リッピング・ゴースト

16/07/16初稿

 やっぱり気になるリッピング(笑)。もう考え尽くしたと思っていたのですが、BDR-S09J導入をきっかけにまたぶり返しちゃいました。

 本稿、ファイルはすべてオプション付いてないプレーンWAV、排他WASAPIまたはASIO再生、余計なエフェクトや変換はない前提です。
 また、リッピング結果の「エラー」とは、特記なきはC2エラー=補間発生のこととしています。


■経緯

 リッピングと音質に関してはかなり昔からいろいろ考えています。もしやり方が違うと音質違っちゃうなら、やり直しなんて大変ですから本格的にファイルオーディオ始める時に考えたんですね。
 その経緯を簡単にまとめると次のようになります。

・CDのエラー訂正とは何かを理解しておく
・C2エラー発生はPCやリッパーや振動などで変化しない

 ということで、エラー量はリッピング環境を変えても(ドライブの光学性能差は除く)フツウは変化しないと考えています。ていうか健常なディスクではほとんど発生しないようですから、万一発生した場合にそれを認識できる仕組みがあればいいと判断しました。

 さらに、

・WAVフォーマットを(とってもシンプルであることを)理解しておく
・ドライブにはオフセットがあり、それが違うことでリッピング位置が変わり、それでWAVファイル中のtrackデータ位置が変わり、前後の「ゼロサンプル」状態が変わる
・ヘッダフッタにオプションを付けるリッパーがあるので、リッパーを変えると再生動作が変わる可能性がある

 ということを考えました。
 リッピング環境が変わると曲間分割位置が変わる可能性があるので「ゼロサンプル」状態が変化します。が、その違いは音質に影響していないと判断しました(ちなみに、ゼロサンプルと呼称していますが曲間に相当するデータであってゼロとは限らず、一般的には“ゼロ近傍”です)。
 一方、ヘッダフッタが変われば(プレーヤによっては)再生動作が変化しますから、それによる音質変化は否定できません。なので余計なヘッダフッタは付けないことを原則にしています。

 そして、念押しにネット上で見かける「バイナリ違いが発生していなくてもリッピングの仕方で音質が変わる(もちろん再生環境は同一(*)でも)」ことがあるのか、“ビット品質”という概念で考えてみました。同じ0や1にも音質差がある、という考え方です。
 しかし、PCMデータをCD-DAとして焼いたCD-R/RWをエラーなしリッピングすれば元のPCMデータそのものが得られます。ドライブの電源を良質にすると抽出できる量が増えるような情報は“もともとどこにも無い”と思っているので、私はその考え方ではありません。

*:同一ストレージでも記録場所までは同時に一致させられませんので、普通これだけは違いとなりますが。

 ちなみに、「楽曲ファイルはコピーによって音質変化しない」とも考えており、本件はそれが前提となっています。

・リッピングソフトを変えると“ビット品質”が変わって音質が変わるのか

 理屈も思いつきませんでしたし、念のため試聴しても変わって聴こえませんでした。

 ということで、PureReadのパーフェクトモードで補間発生だけモニタしつつiTunesでリッピングしています。

 ところで、上記ビット品質記事に「やっぱり気になるので、リッパーだけでなくハードウェアも含めて差をつけても変わらないか」を追記していたのですが、本来は「リッピングソフトでの違い」がお題目の記事なのでちょっと違和感はありました。
 今回、ハードウェア条件違いのサンプルを追加して再試聴してみましたので、ハード違いに関してはこちらに記載し直すことにしました。
 ということで、以下「■フツウの試聴テスト」項は、13/11/02追記としてリッパー比較記事に初出のものです。大変勝手ながら、以下はその比較記事に続けて読んでいただいた方が解りやすいかと思います。

 さて、リッピングの仕方を変えてファイル生成すると、楽曲部のバイナリも再生環境も完全一致しているのに音質が違うことはあるのでしょうか?


■フツウの試聴テスト

・光学ドライブのエラーなく(補間発生なく)読める性能とビット品質は無関係
 ちなみに、光学ドライブにもし「音質のよいビット品質でストレージに記録できる性能」差が存在するとしても、「補間発生少なく読める性能」と関係あるとは言えないでしょう。例えば、低消費電力なスリムポータブルの方が低ノイズなので「ビット品質」にはいいかも知れませんよね。ダメージディスクでもない限り、普通の補間はパラパラとランダムに発生するだけで「全体的な音質差」にはなりえませんし(局所的な音質差としても聴き取れませんけど)。
 ということは前提として。

・異なる環境でバイナリ一致のファイルを作る
 一応、「電気的にノイジーだったりソフトが忙しく動いてる方が不利」じゃないかと仮定して進めます。
 以下、それに基づき、前者が無理矢理作った悪条件、後者が好条件です。それなりに工夫(笑)してかなり差を付けたつもりですので、“サイテー”と“サイコー”ではないにしても何か違いは出るだろうと。

 ・CPU:3.4GHz  ⇒  BIOSで1.6GHzに固定(スレッド数は8のまま)
 ・HDD:システムSSD+RAID1 HDD2機+2TBのデータHDD2機  ⇒  データ用HDDを取り外し
 ・光学ドライブ:内蔵BDドライブ2機+外付けFX48  ⇒  BDR-S05Jのみ
 ・光学ドライブI/F:PATA→USB変換→USBハブ経由で接続  ⇒  チップセットのSATA直結 
 ・リッパー:iTunes11.0.5.5(エラー訂正あり)  ⇒  dBpoweramp R14.4(BurstMode タグ書き込みなし)
 ・CPU負荷:TMPGEnc4.0Xpressによるmpeg2→mpeg4エンコードでほぼ100%負荷  ⇒  リッピングのみ
 ・ドライブ負荷:2機のBDドライブからRAID1 HDDにファイルコピー  ⇒  リップ以外何もできず
 ・アース:部屋のアース端子からアース線を抜く  ⇒  接続

 リッピング対象はリッパー左右比較と同じCDのtrack01です。本当は外周の方が倍速上がるので悪環境になるのですが、CDによって“最外周”って異なりますから、とりあえず最内周にしました。

 iTunesを「エラー訂正なし」にしているのは、2度読みさせて負荷をかけるためです。

 dBpowerampは逆に「BurstMode」で負荷を減らしています(C2エラー発生はないtrackなのでBurstModeで問題ないハズ)。
 また、デフォルトではなく「Disable Tag Writing」に設定しているのは、「極力余計なことしない好条件」を作るためです。

 FX48はリッピング光学性能が低そうなのでセレクト。上述の通りビット品質との関連があると思ってるワケではありませんがこれくらいしかパラメータがないので(苦笑)。電源はPCと同じタップから供給(もちろんACアダプタ)。机の引き出しの上にグラグラするように設置。

 BDR-S05Jは…まあ一応メインドライブなので。ただしPureReadはOff。FX48と同じ理由で、逆に負荷を下げるためです。対象trackはPureRead使わなくても補間エラーは発生しませんので問題ないでしょう。
 が、BDR-S05JはdBpowerampで倍速設定が「Maxかx40」しか選べません。ので、純正ユーティリティで「常時静音モード」にしました。こうするとtrack01は4倍速で読みます(dBpoweramp表示にて)。FX48は約9倍くらいでした(iTunes表示にて)。2度読みした結果なので物理的な速度は18倍くらいだと思います。
 PCの外に出し、コーリアンボードで上下をサンドイッチ(ベゼル部のみ若干上下に大きいのではみ出し)。その上に鉛の円柱を置きました。

 ちなみに、好条件=低速にしたのは、セキュアリッパーやPureReadがリトライリードする際には「シフトダウン」するからです。エラーなく読もうとする時には速度を下げてるんですから、その方がビット品質にも“好条件”かなと。イメージ的には低速の方が電気的ノイズもメカ的ノイズも少なそうですし(空気抵抗がある以上、あんまり高速回転だと振動なんかも不利でしょう)。

 リッピング結果はもちろんWaveCompare一致。楽曲部のバイナリは同じということです。ファイルコンペアでは不一致でした(ドライブもリッパーも異なるのでオフセットズレは仕方ないでしょう)。
 リッピング先はUSB2.0接続の外付け2.5inch-HDDです。別名のフォルダにファイル生成。フォルダ階層は同じです。

・試聴
 リッピングするPCと再生するPCを兼用している場合は、リッピング環境を変えたら再生環境も変わってしまいますが、今回は上記HDDをリッピングしたPCから“再生専用PC”に移動し外付けしてそのファイルを直接再生しています。
 つまり再生環境は全く同一(HDD上のファイル位置は違うけど。仕方なし)、さらにストレージ間コピーはしてない“生”ファイルってことですね。

 さあ、いよいよ試聴です。どきどき。

 まずはPlayPcmWinにて。

 …やっぱり違い判りません。

 メモリ全展開型だと判りにくいのかも知れませんので、気を取り直してuLilithにて。

 …やっぱり判りません。

 ということで、本編での結論を覆す結果にはなりませんでした。


■バイナリ一致サンプル追加

 さて、ここからは再び本稿での新しい記載となります。

 上記の「ハード違い」による差分はZ68システムの設定によって作り出したものでした。ですが、PC自体にもっと差を付けた方がよかったかも知れません。
 そこで、「ノートPCによる完全バッテリ駆動(*)でのリッピング」のファイル追加してみようと思い立ちました。
 再生システムも当時よりかなり進化してると思いますし(以下再生システム参照)。

*:ただし、ノートPCのバッテリ駆動は音質に良いと判断しているワケではありません。バッテリと言ってもPC内部で必要な複数電圧をすべて化学変化による発電で賄ってるワケでもないので。「デスクトップのATX電源との対比として」という意味です。

 上記2サンプル「とりあえずサイコー」「とりあえずサイテー」もHDD(比較試聴したHDDではありませんが)に保存してありますので、それらとの比較を行います。もちろん物理的に同じCDで。

・リッピング環境
 バッテリ駆動しますので、ドライブはスリムドライブをUSB2.0で外付けします(スリムが好条件なのかについては上述の通り)。
 その他、ERI手持ち機材で可能な限り“ビット品質によさそうな”対策してみました。どんなもんでしょう?

 ・PC:ThinkPad X220 Windows10Pro 64bit バッテリ駆動(LCD輝度最低) 常駐系アプリインストールなし
    しまった、メモリはシングルアクセスに戻せばよかった…デュアルでやっちゃいました
 ・PC状態:BIOS(UEFI)でLANを始め内蔵カメラなど切れるものは全てdisable
       CPUはシングルコアに設定、THもdisable。シングルスレッドであることをタスクマネージャで確認
 ・ドライブ:スリムDVD-ROM NEC製PC-VP-BU47(ドライブ本体はTEAC製DV-28S-Y)
       コーリアンボードで上下を挟み鉛円柱を載せて制振
 ・USBケーブル:Stereo誌付録のUSBフィルタボード:エミライ製ES-OT4経由でアコリバ製USB-1.0SPS
          電源側はモバイルバッテリSONY製CP-F10LSAVPに接続
          eneloop4本直列直結では駆動できませんでした
 ・リッパー:≪dBpoweramp R16.0 Trial≫ BurstMode(リッピング時に負荷をかけない) 
       AccurateRip Off(オフセット補正しない) Disable Tag Writingチェック(余計なヘッダフッタを付けない)
       ドライブ速度x4に設定(リップ時x4と表示されていた)
 ・リッピング先:X220の内蔵SSD(CFD製CSSD-S6T128NHG5Q:ベンダはTOSHIBA) GPTのUEFIブート設定
          パーティション分割したDドライブ NTFS

 リッピング後、X220からSSDを取り出してZ68メインPCにUSB2.0接続、今回リッピングしたフォルダに3年前の「とりあえずサイコー」と「とりあえずサイテー」ファイルをコピーしてみっつのサンプルを揃えました。中身以外にファイル名とSSD上の記録場所が異なるワケですが、どうしようもないので無視します。リッパーや光学ドライブで制御できることでもありませんし。
 このストレージを再生PCに接続してそのまま再生します。
 今回の「スペシャルベスト」はコピーなしの第一世代となります。それもUSB接続などではなく、SATA3でノートPC基板に直接接続されたストレージです。純度高いですよね?
 対する過去の2ファイルはコピーであることに加え、変換を入れることでさらに不利にするため敢えてUSB接続にしてみたものです。

・みっつのサンプル
 これで3種のサンプルが揃いました。

 ・とりあえずサイテー:Z68フル稼働+グラグラFX48+iTunes
 ・とりあえずサイコー:Z68最低限稼働+制振BDR-S05J+dBpoweramp
 ・スペシャルベスト:X220シングルスレッド+制振スリムドライブ+dBpoweramp+フルバッテリ駆動

