足踏み切り(ルッツ,フリップ,ループ)、前向き踏み切り(アクセル)」の3種に大別できるのではと思います。そしてさらにトウジャンプとエッジジャンプという決定的違いがあるワケです(トウでは跳べないアクセル除く)。

・ジャンプの種類は減らす:3S≒3T?
 上記3T、さらに、「離氷時に左足ブレードがほとんど氷に着いている」のも特徴的ではないでしょうか(真ん中の体勢)。これにも何か“最適化のヒミツ”が隠されている気がします。
 トウループはトウのまま踏み切るジャンプであって、本来「左足ブレードが氷面に着いたジャンプ」はサルコウだと思ってるのですが。そして、そのサルコウはあんまり「ハの字」を作らず跳んるように見えます。

トウループジャンプ:右足外側のエッジに乗り、左足のトウをついて踏み切ります。
サルコウジャンプ:左足内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、瞬間、内股が「ハ」の字になります。


 ということから3S+3Tのファースト3Sを以下に示し、セカンド3Tと比較してみます。

3S合成 2

 3Sは「左足内側のエッジで滑ってる」というより「右側外側のエッジに乗ってる」ように見える点など、メドべぇは3Tとかなり似た跳び方しているように見えます。
 トウループでどこまでブレードを着けることが許されてるのかは知りませんが、これを見るとISU的には“ほぼほぼおっけー”なようです。

・ジャンプの種類は減らす:3Lo≒3F?
 とすると、「右足踏み切り」のジャンプもそういう傾向あるのでは? ということで、次に3F+3Tのファースト3Fを見てみます。

3F(_3T) 合成 2

 やはり、右足ブレードがほぼ全面氷面に着いています。
 本来「右足ブレードが氷面に着いたジャンプ」はループで、フリップはトウで踏み切るジャンプだと思ってるんですけれど。

フリップ:ジャンプする直前に左足内側のエッジに乗り、右のトウをついて跳びます。
ループ:右足踏み切りで、トウを使わないジャンプがループジャンプです。右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。


 ということで単独3Loを以下に示し、3Fと比較してみます。

3Lo合成 2

 3Lo、「左足を少し前」ではなく「かなり前」に出している点や入りの時点では「腰掛けた」ようには見えない点など、他選手とはけっこう異なる跳び方しているように見えます。
 フリップでどこまでブレードを着けることが許されてるのかは知りませんが、これを見ると“ほぼほぼおっけー”なようですね。

 以上見ると、トウを突いた後離氷時までにほぼフルブレードにしてしまうことで、本来トウジャンプであるトウループとフリップをエッジジャンプに近い跳び方にし、「サルコウをトウループの」「ループをフリップの」バリエーションで跳んでいるのでは?

・ジャンプの種類は減らす:3Lz≒3F?
 続いてルッツとフリップを見てみます。以下に、左に3Lz(単独)+右に3F(リカバーで3Tを付けたコンボのファースト)の画像を並べます。ニアリーな位置で跳んでおり、当然同じカメラからの画像です。

3Lz エッジエラー 3f(_3T)と合成

 素人目にはかなり似て見えます。

 さらに、3ショットの3F画像でジャンプ前軌道をみると、一瞬カウンター気味になっているのが解ります。うっすらと氷上の軌跡にも残ってますよね。
 たとえ一瞬でもカウンター=アウトエッジ気味になるのはフリップとしていいのかなと思いますが、これも“ほぼほぼおっけー”なようです。

 つまり、カウンター軌道のサイズは極端に変えているものの離氷動作はフリップとニアリーにすることで、「ルッツをフリップのバリエーション」で跳んでいるのでは。


 以上より、6種のジャンプのうち3種をベースジャンプとし、他3種類をそのバリエーションのカタチで跳んでいるように見えます。

  アクセル・・・前向き踏み切りのベースジャンプ
  トウループ・・・左足踏み切りのベースジャンプ
    サルコウ・・・トウループのバリエーション
  フリップ・・・右足踏み切りのベースジャンプ
    ループ・・・フリップのバリエーション
    ルッツ・・・フリップのバリエーション

☆ここが最適化!
 「トウジャンプはブレードの1/3以上氷面に着けてはいけない」といったエラー判定や減点要素はありません。「ループやサルコウのジャンプの形が“腰掛”や“ハの字”になってないと減点」という規定も見当たりませんから、それらに拘っても点数的には意味はないということです。リスクがあるとすると「拙劣な踏み切り」への抵触くらいですが、実績的にみて適用されてはいないでしょう。
 だったら効率的に練習できる方がよいという戦略ではないでしょうか。自動車メーカが同じシャシをベースに複数の車種を開発するようなカンジですかね(ビジネス的にはアタリマエっすね)。

・カメラ映りも大事にする
 といっても、ルッツをフリップのバリエーションとして跳ぶとエッジエラーを取られるリスクがありますよね。
 が、おそらくそれも当然対策されており、そのミソは「跳ぶ位置」にあるようです。

 エッジを判定するのはテクニカルパネルですが、彼らはリンクのど真ん中から見ているワケではありません。ジャッジパネルの右手側にいます。ロングサイドの真ん中ではなく片側に寄っているワケで、つまり、「見られ方はリンク内の位置によってだいぶ異なる」のです。
 単純に考えてテクニカルパネルから遠い方が判断しにくいでしょう。また、エッジ傾きはブレードの前後からよりも横から見た方が判りにくいのは道理でしょう。
 エッジエラーはレビュー対象ですが、カメラはテクニカルパネルの右横に設置されているので角度は肉眼とほぼ同じです。
 ということから、次図の滑走地点・方向での離氷が一番エッジ判定しにくいと思われます。

カメラ角度(改)

 最も遠いのは左上コーナーあたりですが、流石に上手くジャンプコースがとれないでしょうから、ここがベストなのでは。

 実際、そこで跳んでますね。やはり“レビューカメラの角度を考慮して”ジャンプ位置を構成しているのではないでしょうか。

 もちろん何も確証はありませんから偶然かもしれませんが(余談ですが2015-16シーズンのGGの3Fもココでした)。

 どんな見え方の差になるのか、同じ3Lzを横から見た画像(採点待ち時の演技振り返りで放送)があったので並べてみます。ショートサイドの真ん中あたりのカメラだと思われます。完全一致ではありませんが、ジャッジカメラの逆側相当の画にかなり近いハズだと思います。

3Lz エッジエラー合成 2

 やはり、角度は前後より横からの方が明らかに判りにくいのではないでしょうか。
 まあ、所詮素人考えなので、プロにはそんなの関係ないのかも知れませんけれど…

 実際には、素人目には明らかにインエッジに見えますがアテンションどまりでGOEも+0.60得ています。

☆ここが最適化!
 テクニカルパネルやレビューカメラからどう見えるかを計算してジャンプ位置を決めた方が有利です。
 それは時には音楽表現やコレオの必然性と相容れないこともあるかもしれませんが、それらを優先してもPCSが微妙に上がるか否かですから、点を積み上げるにはカメラ対策を優先した方が圧倒的に有効でしょう。
 「PCSを上げるためにジャッジ席の前で大きくアピール」などのテクニックはよく言われており実際あるようですから、同カテゴリのテクと言えるかもしれませんね。

・回転力をトランジションに使用する
 回転を止めずに降りて、その回転力を利用してミニイーグルなどの「出の工夫」にしているようです。これもGOEアップとの一石二鳥。
 ちゃんと着氷しないとできないことですから、それを組み込んで確実に実行できるのは凄いことですね。

☆ここが最適化!
 「空中で回転を止めて降りてくるのがいいジャンプ」と聞きます(うろ覚えですが、ジャンプは実は回転を止めるのが難しいと無良かコヅが言っていたような)。
 が、採点上はそれが点になるところはありません。止めなくても減点される規定も見当たりません。であれば、頑張って回転力を相殺せず、そのまま「出の工夫」につなげた方が点数的には有利でしょう。
 それが出来るのはもちろん練習の賜物でしょうから、そのように練習してきた(させてきた?)という戦略の成果ですね。

・“いい予断”を得る
 それさえあれば、多少回転が足りなくてもエッジが怪しくても見逃されるようです(どうせ大丈夫でしょとレビューされない)。
 例えば上で挙げた3S+3Tのセカンド3T画像。一番右側が着氷時ですが、一番左側のジャンプ直前の軌道ベクトルからは1/4以上横、かつ前向きになっています。少なくともURだと思いますが取られていません。
 予断も、「実績を積み上げてきたゆえ」と言えるかもしれませんが…

 これって最適化とは言えないですかねスイマセン(爆)。


■新採点法「傾向と対策」

 という状況を踏まえた一般的な傾向と対策を独断と偏見でまとめてみました。
 あくまでも一般論であり、特定の選手(やコーチ)とは全く関係ありません。
 なお、TES的な対象はやっぱりジャンプだけです(他はワカリマセンので(笑))。

・ジャンプにウツクシサは求めない
 音楽との調和(表現)を大切にして入りと出に目立ったステップは入れずタノもせず、特に大きくはないがキレイな姿勢で流れるようなジャンプを跳んでも、特にGOEの項目にヒットしません。4項目以上満たさないでしょうから、GOEは1付くかどうかでしょう。
 そして、着氷時にトウを突いたところが“1/4以上”、ブレードを着いたところが1/4以内だとみなされUR判定だったとしましょう。
 とても流麗なジャンプに見えますが、基礎点は30%減でGOEはマイナスになる可能性が高いです。

 一方、“手を上げたり足を上げたり”して入り、大きな構えからほぼ1/2回ってから大きなジャンプを跳び、空中では手を上げ、ギリギリ1/4未満で着氷し、回転の勢いを利用してステップを踏んだ場合は、基礎点満額+GOE2~3を得るでしょう。
 素人にはキレイに見えなくてもジャンプの形がそれっぽく見えなくても、減点項目には引っかかりませんから。

・スローでレビューされるポイントを最優先で押さえる
 スローでレビューしていいのは着氷時のみです。離氷時は「通常速度」と規定されています。つまり一番厳しく見られるのは着氷時の足元(による回転不足とエッジ判定)ということです。そして、URやエッジエラーになると基礎点30%減、GOE減点も大きいです。
 しかし、逆に「1/4までは足りなくてもよい」と考えることもできます。
 また、離氷時の「Cheated take-off」は上述の通り規定はありますがまず取られないので、離氷時にはなるべく回っておくほうが得策です。

 よって、限りある練習時間は、
 「離氷時にかなり回ってもいい」ので、
 「とにかく着氷時に1/4以上の不足がないこと」
 「ただし完璧に3回転回りきることを目指す必要はない」
ジャンプを体得することを目標に使うのが効果的でしょう。

・一方が苦手なら敢えて「アテンション加点」を狙う
 エッジ判定記事で見た通り、3Lzと3Fをクリーンに跳び分けるのは女子にとっては大変難しいことのようです。
 しかし、エラー(e)ではなくアテンション(!)でとどめられれば基礎点減りません。アテンションでのGOEはマイナス固定ではないので、GOEプラス項目に多く適合すれば最終的にGOEプラスも可能です。
 ですので「どちらかに注力して練習し、得意にした方を2本入れて加点を稼ぎ、なんちゃってエッジの方は1本だけ上記地点で跳んでアテンションレベルでとどめられれば御の字、認定されたらラッキー」という戦略もあり得るでしょう。
 「苦手な方を必死にリアルエッジに矯正しなくても戦える」ということです。エラー取られたり転倒したりするとPCSも伸び悩むみたいですし(苦笑)。矯正には得意だった方が崩れるリスクもありそうですし。
 “選択と集中”といえるかもしれませんね。まさに戦略(笑)。

・3Aやクワドは無視する
 3A以上のいジャンプをギャンブルじゃないまでに安定させるためにはかなりの練習が必要でしょう。一方、それができる女子選手はいないので習得しないと勝てない状況ではありません(少なくとも現時点では)。
 なので、同じ時間をかけるなら、3回転以下のジャンプ・その他エレメンツで「いかに失敗しないか」「いかに回転不足を取られないか」「いかにGOEを稼ぐか」「レベルを取りこぼさないか」に注力した方が有意義と言えます。
 また、省力化した3Tでコンボを増やし、かつ後半に跳んだ方がオトクです。それができるのは若さゆえの体力と小柄な体格があるからだと思いますが、その優位さが活かせるウチは最大限活用しない手はありません。

・セカンドに3Loは跳ばない
 ほとんど認定されないのでセカンドは3Tに“選択と集中”して練習した方がいいでしょう。
 非常に難しいと思われますが普通の基礎点しか付かない(逆にGOEプラスは難しい)セカンド3Loを習得するより、“いつでもどこでも何回でも”3Tを付けられるように練習した方が高得点のためには有効でしょう。
 3Tを3回セカンドに跳ぶワケにはいきませんが、あと1回のコンボはダブルを2回にするかハーフループから3S付ける構成が可能だと思いますので、セカンド3Loは出来なくても問題ない、と。実際、認定される技として標準装備している女子選手はほとんどいませんから、習得しないと勝てない状況でもないですし。

・タノる
 俗っぽい話ですが。
 タノると即GOEが上がるような気がしますよね。
 実際にはGOE項目「空中での姿勢変形」にしかヒットしませんので、タノったからといってGOEが+1されるワケではありませんが、観る側への印象付けとしては効果的でしょう。分かりやすいですし。
 放送でも「加点される要素になります」などと解説されますし。決して間違いではありませんが、もうちょっと正確に説明してもらえたらなぁと思います。

・「PCSのための練習」はしない
 極論ですけれど(笑)。
 PCSはしょせん主観ですし、どうも「URやエッジエラーを取られずGOEてんこ盛りでレベルをとって」高いTESを得るとつられて上がる(オーサー理論)ようですから、PCSを上げることを目的とした練習するくらいならTESを上げることに注力した方が戦略的でしょう。


 以上、気になっていたことがおよそまとめられたかなと思います。
 そして、「ISUが示すフィギュアスケートの方向性」が解ったかなと(苦笑)。

 ただし、素人なのでいろいろ間違ってるかも知れません。その場合は申し訳ありません。
 また、念のためですが、エッジ判定精度の調査などと違って本稿は個人的思い付きですから客観性があるとは言えません。ただの素人の戯言、個人的感想です。

 最後に繰り返しますが、本稿で記したような最適化はメドべぇチームだけに見られるものではありません。また、それは選手が発案したものではなくコーチが戦略的に考案し子供のころから教えているのだと想像しています。


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テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

グランドチューンを考える

16/12/17初稿

 「電線病治療」によって、ケーブル事情からのチューニングの“めやす”というか“よりどころ”というか、はある程度得ることができました。
 それに基づき以下のようなコンセプトを想定して、「UD-503にT1 2ndを投入して発覚した“セッティングのダメさ加減”」の改善を試みました。


■グランドチューン・コンセプト

・シールドやアース線が浮いてるケーブルは使わない(浮いてしまうように使わない)
 なので、アースがないコンセントにはアース線もシールドもないケーブルを用いる。
 自作の場合はそれを意識して組み立て、使用する。

・アース有意な機器のアースをどうするかは熟考必要
 アース有意な機器では、アースは信号GND(デジタル音声信号GND・アナログ音声GND)とショートする(のが一般的だと思う)ので万全の注意が必要。
 例えばATX電源のPCではアースとUSBのGND(ケーブルのシールドも)はショートしているので、それらと完全アイソレートでない限り、USB接続した時点で「USB-DACユニット内の信号GNDはアースとショート」する。
 さらに、ATX電源のインレット内にはノイズフィルタとしてYコン(ACラインとアース間のコンデンサ)が入っている。
 なので、アース有意な機器でも接地せずデジタル音声信号GND・アナログ音声GNDを保護した方がよい場合もある。

・電源系機器でアースピンやアース穴が筐体とショートしている場合は留意する
 例えば、CSE製電源レギュレータRG-50は入力側は2pin直出しケーブルなのでアースピンがないが、出力側にはアース穴があり筐体とショートしている。そのアースを接地するか否か。
 例えば、CSE製アイソレーショントランスTX-200はトランスにアース線が引き込まれている。詳細不明だが、トランス内の1次と2次を絶縁するシールドに接続されていると推定される。そのアースを接地するか否か。「アースセレクタ」などの機能とも関連する。

・システム内にアース有意な機器が2台以上ある場合はアースループに留意する
 上述の通りアース有意な機器では信号GNDとアースはショートしているハズなので、接地した当該機器をインタコで接続するとループが形成される。ただし即NGとは限らない。
 国産メーカ品で組むオーディオシステムにアース有意な機器が含まれるケースは稀だと思われるので問題になるケースは少ないハズ。
 それでもループになる例としては、ATX電源のPCからUSBでDACユニットに繋ぎ、「DACユニット」と「アース有意なTV」がアナログ音声ケーブルで同じアンプに接続されているケースなど。

・グランドとアースを区別して考える(AC-COLDも)
 媒体によって定義が異なることがあるので、どっちの意味で記されているのか注意する必要がある。

・グランドループとアースループを区別して考える
 本Blogでは以下のように使い分けている。

 ・アースループ
   上記の通り。
 ・グランドループ
   AC側(1次側)とDC側(2次側)のアイソレーションが緩いため
   AC-COLDと信号GND(FG)を経由してループすること。

・アース無意な機器でも、アース線やシールドありケーブルを接地して使うと「ノイズ誘導・被誘導低減効果」がある可能性がある
 電線病記事記載の通り。あくまで可能性があるかも? レベル。
 これを期待する場合はケーブルは長めの方がよいかも知れない。

・アース線・シールド有無ケーブルの場合の構造を考慮する
 シールドありなら、太めのドレイン線とシールドがアース線を兼ねるケーブルが望ましい。
 同じくアース線有意なケーブルでもシールド有無によっても差違がある可能性があるので使い分けを考慮する。