 三すくみで≪WaveCompare 1.32≫した結果を提示しておきます。音質を確認するワケではないのでコピーしたファイルを使用。

BDR VS FX48

X220 VS FX48

BDR VS X220

 ファイルの仕様を明示しておきます。

・ゼロサンプル数(曲間サンプル)と楽曲部バイナリ:ドライブ違い=オフセット違いのため先頭ゼロサンプル数がすべて異なりますが楽曲部バイナリは一致です。

・補間有無:3サンプルとも、PureReadパーフェクトモードでのリップデータと≪WaveCompare≫で一致するので補間は発生していません。

・サンプル数:すべて同じ12,491,472サンプルになっています。

・ファイルサイズ:プロパティで見るとすべて49,965,932Byteで一致します。

・ヘッダ:バイナリエディタで全く同じであることを確認しました。容量はオプションもなく一番ベーシックな44Byteです。

・オプションフッタ:ファイルサイズが同じでヘッダが同じでサンプル数も同じということは、フッタはないということです。
 実際、バイナリエディタでファイルの末尾を見てもほぼ無音レベルのデータが並んでいるだけです。
 ちなみに、「12,491,472サンプル×4バイト+ヘッダ44バイト=ファイルサイズ49,965,932バイト」です。フッタ(オプションメタデータなど)が存在する余地はありません。

・再生環境
 その時点での環境は使用機材履歴に記録していますが、今回はここに明記しておきます。

 ・PC:X79システム 再生専用
 ・PC電源:CSE製TX-200(アイソレーショントランス) アース接続
 ・PC電源ケーブル:AET製HIN AC EVD
 ・TX-200電源ケーブル:同上
 ・プレーヤソフト:≪foobar2000 1.3.8≫ PortableMode
           Resampler-V(SoX)で32倍アップサンプリング後DSD256変換(FP64 TypeD)再生
 ・ファイル在処:X220ストレージをX79のチップセットSATA2にミヨシ製SATA-272(20cm)で接続
          電源はシステムSSDの枝分かれ
 ・DAC:TEAC製UD-503 DSD256モードになっています DSDデジタルフィルタは150kHz設定
 ・DAC電源:CSE製RG-50(クリーン電源レギュレータ)
 ・DAC電源ケーブル:同上
 ・USBケーブル:アコリバ製USB-1.0SPS
 ・ヘッドホン:UD-503のアクティブGND駆動にて、SONY製MDR-Z7とSENNHEISER製HD700

 リンク先に記した通りアップサンプリングやDSD変換はPCでやらない場合はDACチップで実施されますので、「余計な変換」とは考えていません。

・試聴
 オフセットが異なっているので前後の曲間サンプル数が異なっていますが、楽曲部バイナリは一致です。オプショナルなヘッダフッタもないので再生時の動作が異なることはありえません。
 ファイル自体はそういうものですが、それを生成したリッピング環境“だけ”はかなり違うと思います。
 猛烈に念のためですが、猛烈に特殊な運用でない限りファイル生成してから再生するまでにストレージ電源は切れることがある前提です。

 リッピング時にフラッシュメモリセルに宿り、無通電でも存在し続け、再生時にはバッファやレジスタを幾重にも伝播していく、0/1を超越する音質差要因「GHOST IN THE CELL」は存在するのでしょうか…

 …ふたつのヘッドホンでブラインドで3サンプルをランダムに聴きましたが、違いは感じませんでした。
 少なくとも「こりゃヤバイ」とは思いませんでしたので何よりです(笑)。

 もちろん、個人的主観的判断なのは言うまでもありません。冒頭に記した通り「変わると思ってない」って“プラシーボ”効果もあるかも知れませんしね(苦笑)。


■仮想ドライブ幻想

 「ドライブ直ではなく、一旦イメージとして読んだファイルで作る仮想ドライブからリッピングした方がよい」という説もありますよね。
 しかし、音楽CDは音楽CDとしてしか読めないと理解しているので、ウチではリッピングに採用していません。

 が、今回「ビット品質のスペシャルベスト環境」として導入するかどうか判断するため、それなりに調べてみました。

・仮想ドライブからのリッピングとは何か
 始めに。そもそも音楽CD(CD-DA)はCD-ROMではありません(CD-ROM規格は音楽CD規格を利用して作られたもの)。データディスクではありませんから、いわゆるISO化はできません。
 ですので、音楽CDをイメージ化できるソフトウェアがあっても、それはISOイメージ生成ではないハズです。ここはCD-ROMやDVD以降(映像メディアだがファイルシステムに則ったデータディスク)と決定的に異なる点です。

 それを踏まえた上で、以下プロセスを踏んでリッピングしてみました。音質比較するワケではないのでフツウにZ68メインマシンにて。

 ・イメージ化:≪ImgBurn 2.5.8.0≫で「BIN+CUE」化 (ISO化は選択できない)
 ・仮想ドライブ化:≪DAEMON Tools Lite 10.4≫
 ・リッパー:≪iTunes12.4.1.6 x64≫ エラー訂正なし
 ・イメージ化に使ったドライブ:BDR-S05J マスターモード
 ・CD:PureRead対決で使った傷ありCD
 ・リッピング対象:S05Jのパーフェクトモードで停止するtrack10

 結果、10個のエラーがあるファイルができました。
 続いて、PureRead3+をテストした時に使った3回のS05Jマスターモード結果のうちのひとつとの比較を示します。

S05Jm 補間 imgbrn比較

 比較対象のエラー数は9でした。上図の通り相違は1サンプルしかありませんから、10個のうちの9個まで補間結果も共通だということでしょう。
 このことから、仮想ドライブリップはフツウに“マスターモードでの直接リップ4回目”に見えます。

 なお、イメージ化する際、S05Jはシフトダウンしてリトライやってました。
 そもそも、上述の通り音楽CDは音楽CDとしてしか読めないハズです。

 やはり、音楽CDのイメージ化とはリッピングのことではないでしょうか(そもそもCUEファイルとセットだし…)。

・BINとWAVの違いとは何か
 でも、できあがるファイルは「.bin」ですよね。そこで、表題の比較してみます。
 同じタイトルですが買い直した傷なしディスク(こちらは補間発生はありません)からBINとWAVを生成します。傷ありと同じタイトルである意味はありませんが、流れとして(笑)。

 ・BIN・・・≪ImgBurn≫で「BIN+CUE」化
 ・WAV・・・≪EAC V1.1 from 23.June 2015≫で全トラックをひとつのWAVにリッピングした「WAV+CUE」化
       ≪ImgBurn≫と合わせるためオフセットズレ補正なし。フッタなしを確認

 プロパティで「サイズ」を見ると、BINが477,056,160Byte、WAVが477,056,204Byte。その差44ByteはバッチリWAVファイルのヘッダバイト数です。
 そこで、WAVファイルのヘッダをバイナリエディタでカットしてファイルコンペアしてみると、ファイル内容一致。
 逆に、BINファイルの先頭にWAVファイルのヘッダを追加し、拡張子を.wavにし、CUEファイル冒頭の対象ファイル記述を対応させると、そのCUEファイルで曲ごとに分割表示されて再生できちゃいます。

 つまり、≪ImgBurn≫でイメージ化されたBINファイルはWAVファイルの音声データ部そのもの、ということです。そしてそれは、「音楽CDのイメージ化とはリッピングに他ならない」ことを示しているとみていいでしょう。
 ちなみに、IMGで吸い上げてもBINとファイルコンペア一致の全く同じものができます。CUEファイルも冒頭以外は同じ。

 中身が同じになるのですから、仮想ドライブからのリッピングとは「わざわざファイルを仮想ドライブ化してリッピングという形式にしてるけど、ファイルコピーするのとほぼ同義」ということです。

 イメージ化は実はリッピングだとすると、エラーはその時点で補間済みですから、得られたファイルを仮想ドライブ化してリップするとエラーしようがありません。ノーエラーで「補間済み」のデータが読み出されることになります。
 つまり、イメージファイルからリッピングするとエラーがなくなりますがエラー訂正が強力になったからではありません。「イメージ化する際に補間済みなだけ」ということです。

 ということで、エラー発生低減方法としては意味がないと判断しました。
 そして、ビット品質(それがあるならですが)的にも「コピー世代を重ねるだけなので逆に不利」と考えて採用しませんでした。


 なお、少なくとも≪ImgBurn≫によると上記の通りですが、ISO化できない以上他ソフトでも同じだろうと考えています。


■さてどうする?

・変わるという体験談をどうとらえるか
 ということで、ERI的にはいくら考えてみても試してみても「楽曲部バイナリが同じなら差はない(余計なヘッダフッタがないのは前提)」という結論になっちゃうのですが、世の中には変わるという体験談も結構ありますよね。

 それら主観評価は全くもって個人の自由の領域ですけれど、もし参考にする場合は

・ファイルのヘッダフッタも同じか。でないと、プレーヤソフトの動作が変わる可能性があるので
・それはバイナリレベルで確認されているか
・最低でも、楽曲部バイナリは一致か(≪WaveCompare≫で一致か)
・FLACとWAVEで比較したりしていないか(可逆でも。ファイルバイナリ違っちゃいますけど)
エンファシスCDを対応非対応のリッパーソフトで比較していないか(音声バイナリが違っちゃいますけど)
・本当に再生環境は同一か
*リッピング環境と完全分離していない場合、リッピング条件を変えたら再生環境も変わったことになる


といった客観的条件がどうなっているか考慮した方がよいと思っています。

 やや余談になりますが、補間って普通はパラパラ離散的に発生するので楽曲全体への“ヴェールの枚数”的音質差にはならないハズ(大量に連続的に発生すると局所的なノイズになるかマウント不可になる)なので、実は、補間有無的には「楽曲部バイナリ一致」は客観的条件にしなくていいと思っているのですが、話がヤヤコシクなるので敢えて挙げています。
 シャレにならないくらいまんべんなく大量に発生してたらヴェールの枚数的音質差になるかも知れませんが…
 ていうか、こういう試聴する時にそんなディスク使っちゃダメっす(苦笑)。

・「プロ」の発言をどうとらえるか
 コピー劣化について考えた時にも記しましたが、「音楽制作のエンジニア=必ずデジタル信号処理やコンピュータシステムについても詳しい」とは限らないのではないかと思えますので、発言者のスキルや発言の正確な意味や“意図(目的)”など、よく吟味した方がよいと考えています。
 特に「そういうことにしておいた方が儲かる」立場の方の場合は、“営業トーク”の可能性も考えた方がよいでしょう。

 加えて、マスタークロックを使う目的は録音・編集と再生では異なるであろう点など、「プロ製作現場の事情とコンスーマ再生事情は異なる」ことも念頭に置くべきでしょう。
 ちなみに、プロ用ツール(ソフト・ハード)が高価なのは「数売れないから」「高信頼性や長期安定供給が求められるのでメンテナンスコストがかかるから」といった理由が大きいと思っています。特にソフトは「ビット品質的に高音質だから」じゃないでしょう。

・リッピング速度
 「ビット品質に関するハードウェア条件としてはドライブの読み取り倍速性能がかなり支配的なのだ」という説もあるかも知れません。
 だとすると、普通のリッピング動作はCAVでしょうから同じCDでも内周と外周で読み取り速度が異なり「1曲目は音がいいのだが15曲目は悪い」なんてことが起こっていることになります。内周と外周で同じ曲が入っていることはないので気付かないのかも知れませんが、CD-Rでそういうディスクを作って確認してみることはできそうですね(記録時の速度とかいろいろめんどくさそうですが)。
 あ、カラオケがオマケについてるCDだと、もしかして「同一CDの別track」に同じ音声データ入ってるかも知れませんね。前奏部分とか。

 この影響があるとすると、「低速CLV読み取り」が可能なドライブ&それを設定可能なリッパーの組み合わせで使うしかありません。もちろんリッピング前にスピンアップ完了しないなんてもってのほかです(笑)。ドライブとリッパーの選定自由度がすごく狭まりそうです。実際に組み合わせてみないと判んないでしょうし(例えばS05Jは選びでありませんでしたがiHES208は結構選べるみたいです)。

・CD状態
 リッピング条件で音質変わるとすると、同じCDでもプレス(*)状態によっても読み出し波形が変わってリップファイルの音質変わりそうです。
 「初回プレスが一番いい」とか「いや、数回後の方がスタンパがエージング(爆)されてきて良くなる」とか、いろんな説がありそうです。ドライブ制振するより影響デカイ気がしますが、ユーザにはどうしようもないですよね。

*:http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0707/25/news001.html

 もっと遡ると、マスタリングスタジオがデータ入稿に使っている「生ディスクのブランド」「焼きドライブ」などによっても、スタンパの状態が変わってプレスされたCDの音質は激変しそうです。
 いわんやディスク入稿とネット入稿をや。

・配信ファイル
 リッピング条件違いによる「ビット品質差」があるとすると、配信ファイルのダウンロード条件違いでもそれは発生しそうですよね。DL時、ネットワーク機器も制振した方がビット品質は良くなるのでしょうか? 落とすソフトもブラウザと専用ダウンローダでは違うとか。
 もしかしてインターネット接続環境にも依存? ADSLより光ファイバの方がいいとか、光でもギガより100Mの方がいいとか、NTTよりKDDIの方がいいとか、DLは真夜中に限るとか?
 配信サイトのサーバにも依存?


 …やっぱり考えないことにしようっと(笑)。


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PureRead3+を調べてPureReadを再評価する

16/07/02初稿

 個人的にですが、ここのところ光学ドライブ(特に5インチ版)の先行き不安がじわじわ膨らんできてました。
 そしてあるとき「PureReadドライブを追加確保しておかないと無くなっちゃうかも」という強迫観念に耐えきれなくなり(笑)、久々に新型ドライブ買っちゃいました。
 Pioneer製BDR-S09J(新品)です。

    残念ながらカラーバリエーションはピアノブラックだけに

   BDR-209JBKも出てますが、PureReadは「第2世代」の模様

 目的のPureRead機能は世代が上がって「PureRead3+」になっています。
 PureRead2になったS05J買った時は「PureRead VS PureRead2」やりました。もう6年ほども前になるんですねぇ。
 PureReadドライブの意義は「C2エラー(補間)発生検出装置」と位置づけている(笑)とはいえ、リッピング性能は高いに越したことはないですから、また比較してみました。

 なお、リッピングとエラー訂正とソフトとハードについてはこちらの内容が前提です。
 また、本稿はリッピング環境が違うと音声バイナリが同じなのに音質が違うファイルになる説とは全く関係ありません。補間発生=バイナリ不一致に関してですのでアタリマエですが念のため。

 本稿で記すリッピング結果の「エラー」は、特記なきはC2エラー=補間発生の意味とします。


■PureRead2 VS PureRead3+

 PureRead2機種は変わらずBDR-S05J(1.12)です。S09JのF/Wは最新の1.34にUpdateしました。

 Z68メインマシンにSATA接続。リッピングソフトは≪iTunes12.4.1.6 x64≫にて。
 PureRead使う時はリッパーに余計なことさせない方がよいと考えていますので、エラー訂正なしに設定します。
 なお、このバージョンでも≪iTunes≫とPureRead3+の相性問題はないようです。純正の≪Power2Go8≫と同じ挙動示すようですので。ただし、PureRead3+を設定する≪Pioneer BD Drive Utility≫を立ち上げたままだと干渉するようです。

・パーフェクトモード対決
 まずは、先の「無印 VS 2」対決時にS05Jでも停止したtrack10が救えるかどうかで補間発生阻止性能差をみてみます。
 確認のためS05Jで久しぶりに同CDの3曲をリップしたところ、6年前に3回やって一致した結果と完全に一致しました(3曲中2曲は完走、track10のみ停止)。なので1回で確認終了。

 さて、期待のS09Jはどうでしょう?

 …なんと3曲とも途中停止しました。

 S05Jでも停止したtrack10では、できたファイルサイズはS05Jより小さいです。つまりS05Jでは突破できたダメージ箇所で停止してるってことですね。また、その位置もまちまちになっています(S05Jは毎回同じところで停止)。ある時はあるダメージを突破でき、ある時はできなかった、ということですね。

        正常   S05J  S09J(1)  S09J(2)  S09J(3)
track09  46742KB  正常  7259KB   7259KB   7259KB
track10  36682KB 21040KB 6294KB  10291KB  11531KB
track11  42631KB  正常   781KB    781KB   781KB

 なんとも期待ハズレな結果に。

・マスターモード対決
 しかし、しかしですよ、もしかしたらパーフェクトモードは「諦めがよくなっている」けれど、マスターモードや標準モードの性能は上がっているかも知れません。また、パーフェクトモードの仕様上「最初の補間発生」で停止位置は決まってしまいますから、単に「最初に遭遇する補間発生ダメージとの相性問題」かも知れません。
 そこで、補間発生しても全部読むマスターモードで補間発生具合を比較してみます。

 同じくtrack10にて。同タイトルの「傷なしディスクのtrack10=もちろんパーフェクトモードで停止しない=正常データ」と比較します。
 S05Jでは12倍速くらい(iTunesの表示)で読みました。
 結果、1回目は9サンプル、2回目も9、3回目は8サンプルの相違(正常データとの相違ですから、これが補間発生したエラーサンプルということです)。
 その中では、次の2サンプルについて補間結果(または補間せずに済んだ)が違ったようです。

          正常       S05J(1)    S05J(2)   S05J(3)
5388110:  -1618, -3268   -1535, -3268    正常     正常
6651621:   1986, -635      正常    1986, -685    正常

 なるほど、3回目のみ1サンプル分補間発生が少ないワケですね。

 S09Jでは4倍速くらいで読んでました。
 結果、1回目138、2回目104、3回目139サンプルの相違。S05Jより全然多い…
 相違の内容もそれぞれ90サンプル分くらい異なります。

S09J-M:track10

 S09Jの1回目の138エラーのうち、S05Jの3回で補間値に相違があったサンプルNo.5388110~6651621までを表示しています。


■結果

 以上より、“少なくともこのダメージディスクに関しては”、S05J(PureRead2)の方が、S09J(PureRead3)よりよさそうです。
 もちろん、ドライブの個体差かも知れませんし、ダメージとの相性かも知れません。そもそも1枚のCDでしかやってませんので、全く一般論にはなり得ません。

 ただ、今回は「DVDドライブとBDドライブという違い」や「バルクとリテールの違い」などはなく、一応「BDR-S0*J同士の世代間対決」ですので、「PureRead3+は明らかによくなってる」と思えない結果になったのは残念です。

 もしかして“エックス”だと違うんですかね?
 施されたいろんな施策が“リッピングの光学特性”改善になってるなら買いですけど… っていうか、やるだけやったって言う安心感で?(苦笑)



 でも、実はS06Jでもちょっとやってみたんですが、「S05J>S06J>S09J」だったんですよね。S06Jは私がずっと管理してたモノではないのでハード状態はなんとも言えないのですが。

 ちなみに、S05J、S06J、S09Jそれぞれの設定ユーティリティではそれぞのドライブしか見えませんでした。


 ということで、S05Jがいいのかウチのがたまたまアタリ個体(逆にS09Jがハズレ個体)だからなのかは判りませんが、手持ちのBDR-S05Jを大切にした方がよさそうです。
 PureRead特性が若干違うとしても、万一ダメージディスクに当たった時にそれを知らせる「C2エラー(補間)発生検出装置」としては充分利用可能なワケですから、

「普段はBDR-S09Jのパーフェクトモードでリッピングし、もし停止してしまった場合のリカバーにS05Jを投入」

という運用にしようかと思います。
 PureRead3+だと、ディスク入ってても設定できるし本体に設定保存できるので便利ですし。


■補間の実体

 本項16/07/18追記。PureReadとは直接関係ないような気もしますがPureRead機能あったればこそ確認できたことでもあるので、この稿に記すことにしました。

・補間値は平均値か
 C2エラーしたサンプルの補間値はその前後サンプルの平均値と言われています。
 ちょうど良さそうな気がしたので、S09Jマスターモード(1)の138個のエラーサンプル中、No.5388506(5238DAh),5388508(5238DCh),5388510(5238DEh)という“ひとつおきに3個”集中している部分につき、それを確認してみました。

 バイナリエディタでバイナリ値を覗きますので、≪WaveCompare≫もHEX表示にして該当部分を示します。左側が傷なしエラーなしディスクの正常値、右側が傷ありディスクでC2エラー発生により補間された値になります。

S09Jm 補間

 ≪WaveCompare≫では相違サンプルの前後(間)は表示されませんので、バイナリエディタ≪Bz≫で該当サンプル部分を確認。
 Intel形式ですのでバイト単位でひっくり返して読みます。
 以下画像ではサンプルNo.5388506(5238DAh)のLとRにあたる02FFhと08DFh部分をマークしています。

S09Jm 補間 バイナリ

 ≪WaveCompare≫と≪Bz≫で読んだ、「傷なしディスクの正しい値」と「傷ありディスクの補間された値」をサンプルごとに整理しました。
 ボールドがC2エラーして補間された値、()は正しい値です。

サンプルNo   L         R
 5238D9   009C       2429
 5238DA   02FF(015F)  08DF
 5238DB   0563       0CA6
 5238DC   0706(08BD)  094D(0BE3)
 5238DD   08AA       05F4
 5238DE   0590(060F)  009D(FEF3)
 5238DF   0276       FB47

 HEX値なので解りにくいとは思いますが、Windows付属のプログラマ電卓などで10進数に直したり計算したりできます。
 してみると、確かに補間値は前後のサンプルとの平均値になっているようですね。

 この例だけ、BDR-S09Jだけ、での結果ですので一般的かどうかまでは解りませんが、補間の実体が少しは解ったかなと思います。

・補間結果が一定でもセキュアに読めるのか
 さて、普通は平均値だとすると、正しく読めたサンプルに挟まれたエラーサンプルの補間値は何回読んでも同じになるハズです。
 とすると、セキュアリッパーの2度読みを考えた時に懸念しましたが、やっぱり「2度読んだ結果が同じになる=補間発生を認識できない」ことがあるのでは?

 試しに以下のリッピングしてみました。

 ・傷ありtrack10
 ・BDR-S05Jマスターモード
 ・≪EAC V1.1 from 23. June 2015≫ C2エラー情報は使わず(*)Secureリッピング

*:ていうかこの組み合わせだと使えません。影響を受ける余地がないということになるので実験には好都合ですが。

 このリッピングでは、これまでの結果から「連続ではない10個程度の“お決まりの”サンプルでC2エラーが発生する」と予測されます。そして、それらはドライブ内で平均値補間されてから≪EAC≫に認識されているハズです。そして、その補間値は2回読んでも同じになる可能性が高いということです。

 以下、ログです。

Exact Audio Copy V1.1 from 23. June 2015

EAC extraction logfile from 18. July 2016, 16:27

Unknown Artist / Unknown Title

Used drive : PIONEER BD-RW BDR-205 Adapter: 1 ID: 0

Read mode : Secure
Utilize accurate stream : Yes
Defeat audio cache : Yes
Make use of C2 pointers : No

Read offset correction : 0
Overread into Lead-In and Lead-Out : No
Fill up missing offset samples with silence : Yes
Delete leading and trailing silent blocks : No
Null samples used in CRC calculations : Yes
Used interface : Native Win32 interface for Win NT & 2000
Gap handling : Not detected, thus appended to previous track

Used output format : Internal WAV Routines
Sample format : 44.100 Hz; 16 Bit; Stereo


TOC of the extracted CD

*省略

Track 10

Filename F:\10 Track10.wav

Peak level 77.6 %
Extraction speed 1.3 X
Track quality 100.0 %
Copy CRC 15EA2D26
Copy OK

No errors occurred

End of status report


 「Track quality 100.0 %」「No errors occurred」とあります。確かにリッピング中「Error correctionゲージ」は一度も点灯していません。
 しかして、このファイルとエラーなしファイルとの≪WaveCompare≫結果は以下の通りです。

S05Jm 補間 EAC

 ノーエラーじゃありません。

 このデータのCRC値は正常データと異なりますから、データベース照合すれば補間発生を認識できます。が、逆に、データベース照合は必須で、リッピング結果だけでは認識できないとも言えます。
 セキュアリッパーのセキュア機能はCRC照合こそが本命で、2度読みによるエラー発見(とリトライ)は補助的機能ということですね。

 念のため、補間の有無でCRC値が異なることを当傷ありディスクのtrack09で確認しました。
 S05J標準モード(傷なしディスクと327相違あり)とS05Jパーフェクトモード(傷なしディスクと一致=補間なし)でリップした結果、CRC値は全く一致しませんでした
 なんで傷なしディスクと比較しないかというと、傷ありディスクと傷なしディスクでは「読み出し位置が101サンプル分ズレてる」ためです。上の≪WaveCompare≫を見ると比較開始点が異なってますよね。WAVに切り出された位置が異なるのでデータとしては異なるファイルとなり、≪WaveCompare≫一致でCRC不一致になります。
 「セキュアリッパーにとってはCRC値照合こそ本命」と記しましたが、タイトルがデータベースにないと話が始まりません。
 しかし、同じタイトルなのにサンプル位置が異なることがある=データベースにタイトルがあってもCRC値が一致しないことがあるということで、これってどう対応してるんですかね?
 もしかしてそういうタイトルとして区別する機能あるのでしょうか。それはそれでCRC値集めるってことでしょうか。
 ウチに2タイトルある“同タイトル2枚”では両方ともズレてましたけど…