 繰り返しになりますが、「アースの質」「電源の質」にも依存するでしょうから絶対的なハナシではないのは言うまでもありません。


■グランドチューン・実践

 とりあえずケースを「フルアルミ・内装塗装なし」な星野金属製に換えました。

・ACケーブル適材適所
 上記コンセプトに基づき既存品の使用箇所を入れ替え。アース線のない2pinタイプを追加投入。
 直接関係ないですけどアースが関係するプラズマテレビも対象にとっかえひっかえ(笑)。

・USBケーブルのGND構造
 WireWorld製USBケーブルSilverStarLight(以下SSLと略)は、シールドとVbusGNDがショートしてるのが特徴的です。
 アコリバ製USB-1.0SPSは、データ用ケーブルにはVbusGNDも通していませんでした。

 実は、今回のチューニングで何をやっても違和感とれずメゲそうになった時、USB-1.0SPSからSSLに換えただけでウソのようにそれが無くなったんです。SSLからUSB-1.0SPSに入れ換えた時はほとんど違い感じなかったのですが。その後ヘッドホンとPC筐体とACケーブル換えてるワケですが、この変化はちょっとビックリです。

 その後以下の展開を経てUSB-1.0SPSに戻していますが、善し悪しではなく“変化”はかなり大きかったことを記録しておきたくて。

・アナログGNDとデジタルGNDを分離
 UD-503はデジタル電源・GND(VbusGND)のアイソレーションを謳っていますので、「USBケーブルのシールド在りよう」がかなり影響する機体なのかも知れません。

 ただ、このアイソレーション疑問があるんですよね。

 UD-503のUSBコネクタ部のシールドはFG(=アナログGND)とショートしています。
 PC側では、ふつうUSBシールド=FG=デジタルGND=VbusGNDです。自作デスクトップはもちろん、ノートPC(もちろんメーカ製)でもこうなっています。手持ちのVersaPro、Thinkpad X220で確認しました(VersaProではUSB3.0と2.0両方、電源ON/OFF状態両方にて)。

 ということは、UD-503の内部でVbusGNDをアナログGNDとアイソレーションしても、USBケーブルを介して結局PCのGNDとショートしてしまうのでは?
 UD-503のアナログGND(=FG)をデジタルGNDから守るためには、BコネクタのシールドをFGに接続せずアイソレートするか未接続にする必要がある気がするのですが…

 ということに気づいてしまったので、ならばとSSLのBプラグのシールドシェルにセロテープを巻いてUD-503のBコネクタシールドと絶縁してみました。これでPCのデジタルGND(VbusGND&シールド)とUD-503のアナログGNDはアイソレートされるハズです。

 激変は感じませんでしたが、これで運用してみようかと思います。

・ATX系PCのアイソレーション
 ATX系PCを使ったPC-Audioのアース・FG・GNDについて改めて整理してみます(ATX電源ではなくACアダプタ電源などのシステムでは別事情となります)。ただしあくまでも一般的事情として、です(例外もあるかも知れません)。

 ・ATX系のPC・・・信号GNDとFGはショート、FGはアースとショート
 ・ATX電源・・・COLD(HOTも)はインレットフィルタのYコン経由でアースと接続
 ・PC・・・GNDはUSBのVbusGNDやシールドを介してDACユニットのGNDとショート

 つまり、ATX系PCでは信号GNDはYコンを介してCOLDと容量接続していることになります。「スイッチング電源はAC側と機器内DC側のアイソレーションが甘くなりがち」どころではなく、意図的に容量もって繋がってるワケです。
 PCとしては問題ないのでしょうけれど、オーディオプレーヤとして組み込むと、USB-DACのGNDもAC-COLDと容量接続していることになりますよね。

 DACユニットはオーディオ機器ですから電源部におけるAC側COLDとDC側GNDのアイソレーションはそれなりに強力だと思います。
 しかし、PC側で“明らかに緩んでる(敢えてYコン入れてる)”状態なワケですから、通常のオーディオシステムよりグランドループ条件は悪いのかも知れません。

 じゃあ、どうすればいいんでしょう?

 PC電源をコンセントACとアイソレーションすればよいハズです。アイソレーショントランスを入れればよいってことですね。「PCのGNDとの絶縁が緩くなったCOLD」と「コンセント側COLD=DACユニットに入るCOLD」がアイソレートできるワケですから、DC側GNDで繋がってもAC側で切断できます。
 元々「PCの電源はスイッチングだから」という理由でトランス入れてたのですが、「ATX電源は信号GNDとアースの絶縁が緩いから」というより重大な効果があったということですかね。

 しかし、考えているうちにちょっと気になることが…

・アイソレーショントランスの功罪
 もしかして今回の一番のトピックはこれかも。

 アイソレーショントランスTX-200の内部トランスにはアース線が接続されています。正確には解りませんが、トランス内シールドがアースに落ちていると推察されます。少なくとも、「トランス内でアースが何らかの役目を担っている」とは言えると思います。
 ATX系PCのアースはGNDとショートしています。
 ATX系PCのアースはCOLDとYコンで容量接続しています。つまりGNDとCOLDが容量接続しています。

 この理解が正しければ、「アイソレートすべき入力側と出力側の間にCOLDに容量接続した信号GND(=アース)がある」ということになります。
 う~ん、なんだかあまりヨロシクナイ気がしてきました。
 といって、TX-200を外すと決して良くはなりません。PCのアースを浮かせても良くはなりませんでした。PCアースはATX電源の中でGNDとショートしYコンでCOLDと繋がってますから、やっぱり放置はできないと思えます。

 この状態の概念を図示してみます(Bコネクタはセロテープシールド状態)。繋いだり外したりのバリエーションは脳内シミュレーションで(笑)。

ATXとアースとGND

 さてどうしましょう?

 現在はPCとUD-503だけ使っておりUD-503から他機器への接続はありません。ですのでPCとUD-503という2機の間だけアイソレートすればよいワケで、よってアイソレーショントランスはどちらに入れてもいいハズです。シールドにアースが接続されている状態は変わりませんが、信号GNDの在処が1次側2次側逆になることで変化するかも知れません。
 ということで、PC側ではなくUD-503側のACをTX-200から取るようにしてみましたら明らかに良くなりました。やっと金脈掘り当てた感あり(笑)。

 しかし、さらにいろいろ試してみたら、UD-503電源をレギュレータから取るだけでも(TX-200を外しても)同じ傾向でした。まあ、レギュレータですからね。
 UD-503側に何も入れないとやっぱりダメなのですが、PC電源を接続先を「UD-503接続先コンセントとは別の、離れた壁にあるコンセント」に変えてみたらそれでも同じ傾向の効果がありました。

 つまり、ATX電源入力にアース有意なトランスを置かず、かつ、何らかの方法で「PCが宅内電源へ与える悪影響」を減少させればよい(というか必須)、というような結果になりました。
 室内配線の長いACケーブルで隔てられているだけでも効果あり、ということですかね。定かではありませんが。

 ということでこんなカンジになりました(CSE製ノイズフィルタNFW-30は無視してもいいと思います)。

ATXとアースとGND2

 どうも、「ATX系PCの信号GNDはアースとショートしておりアース経由でAC-COLDと緩い関係にもなる」ので、内部シールドがアースになっているトランス経由したりするとハナシがヤヤコシクなるようです。

 なお、上記は、「USB-VbusGNDをアイソレーションしているUD-503」に「USBシールドを“セロテープアイソレーション”して接続」している環境条件と相まっての結果かも知れません。


■顛末

 これらに基づいてAC環境再構築した結果、やっとマトモにT1 2ndが聴けるようになりました。同時にMDR-Z7やHD700もそれぞれの特徴が出た好ましい音になりましたので、おそらく正しい方向の調整だったのだと思います。
 DACユニットたるUD-503ではなくプレーヤPCの電源環境(筐体,ACケーブル,アイソレーショントランス,ノイズフィルタ)が主たる調整対象になりましたが、変わるもんです。

 リサンプラ設定に続き、UD-503のDSDフィルタの違いも感じられるようになりました。50kHz(AK4490のデフォルト)にした方がエネルギッシュですね。特に中低域。高域は抑制されるため(ホントかな?)でしょうか、キツさは取れますが空間は若干狭くなるような。
 ちなみにT1 2ndのスペックは5~50kHzとなっています。

 いや~しかし、これだけ条件付けて組み合わせ制限しても「とっかえひっかえ試聴」は途中でメゲそうになりました(苦笑)。なんとか落ち着いてよかったっス。


 余談ですが。
 なんだか5~6時間チューニングして鳴らしてると、最後にヘンな音質になることがある気がするんですよね。
 悪化したと言うより“聴くに堪えない”というカンジ。で、切り上げて翌日聴くと何も変えてないのにいい音に聴こえる。
 数時間鳴らしたまま放置後聴いてみると印象が全く違うこともあります。
 耳とか頭のせいですかねぇ? それとも変更したケーブリング環境に“馴染ませる”時間が必要なんでしょうか?
 前者なら、あまり長時間連続でやらないようにする必要ありますね。後者だとすると時間かかって仕方ないですねぇ。