 やっぱり補間有無はC2エラー情報で認識した方が確実っぽいです。

 ちなみに、いくつかのC2エラー発生ファイルを覗いてみると、補間は“ひとつおき”に発生しているっぽく見え、それもCIRCの機能なのではないかと思えます。が、リッピング性能の低いドライブ(TEACスリム)だとやっぱり連続補間も発生(補間値の算出に補間値が使われている)していましたので、「連続しないことが保証される」というレベルではないようです。


 CIRCがんばってる。PureReadやっぱり便利。


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Windows10:無償アップグレードいろいろインストール

16/06/12初稿

 X220へのインストールをきっかけにノリが出たので、手持ちPCでいろいろ調べてみました。それで判明したことを記しておきます(X220記事に追記していた内容を分離しました)。

 まずは「である」調にて。


■無償Windows10ライセンス実験

 すべてインストールUSBによる領域全解放または別ディスクへのクリーンインストール。
 インストール時にMSアカウントは使わず(Z68のみ個別事情あり)。
 アップグレードは「UG」、プロダクトキーは「PK」と略。
 Windows8Pro(UG版)はパッケージ版。Windows7HomePremium(UG版)は3ライセンス使えるファミリーパック(もちろんUG用ベースライセンスも保有)。以後“Premium”は省略することあり。
 パッケージはサービスパックなしの発売当初版、運用経緯に8.1update化やサービスパックは省略。
 「⇒」は上書きアップグレード、「→」はクリーンインストール。
 XP以外は64bit版。

・≪MediaCreationTool≫
 そのバージョンとそれで作成されるインストールメディアのOSバージョンは無関係。まあそうでしょう。
 16年5月下旬現在、「15/11/15版10.0.10586.0」でも「16/05/18版10.0.10586.117」でも、作成したインストールUSBからは「1511 10586.104」がインストールされ、暫くネットに繋いでおくと「1511 10586.318」になる。

 バージョン情報やBuildナンバは「通知>設定>システム」にある。System32の下にあるその名も≪winver.exe≫でも確認可能。

・インストールUSB
 Home/Proの別なく32/64bitの別のみ。4GBで足りる。
 FAT32。Win8のツールはNTFSだったのでUSBからはUEFIインストールできなかったが、今回は可能ということ。実際できた。Z68マシンで、UEFIブートに設定し、使っていたMBRディスクを領域全解放して再インストールしたら特に選択画面なくGPTディスクになっていた。
 2.2TB以上でなくても「物理パーティションは4個まで(*)」といった制約なくなるので、そろそろGPTインストール=UEFIブートもいいかも。逆に、MBRでインストールしたい場合は注意した方がいいかも。

*:4個目以降は4個目の物理パーティション内に作られる論理パーティションになるので物理パーティションは事実上3個まで。論理パーティションがあるとドライブレターの表示順とかで違和感が出ることあり。

・その個体で認証したことないプロダクトキー入れて進めるとどうなるか
 & ベースライセンスで認証したことがない機体にUG版のPKだとどうなるか

 対象=自作X79マシン:Windows8ライセンス→8.1⇒10Homeで運用中
 使用PK=Windows7HomePremium(UG版)ファミリーパック

 ファミリーパックはすでに3個体以上認証実績があるが(もちろん同時稼働は3個以下)、この機体で使ったことはない。UGのベースとなるライセンスでも認証したことはない。
 つまりライセンス移動になるので普通なら電話認証になるハズ。

 やってみたらエディションは聞かれずHomeが認証済みで入った。電話認証なかったが、ある程度時間経過すると移動なのに電話認証ないことはこれまでもあったので“時効”と判断しておく。
 いずれにしても、「UGライセンスじゃダメ」「UG元のライセンスで認証してないとダメ」といったことはない模様。フェアユースを信頼して、と推察。まあ、DOS+Win3.1→Win95→Win98→WinXP→Win7→Win8なんてUGライセンスによる利用を証明させるのは事実上無理だが。
 万一本当はダメだとすると、「元ライセンスを保有しているUGライセンスであることを確認してこない=UGライセンスでインストール(UG)されたOS上からのUGはしていいがクリーンインストールは許さない」という変な仕様ということになる。それは、対象OSのインストールがなくてもWindows10化できるようにしたコンセプトとも矛盾する。

 この時点でWin8ライセンスは未使用状態になっているハズ。

 Audio用なのでLANコントローラをDisableしたら、「Windowsを認証するために、インターネットに接続してください」となった。以下のZ68でもそうなる。Enableにすればネットに繋がなくても認証済みになる模様。

・XP→7→8とUGしてきた機体はどのアップグレードライセンスで認証されるか
 & アップグレード過程でHomeからProにエディション変わっている機体ではどうなるか

 対象=自作Z68マシン:WindowsXP Proライセンス→7Home(UG版)→8Pro(UG版)⇒8.1Pro⇒10Pro(強制UGされた)で運用中
 使用PK=Windows8Pro(UG版),Windows7HomePremium(UG版)ファミリーパック

 X79の次に実施。
 強制UG時はWin8.1上でMSアカウントにサインインして使用していた。実使用機なので、実験はローカルアカウントで行ったがProで落ち着いた後MSアカウントによるサインインに変更している。
 まず、ひとつ戻ってWin8Pro(UG版)のPK入れてインストール。エディション聞かれずProが認証済みで入った。
 次に、SSDだけ変更してWin7Home(UG版)のPKでインストール。エディション聞かれずHomeが認証済みに。
 Win10Proに認証されたSSDに戻しても認証されたままで問題なし。
 Win8Pro(UG版)のPKだとPro、Win7Home(UG版)のPKだとHomeになったということは、それぞれのPKで改めて認証されているということ。
 このことから、このケースではWin7Home(UG版)かWin8Pro(UG版)どちらかを温存できると言える。後者はXPやVistaのライセンスでWin10化するためのブリッジに使える(*)。
 さらに、これは、上記X79においてWin7で認証された時点でWin8ライセンスは未使用状態になった証左と理解できる。

*:Win8のアップグレードパス:https://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/jj203353.aspx

・UG対象OSが入ってるストレージを全解放してインストールするとプロダクトキーは必要か
 対象=自作E-350マシン:WindowsXP Homeライセンス→7Home(UG版)→8⇒8.1→Win10評価版
 使用PK=Windows8

 X79→Z68の次に実施。Win10評価版は入れていたが正式版はインストールしたことのない機体。
 まずはWin8PKでWin8.1updateをクリーンインストール。問題なく認証された。
 このことから、やはりX79で使っていたWin8ライセンスは未使用になっていたと理解できる。電話認証なかったが、これも時効によると理解しておく(1年以上ぶりに使うPK)。また、当然ではあるが、Win8として認証されたのだから「一度でもWin10化したライセンスは元OSとしての使用権を失効する」といったことはないとも言える。
 ちなみに、インストール作業メッセージの最後に「Windows10へのアップグレードをおすすめします」と出た。MSの必死さ凄い(苦笑)。
 次に、そのストレージを全解放、PK入れずにWin10をクリーンインストール。HomeかProか聞かれたのでダメかと思った(元ライセンスが何か覚えてないということなので)が、結局PK聞かれず選んだHomeで認証された。
 一度Win10化したマシンへの再インストールだけでなく、UG対象のOS領域を削除するクリーンインストールでもPK不要ということ。

 ちなみに、この後、別PKでWin10化したCeleron847システムの「プロダクトキーの変更」に当Win8PK入れたらネット認証された。これでWin8の権利は847での消費に変更され、つまりPKの移動はこの作業で行えると理解した。


■無償アップグレード権利の行方

・本当に移動できない特殊権利なのか
 一般的には、「無償アップグレード権はPK単体ではなくPK+特定ハードの組み合わせに対して発行されており、組み合わせるハードは電話でも変更できない」と言われていると思う。

 自作PCを使っているユーザーは注意が必要だ。自作PCでも、Windows 7/8.1ユーザーはもちろんWindows 10にアップグレードできる。しかし、大幅なパーツ変更を行うと、再アクティベーションを求められるケースがある。この場合、認証エラーが出ても電話でライセンス認証ができるとのこと。インターネット上では、「故障修理などで不可抗力の場合のみ、ライセンス認証できる」という情報が流れているが、パーツ交換でも対応に違いがなく電話認証が可能とのことだ。

 しかし、新しい自作PCを組み、OSを入れる場合、元のWindows 7/8.1のライセンスはもちろん有効だが、Windows 10にアップグレードすることはできないとのこと。この場合は購入するしかない。

出典:http://ascii.jp/elem/000/001/049/1049804/index-2.html

特に自作ユーザーは注意が必要だ。というのも、無償アップグレードのライセンスは、元のPCに対してのみ与えられるからだ。

 PCの構成(パーツ)を変更すると、別PCとみなされ、Windows 10がライセンス認証されていない状態になることがある。リテール版Windows 10の場合は別PCへの移行がライセンス的に認められているため、場合によってはライセンス窓口での電話認証が必要だが、継続利用できる。

 一方、無償アップグレード版についてはライセンスが元のPCに紐付けられており、構成変更が理由で認証が外れると、認証できなくなる。

出典:http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1005202.html

 これは、例えて言うと「購入したWin7や8のPKはそれとして使う場合はリテールライセンス(ユーザに付く)だが、Win10としてはOEMライセンス(特定ハードに付く)とみなす」ようなもの。「リテール権利買ったのにOEM権利にダウングレードされちゃうのか」という違和感がある。
 また、「タダじゃないなら要らない」と、認証されなくなったら元ライセンス(Win7など)に戻すケースが出てくるだろうから、Win10を普及させたい思惑と矛盾する。
 また、そもそもアップグレードは「WindowsUpdate」更新プログラムの位置づけ。ある期間が終了したら再インストール時に不可になる“更新”ってもの不可思議。

 さらに、MSサイトに電話認証について以下の記述がある。
 
無償で Windows 10 にアップグレードした後、ライセンス認証されていない状態になった場合は、次の手順を実行してみてください。
・・・
ハード ドライブやマザーボードの交換など、デバイスのハードウェアを大幅に変更した場合は、電話で Windows のライセンス認証を行えます。タスク バーに検索ボックスに「SLUI 04」と入力し、「SLUI 04」を選択してから、画面の指示に従って Windows のライセンス認証を行います。

出典:http://windows.microsoft.com/ja-jp/windows-10/activation-errors-windows-10

 「無償期間中は」といった限定はない。期間後もホントに「電話すればマザーボード変えても認証できる」とすると、つまりリテールライセンスの別PCへの移動と同じ扱いということであり、無償アップグレードによるWin10権利は「元ライセンス」に付いてることになる。つまり元PKがWin10のPKとして“も”使えるようになるということ。

 そもそも、当の“無償アップグレードしたWindows10”のライセンス条項に次のようにある。

b. スタンドアロン ソフトウェア。お客様は、本ソフトウェアをスタンドアロン ソフトウェアとして取得した場合 (およびスタンドアロン ソフトウェアとして取得したソフトウェアからアップグレードした場合)、お客様が所有する他のデバイスに本ソフトウェアを移管することができます。また、(i) お客様が本ソフトウェアの最初のライセンス ユーザーであり、また、(ii) 新しいユーザーが本ライセンス条項の条件に同意すれば、本ソフトウェアをそのユーザーが所有するデバイスに移管できます。お客様は、本ソフトウェアを移管するために、当社がお客様に作成を許可したバックアップ用の複製、または本ソフトウェアを収録したメディアを使用することができます。お客様が本ソフトウェアを新しいデバイスに移管する場合は必ず、本ソフトウェアを以前のデバイスからアンインストールしなければなりません。デバイス間でライセンスを共有する目的で本ソフトウェアを移管することはできません。
出典:「システム」の「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項を読む」

 上記は“無償インストールUSB”によるインストール時に合意した条項にもある。

 以上より、実はライセンス移動(移管)できる可能性あるのではと思える。ていうかダメだとは読めない。
 ので、手持ちライセンスはハードに拘らずとりあえず一度Win10化しておくことにした。

 無償期間終了後、上記847システムでWin10化済みのWin8PKを使って別システムにWin10インストールしてみるつもり。
 上記結果から、無償期間中に実施するとこれは認証される可能性が高く、その場合は無償ゆえ「別PCだがもう一度無償でUG(元PKは移動になるが電話認証免除)」したのか「元PKにライセンス付いてる」のか区別つかない。
 が、期間後なら前者の可能性はないので、認証されたら「ライセンスは元PKに付いてる」ことになる(元PKの移動確認は免除)。
 電話認証も含めて不可だった場合は「ライセンスはPK+特定ハードのみに付いてる」特殊な権利ということになる(ライセンス条項とは矛盾するが)。