 以上、とあるグランド・アース系チューニングの顛末でした。決して一般論ではありません。個人的感想です(笑)。


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電線病闘病記

16/11/16初稿

 たぶん電線病患者です私。“自分では”そんなに重症じゃないと思ってますけれど(苦笑)。

 経験的にケーブル換えれば音は変わると判断しており、「ただの電線」ではなく「コンポーネント」と考えればその変化具合はコストパフォーマンス的にアリかな、と。
 といっても理屈は思いつかなかったので、あまり考えず気に入ったメーカのそれなりに高価なケーブルを買ったり(型落ち処分や中古が多いですが)自作したりしてました。

 が、先日UD-503にヘッドホン「T1 2nd」を導入したら全然マトモな音が出ず電源ケーブルをとっかえひっかえしているうちに、ケーブルの「アース線有無」「シールド有無」という違いをちゃんとケアしなきゃマズイ気がしてきました。

 機器のアースやGNDについては一度かなり考えて、用いるケーブルをケアしていたのですが、そもそも「アース無意な機器(インレットにアースピンがない・あっても浮いてる)」に用いるACケーブル内のアース線やシールドについては無視というか先送りしてたんですよね…

 電線病治療(笑)も兼ねて、改めて考えてみることに。

 ↓アースピンがあっても浮いてる機器。
ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B
ティアック デュアルモノーラルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ Reference UD-503 (ブラック) UD-503-B


■ACケーブルで音は変わるか

 変わって聴こえるんですよねぇ(念のためですが「高い方がいい」という意味ではありません)。
 具体的理屈は解りませんが、100Vもある交流の電送路に明らかな物理的変化があるので何かあるんじゃないかと。
 ちなみに、電磁誘導などの理屈がありそうだとしても、計算値や測定値で音質への影響を証明しない限り「~だからである」などと言い切るのはマズイと思っています(ACケーブルに限ったハナシではありませんが)。

・ラスト数メートルの世界
 「長い宅内配線の末の数メートルを変えても~」とよく言われます。
 これは「“壁の中”と“壁とAV機器の間”の環境の違いは無視できる」という前提の説と言えますよね。実際どうなんでしょう?
 壁の中や天井裏には電気製品はまずありません。別のケーブルが併走することもあまりないでしょう。
 一方、壁コンからラックまでの間にはACやスピーカなど複数のケーブルがのたくっています。そしてそのすぐ先には多くのAV機器が存在します。
 個人的には、この差は無視しきれないのではと感じています。もちろん客観的なハナシではありませんけれど。

 ただし、壁の中の柱で併走したり照明器具直近を走ったりするケースもあり得ますから、干渉要素が全くないとは言い切れません。100V電源自体の“質”も様々でしょう。
 ですので、ACケーブルでの変化は、あるとしても「電源の質や宅内配線状況に影響され、一般論にはなり得ない」のではないかと思っています。

・それはシールド(アース)ではないか
 ラスト数メートルの空間においてACケーブルに何らかの影響力があるとしても、確かに「抵抗値」「表皮効果」「撚り方による振動」などの線材に依存するような特性値によるものとはあまり思えません。
 あるとすると「ノイズを出す・受ける特性」ではないかと感じています。もちろん個人的には、ですが。

 とするなら、ケーブルの「シールド有無・処理の違い」が音質差になる可能性はあるかも知れません。
 ていうか、シールド以前にそもそも「アース線の有無」という違いもあります。

 そして、アース線が有るケーブルでは、それが「結線してある場合」と「結線しておらず浮いてる場合」があります。2pinプラグ品は明らかに浮きですね。3pinの場合は、モールド一体型のプラグやコネクタでは未接続はまず無いでしょうけれど、アクセサリメーカのモジュール型プラグ・コンセントを使った製品では実際にありました。それって「アース線は浮かせる」のが製品仕様ということです。
 「機器インレット側でのアース接地」を前提とするのは仕様としてヘンですから、プラグ側を結線していない製品はコネクタ側も結線してはいないでしょう(保証はできませんが)。

 ということで、プラグ側が2pinか3pinかでケーブル事情は違うワケです。以下に書き出してみます(インレット側コネクタは3pin限定で)。

 ・2pin:シールド無:本件に無関係
 ・2pin:シールド有:どこにも落とせない(*1)
 ・3pin:シールド無:本件に無関係
 ・3pin:シールド有:アース兼用
 ・3pin:シールド有:プラグ側オープン:コネクタ側オープン(*1)
 ・3pin:シールド有:プラグ側ショート:コネクタ側ショート(*2)
 ・3pin:シールド有:プラグ側ショート:コネクタ側オープン
 ・3pin:シールド有:プラグ側オープン:コネクタ側ショート(*3)

*1:シールドは浮いていることになる
*2:アース線アリだとアースラインが複数あることになる
*3:上述の通りたぶん存在しない

 さらに、上記可能性をケーブル断面で図示してみます。
 赤がHOT、黒がCOLD、緑がアース、白が浮き、点線は「シールドなし」です。
 アース線とシールドの「プラグ内・インレット側コネクタ内での結線状態違い」については、キリがないので無視します。

ACケーブル構造

 結構バリエーションありますよね。以下、ERIで所有している完成品ケーブルの実例です。

 ・S/A LAB製HIGH END HOSE PROFESSIONAL
    アースピンなし アース線なし シールドあり(浮き)
 ・S/A LAB製HIGH END HOSE 3.5
    アースピンあり アース線あり(浮き) シールドあり(浮き)
 ・AET製HIN AC EVD
    アースピンあり アース線=ドレイン線あり シールドあり
 ・AudioTechnica製AT-PC600
    アースピンなし アース線なし シールドなし
 ・AudioTechnica製AT-PC1000
    アースピンなし アース線なし シールドなし
 ・AudioTechnica製AT-PC1500
    アースピンあり アース線あり シールドなし

        AT-PC1500は販売終了

 こういった構造違いに頓着せず使うと、システムのアースや浮き導体が知らず知らず好ましくない状態になっちゃうかも知れません。アースとGNDがショートしている機器があるとGND状態にも影響しますね。

 また、浮いてないアース線やシールドがある場合、コンセントでアースピンが接地するか否かでも状態は変化することになります。例えば、
 「3pinインレットだけどアースピンがない機器」を
 「アース線を有するACケーブル」で
 「アース穴があっても接地していないコンセント」に
繋ぐと、ACケーブル内のアース線が“浮き”導体として存在する状態になります。
 2個口のコンセント内ではアース穴どうしはショートしていますから、同壁コンに同様のケーブルをもう1本挿した場合は、壁コンを介して“ACに隣接した”数mの浮き導体がシステム背面に出現します。あまり好ましくない気がします。

 実際、ORB製プラグ・コネクタによる自作の際、同じプラグ・コネクタでも「アース線なし/シールドなし」ケーブルと「アース線あり(ピン結線)/シールドあり(浮き)」ケーブルで音質変化を感じたことがあります。
 コンセントは3pinですがアース接地していませんでしたので、後者はアース線もシールドも浮いてたことになります。うろ覚えですが、前者が「もっさり」後者は「キンキン」だったような(どっちもダメで不採用)。
 後者のようなケーブルで、アースやシールドを繋いだりハズしたりして音質差を確認してみるのもアリかも知れませんね。

 「3pin→2pin変換アダプタ使うと音が変わる」という話もあると思いますが、アダプタ自体のせいではなくシステム内のアースやシールドの状態が変わるからかも知れません。


■ACケーブルを測る

 このような「ケーブル構造」と「コンセントのアース状態」「それらによるシールドやアース導体の状態」は結構影響ある気がしてきました。
 ある程度認識はありましたし、個人的原則的な価値観では「浮き導体があるといいことない」のですが、アース・グランド・ノイズ関連の考え方や実践は非常に難しいと思っており、聴感に任せてたんですよね…

・誘導・被誘導を見る
 意図的に浮かせている商品については、「浮きでもシールド効果がある」と考えるか「浮き導体はノイズの受発信アンテナになる」と考えるかによって価値判断は大きく違ってきますよね。メーカは当然「効果あり」という立場でしょうけれど。
 ということで、ちょっとでも「シールド有無」「浮きシールド」の影響に関する知見を得たいと思い、何か情報をとる方法はないか試行錯誤した結果、以下のような実験してみました。

 「AC100Vが誘導するか・AC100Vに誘導されるか」です。

ACケーブル誘導


 割とオモシロイ数字になったのではないかと(笑)。

 ただし、周波数でシールド効果は変わりますし、接地抵抗数ohmのアースでもありませんし、キチンと治具で固定したりもしていませんし、外来の影響もあり得ますし、フツーのテスタで測っただけですし、などなどあくまでも「とある適当な実験の結果」に過ぎません(本来“実験”や“測定”と呼ぶべきものでもないですがご了承ください)。もちろん、数値に絶対的意味はありませんし、そもそも音質に影響あるか否かも全く解りません。
 が、この結果から「個人的にはこう思うことにする」というACケーブルリングチューンの“めやす”を考えました。

・線材太さ・構造材厚さ
 同じ構造・同じ線材だが太さやシース厚みが違うと推定されるPC600とPC1000を比較。
 誘導・被誘導ともPC1000の方がやや優秀なことから、太く厚い方が有利なのではないか。