 16/08/20追記:AnniversaryUpdateで「Activation Troubleshooter」なる機能が追加されたようだが、“それによって”権利移動できるようになったとすると、それは「便利機能追加」ではなく「ライセンス条件変更」。それは考えにくいので、やはり上記の通りもともと可能だったのではないか。

・無償期間終了後の挙動実験:システムストレージ移植
 本項16/08/20追記:Z68に、Win8PKでE-350にインストールしたSSD(SUPERTALENT製)をそのまま移植してみた。
 Homeでネット認証された。SSD以外はProで運用していたハードなのでE-350のライセンスであることは間違いない。このライセンスは847に移動済みのハズなのでもういちど移動したということになる。
 ただ、無償期間が終わっても何が終わったのか不明確であることや元々Win10(Proとしてだが)で認証実績のあるハードだったことから、「権利は移動できる」と完全には言い切れない。
 元のSSDに戻してもProで認証されたままを確認。

・無償期間終了後の挙動実験:PK不要で再インストール
 本項16/08/20追記:上記に続き、システムSSDをSUPERTALENT製SSDに交換、全解放して一旦電源を落としてから改めてクリーンインストール(インストールUSBは先の実験で使用した4GB)。Proを選択して「キーがありません」で進めたところ、Proでネット認証されて立ち上がった。
 確かに「認証実績のあるハードではPK不要」「システムストレージ変更くらいでは問題なし」ということ。
 元のSSDに戻してもProで認証されたままを確認。

 ところで、この「ハード構成を変えなければ再インストール時にPKは要らない」という仕様は問題あるのではないか。例えばストレージを空にしてOS権利は留保したつもりで譲渡した自作PCにもインストールできてしまい、それを不可にする方法がない。
 だから「MSアカウントと紐付け」するようにしたのかも知れないが、MSアカウントで使わない場合の解決策にならないし、プライバシー的にキモチワルイ。

・無償期間終了後の挙動実験:ライセンス移動
 本項16/09/04追記:AnniversaryUpdateでMSアカウントを使えば移動可能になったようなので、もうあまり意味はないかも知れないが「ライセンス移動できるか否か」を試してみた。無償期間終了から一ヶ月以上空けたのは、“不穏な延長”が終わるのを待ったため。それを確認する術はないがキリがないので決行。
 Win10に関わったことのないM/B(H67)とCPUと500GB-HDDとSFX電源に上記実験で使ったUSBからインストール(DIMMのみE-350にインストールした時に使ったもの)。PK入れずHomeを選択してローカルアカウントのまま簡易設定で。ネット接続状態だったので重要な更新はDLしていた。

 「1511 10586.104」がインストールされた後、Win8のPKを入れたところ「他のPCで使われている」と出た。
 無償期間中、E-350で認証済みPKを847システムに入れても認証されたが、無償期間だったからということか?
 無償期間終了後、E-350からZ68にシステムSSDだけ移植したケースでは認証されたが、これは“ハードウェア変更許容範囲内”だったということか?

 認証エラーの状態になると電話認証の案内が出る。電話すると自動応答で「AnniversaryUpdateではMSアカウントで~」という説明があった後、「Win7か8.1からのUpgradeか」と聴かれたのでYes。「エラー表示されたか」と聞かれたのでNoとした。
 インストールIDを6桁9セット入力。「IDを検索しています」と言われた後「Win7かWin8.1のPK入れればOK」というので、そういうステイタスに変更されたのかと思った次の瞬間「認証できない。オペレータと電話で話すか」と言ってきた。単なる実験なのでそこで終了。
 ということで「自動応答への入力は正しかったか」「Win8のPKだとダメなのか」などの不確定要素がありイマイチはっきりしないが、従来もサポートと会話すれば再認証手続きされたし、冒頭に「MSアカウントで管理できるようになってる」という解説が入るなど「無償UGした時のシステムでしか使わせない」対応ではなかったので、やはりそういう特殊ライセンスではなく移動可能なのではないか。
 なお、この後、Win8PKで認証させた847システムは認証状態であることを確認した。


■クリーンインストール備忘録

 めちゃくちゃ個人的な内容だが参考まで。

・高速スタートアップ
 この機能って、MS的には「主電源断しない」「シャットダウンした状態でハード構成変わらない」タブレットなど向けのつもりなのではないかと。
 デスクトップでPSUスイッチ切るなど主電源断運用する場合は無効にした方が無難かも。

・MSアカウント
 持っていても、インストールはローカルアカウントで行い紐付けは後でやった方がよい。でないと、

  ・ユーザフォルダ名が「メールアドレスの先っちょ」になってしまうのでキモチワルイ。直せるがメンドクサイ
  ・OneDriveがデフォルトのローカルフォルダに同期されるので、場所を変更したい場合はメンドクサイ
  ・「同期」の設定は見直した方がよいが、その猶予がなくなる

・ユーザフォルダ名
 ローカルユーザでインストールするとその名称になる。が、MSアカウントを使うと上述の通りに。
 後から変更する場合は、新たに「フォルダ名にしたい名前のローカルアカウント」を作成し、そちらにMSアカウントを紐付けし直す。すでに「先っちょフォルダ」内に必要なデータが入ってる場合は消さないように注意。
 ちなみに、ログインアカウントはMSアカウントからローカルアカウントに切り替えできるが、そのローカルユーザ名は“使用中になるようで、そこでターゲットのユーザ名を使ってしまうとその名前ではローカルアカウントを作れなくなる模様。

・ユーザフォルダ場所
 メインマシンではDドライブに変えているのでその処理。
 ドキュメントなどはプロパティで場所を設定すればよいが、ローカルOneDriveフォルダは変えられない。MSアカウント紐付けしちゃった後は、通知領域のアイコンから「リンク解除」して新フォルダパスを指定すればその下にOneDriveフォルダが生成され再度同期される。

・アプリ依存データ
 普通のデータは普通にコピーすればいいが、メールデータ(本文やアカウント設定)やIME辞書のような「アプリに組み込まれてるデータ」は原則バックアップ・レストアで復元する。
 JustSystemは本体アプリと別の管理ツールでやるコンセプトっぽい。≪ATOK辞書≫や≪Shuriken≫など。
 お気に入り(ブックマーク)も消さないよう注意。
 よく使うアプリのカスタマイズ設定も、そのまま引き継ぎたいならコンフィグファイルの在処やエクスポート・インポートできないかなどチェックしておくべき。

・アイコン
 関連づけがおかしくなった場合は、OS純正の方法では修正無理っぽいので≪Default Programs Editor≫などフリーのツールを。

・dllなど
 exeそのまま実行できるタイプのアプリでもdllなどを復元してやる必要がある場合あり。例えば≪Wavosaur≫で要求されるdllはVC++2010で入れる。

・Office2000 Standard
 インストール時にエラーが出るが無視したらインストール成功と表示された。SP3もOffice2007互換パックも入れられる。動作キビキビしてるし機能的不満もなし(ほぼExcelしか使ってないが)。
 問題は「Excelで、IMEの“詳細なテキストサービス”を無効にしないでかな漢変換でオートコンプリートすると落ちる」ことくらい。

・Office2003 Standard
 インストール時エラー出ず。もちろんネット認証OK。SP3もOffice2007互換パックも入った。Excelのオートコンプリート問題なし。
 Z68のデスクトップに続いてX220でも認証された。CDからコピーしたファイル(フォルダ)をネットワーク共有したドライブからインストールできた。

1.1 インストールおよび使用
(a) お客様は、本ソフトウェアのコピー 1 部をパーソナル コンピュータ等の1 台のデバイスにインストールして使用できます。
(b) お客様は、本ソフトウェアの 最初のコピーを主に使用する方が専用に使用する別の 1 台の携帯用デバイスに、本ソフトウェアの追加のコピー1部をインストールすることができます。

出典:インストール時に表示される使用許諾契約

   リボンじゃないし。

・タスクバーアイコン(ショートカット)の在処
 もういちどデスクトップに戻したくなった時などはここにある。
 C:\Users\***\AppData\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\User Pinned\TaskBar

・パスワードパス
 Windows8と同じく≪netplwiz.exe≫でパスワードパス可能。

・SATAドライバ
 「Microsoft標準AHCIドライバ」が存在してたらチップベンダ提供ドライバが入ってないということ。Z68マザーオンボのMarvellコントローラはこうなってた。


■LaVie ZをWindows10化する

 すいませんウソですホントはVersaProです(笑)。

 何故か以降「ですます」調になります。

 X220に続いてNECの「VersaPro UltraLite タイプVG」、PC-VK19SGHNE(*)をWin10化しました。
 いわゆる「LaVie Z(またはLaVie G タイプZ。NEC Directでの名称?)」のビジネスバージョン。LaVieならPC-LZ750HSに該当するモデルです。
 2012年7月発表の初代機。IvyBridge(第3世代Core i)世代。

*:http://www.bizpc.nec.co.jp/pcseek/catalog/versapro/201207/versapro_typeVG_201207.pdf

 NECは、Windows10アップグレードを2013年5月発表以降の機種しか対象にしていないので対象外。5月モデルはまだIvyBridgeですから、同じIntelプラットフォームなのに対象非対象があるのですが、理由は不明です。単にどっかで切らないとサポートが大変ってことですかね。

 ちなみにNECコンスーマ機種の型番ルールは、最初のMが世代(次はNになっている)、最後のSがカラーだと思います。真ん中は不明。Zシリーズ全部(ていうか他のもほとんど)Sだし。

 VersaProとしては13年5月発売機種が一番古いので、これが一番近いと仮定してアップデート検索すると以下の通り。
http://search.casnavi.nec.co.jp/download/pc/module/sabun/windows10upgrade/win10_index2.htm#201305_versapro

 LaVie ZとしてはPC-LZ750MSSが一番近い(Zシリーズの対象機種の中で一番古い)でしょうか。
http://121ware.com/psp/PA121/NECS_SUPPORT_SITE/CRM/s/WEBLIB_NECS_DID.PRODUCT_ID.FieldFormula.IScript_VDown_Id_Mod

 ツール類は共通じゃないかと思いますが、なんか微妙に違う?(詳細は調べてません)。

・クリーンインストールではなくアップグレードで
 X220は32→64bit化したかったことなどからクリーンインストールしました。
 が、こっちは仕事に使用中なので長時間のダウンタイムは許されないこと、システム入りストレージを抜いて入れ替えられないことなどから、Windows7 Pro SP1 64bitから上書き(環境引き継ぎ)アップグレードします。
 もちろん必須更新プログラムはすべて入れた状態。動かないと困るアプリ・ドライバはX220で動作確認済みです。

 インストールUSBを挿してOS上から≪setup.exe≫を起動。
 最初に「更新プログラムをダウンロードするか」聞いてくるのでYes(そのせいかインストール直後に10586.318になってました)。
 当然ながらPKは聞かれず、現エディションであるProにすると出てからスタート。途中数分止まったように見えることもあり1時間ほどかかりました。
 インストールUSBはハブ経由、ネット接続もハブに挿したUSB-LAN経由でしたが問題なく終了、認証されました。

 びっくりしてるデバイス類はありません。Gfxドライバだけ念のためIntelサイトから落として入れ替えましたが(X220と同じく8.1対応版ですけど)、そんなに古くなかった模様です。X220と異なり最初からディスプレイオーディオドライバも入りましたし。
 「Fn+」も一通り動きます。タッチパッドドライバも入ってました。
 ちなみにHDMIは1920x1200表示OKです。さらにちなみにCPU-Zによると4GBのメモリはシングルアクセス。ちぇ。

 もとMBRでUEFI領域なしの「回復パーティション(8GB:リカバリイメージ入り)」「プライマリパーティション107.24GB」「休止パーティション(4GB)」の3領域のBIOSブートシステムでしたが、Win10化後もGPTになったり回復パーティションが増えたりはしませんでした。

 MSアカウントへの勧誘などはなくWin7で使っていたローカルアカウントのまま。OneDriveはそのまま引き継がれています。そのMSアカウントとローカルアカウントが紐付けされてるハズなので、注意した方がよいかも知れません。

 独自にインストールしてあったソフトやドライバも今のところ問題ありません。
 Windows7の時は自動更新で入ったがハングしたIE11も動くようになりました(32bit,64bitとも)。
 ストアアプリのDVDプレーヤが入ってました。オマケですかね。

 危ない香りがする高速スタートアップは無効に。

 アップグレード後のファイル削除は以下の記事が参考になる。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1603/24/news035.html

・プリインストールソフト
 ビジネス用機種なのでプリインストールソフトはちょっとしかありません。
 それらexeファイルの日付など見てみましたが、アップグレード時にUpdateはされていない模様です。

・≪型番・製造番号表示ユーティリティ≫
 普通に動きます(って表示するだけですが)。

・≪ワイヤレスLANの設定≫
 普通に動きます(5GHzの有効無効を切り替えるだけですが)。

・≪ECOモード設定ツール≫
 起動します。これって、たくさん電源プランがプリセットしてあり、そこから選んだ3種類をFn+F4キーでトグルで切り替えられるってツールですねきっと。「Intel Rapid Start Technology」を使いたい場合はマジで調べた方がいいと思いますが、要らなければ普通に「バランス」とか選んでおけば問題ない(無関係になる)んじゃないかと。
 Win10対応版にするとショボくなるみたいですし。

※1 ご購入時に搭載されていた本アプリから以下の機能が変更されています。
・切替対象の電源プランが3モードから2モードになりました。
・各電源プランごとの詳細設定機能が削除されました。代わりにOSの電源オプションにて設定が可能です。

出典:http://search.casnavi.nec.co.jp/download/pc/module/sabun/windows10upgrade/win10_index2.htm#201305_versapro

・≪ピークシフト設定ツール≫
 起動します。ピークシフトしないので(オフィスで使ってるワケではないので)、ちゃんと動くかどうかは確認してません。

・≪バッテリ・リフレッシュ&診断ツール≫
 使う時はAC駆動しているので(使わない時はACアダプタへの給電もOFF)、少なくとも閾値設定は動いてほしいです。50%に設定してますが、「47%。充電していません」などと出るので(%値も変化するので)大丈夫っぽいです。

 上記VersaProサポートページにWin10対応版が上がってるツールやドライバがありますが、とりあえず問題なさそうなので当面このままにしてみようと思います。非サポートですから入れて問題出たら本末転倒ですので。


■miix2 8をWindows10化する

 miix2の記事にて。


■おまけ

・内蔵されるプロダクトキー
 認証に使ったPKとは違う。ていうか個別生成ではなく決まってる模様。

・とんでもなく起動が遅くなった時にしたこと
 暫くWindows10Pro(×したのにキャンセルになっておらず強制アップグレードされた)で使っていたZ68メインマシンでのこと。
 ある時から起動がめちゃくちゃ遅くなりました。真っ黒画面(壁紙出ず)にマウスカーソルだけが動く状態が数分続き、やっとデスクトップが出る状態に。ストレージにアクセスし続けてるとかネットワーク通信し続けてるような素振りはありません。ハードもソフトも直前に追加したものはなく、オンラインウィルススキャンしても問題なし。
 ≪msconfig≫で「診断スタートアップ」すると正常起動します。

 そこで、「スタートアップオプションを選択」で「システムサービスを読み込む」「スタートアップの項目を読み込む」のうち前者をハズすと正常起動。

 そこで、サービスをアルファベットソートし、A~Nまでを無効にして起動すると正常。
 同様に半分ずつ絞り込んでいったところ、Aの10個のうち前半5個を無効にしても正常、後半5個を無効にしても正常となった時点で「?」に。

 そこで、すべて有効にしてみたら正常起動するじゃないですか。
 暫く問題ありませんでしたが、翌日メイン電源断から立ち上げたら激遅に戻ってました。サービスをすべて無効にして起動→有効にして再起動で一時的には直るようですが、何が起きてるか不明です。

 これもあってWindows10クリーンインストール実験に突入した、と(苦笑)。

・USB初期化
 UEFIの起動高速化設定としてUSBイニシャライズを簡素化できたりしますが、Z68ではUSBメモリからブートできなくなりました。

・無償終了
 16/07/30追記。10:00現在、Win8.1update1のままにしてあるmiix2の白旗クリックしたら「無償キャンペーンは終了しました」と出た。ハワイ時間なんちゃらという話もあるが、“半強制アップグレード”は日本時間で終了した模様。


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中古ThinkPad X220を無償Windows10でドライブする

16/06/01初稿

 中古のThinkPad X220買いました。
 外に持ち出してタフモバイルするつもりはありませんが、ちょっとwebみたりデジタルコンテンツをテレビに映したりするための「宅内モバイルマシン」が1台欲しかったもので。

x220_hero_01 縮小
出典:http://www.lenovo.com/jp/media/thinkpad/picture/x220_hero_07.jpg(広報用写真。英語版ですね)

 真っ黒くて四角くくてカッコイイっす。
 
 改造やシステムアップなどについてはすでに先達の有益な情報がたくさんありますが、個人的備忘録しておこうと思います。

 そう言えば22年前にも“Xのない220”買ったなぁ。


■選択理由

・新品激安Atom系ノートを買うくらいの予算は仕方ないとして。

・普段はソファの上などに転がしといてサッと気軽に使うためには、外付けK/BやマウスはNG。検索語などのテキスト入力も快適にしたいですし、タッチパネルだとwebページのプルダウンがタッチクリックできないなどの問題もあるので、タブレットはダメです。
 タッチパッドで使いやすい機種ってほとんど無いと思いますし、いずれにしても(個人的には)TrackPointには敵わないので、ほぼThinkPad限定となり、この時点で中古狙いとなります。

・宅内モバイルとは言え1.5kgくらいまでじゃないと手軽さが激減しますので、候補はXシリーズに。
 どうせ中古ならと「7列&非アイソレーションキーボード」に拘ってみると、その最後の機種はX220ということで決定。FunctionキーがFunctionメインなのもうれしいところです。
 タフモバイルもヘビィな処理もしませんから、バッテリ駆動時間もCPU性能もSandyBridge世代で問題ありませんし、逆にSandyより前は避けたいところですのでいい落としどころかと。

・古いゆえにいいところもありますし。7列クラシックキーボードもそうですが、有線LANがアダプタじゃなくRJ45端子なところとか。

・Xシリーズはパーツや改造ノウハウの流通量が多いのでいろいろ遊べそうですし。

・今なら無償でWindows10化できますし。非対応ですけど。


■もろもろ

・4291-2XJ(*)でした。
 OSはカタログ仕様ではWindows7 Pro 64bitですけど買った個体は32bit版でした。BTOされてたということかな。
 Bluetooth(3.0世代)はBTOされておらず非搭載でした。液晶下のインジケータ有無で判ります。DIYでも追加できるようですね。

*:https://shopap.lenovo.com/ISS_Static/WW/ap/jp/ja/doc/pdf/2011/nb/x220_rm_0412.pdf

・BIOSなのかUEFIなのかは不明。
 「UEFIブートに対応している場合は強制GPTになる」というWindowsServer2012R2を入れたらGPTインストールされましたが、出たて当時フルUEFIじゃなくブートのみUEFI対応ってのもありましたよね。
 とりあえず本稿ではBIOSと表記します。
 ちなみに、実装されてないデバイス(指紋認証など)もEnableになってました。

・Expressカードスロットの下にあるスライドスイッチ、無線LANのON/OFFスイッチだったんですね。物理キーで切れるのは確かに安心感あります。

・K/Bに「戻る・進むキー」があるんですね。誤操作する危険もありますが、ショートカットではない一発キーなのは便利では。意地でも本体のみでUI完結させるぞって気概感じます(笑)。パームレストが微妙にスラントしてるのもいいですね。手のひら置きやすい。

・オーディオチップは「Conexant 20672」。再生は24192、録音は2496まで設定できます。
 ヘッドホン出力(正確にはヘッドセット端子)の音質、悪くないです。MDR-Z7やMDR-E888で聴いたところ特に違和感感じませんでした。


■ストレージSSD化

 SSD余らせてる人も多いのではないでしょうか。特にSATA3対応初期のヒットモデルCrucialの「Real SSD C300シリーズ」とか。
 かくいう私もその一人ですが、X220のHDDは厚み7mmタイプなので9.5mmのC300は使えないと思ってました。
 しかし、情報あさってたら、C300って実はスぺーサを外すと7mmに変形させるとことができると知りました。なんてこったい。

 試してみようとフタを開け、「保証シール剥がしてでもやるべきか」と考えながら眺めてたら、「そもそもケースに入れる必要ないんじゃないか?」と思いつきました。“SSD殻割りで基板のみ実装”です。実際やってみましたが動きました。もちろんそのままだとグラグラですが、タフモバイルするつもりもないので熱伝導ゴムなどを詰めておけば大丈夫では。
 結局は普通に7mmSSD採用しましたが、さすが“PC”、いろいろ弄れること(笑)。

 発売当時は「SATA3対応の7mmSSD」がほとんど無かったので純正SSDはSATA2だったんですね。でも、本体側は立派にSATA3対応でした。
 換装したCFD製「CSSD-S6T128NHG5Q」のベンチです。

SSDベンチ:環境設定直後CDM3

 上記はMBRですがGPTでも変わらないようです。

 ちなみに、トレイ使わなくても特に問題ないと思います。引き出し用ベロはあった方がいいと思いますが、SSDに直貼りした“ポストイット”でも引っ張り出せました。

 内部にmSATAスロットもあるそうです。こちらはSATA2とのことですが、OS入れればブートローダがどうこうとか気にせずデュアルOSマシンにしたりできるのではないかと思います。
 あ、元HDDのシステムを引っ越しておいてデュアルブートにすると便利かも知れませんね。ひと工夫必要かも知れませんが、20GBもないようですから32GB品でもいけるような気がします。InsiderPreview版用にするのもいいかも。


■メモリデュアルアクセス化

 標準搭載は4GBのHynix製「HNT351S6CFR8C-H9 NO AA 1150」1枚でした。
 容量的には問題ないと思いますが、デュアルアクセスにしたいんですよね。キモチの問題で(笑)。
 Gfx共用ということもあり、何もしなくても1.2~1.6GBくらい食ってるので激安狙って1+1=2GBではキツそうです。
 2+2でもいいのですが、新品でも中古でもデュアルセットのタマがない。あっても4+4に比べてC/Pが悪すぎ。ということで4+4を物色。

 今では1600の方が安かったりしますがナン千円もってワケじゃないなど、仕様を妥協しても激安にならなそうだったので「極力標準品の仕様に合わせる」コンセプトでいくことにしました。
 よって、LowVoltageのDDR3LではなくDDR3に。CL11の1600(PC3-12800)ではなくCL9の1333(PC3-10600)に。4Gなら標準搭載品と同じ両面16チップが鉄板かな。とするとそろそろ無くなりそう。
 4GB1枚増設という選択肢も無くはないですが、タマがなくなりつつためか2枚セットとの価格差は「違う型番のSO-DIMMでデュアル化」するリスクを取るレベルではないと判断。
 ということで、ARCHISS製4Gx2のデュアルセット「AS-1333D3N-4G-MJ(X2)」を購入。

 CPU-Zでデュアルチャンネルアクセスであることを確認しました。

メモリ

 SPD読むと「Manufacturer:STT」となってます。チップ刻印はSECですのでSAMSUNG製チップを使ったSUPERTALENT製モジュールということでしょう。


■セットアップ

 SSD化&メモリデュアル化でハードウェアの準備は整いました。
 いざ、Windows10 Pro 64bit(バージョン1511)をクリーンインストール。

・インストール&アクティベーション
 新しいSSDをメインマシンに投入し、それまで使ってたSSDを払い下げます。
 ≪ディスクの管理≫などでは削除できないパーティションがあるのでWindowsインストーラでそれらも削除し領域全解放。
 X220に入れて≪PartedMagic≫でSecureErace。
  ≪MediaCreationTool≫で64bit版インストールUSBを作成してブート。
 最初から有線LANに繋いで実施。試しに「プロダクトキーがありません」を選択。25分くらいでインストール完了。

 アクティベートされてませんでしたが、バッテリ裏のキー入れて認証したら何事もなく通りました。
 元OSはWindows7 Pro 32bitですので、無償アップグレードでも32bit→64bitの権利アリということですね。
 その後、「BIOSをUpdate」して「別SSDに入れ替え」て「メモリをデュアルからシングルに」して「別ユーザ名に」して「プロダクトキーがありません」でもう一度クリーンインストールしてみましたが、キーを入れることなく認証されました。SSDを戻しても問題ありません。GPTディスクにUEFIインストールもでき、やっぱりPKなしで認証。


 この個体、たぶん“無償Windows10バージン”だったってことですね。

・WinDVD代替え
 光学ドライブ無いのにプリインストールされてます。ウルトラベース用でしょうか。それはさておき、クリーンインストールしたWindows10にはDVDプレーヤ機能ありません。
 光学ドライブ付属の≪PowerDVD≫などが余ってる場合はそれを入れればよいでしょう。もしそういった手持ちがない場合はフリーの≪Leawo Blu-Ray Player≫入れればセルDVDのみならずセルBDも再生できます。アクセラレーションも効いてました。ただしセルBDは再生開始時にネット接続必要なようです。また、32,44.1,48kHzの16bitしか対応していないPanaのTVでは音出ませんでしたので、当該モードへの変換には非対応のようです(仕方ないでしょう(笑))。Ver1.9.2.4にて確認。