・アース線有無
 アース線有無が大きな違いと推定されるPC1000とPC1500を比較。
 PC1500の方が優秀なことから、アース線だけでもシールドに準じた効果があるのではないか(もちろん接地した状態なら)。

・アース線接地処理
 AT-PC1500の「浮き」「接地」を比較。
 アース線を有するケーブルはそれを接地すると誘導・被誘導低減に効果があるのではないか。

・シールド接地処理
 HIN AC EVDの「浮き」「接地」を比較。
 シールドを有するケーブルはそれを接地すると誘導・被誘導低減に絶大な効果を発揮するが、接地しないと逆に悪影響が絶大となるのではないか。
 これは誤差レベルではないのでは。やっぱり「浮き導体」あっちゃダメなんじゃないかと。

・シールド効果
 アース線やシールドを有するケーブルでは、それらがフェライトコアのようなノイズ減衰効果を持つ可能性もあるのではないか。

・ケーブル長
 HIN AC EVDの1.2mと1.8mを比較。
 アース線やシールドにノイズ低減効果があるとすると、長い方(物量が多い方)が効果があるのではないか。

・2芯でもシールドを有するケーブル(本実験には直接関係ないが)
 アースの概念がないのだから、シールドは何処にも落ちておらず浮き導体にするのが仕様ということ(3芯でも2pinプラグだったりアースピンに配線していない場合は同じ)。流石にCOLDでシールドってのはないハズ(2pinプラグはどっちがCOLDになるか規定できないので)。
 当該ケーブルは「浮き導体を許容する。それによる変化は音質調整に意味あり」と判断する場合に使用すべきではないか。


 繰り返しますが、上記を客観的事実だと思っているワケではありません。闇雲にとっかひっかえしても組み合わせ多すぎてキリがありませんから、「何か理由を付けて良かれと思って試して良好だったらそれで納得する」ためのものです。


■RCAケーブルのシールド

 ACケーブルだけでなく、インタコやスピーカケーブルやDC電源ケーブルなどのアナログケーブルにも「シールド」が有るものと無いものがあります。これらについても実態を知っておく必要があるでしょう。

 シールドが有ってもACのアースのような“専用の落とし先”はありませんから、先はGNDしかありません。
 落とし方としては4通り考えられます。

 ・両端に落とす・・・シールドをGND線に兼用する場合もあり得る?
 ・両端とも落とさない・・・浮いてることになる
 ・上流端(例えばプレーヤ側)だけ落とす・・・方向性になる
 ・下流端(例えばアンプ側)だけ落とす・・・方向性になる

 「上流下流どちらかでしか落とさない」場合は方向性になるワケですが、銅箔やアルミ箔などを巻いたシールドの場合、「重ねて巻いている」とこれも方向性になります(ラケットやバットのグリップテープのイメージ)。
 つまり、分子結晶など持ち出さなくても、「シールドの施し方」の点で物理的仕様としての違いとそれによる“方向性”は存在し得ることになります。実際に方向性指定要因がそれであることを多数確認したワケではありませんが、これが音質差になるのかも知れません(ならないかも知れません)。「科学的に方向性(による音質変化)などあり得ない」という場合、このような「構造違いによるGND接続状態の違い」も科学的検証する必要があるでしょう。

 以下、RCAケーブルの実例です。独立シールドあり品については、近くにACケーブルを併走させた時の被誘導がどう変化するかも参考程度にみています。

・AET製HIN LINE QUAD:方向性指定アリ
 シールドなし。

・AudioQuest製CORAL:方向性指定アリ
 独立シールドあり。プラグ内を確認すると、下流はシールドのドレインワイヤを半円筒形のプラグGNDパーツとショート(ハンダ付け),GNDはもう一方のGND半円筒パーツとショート(ハンダ付け)。半円筒パーツどうしはショートしていないが、プラグシェルのネジ止めを介して導通する。上流はGNDのみ半円筒パーツに接続されている。
 つまり独立シールドを下流のみでGNDに落としてる。どんな理屈でどんな効果があるのかは不明なれど、確かに方向性はあると言える。
 実際、CORALは方向性で違和感感じたことがあった。

・AudioQuest製CopperHead:方向性指定アリ
 シールド=ドレインワイヤ=GND。プラグ内を確認すると、上流はシールドとドレインワイヤをプラグGNDとショート(ハンダ付け),下流はシールドのみショート。
 ドレインワイヤのみ処理を変えるとどんな理屈でどんな効果があるのかは不明なれど、確かに方向性はあると言える。

・AudioQuest製Panther:方向性指定アリ
 シールドあり。プラグ内でどうなっているかは未確認だが、DBSの電極接続は片端なのでそれが方向性とは言える。
 DBSのON/OFFでACケーブルからの誘導は特に変化なかったのでDBS機能にシールド効果はなさそう。
 DBSプラグのプラス側(プラグのTop側)をアース接地すると非常に高いシールド効果が出る。マイナス側はやや効果? くらい。
 DBS+(Anode)はシールドではなく真ん中のワイヤらしいが…?

・AudioQuest製Sub-1(スーパーウーファ用):方向性指定ナシ
 独立シールドあり(両端に外だしドレイン線アリ)。ドレイン線をアース接地するとAC誘導はかなり減少する。

・AudioTechnica製AT6A48/0.7:方向性指定アリ
 パッケージに構造図解あり。独立シールドありで、それをGNDに落としてる方が上流で落としていない方が下流との説明あり。
 確かに方向性はあると言える。

 いずれにしてもシールド=GNDなので上流下流の違いが音質差になる理屈と効果はとっても難しいですが、とりあえず指定通りに使うのがよいでしょう。逆に使うのもひとつの“チューニング手法”になるかも知れませんが。


■USBケーブルのシールド

 シールド事情はデジタルケーブルにもあります。ここではUSBケーブルについて見てみます。

・AcousitcRevive製USB-1.0SPS
 Vbus用Aとデータ用AとBプラグのシールドはすべてショート。
 データ用AとBの間でVbus5VとGNDは繋がっていない。データ線はもちろん繋がってる。
 Vbus用AとBの間でデータ線はもちろん繋がっていない。Vbus5VとGNDは繋がってる。
 シールドとVbusGNDはオープン。

・WIREWORLD製SilverStarLight USB2.0
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはショート。

・WIREWORLD製UltraViolet5-2 USB2.0
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはオープン。

・PC用:バッファローコクヨ製AU2SF07BK
 シールドはAとBでもちろんショート。シールドとVbusGNDはオープン。

 SilverStarLightは、シールドとVbusGNDがショートしてるのがUSBケーブルとしては特徴的(規格外?)ですね。
 USB-1.0SPSは、データ用ケーブルにはVbusGNDも通してないんですね。

 線材がどうかという以前に構造違いがあるワケです。
 特にSilverStarLightの「シールドとVbusGNDがショート」というのは影響ありそうな気がします。「DNA Helix Design」という構造ですが、図を見ると、どうもVbusGNDは独立した線材になっておらずシールドが兼任していると思われます。

http://www.wireworldcable.com/hi-res-digital-audio-cables.html

    


■電線病の処方箋

 改めて調べてみると、導体の結晶構造とか以前にケーブルの物理的構造として結構違いありますねぇ。

 今回、上記で考えた“めやす”などを前提にアースとGNDの接続に着目してUD-503のチューニングしたのですが、結構変化あったと思います。一時ツジツマが合わなくなるようなこともありましたが、結果的には「そういうこともあるのかな」というカンジになりました。

 電線病は治療が難しい病だと思いますが、考えたことと結果が結構合致したことで症状が軽くなった気がします。
 真実じゃなくてもいいんです。“そう思える”ことが大事。これがホントのプラシーボ(笑)。

 また症状がぶり返しそうになったら次のようなことを思い出して癒そうと思っています。
 と言っても、もちろん万人に効くワケではなく“個人専用処方薬”ですけれど(笑)。

・浮いてる
 シールドやアース線を浮かせている商品がありますが、測定結果から効果アリと判断して商品化してるのかなぁ?
 浮かすことによって音質変化するのは「味付けのひとつ」ってことですかね? そういう説明みたことないですけれど.…

・壊れる
 ケーブルメーカの製品って結構壊れやすいんですよね。「工業製品としてどうなの?」と思ってしまいます。
 以下経験したことを列記します。

 ・AudioQuest製Panther:RCA:新品:数年使用後
   DBSを固定するゴムバンドが切れた(4本中1本)
 ・AudioQuest製CopperHead:RCA:新品:数年使用後
   GND側が断線。LR2本とも
 ・AudioQuest製DiamondBack:RCA:新品:数年使用後
   プラス側断線。1本
 ・AudioQuest製Rockfeller:SP:現品処分
   バイワイヤのHighとLow、長さが入れ替わっていた(故障ではなく製造不良)
 ・WireWorld製EQUINOXⅢ+:SP:中古:購入直後
   一カ所Yラグのカシメが緩んでいた
 ・AET製HIN LINE QUAD:RCA:アウトレット
   ケーブル固定イモネジが斜めに入っていた。GND線固定イモネジがなかった
 ・AET製HIN AC EVD:AC:新品:4年使用後
   インレット側コネクタとメッシュを固定する熱収縮チューブが緩んでガバガバ
 ・S/A LAB製HIGH END HOSE 3.5:AC:在庫処分:数年使用後
   プラグ側HOTのスリーブカシメが緩んだ
 ・AcousticRevive製USB-1.0SPS:USB:新品:5ヶ月使用後
   ケーブル固定イモネジがゆるゆる…て言うか設計的に無理があるのでは?
 ・SAEC製SH-1010:HDMI:新品:数年使用後
   断線

 ただし、AudioQuestが特に壊れやすいという意味ではありません。高級品はほとんどクエしか買ったことないってだけです。

・教えない
 ケーブルメーカの高価な商品は「電線の材質や太さ」「構造」「メッキ種類」あたりがアピールされますが、プラグやコネクタ内でシールドがどうなっているかは明示されていない場合が多い気がします。RCAケーブルのシールドは上流下流どちらで(どちらでも)GNDに落としてるのかなど。影響はメッキなどよりはるかに大きいのではと思うのですけれど。
 その点、上記AudioTechnicaの例は好感が持てますね。

・消える
 ケーブルとかタップとかのメーカって、販売終了商品のwebページ消しちゃうことが多いように思えるんですけれど。
 家電もワリと消えるような気がしますが、こういう商品って家電と違って仕様が記載された取説が付いてるケースは少ないのでスペックがワカラナクなっちゃうんですよね。
 「過去の口上書きを消したいの?」とか疑っちゃいますよ~?


■ちなみに

 もしかすると、「プラグ・コネクタやケーブルのメカ的違いによるオーディオ機器の振動変化」って要素もあるかも知れませんが、アースやシールドの違いに比して影響は小さいと仮定し、本稿では無視しています。

 また、「メッキ種類やシース材質の違いによる影響」についても、アースやシールド違いや太さなどの線材違いによる影響に比して無視できると仮定しています(その他が全く同じだった場合は違いが出るかも知れませんが)。


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BDZ-EW1200はじめました。

16/06/04草稿
16/10/15初稿

 本稿、実は6月ごろの内容です。Windows10記事などを優先してたら遅くなっちゃいました。


■BDレコーダ買い換え

 07年暮れからがんばってくれてたSONY製BDレコーダ、BDZ-V9がビミョ~におかしくなってきました。

・予約録画してない?
・光デジタル音声は出てるのにHDMIに出画しない
・放送にブロックノイズが出る(録画再生時にも音声が途切れる)
・ずっと「LOAD」表示のままになってディスクの出し入れができない(ディスクが入ってても入ってなくても発生)
・フロントカバーを閉めても開いてしまう
・リモコンに反応しない?

 すべて“~ことがある”という発生頻度なのでやっかいです。

 そこで久しぶりにSONY製BDレコーダどうなってるのかみてみると、5月に新型Z系にモデルチェンジされていて、プラットフォーム刷新らしくいろいろ変わっているようでした。差分を調べたみたところ私にとってはどう見てもZよりEの方がいい。
 V9が不調になったのと歩調を合わせたように旧型E系の購入ラストチャンスが来たということで、5年ぶりに新顔導入となりました。V9と入れ替えてAT700と併用します。

 1TBのBDZ-EW1200にしました。
 絶賛量産中だったら500GBのEW520でもよかったのですが、在庫処分状態における選択肢のC/Pから。外付けHDDでいくらでも容量増やせるとは言え、できれば内蔵HDDで完結させた方が手間かかりませんし。
 「観て消す」と決めたコンテンツ録画は極力EW1200に任せてAT700の負荷を減らそうと思っています。




■ZじゃなくてEにしたワケ

・ソフトウェア
 E系に限っても3世代目ですから充分こなれてるでしょう。一方Z系は新プラットフォームらしいのでこなれるにはまだ暫くかかるのではと。

・光デジタル出力
 Z系では出力はHDMIしかなくなったとのこと。
 光デジタル音声出力がなくなったので、「映像はHDMIでテレビへ/音声は光デジタルでAVアンプへ」接続しているERI的には致命的です。
 これが“駆け込み購入”最大の動機です。

・XMB
 Z系ではXMB廃止とのこと。
 実はXMB好きなんですよね。“理に適ってる”カンジがして使いやすいです。PCのフォルダ構造や右クリック操作に似てるからでしょうか。
 XMBが不得手なのは録画番組の一覧性や検索性だけではないかと思いますが、これまでそれが不便だと思ったことはあまりないので。
 併用するAT700ともUI統一しておきたいですしね。

・レビュー記事

・ET2200記事
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20141210_679551.html

・ZT2000記事
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20160413_752916.html


■XMB

 いろいろ便利になってると思います。さすがXMB完成形ってところ?

・操作感はあっけないほどにAT系と同じ。もちろん「機能の在処」など変わってるところもありますが。4年間ほぼ進化してないのはいいのか悪いのか…
 そもそもV系ともほぼ同じですけれど。

・背景はAT系の黒系から青系に。色の雰囲気はV系に似てます。

・XMBの動作はAT系とほぼ同じか微妙に速くなった? いずれにしてもストレスはないですね。V系のヌルヌルには全く敵いませんけれど。

・選択して1秒くらいすると番組タイトル(放送でも録画でも)が自動的にスクロールして全部表示するのはすごく便利。「これこれ!」ってカンジです。

・観てないコンテンツには「NEW」マークが付きますが再生すると当然消えます。が、確認のために冒頭再生しただけ、といった場合はNEWのままにしたいなと思っていました。
 本機ではNEWに戻すことができるようになっています。メールを未読に戻すようなイメージですね。「これこれ!」ってカンジです。

・ダビング10で9回コピーできると言っても、保存用BDに焼いたら消すのが普通ですから「ムーブ」できれば消す手間が省けていいですよね(貴重なコンテンツはBDから再生できることを確認してから消しますけれど)。本機では焼くとき「ダビング10でのコピー」か「ムーブ」か選べるようになっています。「これこれ!」ってカンジです。


■USB-HDD

 背面USBは外付けHDD専用です。延長ケーブルで前からアクセスできるようにしておきました。
 Z系はUSB3.0になりストリーム同時2本保証できるようになったようで、USB-HDD関連の制約が減ったみたいですね。まあ、基本的に使うとしたら内蔵HDD容量が危なくなった時の避難用などとしてでしょうから、制約があってもあまり問題ないです。

 内蔵-外付け間で双方にダビング・ムーブできます。BD-REディスクと同じ扱いで書き出しはダビング10ですが書き戻しはムーブです。

 登録したHDDのファイルシステムはWindowsからは見えず初期化されてないHDD扱いになります。「コンピューターの管理」から領域確保してフォーマットすれば使えるようになりました。
 USB2.0ですが、供給電流値はコネクタ下部印字に800mAとありますので2.5inch系なら充分賄えるでしょう。なら内蔵デバイスと同じ感覚で使えてベストです。

 たいへん有益な機能ですので、PC自作で余ったHDDの有効活用など、純正じゃなくても使えるかどうか気になりますよね。

・USB-HDD:とっても古い場合
 ということで、「余ってる状態」として、まずとっても古い場合どうなるか見てみました。玄人志向のUSB-PATA変換ケースGW2.5AI-U2に古い30GBの2.5inch-HDDの組み合わせです。
 本体は「低消費待機」設定にて。自動電源OFFは設定していません。USB-HDDへの録画予約はしていません。

 スタンバイにしてもHDDは回ったままでしたが、70分くらいしたら停止しました。本体起動したら回転始めました。
 起動したまま放置していたら停止してましたが、XMB上のアイコンが消えるといったことはなく、USB-HDD上のコンテンツを選択して再生もできます。プレイ押したら回転始めました。
 スタンバイ状態で停止しているのを確認して就寝、朝見たら回ってて、夜に見たら回ってたことがありました(昼間にどうなってたかは不明です)。

 HDDケースのI/F部やHDD自体に省電力のためにスピンオフする機能はないハズですから、レコーダ側がそのように操作しているのだと思います。どういうルール・トリガなのかはよく解りませんが。
 なお、どんな状態でもHDDアクセスランプは点灯したままですので通電は続けているようです。電流値の変動有無は測ってませんけれど。

 流石に古いのは謎な動きするようです。古すぎ?(笑)。
 PATAだと(古いと)HDDに対するコマンドが誤解されたり通じないで返答がなかったりして、スタンバイに入る時にUSB5V切っていい判断できず入れっぱなしになったり途中で回転したり止まったりするのかも知れません。

・USB-HDD:一応新しい場合
 では、もうちょっとイマドキのHDDシステムではどうでしょう? 玄人志向のUSB-SATA変換ケースGW2.5AI-SU2にWD製2.5inch、WD5000BEVT(500GB,非AFT)でやってみました。