・純正アプリ
 元々導入されているLenovo製アプリもある程度再現できるみたいですが、私は特に使いたいモノがなかったのでやっていません。どうしてもって場合は元HDDに入れ替えて元システム立ち上げて使えばいいかなと。

・BIOSアップデート
 BIOSアップデートユーティリティはWindows8対応までしかありませんが、Windows10上で≪8duj27jp≫を実施しました。無事1.40→1.42(16/03/04版)になりました。


■問題解決

 さて、クリーンインストールしただけだとハードウェア的には以下の問題がありました。

  ・SDカードスロットドライバがない(その名前ではデバマネにも出てこない)
  ・デバイスマネージャで「基本システムデバイス」と「PCIシリアルポート」が「!」に
  ・いくつかの青Fn(F5やF8)やマイクミュートキーなどが効かない
  ・ディスプレイオーディオドライバがない(HDMIで音声が出ない)

 その解決方法を記しておきます。

・SDカードスロットドライバ
 ≪8axw02ww≫(一応Windows10対応になってた)を入れたら、びっくりしていた「基本システムデバイス」が消えてSDスロット使えるようになりました。

・PCIシリアルポート
 実装されていないデバイスをBIOSで無効にしても「!」は消えません。IntelAMT用のようですので、AMTドライバを入れてみます。が、バージョン≪k8amtc0us17≫では消えませんでした。≪7vr408wj(5.4.1.1016(15/06/02版))≫は最低条件を満たしていないと出てインストできませんでした。
 元OSのHDDのルート下を検索したらAMT(SOL)が入りました。でもUSBに不明なデバイスが増えちゃったような。元OSが32bitだからかな?
 「!」のままでも支障ないと思いますが、AMT機能をBIOSでDisableしちゃえば消えます。どうせ使わないので、下手にドライバ入れるよりいいんじゃないでしょうか。

・Fnやオンスクリーン機能
 「ホットキー機能統合ソフト」を入れる必要がありますが、Windows8以降対応バージョンではOSと被る機能がなくなっていたりします。
 以下、有効無効を○×で記します。前者が「ホットキー機能統合ソフト」を入れない状態、後者がそのWindows8以降対応バージョンを入れた状態です。

  ・OSD:輝度  × ×
  ・OSD:音量(ミュート)  × ×
  ・OSD:マイクミュート  × ○
  ・OSD:Caps Lock  × ○
  ・OSD:Num Lock  × ○
  ・OSD:マルチディスプレイ  × ○
  ・物理キー:音量  ○ ○
  ・物理キー:ミュート  ○ ○
  ・物理キー:マイクミュート  × ○
  ・物理キー:ThinkVantage  - -
  ・Fn+Space:拡大  × ○
  ・Fn+Play他  ○ ○
  ・Fn+F2:OSロック  × ○
  ・Fn+F3:省電力マネージャ呼び出し  - -
  ・Fn+F4:スリープ  ○ ○
  ・Fn+F5:無線LAN  × ×
  ・Fn+F6:web会議用カメラ&ヘッドセット設定  - -
  ・Fn+F7:マルチディスプレイ設定  * ○
  ・Fn+F8:TrackPoint&タッチパッド設定  × ×
  ・Fn+F12:ハイバネーション  ○ ○
  ・Fn+Home:輝度Up  ○ ○
  ・Fn+END:輝度Down  ○ ○
  ・Fn+PgUp:K/Bライト  ○ ○
  ・LED:天板バッテリアイコン:充電中点滅,バッテリ駆動中点灯  ○ ○
  ・LED:天板三日月アイコン:シャットダウン(ハイバネーション入り)中点滅,スリープ中点灯  ○ ○

*:本体液晶と外部をトグルで切り替え

 Fn+F3とFn+F6とThinkVantageは「アプリケーションラウンチャキー」と考えることにします。

 ≪8jvu23wj≫がWindows7まで対応バージョンのようです。途中「.Net Framework 3.5」を要求されるので指示通りインストールすると×は全て○になります。輝度や音量のOSDはOSのとふたつ出ることになりますので、好き好きですかね。
 Windows8以降対応の≪8jvu43ww≫を上書きすると≪オンスクリーン表示≫アプリのみバージョンアップします。

 導入されたディレクトリにある≪SETUP.EXE≫で同梱アプリのバージョン確認やインストール・削除などの操作できるようになります。≪オンスクリーン表示≫アプリのバージョン切り替えも可能です。
 ≪8jvu23wj≫はC:\DRIVERS\WIN\HOTKEYの下、≪8jvu43ww≫はC:\DRIVERS\HOTKEYの下がデフォルトインストールパスです。

ホットキー機能統合セットアップ

・グラフィックドライバとディスプレイオーディオドライバ
 Windows10クリーンインストール直後はディスプレイドライバ探しに行くので見つかるまでは1024x768表示。デバマネ情報では「15/05/27付 9.17.10.4229」が入りました。が、それだとディスプレイオーディオドライバは入らないようです
 Intelサイト「第 2 世代インテル® Core™ プロセッサー用インテル® HD グラフィックス 3000(*)」で物色し、Windows8 64bit用を入れたら出現。デバマネ情報では「15/05/26付 9.17.10.4229」。Intelサイト情報では「ファイル名Win64_152824、バージョン15.28.24.64.4229」です。

*:http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/graphics-drivers/intel-hd-graphics-3000-for-2nd-generation-intel-core-processors.html

 サイトにWindows10用はありません。あるのは8.1までです。IntelとしてはSandyBridgeはWindows10非対応ということですね(*)。なのでX220も対応から落ちたと。
 何故か8.1用は32bit版だけで64bit版が見当たりませんが、上記8用64bitのReadmeには次のようにあるのでMiracast以外は大丈夫のようです。

Installation Readme

Release Version: Production Version

Package: 508618

Intel(R) Graphics Driver: 9.17.10.4229
Intel(R) Display Audio Driver: 6.14.0.3097

Release Date: May 26, 2015

Operating System(s):

Microsoft Windows* 8.1 64bit++
Microsoft Windows* 8 64bit
Microsoft Windows* 7 64bit
++ Note: WDDM 1.3 features such as Miracast are not supported for these processors.
Supports Intel(R) HD graphics on:
2nd generation Intel(R) Core(TM) i3 processor
2nd generation Intel(R) Core(TM) i5 processor
2nd generation Intel(R) Core(TM) i5 vPro(TM) processor
2nd generation Intel(R) Core(TM) i7 processor
2nd generation Intel(R) Core(TM) i7 vPro(TM) processor
Intel(R) Pentium(R) Processor 900/B900/G600/G800 Series
Intel(R) Celeron(R) Processor 700/800/B700/B800/G400/G500 Series

出典:https://downloadmirror.intel.com/24971/eng/Installation_Readme64.txt

*:http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/processors/000006105.html


■DisplayPortのHDMI変換

 当然ながら、DisplayPortは2560x1600も出画できます(3008WFPで確認)。それは確かに凄いんですが、HDMI変換できないと普段使いの役に立ちません。
 それがX220一番の懸念事項だったのですが、手持ちのN/Bパッシブケーブルで変換できました。1920x1200もOK。HDCPもOK(セルBD再生できました)。
 ですが、音声出力先が「再生デバイス」に出てきません。元のWindows7でもダメです。
 仕方ないので、X220で音声出たという情報があった変換ケーブルを調達。



 PanasonicのTVとYAMAHAのDSP-Z7で試したところ、どちらも出力先に現れ音声出ました。
 AVアンプDSP-Z7の方はちゃんとハイレゾマルチ対応になってます。スクロールで隠れているコーデックはありません。相変わらずあるはずのAACが出てきませんけれど(苦笑)。
 何故かHDCP非サポートになってますが、BD再生で画も音も出ます。

DSP-Z7サポート形式

 理由はヨクワカリマセンが、ケーブル(アダプタ)によって確かに違うようです。


■バッテリ

 4セル・6セル・9セルがあります。中古ではどれが付属してるか様々です。
 4セル以外は高さ・奥行きともに“はみ出ます”。本体後側ゴム足は浮くことに。スタイル重視なら4セルですかね。
 それぞれ191g、322g、489gとのこと(*)。
 4セルだけやたら軽いですし駆動時間も6セルの半分以下みたいですから、違いは単純なセル数だけではなさそうですね。
 それらを搭載した本体(SSDモデル)の重さは1342g、1473g、1639g。HDDより50gほど軽いようです。

*:http://thehikaku.net/pc/lenovo/ThinkPad-X220-2.html

 ちなみに、≪LenovoBattery≫でバッテリがリコール対象かェックできます。

 以下条件の≪BBench 1.01≫で計測した6セルバッテリ駆動時間はほぼ6時間でした(公称8.9時間)。サイクルカウント187でしたのでそれなりに使われてますが、激劣化してもいないと思います(診断結果は“良好”)。

  ・キーストローク(10sec)、Web巡回(60sec)とも有効、ブラウザはIE11(64bit)指定
  ・Windows10 Pro 64bit 常駐するようなアプリは未導入
  ・OS設定バランス
  ・ディスプレイ輝度最低
  ・無線LAN有効(11aでネット接続)
  ・BT非搭載
  ・有線LAN未接続
  ・SSD化&メモリデュアル化後

 体感でも30~40分で10%減、というカンジです。
 ほぼ同じ条件で、3+3セルの最新X260は12時間以上らしいですね(*)。

*:http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/nishikawa/20160331_750692.html

 ちなみにC++ランタイム、インストーラを使うとSystem32の下にコピーされますが、手動でSystemの下に入れないと動きませんでした。


■ドライバ

 以下ドライバ在処です(16/05/16現在)。アップデートされると同じURLでも新バージョンに置き換わるらしいです。参考までにX220用以外も記録。同じものでも別URLがあったりするのは、バリデーション済み・未の問題?

・TrackPoint関連
「Synaptics ThinkPad UltraNav ドライバー (Windows 10 32bit, 64bit) - ThinkPad」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds103454
⇒X220アリ
 9.0.17.27 15/09/07 n1cgx16w

 ドライバは「15/07/24付け9.0.17.2」が自動で入りましたけどインストール直後はセンターボタンが動きませんでした。再起動したら効きました。

・SDカードリーダ
「Ricoh メディア カードリーダー ドライバー (Windows 10 32bit, 64bit/ 8 32bit,64bit) - ThinkPad」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds032126
⇒X220アリ
 2.22.18.01 15/06/08 8axw02ww

「Ricoh メディア カード リーダー ドライバー (Windows 10 32bit, 64bit/ 8.1 32bit, 64bit) - ThinkPad」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds038445
⇒X230以降アリ
 2.25.18.01 14/03/25 g1s902ww.exe

・オーディオドライバ
「Conexant オーディオ ソフトウェア (Windows 10 32bit, 64bit/ 8 32bit,64bit) - ThinkPad」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds032124
⇒X220アリ
 8.32.43.0 12/10/12 8aax04ww.exe

 IN-BOXドライバでも動くようですけれど。

・ホットキー機能統合
 7まで対応の≪8jvu23wj≫は直downloadサイトにしか無いようです。

「ホットキー機能統合 (Windows 8/ 7/ Vista/ XP/ 2000) - ThinkPad」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds014985
⇒X220アリ
 3.89.0100 15/06/01 8jvu43ww.exe

「ホットキー機能統合 (Windows 10 32bit, 64bit/ 8.1 32bit, 64bit) - ThinkPad」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds029026
⇒X230以降アリ
 8.80.10 16/04/15 r09vu09w.exe

「ホットキー機能統合 (Windows 8/ 7/ Vista/ XP/ 2000) - ThinkPad」
https://support.lenovo.com/jp/ja/olddownloads/ds014985
⇒X220アリ
 3.89.0100 14/12/23 8jvu43ww.exe

「ホットキー機能統合 (Windows 7 32bit, 64bit) - ThinkPad」
https://support.lenovo.com/jp/ja/olddownloads/ds101334
⇒X230以降アリ
 8.80.10 16/04/15 r09vu09w.exe

「ホットキー機能統合 (Windows 10 32bit, 64bit/ 8.1 64bit/ 8 64bit/ 7 32bit, 64bit) - ノートブック」
https://support.lenovo.com/jp/ja/olddownloads/ds031814
⇒X2**シリーズなし(X1もなし)
 8.80.10 16/04/12 r09vu09w.exe

・省電力マネージャー
「省電力マネージャー」
http://www.lenovo.com/jp/tvt/pm.shtml
 Win8からは「Lenovo Setting(*)」に統合された「Power」なるアプリに機能移管されました。個人ユースで使いたいのはバッテリ充電容量コントロール(閾値設定)くらいだと思いますが、ピンポイントでそれがなくなってます。
 ざっくり50%くらい充電しておいて、ACアダプタ運用する時は外しておきますかね。

*:http://www.lenovo.com/jp/tvt/setting.html

「省電力マネージャー (Windows 7 32bit, 64bit/ Vista 32bit, 64bit) - ノートブック」
https://support.lenovo.com/jp/ja/olddownloads/ds014924
⇒X2**シリーズアリ
 6.68.1 16/04/21 n1au410w.exe

「Lenovo Settings Dependency パッケージ (Windows 8.1 32bit, 64bit/ 8 32bit, 64bit) - ノートブック」
http://support.lenovo.com/jp/ja/downloads/ds031946
⇒X220アリ
 2.4.0.21 16/04/21 n1asd21w.exe

 試しに入れてみたけどどこにもアイコンなし。Windows10ではストアプリ使えってことかな。


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デジタルフィルタはサンプリング定理をいかほどに具現しているか

16/05/04初稿

 PCMオーディオはサンプリング定理に基づいて音楽データを製作・再生しています。
 定理上は“ある種の可逆圧縮”とも言える仕組みで、「PCMデータを製作(離散化して圧縮)」→「リコンストラクションフィルタで復元して再生」するワケですが、フィルタによる“リアルサンプル”への復元精度はどれほどなのでしょうか。

 よく「ハイレゾのメリットは20kHz以上の成分があることではなく20kHz以下の波形再現性を上げるもの」という説明がありますが、そもそも定理上は「ナイキストの2倍より高い周期でサンプリングすれば“完全に再現可能”=リコンストラクションで復元可能」なのですから、20kHz以下にリアルサンプルを増やす意味はないハズです。
 ですから、説明は“現実的には定理との乖離は大きく、「リコンストラクションでの復元サンプル」と「リアルサンプル」との誤差は音質上無視できないほど大きい=だからハイサンプリングに意味がある”と言ってることになります。

 本当かどうか確かめてみたくなりました。


 Over Sampling Digital FilterはOSDFと略します。


■準備

 ところで、“原音”はそもそもAD段階でLPFかかっていますし、CDなどでは製作最終段階でダウンサンプリング(ビット深度縮小)されているのが一般的でしょう。
 ですので、「製作段階でCDフォーマットにダウンしたデータから、ダウン前のデータを再生側処理でどこまで復元できるか」を見ることになります。

 製作時にどのような作業されているのかは一定ではないでしょうし特定もできませんので、「2496で作成され1644(CD)にダウンサンプリングされている」と仮定します。

 再生装置では、そのデータを24bitや32bitの精度でリコンストラクション(一般的にはDACチップ内蔵の8倍OSDF(*))するワケです。

*:正確にはOSDFはプリフィルタで、アナログのポストフィルタも含めて“リコンストラクションフィルタ”です。

 DACチップがOSDFしたデジタルデータを得る術はありませんし、DACチップに入れる前にPCでやることもできますから、今回はPCによる2倍アップサンプリングでシミュレーションとし、2496に戻したデータがダウン前の2496データにどこまで近づけるかを調べてみます。

 CDは44.1kHzですが、製作時は48kHz系でしょうから、今回は非整数倍サンプルレート変換の影響を排するためダウンした状態も48kHzで代用します。つまり、意識すべきナイキスト周波数は24kHzとなります。
 対象波形は「440Hz/-6dBのサイン波」としました。この単独波形の2496データが復元すべきデータとなりますが、LPF処理の影響を見るため、次の24kHz以上の成分を付加します。いつもの通り≪WaveGene 1.50≫にて生成。
 付加したのは「30kHz/-12dB,35kHz/-24dB,40kHz/-48dBのサイン波」です。これらは48kHz化した時にカットされるべき成分ということです。

 4つの周波数成分を含むデータはこんな波形になりました。
 “再現すべきターゲット波形”である440Hzをグレーにして重ねてあります。

440Hz 24964成分

 最大レベルは-1.76dBでしたのでフィルタ処理でサチることはないでしょう。

 スペクトルは次の通りです。

440Hz 2496 4成分:周波数

 この「24kHz以下1成分+24kHz以上3成分」のデータから、CD化を通して「24kHz以下1成分」だけをどれだけ忠実に復元できるか、を見ることになります。

 製作側ダウンサンプリングと再生側リコンストラクション=アップサンプリングは、≪foobar2000 1.3.8≫のResampler-V(SoX) 2.1をデフォルト設定で使います。

  ・PassBand:91.3%
  ・StopBand:100.0%
  ・Attenuation:-198dB
  ・Phase Response:Linear

 ファイルはConvert機能で得ています。


■16bitソースの再現性

 さて、CDメディア(からリッピングしたデータ)は、メディア製作段階で周波数のダウンと同時に16bitにビット深度縮小されたものです。
 一方、再生側でのリコンストラクション処理精度は、PCでアップサンプリングする場合は

 「32bitFloatで処理」→「24bitまたは32bitFixedでDACチップへI/F」→「24bitまたは32bitFixed(以上)でDAC内部処理」

が一般的でしょう。
 ですので、シミュレーションとしては、2496→1648されたデータを“ビット深度拡張して処理”した場合を見るのが現実的と言えます。
 そこで、仮にリコンストラクションの精度は24bitとしてシミュレーションしてみます。

 ビット深度変更はConvert機能のビット深度設定で行いました。24→16bit時には“17bitめ”は四捨五入されるようです。
 なお、実際の24bit→16bit化ではディザ(ビットマッピング)処理などされていると思いますが、本稿の主旨とは無関係だと思いますので無視します。

・製作時ダウンサンプリング&ビット深度縮小:2496→1648
 まずはソース製作側のシミュレーションです。
 この時点での周波数成分は以下の通りです。1648ネイティブで生成した440Hz/-6dBでもニアリーになりますので、24kHz以上の成分をカットしたことによる明らかな影響(440Hz以外の周波数が出現するなど)は見られません。
 プロ用ツールがこれより劣ることはないでしょう。

440Hz 2496→1648

 波形は、スペクトルを見ても判る通り普通に440Hz/-6dBのサイン波になりましたので省略。
 再生側ではこの“24kHz以上をカットしたデータ”をリコンストラクションすることになります。

・再生時リコンストラクション:1648→2496
 まず周波数成分を見てみます。波形は普通に440Hz/-6dBのサイン波になりましたので省略。

440Hz 1648→2496

 元ナイキスト(24kHz)以下の状況はほぼ変わっていないと思います(周波数レンジはソースの2倍)。
 元ナイキスト以上のイメージングノイズ領域はキレイに消えてると言っていいでしょう。

 ということでいよいよ本題です。この「ダウンサンプリング&ビット深度縮小→リコンストラクションによって復元」された2496データの精度はどれくらいでしょうか。≪WaveGene 1.50≫で24kHz以上の3成分をOFFして生成した“ネイティブ440Hz/-6dB”ファイル(2496)と比較してみます。
 ふたつを反転ミックスして「復元誤差(製作時のダウン処理誤差も含む)」のファイルを作って見てみます。使い慣れた≪SoundEngine Free 5.02≫で処理。

 その波形は以下の通り。≪Wavosaur x64 1.1.0.0≫で最大拡大です。

440Hz 2496→1648→2496

 誤差成分の最大値は-93.04dBでした(冒頭末尾はLinearフィルタ参照サンプルが無くなることによる異常値になるのでカットしての値)。
 16bitの量子化精度は0は-∞、±1は-90dBですから、それ以上の精度で復元できていることになります。

 ちなみにこのファイルは聞こえませんでした。SB-DM-PHD経由HD700を≪foobar2000 1.3.8≫の排他WASAPI音量最大で鳴らして。

 なお、再2496化のAttenuationを最低の-96dBに設定すると-93.13dBになりました。逆に良くなってる?


■すべて24bitの場合の再現性

 製作過程でビット深度縮小しないなら、した場合より精度が上がるのは必然です。
 つまりハイビットハイレゾの効果はいかほどか見てみます。

 2496→2448→2496の反転ミックス結果をバイナリエディタで見ると±1(000001hとFFFFFEh)しか発生していませんでした。
 つまり、すべて24bitなら24bitの演算誤差レベルの精度でサンプルを復元していると言うことになります。

 なお、Attenuation性能を最低の-96dBしても誤差は±1です。16bitとは結果異なるようです。

 ちなみに、2496→1648→1696処理すると16bit演算誤差精度になります。


■ナイキスト近くではどうか

・19kHz
 440Hzでは甘いのかも知れません。もっとナイキストに近い19kHz/-6dBではどうでしょう? 上記の440Hzを19kHzに差し替えて同じことをやってみました。
 途中16bitに落とした場合の反転ミックス波形を示します。

2496→1648→2496 19kHz

 誤差は-96dB以下のレベルに収まっています。このファイルは聞こえませんでした。

 ずっと24bit処理だと±1の誤差しか発生しませんでした。もちろん聞こえません。
 つまり、24bitならナイキストに近くても復元誤差は変わらないということですね。

 Attenuationを-96dB設定すると、16bitを挟むと-96.47dBが-96.61dB。ずっと24bitなら-138.47dBが-116.89dBに。ナイキスト近くになると24bitでも精度悪化するようです。16bitを復元する場合はAttenuationは欲張らない方がいいのかも知れませんね。
 CDリッピングファイルの場合は性能を下げ、24bit以上の場合は欲張った方がいいというちょっとメンドクサイ結果に。まあ、良くなるのは何か演算の相性のようなものかも知れませんけれど、「どうせソースが16bit精度なんだから-198dBとかにしても無駄」と言われればそうかも知れません。

・20kHz
 さらに、試しに20kHzでもやってみました。

2496→1648→2496 20kHz

 やはり-96dB以下の誤差しか発生していません。
 が、このファイルはヘッドホンを耳に押し当てるようにすると微かに聞こえてしまいます。ただ、楽曲はマトモに聴けない大音量ですし、そもそも20kHzは倍音領域ですから-6dBなんて成分は普通はないでしょうけれど。
 ずっと24bitなら±1誤差でした。

 「ナイキストに近いとどうなるか」を見ようと思ったのですが、440kHzと19kHzや20kHzで誤差成分の大きさや聞こえ方が異なる理由は、周波数の違いとは言い切れません。「カットすべきナイキスト以上の高域周波数成分」との“相性”の可能性もあるような気がします。例えば20,30,35,40kHzとキレイに揃っている場合、誤差分に可聴域の疑似周波数が出現してしまうのかも知れません。

 いずれにしても、24bitなら誤差は±1でしたから差はありません。つまり、誤差分が可聴域に入ってくる場合があるのは、「サンプリングレートが48kHzだから」ではなく「ビット深度が16bitだから」ということになります。

 結構オモシロイ結果になった気がします。


■デジタルフィルタの性能

 途中を16bitに落とした場合、再生時にビット深度拡張して処理すれば16bit以上の精度でリコンストラクションできるようです。

 24bitのままの場合、再現誤差は24bitの演算精度レベルに収まるようです。

 つまり、「製作時のダウンサンプリング&ビット深度縮小」も「再生時のリコンストラクション」も、量子化誤差精度でできるようです。
 しかもコンスーマレベル(ていうかフリーソフト)でも、です(笑)。実のところ、ここまで復元できるとは思ってませんでした。

 ということで、ハイサンプリングについては、20kHz以下の領域のリコンストラクションによるサンプル再現性はかなり高い(*)ので、「リアルサンプルである効果はあまりないのでは」「少なくとも「ハイレゾフォーマットの効果」として喧伝するレベルではないのでは」と思えます。

*:パッケージ化するときに16bitに落としても16bit以上、ずっと24bitなら24bit精度

 一方、24bit精度はリコンストラクション処理にもそのまま活かされるようですので、ハイビットには意味があると言えそうです(実際に聴いて差があるかは別として)。


 以上は「Resampler-Vでのシミュレーション結果として」です。DACチップ内蔵OSDFの当該精度は判りません。手がかりがあるとしたらデジタルフィルタのAttenuationスペックくらいでしょうか(PCM1795は-98dB、PCM1792Aは-130dB、AK4490は-100dB)。

 ですが、PCでのアップサンプリングも充分現実的ですので、その結果の評価も意味あるでしょう。
 その復元サンプルの精度は「わりとイケてる」と思うことにしました。単純なサイン波での結果ですのであくまでも“ざっくりした感触として”ですけれど。
 具体的には、
「ハイビットは意味ありそう(16bitの誤差は無視しきれないかも)」
「ハイビットであればデジタルフィルタによる20kHz以下の再現性は高いので、ハイサンプリングによるメリットはやっぱり20kHz以上の成分があることしかない(けど、聴きわけられない気がする)」
ってカンジです。

 じわじわ「ハイビットファン」になってる自分がいます(笑)。

 以上、もちろん「個人的には」ということで。


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