 GPTのNTFSフォーマット状態で接続してみましたが、問題なく登録できて使えるようになりました。
 未登録状態や登録直後は本体の起動・スタンバイに連動してUSB電源がON/OFF(変換アダプタのアクセスランプがON/OFF)していました。このランプはHDD接続してなくてもUSB5V入れば点灯しますので、消灯していれば5Vは切れてると判断していいでしょう。消灯中は回転もしていませんし。
 しかし、本体を暫く使った後(当該HDDは登録状態でコンテンツもコピーしたが使った間にはアクセスしていない)はスタンバイにしてもすぐにはUSB5V切れませんでした。20分後くらいに切れたのを確認したことはありますが、どんなルールなのか定かではありません。
 また、スタンバイして切れた後、何もしていないのにON~OFFしていたこともありました。内蔵HDDも録画中でなくても回転してることありますから、同じような扱いになるってことですかね。
 
 起動中は電源切れないっぽい&回転停止しないっぽいです。何もせず6時間以上放置でそのままでしたので。

 USB-SATA変換部分はそのままでTOSHIBA製MK6459GSXP(640GB,AF)に付け替えてみましたが、別HDDとして認識され「使える」と診断されました。


■AACS

 F/Wバージョン28.3.016にて。

・なんとV18でした。AT700はV16ですから、4年でふたつしか進めてなかったんですね。意外。

・P-MKBを書きません。

・V16のディスク、再生しただけならAACSはV16のまま。書き込み(ダビング)すると当然V18に。

・タイトルすべて削除するとMKB_RW.infも削除。

・フォーマットするとフォルダ構造は構築されるがMKB_RW.infはなし。そのディスクにV16のBDZ-V9で書き込みするとV16。

 などなど、挙動はAT700と同じみたいです(BD-RE→HDDへのムーブ、HDD→BD-REへの書き込みで確認)。


■本体

・シール
 前面には「型番」「1TB」「2番組同時録画」「外付けHDD」「WiFi」と記されたシールが貼ってありました。ダークな色じゃないので目立ちます。微妙に斜めってるし(苦笑)。
 店頭サンプル向けなんですかね? コストダウンになるんだから貼らなきゃいいのに。剥がしました。

・筐体素材
 前面はプラですが天板・側面は板金です。AT700との比較で言えばそんなにチープなカンジではありません。ていうか、SONYの普及機はずっとこんなレベルだったと思います。V系だけは高級AV機器の風格ありましたけれど(特にV9)。新型Z系はプラになったみたいですね。
 前身機はいろんなところが斜めになってましたが本機はほぼ真四角で、“デザイン”はありません。AV機器はヘンテコな形よりその方が好みです。

・ファン
 やっぱりファン付きですが、吸気口は右側面のAT系と異なり底面でした。
 AT系よりゴム足の高さがあるのはそのためかと思われます。

・スイッチ
 電源SWとトレイ開閉SWが「上面」ってのはイカガナモノカ(Z系では前に戻りました)。
 フタを開ければ前面からも押せなくはないですけれど(笑)。まあ、電源ON/OFFもトレイ開閉もリモコンで出来ますし。V系ではリセットは電源SW長押しですが、本機は別途SWありますし。
 スタックする使い方を想定してないってことですよね。奥行き短いので最上段にすることが多いかもしれませんけれど。
 あ、もしかすると、後述するWi-Fiアンテナの周辺空間が結果的に確保されるように、敢えてスタックしにくくしてるのかも知れません。
 今のところ、さらに奥行き短いBDプレーヤBDP-S470を上に置いてます。スイッチの後まで下げてちょうどいいカンジです。見た目はやや変ですけど。

 本体の再生/停止などのボタンも無くなっています。まあ、どうせ使わないですけど…

・液晶ウィンドウ(カウンタ)
 ありません。前身機と後継機にはありますけど(笑)。
 一見すごく不便そうに見えますけれど、実際どうでしょう?
 ウチでカウンタをいつ見ていたか、具体的に思い出してみると

・BDへのダビング(ムーブ)時、テレビは消しておくのでいつ終わったか判別するため「HDDBD」表示しておく

・再生開始し番組冒頭に向けてチャプター飛ばしたけれど行き過ぎてないかアヤシイ時に、再生時間カウンタでアタリを付ける

くらいですかね。
 原則、コンテンツ視聴中はテレビ画面見てるワケですからそこに情報出せるワケです。また、必ず液晶表示がハッキリ見えるほど近くに設置しているとも限らないでしょう。ですので、本体表示は無くてもあまり問題ないハズです。例えば再生時間カウンタは当然再生中なので「画面表示」すれば確認できます。まあ、ボタン押す手間は増えますけれど。
 と考えると、液晶ウィンドウが有意なのは「視聴していない時に必要な情報表示」だけと言っていいでしょう。録画中かなどは別途インジケータがありますので、ウチとしては上記の「ダビング(ムーブ)進捗具合」だけです。それも、書き込み中はディスクランプが点灯するので代替えできます(ディスクマウントしただけでは点灯しませんので)。“進捗度”は判りませんけれど。
 時計代わりに使ってもいませんしね。

 ということでほぼ実害はないと思うのですが、「いかにも安っぽく見える」「なんとなく不便そう」だからでしょうか、新型Z系では復活したみたいですね。まあ、あるに越したことはないです。


■もろもろ

・生産地
 箱や本体定格銘板に「Made in Malaysia」とあります。

・発売日
 14年11月みたいですね。1年半現役だったと。
 ちなみにAT700は10年10月発売のようです。ウチでは11年6月購入。V9は07年12月購入です。

http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201410/14-1029/
https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201008/10-0826/

・ソフトウェアバージョン
 購入時28.1.012でした。
 04/26付けでバージョンアップされ、28.3.016になってました。「アクトビラ サービスの仕様変更への対応」だそうな。

・B-CASカード
 NHK-BSの登録があるのでV9で使ってたのを差し替えて付属カードはそのまま保管。どんどん貯まってく。もう別売にした方がいいんでない? まあ、どうせどっかの規定で「付属必須」になってる気がしますけれど(苦笑)。

・リモコン
 なんだか変わったデザインですね。Z系では先祖返りしたようですので不評だったのでしょう。
 どうせ付属リモコンは使うつもりなかったので気にしませんでした。
 じゃあリモコンどうしているかと言うと、SONY製学習リモコンRM-PLZ430DにBD1,2,3を割り当てて1台で3台を操作できるようにしています。歴代BDZ付属リモコンとニアリーなレイアウトですので違和感なく使えます(そもそも学習リモコンですが)。

 この学習リモコンには「プログラムマクロ」ボタンが4個あるので、そこにAVアンプの音声切り替えとTV映像切り替えをセットで登録し、ボタン一発で目的のデッキが使えるようにしています。
 もちろんボリュームボタンはAVアンプ信号に変更。学習させなくても設定で「ボリュームはAVアンプモードの信号に入れ替える」ことができるという、よく考えられた仕様になってます。
 また、もともと登録されているBDZ用信号も、いくつかは利便性向上のため割り当てられていたボタンではなく別ボタンに学習させています。例えば「削除」は「リンクメニュー」ボタンに割り当て、要らないコンテンツは親指の移動だけで消せるようにしました。

 このリモコンすっごく便利です。売り文句通り赤外線範囲も広いですし。使い始めた時は感動しちゃいました。



・リモコンコード
 BD4,5,6が増えてて驚きました。
 残念ながら上記RM-PLZ430Dは対応してませんけど。
 ちなみに、当然ながらBD1,2,3コードは共通ですので、V9用リモコンRMT-B002Jなどでも問題なく操作できます。

・画質設定
 「プラズマ」が無くなっちゃいました(苦笑)。自発光ということで有機ELにしとくのがいいかなぁ?

・Wi-Fi
 11bg/nだけでなく11a/nにも対応してます。AVストリームを扱うのですから5GHz対応はGJですね。
 有線とは排他とのこと。
 外部アンテナありませんけど、どこに内蔵してるんでしょう? お、だからフロント部が大きくプラなのかな?

・ルームリンク
 著作権保護のかかったコンテンツ(デジタル放送のライブ映像やその録画)はDTCP-IP対応クライアントじゃないと再生できません。ので、WindowsMediaPlayerなどでは一覧は見えるのですが再生はできません。PCやスマホで視聴したい場合は有料ソフト必須みたいですね。
 おそらく敢えて説明していないのだと思いますが、解りにくいですねぇ。

https://www.sony.jp/support/dlna/server/bdz-ew1200.html


 半年ほど使ってますが問題ありません。安定してると思います。ほとんどディスクは操作していませんが。
 1TBは余裕感じますね。


■ディスク容量

 本項15/01/11初稿。AACS記事から移動しました。

 思うところあって初めてBD-R購入しました。BD-RとBD-REって容量同じなんでしょうか?
 Panasonic日本製BD-R(上)とSONY多賀城製BD-RE(下)、まずはまっさらの新品ブランクディスク。
 Power2Go V6にて。

BD-Rブランク:P2G
BD-REブランク:P2G

 続いてAT700 2号機でフォーマット直後。

BD-R:P2G
BD-RE:P2G

 Windows8.1update1のエクスプローラで見ると…

BD-R:AT701
BD-RE:AT701

 BD-Rにフォーマットで作られたフォルダは見えますので、UDF2.6は書けないけれど読めはするんですね。
 V9でフォーマットしたBD-REもエクスプローラでは同じ容量でした。BD-Rもたぶん機種依存性はないのではないかと。

 BD-Rはマルチトラックになるんですね。知らなかった… レコーダにおける管理上の理由(ライトワンスの容量管理?)らしいですが、エクスプローラから見える容量が異なってるのはそのためでしょうか。機種やメーカによって管理方法が異なるなら容量も統一されてないかも知れませんね。

 ディスク総容量はおそらく同じっぽい気がしますが、マルチトラックになる分だけBD-Rの方がやや小さくなるのかも知れません。

 ちなみにPanasonic製BD-RにもP-MKBは無いようです。

 16/05/07追記:ちなみにBD-RE DL(Verbatim製)のフォーマット状態(コンテンツなし)です。

BD-RE DL:P2G

 容量は1層の23097.8MBに対し46195.8MBと表示されました。2倍ちょっと、ですね。


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Windows10の「記憶域」を試す

16/09/11初稿

 Windows10インストール記事に記していましたが、これだけインストール関連じゃないのでやっぱり分離しました。


■Windows10の「記憶域」を調べる

 メインマシンとして使っているZ68マシン、データドライブは「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」でRAID1にしています。
 でも、システムをRAIDに入れてるワケじゃないのでBIOSレベルでRAID組む必要はありません。また、Windows10化する際にUEFIブートにしちゃったこともあり、そろそろレガシィROMは起動したくないんですよね。
 しかし、信頼性があって使い勝手がよくて障害発生時に明確に通知してくれるソリューションが見当たらなくて。

 代替え候補としてはOS標準装備の「記憶域(Storage Space)」機能があり、その「双方向ミラー」がRAID1に相当します。
 Win10化に伴い、改めて評価してみたいと思います。

・通知方法を考える
 実はWin8時代にちょっと試したのですが、SATAケーブル抜いたりすると、アクションセンターにメッセージは出ますがポップアップなどはしなかったため、障害発生を見逃しちゃう心配があったので見送った経緯があります。
 Win10でも、1台切断するとアクションセンターにメッセージが来ますがやっぱり原則一度だけの模様。警告はせめて起動するたびに出して欲しいです。

 改めて何かいい手はないか考えたところ、「コントロールパネル」の「記憶域」を見ればプール状態は一目瞭然ですから、それを起動時に自動表示しちゃえば見逃す心配はないのではと。
 単純に「記憶域」のショートカットをスタートアップフォルダに登録するだけです。毎回起動時に「×」しなくちゃなりませんが、Intel-RAIDツールも毎回アクションセンターにメッセージ送ってくるので(念のため)見に行く手間ありましたからおんなじじゃないかと。

・挙動を確認する
 やや強引ですが障害通知問題は解決できそうです。ということで、採用に向けて“前向きに”、理解を深めるため改めていろいろ試してみました。Win10では機能性能強化されてるらしいですし。
 以下、記憶域はすべて2台による「双方向ミラー」です。ほとんどNTFSですが一部ReFSもあり。GUI操作しかしない前提で。Z68はずっとRAIDモードです。


・「設定の変更」をアクティブにしないといじれない。

・まずはディスクをプールメンバにする。メンバにする時点でデータは消える。
 なのでデータを保持したまま双方向ミラー化はできない。
 プールメンバディスクで記憶域を作成する。ひとつのプール(グループ)の中には複数の記憶域を作ることができる。
 以下「プールの中の記憶域は双方向ミラーひとつだけ」の場合を記す。

・メンバになっただけのディスクは≪ディスクの管理≫からは見えない。記憶域を作ればそれは見える。

・ディスクを切り離したい場合はプールメンバから削除するのだが、記憶域を削除(解除)しないとそれはできない。記憶域を削除するとデータ消える。
 つまりデータを保持したまま普通のディスクに戻すことはできない。
 当然だが記憶域を削除してもプールは削除されない。記憶域がない状態のプールなら1台づつメンバディスクを削除できる。
 プール自体を削除するとメンバディスクすべてが一気に解放される。

・削除した(解放された)ディスクは普通のディスクに戻る。ただし元MBRだったディスクもGPTになって戻ってくる。

・双方向ミラー化した後はかなり自由自在。作成したZ68からMarvellやSiliconImageにつなぎ替えてみたが認識した。組み合わせても可。ていうか変換アダプタでUSBにつなぎ替えても大丈夫(HotPlugでも)。ただし認識しない変換アダプタもあった。

・普通にUSBやSATAケーブルを抜いて切断したくらいなら、繋ぎ直せば自動で修復する。
 RAID1と同じく切断している間もアクセス可能。繋ぎ直したら生きてた方のディスク内容に自動的に同期する。

・万一ひとつが「警告 プールから分離;ドライブをリセットしてください」「警告 アクセス不可;ドライブを再接続してください」といった状態になったら、リセットすることで生きてるディスク内容で修復される。
 ちなみに修復中に切断したら「警告 プールから分離;ドライブをリセットしてください」になった。

・2台とも別のWin10PCに移植すると、何も設定しなくてもそのPCで双方向ミラーになる。元PCに戻しても問題なし。
 つまり、万一PC本体に障害発生しても、他のPCでデータ読めそう。
 SATAでもUSBでも大丈夫っぽいが、「SATAで繋いでたディスクを移動先ではUSBで(それもHotPlugで)」といったことはしない方がよさそう。極力SATAで運用すべし。
 なお、別PCに1台だけ繋いでもやはり双方向ミラーと認識され、警告になるが2台目も型番などが表示される。
 つまり、普通に1台外れた状態になる(ディスク上に記憶域構成の管理情報持ってるということ)。

・修復時間は書いてあるファイル容量には関係なさそう。プール容量に依存?

・16/08/20追記:Win10システムSSDだけ別PCのものに入れ替えて立ち上げたら認識した。そのSSDにWin10をクリーンインストールしても認識した。

・17/03/30追記:GIGABYTE製GA-Z68X-UD3H-B3からASUS製Z170 PRO GAMINGに“M/Bだけ”入れ替えたらWindows10もそのまま動作し、記憶域も同じドライブで認識した。

・17/05/20追記:GAMINGにクリーンインストールしたCreatorsUpdateにそのまま接続してもそのまま動作した。ただし、アップデートを促す表示が出る。新機能が追加されたらしく、以前のWindowsでは認識できなくなるとのこと。やってみたが一瞬で終わった。

 以上より、2台とも一番無難なIntelチップセットに繋いでヘンに弄らずおとなしく使っていれば、

・1台壊れても2台めを巻き込むことはまずなく、データ救助が難しくなることもない
・PCが壊れても他のPCで読める=M/B交換したりOS再インストールした時も引き続き読める

と言えそうですので、冗長ストレージとしてIntel-RAID1の代替えにできそうです。
 データを保持したまま双方向ミラー化したり解除したりは出来ませんが、個人的には特にデメリットには感じていません。もし1台故障した場合は新品2台で新たな双方向ミラードライブを作成すると思いますので。

・速度を測る
 Crucial製BX200(480GB)を2台使う予定です。
 が、Z68にはSATA3ポートが2個しかなく1ポートはシステムSSDに使っているので、SATA2接続することになります。
 そのデメリットはどれほどか、何か異常な性能値はないかなどを確認しておきたいのでベンチとってみます。

    F/W:MU02にて

・普通に(SATA2)
BX200ベンチ:シングル:Z68sata2

・双方向ミラー(SATA2)
BX200ベンチ:ミラーNTFS:Z68sata2

 お、双方向ミラーにするとI/F速度を超えちゃう?
 以下の通り、東芝SSDへのコピーでも400MB/s超えますので実際速いような(キャッシュされてないハズの起動直後。東芝SSDのシーケンシャルWrite性能でサチっていると推定)。

BX200ベンチ:ミラーReFS:Z68sata2:Cへコピー

 SATA2でもあまり実使用上は問題なさそうです。が、SATA3でドライブしたくなったとも言えます(笑)。
 ということで、SATA3につなぎ替えてベンチ(システムSSDはSATA2に)。

・普通に(SATA3)
BX200ベンチ:シングル:Z68sata3

・双方向ミラー(SATA3)
BX200ベンチ:ミラーNTFS:Z68sata3

 はや(爆)。分散読み出ししてるからですよね。
 登場当時(Win8)のレビューでは「単体より遅くなる」とあるようですが、かなりブラッシュアップしたってことでしょうか。
 あぁ、遂にZ68のSATA3が足りない日=Z68では物足りない日が来てしまった(笑)。
 BX200、最新プラットフォームだともっと速いみたいだし(*)。DMI帯域が広くなったからかな?

*:http://www.gdm.or.jp/review/2016/0110/147155/4

 なお、上記はNTFSでの結果ですが、ReFSでも有意差はなさそうです。


 実は「記憶域」って面白いカモ。


 3ヶ月ほど常用していますが問題ありません。

 17/07/01追記:今日PC立ち上げたら「OneDriveはNTFSじゃないとダメだからフォーマットしなおすか別のNTFSドライブに変更せよ」というポップアップが出た。ずっとReFSで使えてたのに。


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